「フリースクールが気になっているけれど、もう年度が始まってしまった。途中から入会してもいいのだろうか」。そんなふうに、タイミングを理由に足を止めていませんか。結論からお伝えすると、フリースクールは年度途中からでも、月の途中からでも入会できます。むしろ4月にきっちり合わせて入ってくる子のほうが少数派です。
自己紹介が遅れました。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。小幡和輝です。この記事では、フリースクールに途中から入会するときの時期の考え方と、入会してから慣れるまでの流れを、運営者の立場からお伝えします。
フリースクールは途中から入会できる。学校の「年度」とは仕組みが違う
学校は4月に始まり3月に終わる年度の単位で動いていますが、フリースクールに入学式や入学時期の縛りはありません。多くのフリースクールは月単位の利用契約で、月の途中から通い始めることも、逆に合わなければ辞めることもできます。
これは制度上の偶然ではなく、フリースクールという場所の性質そのものです。不登校は4月に始まるわけではありません。6月に行けなくなる子も、夏休み明けに動けなくなる子もいます。子どもの状態が変わったそのときに受け入れられなければ意味がないので、フリースクールは最初から「いつでも入れる」形で作られています。
実際、不登校の相談が増えるのは4月よりも、大型連休のあとや夏休み明けです。学校を休み始めてしばらく家で過ごし、「そろそろ家以外の場所がほしい」となった時点が、その子にとっての入会時期になります。カレンダーに合わせる必要はありません。
「切りのいい時期まで待つ」は逆効果になりやすい
保護者の方からよく聞くのが「どうせなら新学期から」「2学期の頭から」という考え方です。気持ちはわかるのですが、僕はあまりおすすめしていません。理由は2つあります。
- 待っている間に家で過ごす期間が延びる 行きたい気持ちが芽生えたタイミングと、実際に行き始めるタイミングが離れるほど、最初の一歩は重くなります。「見学に行ってみようかな」と口にした週のうちに動くのがいちばん軽く済みます
- 新学期は本人のプレッシャーが重なる 4月や9月は「今度こそ学校に行けるか」という緊張が本人にかかる時期でもあります。そこに新しい場所のスタートを重ねるより、何もない普通の時期に始めるほうが、実は負担が小さいのです
途中から入って「もうグループができあがっていて馴染めないのでは」という心配もよく聞きます。学校のクラスと違って、フリースクールは全員が別々の時期に入ってきた子たちの集まりです。個別で過ごす時間が中心の場所なら、途中から入ることのハンデはほとんどありません。
入会までの流れ。問い合わせから通い始めまで
一般的なフリースクールの流れはシンプルです。
- 問い合わせ・相談 電話やフォームで連絡します。この段階では入会を決めていなくてかまいません
- 見学・面談 保護者だけで見に行くこともできます。子どもが乗り気でないなら、まず親だけで雰囲気を確かめるのが現実的です
- 体験利用 多くのフリースクールに体験の仕組みがあります。子どもが「ここなら行ってもいい」と感じられるかを確かめます
- 入会・利用開始 週何回通うかを決めてスタートします。あとから増やすことも減らすこともできます
僕自身、フリースクールに初めて行く前日はドキドキしていました。でも着いてみたら、誰も「なんで学校行ってないの」と聞いてこなかったのが衝撃でした。ゲームが好きな子がいて、すぐに仲良くなりました。入る前の不安と、入ったあとの実際は、たいてい大きくずれています。だからこそ、まず一度見に行くことに意味があります。
慣れるまでの流れは「週1回・短時間」から
途中入会で失敗しやすいのは、最初から「平日毎日」を目標にしてしまうケースです。長く家で過ごしていた子にとって、毎日決まった場所に通うのは想像以上に体力を使います。
最初は週1回、昼の1〜2時間だけでも十分です。そこで「行ったら楽しかった」を何度か積み重ねてから、本人のペースで回数を増やしていきます。慣れるまでの期間は子どもによってまったく違い、初日から馴染む子もいれば、数か月かけてゆっくり距離を縮める子もいます。どちらも正常です。
なお、フリースクールでの活動は、在籍校の校長の判断で出席扱いになる制度が文部科学省の通知で定められています慣れるまでの流れは「週1回・短時間」からの公式ページ。この手続きも年度途中から始められます。出席扱いの要件については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどの活動もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
週1回からの利用もできるので、「まず慣れることから」という入り方がしやすい場所です。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
中3など受験学年の途中からでも通う意味はあるのか、という点はこちらの記事で解説しています。
>>中3の不登校、今からフリースクールに通う意味はある?受験期の居場所と学習
小学生の利用時期の見きわめ方はこちらの記事が参考になります。
>>小学生のフリースクール。何歳から通える?低学年からの利用と見きわめ方
まとめ。入会時期は「カレンダー」ではなく「子どもの今」で決める
フリースクールは年度途中からでも、月の途中からでも入会できます。切りのいい時期を待つより、子どもが「家以外の場所もいいかも」と思えたタイミングで動くほうが、最初の一歩は軽くなります。そして最初は週1回・短時間から。慣れるペースは子どもに任せて大丈夫です。
今日できる一歩として、気になるフリースクールに「年度途中の入会はできますか。まず親だけで見学できますか」とだけ問い合わせてみてください。この一文なら子どもを説得する必要がなく、今日中に送れます。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
フリースクールは年度の途中からでも入会できますか?
できます。フリースクールは学校のような年度の縛りがなく、多くは月単位の利用契約なので、月の途中からでも通い始められます。4月にこだわらず、お子さんが「家以外の場所もいいかも」と思えたタイミングで始めるのがおすすめです。
途中から入ると、すでにできている友達の輪に馴染めないのでは?
学校のクラスと違い、フリースクールは全員が別々の時期に入会した子どもたちの集まりなので、途中入会のハンデはほとんどありません。個別指導が中心のフリースクールなら、そもそも集団の輪に入る場面自体が少なく、自分のペースで距離を縮められます。
入会してからどのくらいで慣れますか?
子どもによって大きく異なります。初日から馴染む子もいれば、数か月かけてゆっくり慣れる子もいて、どちらも正常です。最初から毎日通うのではなく、週1回・短時間から始めて「行ったら楽しかった」を積み重ねるのが、結果的にいちばん早く定着します。
