川崎市でフリースクールを探すとき、悩ましいのは市の形です。川崎市は川崎駅のある臨海部から新百合ヶ丘のある内陸部まで、7つの区が細長く連なる150万人都市で、同じ市内でも端から端まで電車で30分以上かかります。
「川崎市 フリースクール」で検索しても、自宅から通える範囲の施設がどれなのか分かりにくいのではないでしょうか。
この記事では、川崎市内のフリースクールのうち、公式サイトで実在と内容を確認できた7施設を区ごとに紹介します。順位づけはしません。あわせて、川崎市の補助金の最新状況(2026年9月時点)と、無料で使える市の支援もまとめました。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
川崎市のフリースクールの状況
川崎市教育委員会の調査では、令和6年度の市立小・中学校の不登校児童生徒数は小学校1,579人・中学校1,872人の合計3,451人で、前年度から190人増えました。
中学校では1,000人あたり62.4人、およそ16人に1人の割合です(出典: 川崎市教育委員会「令和6年度 川崎市立小・中学校における児童生徒の問題行動・不登校等の調査結果」令和7年10月29日公表[1] )。
川崎市の特徴は、市教育委員会が公式ページでフリースクール等を紹介していることです。公設民営の「フリースペースえん」と民設民営の「こどもサポート宮ノ下」が市のページに掲載されているほか、神奈川県学校・フリースクール等連携協議会の加入団体を探せる案内も載っています。
公的な居場所としては、教育支援センターにあたる「ゆうゆう広場」が市内6か所(みゆき・さいわい・なかはら・たかつ・たま・あさお)にあり、市内に住むか市内の学校に通う小中学生が利用できます。
令和8年度からは家庭訪問やICTを使ったアウトリーチ支援も始まり、小中学校28校には専任スタッフのいる校内教育支援センターが整備されるなど、市の不登校支援は動きが活発です。
補助金の状況(2026年9月時点)
正直にお伝えすると、川崎市には保護者向けのフリースクール利用料補助はまだありません。
神奈川県は2025年度から、フリースクールに通う子の保護者を支援する市町村に県が補助する「フリースクール等利用児童・生徒支援事業費補助」を始めており、相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町が実施していますが、川崎市はこの事業に参加していません(出典: フリースクール等利用児童・生徒支援事業費補助の公式ページ )。
一方で、お金のかからない選択肢はあります。後ほど紹介する公設民営の「フリースペースえん」は利用料がかからず、公的な「ゆうゆう広場」も市内6か所にあります。
フリースクールの利用料が負担に感じる場合は、こうした無料の場所から始めるのもひとつの方法です。制度は年度で変わるため、最新情報は市の公式ページでご確認ください。
神奈川県全体の施設や、補助金を実施している市町村の詳細は、こちらの記事にまとめています。
>>神奈川県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
フリースクールでも出席扱いになりうる
フリースクールでの学びは、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになりえます。文部科学省が通知で示している全国共通の仕組みで、校長の判断により認められます(出典: フリースクールでも出席扱いになりうる )。
要件や学校への相談のしかたは、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
まだ外に出るのが難しい、近くに通える場所がないという方へ
川崎市の施設は川崎駅周辺と溝の口周辺に集まっていて、幸区・多摩区・麻生区には通いやすい民間フリースクールが少ないのが実情です。
細長い市なので、市内の施設より東京都や横浜市の施設のほうが近いお住まいもあります。また、そもそも今は家から出るエネルギーがたまっていない時期のお子さんもいます。どれも、ご家庭の努力不足ではありません。
そういうときの選択肢として、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が一人ひとりに伴走し、自宅から自分のペースで学べます。
2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきました。一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる仕組みも整っています。
学習AIがヒントを出しながら一緒に考えてくれて、学習以外に使えないフィルタリング設定があるので、ゲームや動画が気になるご家庭でも安心です。
川崎市のフリースクール(区別)
区ごとに紹介します。順位をつけたものではありません。いずれも公式サイトで内容を確認できた施設です。新設や移転で情報が変わることがあるため、見学や利用の前に必ず各施設の公式サイトと問い合わせで最新情報をご確認ください。また、川崎以外で通えるフリースクールも紹介しています。
川崎区
フリースクール YUME school 川崎ラ チッタデッラ校
運営: 一般社団法人YUME
所在地: 川崎区小川町4-1 ラ チッタデッラ内マッジョーレ2F
対象年齢: 小学生〜高校生
料金: 月額30,000円(週1回)〜55,000円(週5回)
川崎駅近くの商業施設ラ チッタデッラの中にあるフリースクールです。登校時間や回数に決まりがなく、子どもの「好き」や興味から学びを始めるスタイルで、個別学習や発達特性、進路のサポートもあります。
フリースクール YUME school 川崎ラ チッタデッラ校の公式サイト
トライ式中等部 川崎キャンパス
運営: 株式会社トライグループ
所在地: 川崎区駅前本町15-5 十五番館6F
対象年齢: 中学1年生〜中学3年生
料金: 要お問い合わせ
JR川崎駅東口から徒歩5分のキャンパスです。マンツーマン指導が特徴で、通学型・在宅型・オンライン型から通い方を選べます。市内には武蔵小杉キャンパス(中原区)と新百合ヶ丘キャンパス(麻生区)もあります。
フリースクール YUME school 川崎ラ チッタデッラ校の公式サイト
中原区
小さなおうちの学校
運営: 要お問い合わせ
所在地: 中原区新丸子東2-898-6
対象年齢: 小学生・中学生
料金: 要お問い合わせ
新丸子駅から徒歩3分、武蔵小杉からも歩ける自宅型の少人数フリースクールです。1日の定員が数名という小さな規模で、HSCフレンドリーを掲げ、対話を大切にした運営がされています。人の多い場所が苦手なお子さんに合いやすい環境です。
高津区
フリースペースえん
運営: 認定NPO法人フリースペースたまりば(川崎市との公設民営)
所在地: 高津区下作延5-30-1 川崎市子ども夢パーク内
対象年齢: 学校や家庭に居場所を見いだせない子ども・若者
料金: 無料(要事前登録)
川崎市子ども夢パークの中にある、市と認定NPO法人が協働で運営する公設民営のフリースペースです。カリキュラムはなく、その日の過ごし方を子ども自身が決めます。利用料がかからない貴重な選択肢ですが、希望者が多く、2026年度から新規登録は抽選制になっています。
こどもサポート宮ノ下
運営: 認定特定非営利活動法人教育活動総合サポートセンター
所在地: 高津区下作延5-11-8 サニーテラスナカイ1階
対象年齢: 小学生〜高校生
料金: 月額3,000円(協力金)
元教員を中心とした約40名の支援員が、週2回程度の学習支援と居場所づくりを行っています。学ぶ科目を子ども自身が選べて、通所日数を在籍校に報告する連携もあり、月3,000円の協力金だけで利用できる点も特徴です。川崎市教育委員会の公式ページでも紹介されています。
クラーク国際中等部 川崎キャンパス
運営: 要お問い合わせ(クラーク記念国際高等学校と教育連携)
所在地: 高津区溝口3-25-10
対象年齢: 小学6年生〜中学3年生
料金: 要お問い合わせ
溝の口駅・高津駅から徒歩約10分、クラーク記念国際高等学校の建物内で学ぶ中等部です。在籍中学に籍を置いたまま通え、オンライン中心と通学中心の2つのコースから選べます。
宮前区
イーキュースクール
運営: 株式会社SCOPS
所在地: 宮前区宮崎2-9-15 アーバンコート宮崎台1F
対象年齢: 小学生
料金: 要お問い合わせ
EQ(感情知能)教育に特化した施設のフリースクールプランです。平日午前中に開校しており、感情マネジメントや対人関係の力を育むプログラムを、保育・福祉の有資格スタッフがサポートします。
明光フリースクール 大岡山校
明光フリースクール 大岡山校
運営: 株式会社明光みらい
所在地: 大田区北千束1-51-6 サンルミナス2F
対象年齢: 不登校の小中学生
料金: 週1回20,000円から
明光義塾がつくる小中学生対象のフリースクール。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営が特徴です。プログラミングやeスポーツといった新しい学び、体験ができる子どもたちの居場所です。
東京の教室ですが、最寄駅の大岡山は東急目黒線で武蔵小杉から乗り換えなしで行けるため、川崎市の中原区・高津区あたりからも通いやすい場所です。
なお、この記事を掲載しているメディアは明光フリースクールが運営しています。自社の施設なので詳しく書けている部分がありますが、順位づけの意図はありません。校舎の詳細や見学の申し込みは校舎ページからどうぞ。
公式サイト: 明光フリースクール
掲載していない区について
川崎市は7区ありますが、幸区・多摩区・麻生区では、公式サイトで内容を確認できる通所型の民間フリースクールが見つかりませんでした(麻生区にはトライ式中等部の新百合ヶ丘キャンパスがあります)。
幸区からは川崎駅周辺や武蔵小杉の施設が、多摩区・麻生区からは登戸・新百合ヶ丘経由で市内外の施設が通いやすい位置にあります。
また、公的な選択肢として「ゆうゆう広場」が市内6か所にあり、幸区・多摩区・麻生区にも設置されています。在籍校や川崎市教育委員会の教育相談を通じて利用の相談ができます。
掲載のない地域にお住まいの場合も、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」なら地域を問わず自宅から利用できます。
ネットの先生(担任)が伴走し、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになった実績も多数あります。
2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
クラスジャパン小中学園
まとめ 合うかどうかで選んでいい
フリースクールに優劣はありません。あるのは、お子さんに合うか合わないかだけです。無料のフリースペースえんとマンツーマンのトライ式では、同じ「フリースクール」でも中身がまったく違います。見学や体験をしてから決めていいですし、複数の施設を並行して検討してもかまいません。
今日できる一歩をひとつ挙げるなら、気になった施設をひとつ選んで、公式サイトから見学や相談の連絡をしてみてください。お子さんがまだ乗り気でなければ、まず保護者の方だけで話を聞きに行く形でも大丈夫です。多くの施設が親だけの相談を受け付けています。
どこに相談すればいいか迷ったら、神奈川県の相談窓口をまとめたこちらの記事も参考になります。
>>神奈川県の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
川崎市にフリースクールはいくつありますか?
この記事では、公式サイトで実在と内容を確認できた7施設を紹介しています。川崎駅周辺(川崎区)と溝の口周辺(高津区)に比較的多く、市教育委員会の公式ページでもフリースペースえんとこどもサポート宮ノ下が紹介されています。
このほか神奈川県学校・フリースクール等連携協議会の加入団体を案内サイトで探すこともできます。
川崎市でフリースクール利用料の補助金はありますか?
2026年9月時点で、川崎市には保護者向けのフリースクール利用料補助はありません。
神奈川県の補助事業も相模原市・鎌倉市・海老名市・藤沢市・葉山町・二宮町の6市町での実施にとどまり、川崎市は参加していません。
代わりに、利用料のかからない公設民営のフリースペースえんや、市内6か所のゆうゆう広場があります。最新情報は市の公式ページでご確認ください。
フリースクールに通うと学校の出席扱いになりますか?
一定の要件を満たせば、在籍校の校長の判断で指導要録上の出席扱いになりえます。文部科学省の通知に基づく全国共通の仕組みです。学習の状況が学校に伝わることなどが要件になるため、利用を始める前に在籍校と施設の両方に相談しておくとスムーズです。
出典
