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茨城県の不登校からの高校受験ガイド。内申の扱い・受け入れ校・選択肢【2026年度】

「欠席がこんなに多くて、茨城県の県立高校は受けられるのだろうか」。茨城県で不登校のお子さんの高校受験を考え始めたご家庭から、いちばん多く聞く不安です。先に結論をお伝えします。欠席日数が多いこと=不合格ではありません。

茨城県教育委員会の令和9年度入学者選抜実施細則には、「不登校等及び障害があることにより不利益な取扱いをしない」と明記されています。欠席の事情を自分の言葉で伝える「自己申告書」の様式もあり、提出すれば選抜資料に加えられます。

そのうえで、県立高校の共通選抜には学力検査の結果を重視する枠が最初から組み込まれています。学力検査が3教科で面接中心の定時制、書類だけで選抜する公立通信制もあり、私立や通信制まで含めれば、道は一つではなく複数あります。

この記事では「茨城県 不登校 高校受験」で調べている方に向けて、茨城県教育委員会が2026年9月に公表した令和9年度の実施細則と実施要項をもとに、内申(調査書)の扱い、自己申告書の仕組み、学力検査の負担が軽い公立の選択肢、私立・通信制の道を整理します。

内申点の一般論はこの記事では扱わず、茨城県の制度に絞ってお話しします。

自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。通信制高校の連携施設を運営する立場でもあります。

目次

茨城県の県立高校入試で内申(調査書)はどう使われるか

茨城県の県立高校の一般入学は、すべての学校で行う「共通選抜」と、学校の裁量で行う「特色選抜」の2本立てです。特色選抜は文化・芸術・体育などの分野で優れた実績を持つ人を対象にしたもので、不登校の生徒の多くが関わるのは共通選抜のほうです。[1]

共通選抜は、5教科の学力検査(各100点、合計500点)と調査書を使います。調査書の評定は中1から中3までの3年間の9教科分で、合計の順位が使われます。

ここで知っておいてほしいのが、合格者の決め方が2段階に分かれていることです。

  1. A群 学力検査の得点の順位が募集定員の80%以内にあり、かつ調査書の評定合計の順位が募集定員以内にある人です。原則として合格になります
  2. B群 A群に入らなかった人です。「学力検査の結果を重視した選抜」と「調査書の記録を重視した選抜」の2つの方法で合格者を決めます

B群で2つの選抜が占める比率は、20:80から80:20までの7段階から各高校が決めていて、全日制では学力検査重視を80%や70%にしている学校が目立ちます。評定が厳しい状態でも、当日の学力検査で挑める枠が制度の中に用意されている、ということです。

もう1つ押さえておきたいのは、調査書重視の選抜で使う項目です。実施細則の別表に挙がっているのは「3年間の評定」「特別活動」「部活動・特技等」「総合的な学習の時間等」の4つで、欠席日数はこの項目に入っていません。[1]

僕自身、不登校だった当時、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。調査書は点数の話に見えて、子どもの自己肯定感にも関わるものです。数字だけを見て親子で追い詰められる前に、制度の全体像を知っておいてほしいと思います。

内申点の仕組みや、内申に頼らない受験の考え方の全般はこちらで解説しています。

>>不登校で内申点がないと高校受験はどうなる?内申に頼らない受験の進め方

欠席日数は調査書に載る。でも「不利益な取扱いをしない」が茨城県の公式な扱い

茨城県の調査書(様式第8号の1)には「欠席日数」の欄があり、令和8年12月末日現在の日数が記入されます。中3の欠席が10日以上ある場合は、主な理由も「その他の事項」の欄に書かれます。北海道や埼玉県のように出欠の欄そのものをなくした県とは違い、茨城県では欠席の事実は高校に伝わります。[1]

ただし、実施細則の「入学者の選抜」の項には、はっきりとこう書かれています。「不登校等及び障害があることにより不利益な取扱いはしない」。県教育委員会の入試Q&Aでも、欠席が多いと不利になるかという問いに「不利に扱われることはありません」と答えています。[2]

なお、フリースクールや教育支援センターに通った日や、自宅でICTを使って学習した日は、文部科学省の通知に基づいて在籍校が出席扱いにしていれば、調査書の欠席日数には含まれません。出席扱いになっているかどうかは、中学校に確認しておくと安心です。

欠席の事情を自分の言葉で伝える「自己申告書」(様式第13号)

茨城県の県立高校入試には、欠席が多いことの事情を志願者と保護者が説明する「自己申告書」の仕組みがあります。令和9年度の実施細則では様式第13号です。[1]

  1. 提出できる人 年間の欠席日数が30日以上の人です。公的機関などで相談・指導を受けていた場合は、30日未満でも提出できます(この要件の細かい条件は様式の注意書きに書かれています)
  2. 書く内容 志願者本人が「説明したいことがら」と「説明」を書き、保護者も別の欄に説明を書きます。欠席の事情に加えて、高校へ進学したい動機や学びたいことも書けます
  3. 出し方 封をして中学校長に提出し、封をしたまま志願先の高校に届きます。中学校の先生が中身を読むことはありません

提出された自己申告書は選抜資料に加えられ、様式の注意書きには「記載内容によって不利益が生じることはありません」と書かれています。提出は任意で、出さなくても不利になるものではありませんが、欠席の理由を高校側に直接伝えられる公式な手段です。

書ける分量には限りがあるので、書ききれない場合は別紙を添付できます。「なぜ行けなかったか」だけでなく「その間に何をしていたか」「高校で何をしたいか」まで書くと、読む側に伝わりやすくなります。

面接で欠席をどう説明するかは、次の記事に答え方の例をまとめています。自己申告書の文章づくりにもそのまま使えます。

>>高校受験の面接で不登校・欠席日数をどう説明する?そのまま使える答え方の例

通信制という道を先に知っておきたい方には、僕が運営に関わる高校卒業資格が取れる学校があります。詳しくは後半で紹介します。

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学力検査の負担が軽い公立の道。フレックススクール・定時制・水戸南高校通信制

茨城県の県立高校には、5教科500点の学力検査を受けずに入学を目指せる道が3つあります。

  1. フレックススクール(単位制の定時制)5校 学力検査は国語・数学・英語の3教科で、翌日に面接があります。午前・午後・夜間から学ぶ時間帯を選べます
  2. そのほかの定時制 多くの学校が3教科の学力検査と面接で選抜します
  3. 水戸南高校の通信制課程 学力検査がなく、願書・調査書・志願理由書などの書類だけで選抜します

まずフレックススクールです。茨城県が定時制の単位制高校をこう呼んでいて、水戸南(水戸市)・鹿島灘(鹿嶋市)・結城第二(結城市)・茎崎(つくば市)・高萩(高萩市)の5校があります。鹿島灘・結城第二・茎崎は午前・午後・夜間の三部制、高萩は午前・午後、水戸南は昼間・夜間です。[3]

令和9年度の入試では、5校とも学力検査は国語・数学・英語の3教科で、面接は学力検査の翌日に行われます。高萩と鹿島灘は作文もあります。B群の比率は水戸南の昼間が学力検査重視70%、そのほかは50:50です。多様な科目選択、通信制との併修、転編入学生の受け入れが特色として挙げられています。[1]

次に、そのほかの定時制です。県立の定時制は日立工業・水戸農業・土浦第一・石岡第一・竜ヶ崎第一・古河第一などにもあり、こちらも3教科の学力検査と面接で選抜します(竜ヶ崎第一は作文も)。IT未来高校(笠間市)だけは、一般入学の学力検査が5教科です。

最後に水戸南高校の通信制課程です。県内唯一の公立通信制で、令和9年度の出願は2027年3月9日から19日、合格発表は3月31日までに本人へ通知されます。選抜は入学願書・調査書・志願理由書の書類で行い、学力検査はありません。欠席の事情を説明したい場合は、ここでも自己申告書を任意で提出できます。[4]

なお、茨城県には東京都のチャレンジスクールや神奈川県のクリエイティブスクールのような、調査書や学力検査を使わない特別な選抜枠を持つ県立高校はありません。県内の「学びの多様化学校」も小学校の分教室が1校あるだけで、高校段階の設置はありません。

制度の名前を探すより、上の3つの道と自己申告書を組み合わせるのが現実的です。

令和9年度から変わること。第2希望校と欠員補充

令和9年度の茨城県の入試には、知っておくと安心な新しい仕組みが2つあります。[5]

  1. 第2希望校への出願 志願先変更後に定員に満たない学校が「第2希望の対象校」として公表され、希望者はその中から1校に出願できます。追加の学力検査はなく、2月25日の結果をそのまま使います
  2. 欠員補充 これまでの第2次募集に代わる手続きです。3月11日の合格発表後も欠員がある学校で、3月16日に実施されます

欠員補充は、調査書と個別面接だけで選抜され、学力検査を受けていなくても出願できます。配点は調査書と面接がそれぞれ200点以上で、ここでも「不登校等により不利益な取扱いをしない」「自己申告書が提出された場合は選抜資料に加える」と細則に書かれています。[1]

令和9年度の主な日程は、一般入学の出願が2027年2月5日から9日、学力検査が2月25日、定時制の面接と特色選抜が2月26日、合格発表が3月11日です。学力検査を欠席した場合の追検査は3月4日にあります。

集団の中で検査を受けること自体に強い不安がある場合は、別室受検などの「特別措置」を中学校経由で申請できます。令和9年度の申請期間は2026年10月19日から2027年1月15日で、申請したことが合否に影響することはないと県教育委員会が説明しています。[6]

私立・通信制という道も並行して考える

公立だけに絞る必要はありません。私立高校は選考基準が学校ごとに異なり、欠席日数の見方もさまざまです。気になる学校があれば、説明会や個別相談で「欠席が多いのですが」と率直に聞いてしまうのが確実で早い方法です。

そして通信制高校です。私立の通信制は書類と面接が中心の学校が多く、中学時代の欠席日数が合否に直結しにくい仕組みです。茨城県は県内に本校を置く私立の通信制が9校ある「本校が多い県」で、県内でスクーリングまで完結できる学校を選びやすい環境です。学校の一覧と学費の考え方はこちらにまとめています。

>>茨城県の通信制高校一覧と選び方。学費と通いやすさで比較【2026年最新】

お子さん自身が「高校に行きたくない」と言っている場合は、受験の方法より先に、進路の全体像から整理するほうが順番として自然です。

>>高校に行きたくないと言う中3へ。進学しない選択肢と無理なく卒業資格を取る道

明光義塾高等学院という選択肢

明光義塾高等学院

通信制という道を検討し始めた方に、僕が運営に関わっている高校卒業資格が取れる明光義塾高等学院も紹介させてください。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。

不登校で学習の空白がある状態からのスタートを、最初から想定している場所です。茨城県内には水戸市やつくば市、日立市、土浦市、古河市をはじめ各地に50の明光義塾の教室があり、日々の学習サポートを自宅の近くの教室で受けられます。

県北から県西まで広い茨城県では「通える学校が近くにない」が進路選びの壁になりがちですが、自宅の近くの教室で学べる仕組みなら、その壁を越えられます。中学からの進学も受け入れているので、いま中3で進路を探している段階でも、そのまま選択肢に入れられます。

入試は面接のみで、学力試験はありません。高校卒業資格を目指しながら個別指導で学びたい方は、資料請求から始めてみてください。

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今日できる一歩

まず、中学校の担任の先生に「自己申告書(様式第13号)を出したいのですが、様式はいつもらえますか」と一言聞いてみてください。電話や連絡帳でかまいませんし、三者面談を待つ必要もありません。様式は出身校で交付されるので、先生に伝えた時点で準備が動き出します。

あわせて、お子さんと一緒に「学校に行かなかった期間に続けていたこと」を1つだけ話してみてください。それが自己申告書と面接の最初の1行になります。

まとめ。欠席日数=不合格ではない

茨城県の不登校からの高校受験には、少なくともこれだけの道があります。実施細則に「不登校等により不利益な取扱いをしない」と明記されていること。

年間30日以上の欠席なら、事情を自分の言葉で伝える自己申告書を出せること。共通選抜のB群には学力検査を重視する枠があり、調査書重視の項目にも欠席日数は入っていないこと。

フレックススクール5校をはじめ定時制は3教科の学力検査と面接で受けられること。水戸南高校の通信制は書類だけで選抜されること。3月16日の欠員補充は調査書と面接で受けられること。そして私立・通信制、さらに明光義塾高等学院で高校卒業資格を目指すという選択肢です。

「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。

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よくある質問

欠席日数が多いと、茨城県の県立高校には合格できないのでしょうか?

そんなことはありません。茨城県教育委員会の令和9年度入学者選抜実施細則には「不登校等及び障害があることにより不利益な取扱いをしない」と明記され、入試Q&Aでも欠席が多くても不利に扱われることはないと説明されています。

共通選抜のB群には学力検査の結果を重視する選抜があり、調査書重視の選抜で使う項目にも欠席日数は含まれていません。

茨城県の自己申告書は誰が出せて、どう扱われますか?

年間の欠席日数が30日以上の人が提出できます。公的機関などで相談・指導を受けていた場合は30日未満でも提出できます。

志願者本人と保護者がそれぞれ記入し、封をして中学校経由で志願先の高校に届きます。

提出は任意で、選抜資料に加えられますが、記載内容によって不利益が生じることはないと様式に明記されています。

学力検査の負担が軽い茨城県の公立高校はありますか?

あります。水戸南・鹿島灘・結城第二・茎崎・高萩のフレックススクール(単位制の定時制)5校をはじめ、県立の定時制の多くは学力検査が国語・数学・英語の3教科で、翌日に面接があります。

水戸南高校の通信制課程は学力検査がなく、願書・調査書・志願理由書などの書類だけで選抜します。3月16日の欠員補充も調査書と個別面接だけで選抜されます。

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出典

  1. 茨城県教育委員会「令和9年度茨城県立高等学校(全日制・定時制)入学者選抜実施細則」(令和8年9月。3 一般入学(8)入学者の選抜、5 欠員補充、15 自己申告書の提出、様式第8号の1 調査書、様式第13号 自己申告書、別表1・別表2) PDF / 掲載ページ ページ / 「令和9年度茨城県立高等学校(全日制・定時制)入学者選抜実施要項」 PDF  本文へ戻る
  2. 茨城県教育委員会「茨城県立高等学校入学者選抜に係るQ&A」 ページ  本文へ戻る
  3. 茨城県教育委員会「今、茨城県の高校は?」(フレックススクール) ページ  本文へ戻る
  4. 茨城県教育委員会「令和9年度茨城県立高等学校(通信制)入学者選抜実施要項」 PDF  本文へ戻る
  5. 茨城県教育委員会「令和9年度茨城県立高等学校入学者選抜のご案内」(リーフレット) PDF / 「令和9年度茨城県立高等学校(全日制・定時制)入学者選抜日程表」 PDF  本文へ戻る
  6. 茨城県教育委員会「茨城県立高等学校入学者選抜における特別措置について」 ページ  本文へ戻る
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この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

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