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群馬県の不登校からの高校受験ガイド。内申の扱い・受け入れ校・選択肢【2026年度】

「欠席がこんなに多くて、群馬県の公立高校は受けられるのだろうか」。群馬県で不登校のお子さんの高校受験を考え始めたご家庭から、いちばん多く聞く不安です。先に結論をお伝えします。欠席日数が多いこと=不合格ではありません。

群馬県の公立高校入試は、令和9年度(2027年4月入学)の選抜から調査書の「出欠席の記録」がなくなります。県教育委員会は、不登校を含めさまざまな理由で欠席日数が多くなった生徒の心理的負担を軽くするための見直しだと説明しています。

さらに群馬県では、受検生全員が自分で書く「インタビューシート」に、欠席が多いことなど高校に伝えたいことを書けます。

書いても書かなくても不利にならないと要項に明記されています。面接の比重が大きいフレックススクール2校、面接と作文が中心の定時制、書類だけで選抜する公立通信制もあり、道は一つではなく複数あります。

この記事では「群馬県 不登校 高校受験」で調べている方に向けて、群馬県教育委員会が2026年8月に公表した令和9年度の入学者選抜実施要項と、各高校の「選抜方法等」をもとに、内申(調査書)の扱い、インタビューシートの仕組み、受け入れの間口が広い公立の選択肢、私立・通信制の道を整理します。

内申点の一般論はこの記事では扱わず、群馬県の制度に絞ってお話しします。

自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。

いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。通信制高校の連携施設を運営する立場でもあります。

目次

群馬県の公立高校入試で内申(調査書)はどう使われるか

群馬県の公立高校の全日制の入試は、1日目に5教科の学力検査(各100点)、2日目に面接等を全員が受ける形です。面接等は集団面接、個人面接、英語面接、パーソナル・プレゼンテーションから高校が決めます。[1]

合格者の決め方は、すべての高校が「特色型」と「総合型」の2つの型で選抜します。募集定員の10〜50%が特色型、50〜90%が総合型で、学力検査・面接等・調査書の比重をそれぞれの型で高校ごとに決めています。

  1. 総合型 多くの高校で、学力検査の比重を6〜8割程度と重く見ています。調査書は1〜2割という学校も珍しくありません
  2. 特色型 高校ごとに重視する項目が違います。面接等や調査書の比重を高くしている学校もあれば、学力検査を重く見る学校もあります

たとえば前橋・高崎・太田・伊勢崎・桐生・館林の各高校は、学力検査の比重を8割前後にした型を持っています。評定が厳しい状態でも当日の学力検査で挑める枠が、制度の中に最初から用意されているということです。各校の比重は、県が「選抜方法等」として一覧で公表しています。[3]

調査書の「各教科の学習の記録」は、中1から中3までの9教科の観点別学習状況と評定です。中3の評定は12月末までの状況で付けられ、全員が5段階で記入されます。

僕自身、不登校だった当時、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。調査書は点数の話に見えて、子どもの自己肯定感にも関わるものです。数字だけを見て親子で追い詰められる前に、制度の全体像を知っておいてほしいと思います。

内申点の仕組みや、内申に頼らない受験の考え方の全般はこちらで解説しています。

>>不登校で内申点がないと高校受験はどうなる?内申に頼らない受験の進め方

令和9年度から調査書の「出欠席の記録」がなくなる

ここが群馬県の大きな変化です。令和8年度までの群馬県の調査書には「出欠席の記録」の欄があり、欠席日数が高校に伝わっていました。令和9年度の入学者選抜から、この欄が削除されます。[2]

県教育委員会は見直しの理由を、不登校を含めさまざまな理由により欠席日数が多くなった生徒の心理的負担を軽減する観点と、調査書を作る教職員の負担軽減の観点だと説明しています。あわせて、Web出願システムを改修し、従来の形式で作られた調査書データでも出欠席の記録が登録されないようにするとしています。

県の資料によると、調査書の出欠席の記録の見直しは、令和9年度入学者選抜までに19の都府県で実施または実施予定です。群馬県はその流れに加わった形です。

令和9年度の調査書に書かれるのは、学籍の記録、各教科の学習の記録、総合的な学習の時間の記録、特別活動の記録、行動の記録、参考となる諸事項等の記録の6つです。作成要領では、参考となる諸事項等の欄は部活動や学校外の活動、資格などを書く場所とされていて、欠席について書く決まりはありません。[1]

評定そのものは残るので、テストを受けられなかった教科の低い評定は選抜に響きます。だからこそ、次に紹介するインタビューシートと、学力検査や面接の比重が大きい型・学校を組み合わせて考えるのが現実的です。

欠席の事情は「インタビューシート」で自分の言葉で伝えられる

群馬県の公立高校入試では、受検生全員が「インタビューシート」を提出します。志願する理由や学校内外の活動歴を書き、高校が面接の参考にする書類です。令和9年度は2027年1月18日から29日に、Web出願システムにPDFで登録します。[1]

記入する項目は3つです。

  1. 学校・学科等を志願する理由 その高校で何を学びたいかを書きます
  2. これまでの3年間を振り返って、頑張ったことや成長したと思うこと 中学校や家庭、地域での活動を書きます。ここに、やむを得ない事情により欠席日数が多いことなど、志願先の高校に伝えたい内容を書いてもよいと要項に明記されています
  3. 高校が指定した質問への回答 志願先の「選抜方法等」で記入を求められた場合だけ書きます

そして要項にはこう書かれています。「この場合、記載の有無や内容によって不利が生じることはない」。欠席の事情を書くかどうかは本人と家庭で決めてよく、書いたことで減点されたり、書かなかったことで不利になったりはしないというのが県の公式な扱いです。

つまり群馬県では、神奈川県の申請制度や新潟県の自己申告書のような専用の様式はなく、全員が出すインタビューシートの2の項目が、欠席の事情を高校に伝える公式な場所になっています。全日制だけでなく、フレックススクールと定時制の選抜でもインタビューシートは提出します。

書くなら「なぜ行けなかったか」より「その間に何をしていたか」「高校で何をしたいか」に文字数を使うのが伝わりやすい書き方です。面接での答え方の例は次の記事にまとめています。インタビューシートの文章づくりにもそのまま使えます。

>>高校受験の面接で不登校・欠席日数をどう説明する?そのまま使える答え方の例

通信制という道を先に知っておきたい方には、僕が運営に関わる高校卒業資格が取れる学校があります。詳しくは後半で紹介します。

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面接の比重が大きいフレックススクール2校。前橋清陵と太田フレックス

群馬県には、通う時間帯を選べる単位制の定時制「フレックススクール」が2校あります。前橋清陵高校(前橋市文京町)と太田フレックス高校(太田市下田島町)です。学年の枠がなく、74単位を修得すれば卒業でき、3年間での卒業もできます。[4]

フレックススクール選抜の学力検査は、令和9年度は2校とも国語・数学・英語の3教科(各100点)です。2日目に面接があり、選抜方法等に公表されている比重は次のとおりです。[3]

  1. 前橋清陵高校 昼間部(80人) 総合型60%は学力検査50%・面接30%・調査書20%、特色型40%は学力検査31%・面接50%・調査書19%。集団面接です
  2. 前橋清陵高校 夜間部(80人) 特色型30%は学力検査25%・面接61%・調査書14%、総合型70%は学力検査35%・面接53%・調査書12%。個人面接です
  3. 太田フレックス高校 Ⅰ部・Ⅱ部・Ⅲ部(各80人) 総合型70%は学力検査50%・面接40%・調査書10%、特色型30%は学力検査30%・面接60%・調査書10%。個人面接です

太田フレックス高校はⅠ部が午前、Ⅱ部が午後、Ⅲ部が夜間で、Ⅰ部かⅡ部を第1志望にする人はⅢ部を第2志望にできます。アドミッション・ポリシーの1つ目に「高校でもう一度、学び直したい人」と掲げている学校です。調査書の比重が1割で、面接が4〜6割という配分は、全日制の多くの学校とはっきり違います。

群馬県立前橋清陵高等学校の公式サイト

群馬県立太田フレックス高等学校の公式サイト

フレックススクールには、10月に入学する秋季入学のための選抜もあります。日程と要項は別に定められ、太田フレックス高校では秋季新入学・秋季編入学の志願者案内を公式サイトで公開しています。春の受験でうまくいかなかった場合の、もう1つの入口です。

定時制は面接と作文が中心。通信制は書類だけで選抜

フレックススクール以外の定時制(12校)の選抜は、2月16日に面接と作文を受ける形で、学力検査は原則ありません。高校が必要とする場合だけ、国語・数学・英語から指定した教科の学校独自の検査が加わります。令和9年度に学力検査を加えるのは沼田高校(国語・数学)と富岡高校(数学・英語)の2校です。[3]

定時制は前橋工業・高崎工業・高崎商業・桐生工業・伊勢崎工業・沼田・館林・渋川工業・藤岡中央・富岡・安中総合学園と、桐生市立商業にあります。調査書と、インタビューシートを参考にした面接、作文の結果を総合して選抜します。

公立の通信制は前橋清陵・高崎・桐生・太田フレックスの4校です。選抜は提出された書類の審査によって行うのが原則で、学力検査も面接もありません。令和9年度の出願期間は2027年3月4日から25日で、入学願書と志願者案内は各校から受け取ります。[1]

前橋清陵高校の通信制は、日曜のスクーリングに加えて水曜と木曜のスクーリングを設けていて、通信制でも3年間での卒業ができます。

3月の合格発表後にも道があります。令和9年度は、全日制・フレックススクール・定時制の再募集が3月3日から8日に出願、3月16日に面接と作文等の検査、3月19日に発表です。

学力検査はなく、調査書と面接・作文等で選抜します。定時制の追加募集は3月19日から24日に出願、3月26日に検査、3月30日に発表です。

なお、東京都のチャレンジスクールや神奈川県の長期欠席の申請制度のように「不登校の生徒のため」と名前を付けた選抜枠は群馬県にはなく、いちばん近いのが上で紹介したインタビューシートとフレックススクール2校です。文部科学省の一覧にある「学びの多様化学校」も、群馬県内にはありません。[5]

集団の中で検査を受けること自体に強い不安がある場合は、中学校で配慮や支援を受けている人を対象に「受検上の配慮に係る状況報告書」の仕組みがあります。中学校長が原則として2027年1月25日までに志願先の高校長に提出するので、早めに担任の先生に相談してください。

令和9年度の主な日程は、出願(志願情報登録)が2027年1月4日から29日、志願先変更が2月2日・3日と2月5日から8日の2回、学力検査が2月16日、面接等が2月17日、追検査が2月24日、合格発表が3月3日です。出願はすべてWeb出願システムで行います。

私立・通信制という道も並行して考える

公立だけに絞る必要はありません。私立高校は選考基準が学校ごとに異なり、欠席日数の見方もさまざまです。気になる学校があれば、説明会や個別相談で「欠席が多いのですが」と率直に聞いてしまうのが確実で早い方法です。

そして通信制高校です。私立の通信制は書類と面接が中心の学校が多く、中学時代の欠席日数が合否に直結しにくい仕組みです。群馬県には公立の通信制4校に加え、桐生市に本校を置く私立の通信制や、高崎駅・新前橋駅の周辺にキャンパスを置く広域通信制があります。学校の一覧と学費の考え方はこちらにまとめています。

>>群馬県の通信制高校一覧と選び方。学費と通いやすさで比較【2026年最新】

お子さん自身が「高校に行きたくない」と言っている場合は、受験の方法より先に、進路の全体像から整理するほうが順番として自然です。

>>高校に行きたくないと言う中3へ。進学しない選択肢と無理なく卒業資格を取る道

明光義塾高等学院という選択肢

明光義塾高等学院

通信制という道を検討し始めた方に、僕が運営に関わっている高校卒業資格が取れる明光義塾高等学院も紹介させてください。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。

不登校で学習の空白がある状態からのスタートを、最初から想定している場所です。群馬県内には前橋市や高崎市、伊勢崎市、太田市、館林市、沼田市をはじめ各地に32の明光義塾の教室があり、日々の学習サポートを自宅の近くの教室で受けられます。

群馬県の公立通信制は前橋・高崎・桐生・太田の4か所で、北毛の沼田や吾妻の山あいからは、通学の距離が進路選びの壁になりがちです。自宅の近くの教室で学べる仕組みなら、その壁を越えられます。中学からの進学も受け入れているので、いま中3で進路を探している段階でも、そのまま選択肢に入れられます。

入試は面接のみで、学力試験はありません。高校卒業資格を目指しながら個別指導で学びたい方は、資料請求から始めてみてください。

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今日できる一歩

まず、インタビューシートの2の項目「これまでの3年間を振り返って、頑張ったことや成長したと思うこと」を、お子さんと一緒に家で下書きしてみてください。行けなかった理由を詳しく書く場所ではなく、その間に続けていたことと、高校でやりたいことを書く場所だと考えると、筆が進みます。

そのうえで、中学校の担任の先生に「志望校の令和9年度の選抜方法等を一緒に見たい」と伝えてみてください。電話や連絡帳でかまいません。学力検査と面接と調査書の比重が分かると、志望校の考え方が具体的になります。

まとめ。欠席日数=不合格ではない

群馬県の不登校からの高校受験には、少なくともこれだけの道があります。令和9年度から調査書に出欠席の記録がなくなり、欠席日数が高校に伝わらないこと。全員が出すインタビューシートに欠席の事情を書いてよく、書いても書かなくても不利にならないと要項に明記されていること。

学力検査の比重を8割前後にした型を持つ全日制の学校があること。前橋清陵と太田フレックスの2校は面接の比重が大きく、通う時間帯を選べること。定時制は面接と作文が中心で、公立通信制4校は書類だけで選抜されること。そして私立・通信制、さらに明光義塾高等学院で高校卒業資格を目指すという選択肢です。

完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。

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よくある質問

欠席日数が多いと、群馬県の公立高校には合格できないのでしょうか?

そんなことはありません。群馬県の公立高校入試では令和9年度の選抜から調査書の「出欠席の記録」が削除され、欠席日数は高校に伝わりません。選抜は5教科の学力検査、面接等、調査書の比重を高校ごとに決めた特色型と総合型で行われ、学力検査の比重を8割前後にした型を持つ学校もあるので、当日の得点で挑めます。

群馬県の高校入試で、欠席の事情を高校に伝える方法はありますか?

受検生全員が提出する「インタビューシート」の2の項目に、やむを得ない事情により欠席日数が多いことなど、志願先の高校に伝えたい内容を書いてよいと要項に明記されています。

記載の有無や内容によって不利が生じることはないとされていて、面接の参考資料になります。令和9年度は2027年1月18日から29日にWeb出願システムに登録します。

不登校の生徒が通いやすい群馬県の公立高校はありますか?

フレックススクールの前橋清陵高校(昼間部・夜間部)と太田フレックス高校(Ⅰ部・Ⅱ部・Ⅲ部)は、学力検査が国語・数学・英語の3教科で、面接の比重が3〜6割、調査書は1〜2割です。そのほかの定時制は面接と作文が中心で、前橋清陵・高崎・桐生・太田フレックスの通信制は書類の審査だけで選抜します。

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出典

  1. 群馬県教育委員会「令和9年度群馬県公立高等学校入学者選抜実施要項」(令和8年8月。第3 全日制課程選抜、第4 フレックススクール選抜、第5 定時制課程選抜、第10 再募集・追加募集、第11 通信制課程選抜、付記5 障害等のある受検者への配慮、別記2 インタビューシートの作成について、別記3 調査書の作成について) PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  2. 群馬県教育委員会「入学者選抜における主な見直し事項」(令和9年度群馬県立高等学校入学者選抜実施大綱の資料、令和8年5月) PDF / 「令和9年度群馬県立高等学校入学者選抜実施大綱」 PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  3. 群馬県教育委員会「令和9年度群馬県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の『選抜方法等』について」 PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  4. 群馬県立前橋清陵高等学校「本校の特色」 ページ / 群馬県立太田フレックス高等学校 ページ  本文へ戻る
  5. 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」 ページ  本文へ戻る
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この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

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