子どもが学校に行けなくなったとき、多くの保護者の方が気になるのが「このまま欠席が積み重なって、進路に影響しないだろうか」という不安ではないでしょうか。
結論から言えば、学校に登校しなくても、フリースクールや自宅での学習を在籍校の「出席」として認めてもらえる制度があります。 そして高崎市には、すでにその承認事例があります。
高崎市で知っておきたいのは、市の教育支援センター(適応指導教室)が市内に8教室あり、群馬県内で最も多いことです。一方で、保護者がフリースクールの利用料の補助を受けられる市の制度は、2026年9月時点ではありません。
この記事では、高崎市での出席扱いの進め方、補助金の現状、8つの教育支援センターの使い方までまとめてお伝えします。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。
高崎市で実際に出席扱いが認められた事例
まず知っていただきたい事実からお伝えします。
高崎市内の学校で、フリースクールに入会したあとすぐに活動レポートを学校へ提出することで、出席扱いが認められた事例があります。
「うちの子の学校でも認めてもらえるのだろうか」と不安な方は多いと思います。ただ、高崎市にはすでに前例があります。前例があるということは、学校側にとっても判断しやすいということです。
群馬県全体の数字も、この判断を後押しします。令和6年度に民間のフリースクールなどで相談や指導を受けた不登校の子どものうち、66%が指導要録上の出席扱いになっています。教育支援センターに通った子どもでは88%でした。[1]
つまり群馬県では、学校の外で学ぶ子どもの出席扱いが特別なことではなく、多くの学校で実際に行われている判断だということです。先生に相談するとき、この県の数字を伝えるだけでも話が通りやすくなります。
そもそも「出席扱い」とは
出席扱いとは、学校に登校していなくても、自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえる制度です。文部科学省が要件を示しており、最終的には在籍校の校長先生が判断します。[2]
ポイントは大きく4つあります。
- 保護者と学校の連携 担任の先生と定期的にやりとりできている状態が前提になります。
- 計画的な学習プログラム ICT教材やフリースクールでの活動がこれにあたります。
- 訪問等による対面指導 自宅で学ぶ場合は、先生の家庭訪問や面談など、対面のやりとりが定期的にあることが求められます。
- 学習状況の把握 活動レポートや学習記録を提出し、学校が状況をつかめるようにします。
つまり「なんとなく家で勉強している」ではなく、記録を残して学校と共有し、先生とも顔を合わせる仕組みさえあれば、出席扱いは十分に目指せます。
なぜ出席扱いが重要なのか
第一に挙げられるのは、進学や受験への影響です。欠席日数が内申に響くのではないかという不安は、多くの保護者の方が抱えるものだと思います。
ただ、この影響は昔に比べると小さくなってきています。受験の合否判定で出席日数を考慮しない自治体が増えてきているためです。
だからこそ僕は、もうひとつの視点をお伝えしたいです。
僕自身、不登校の当時はフリースクールに通っていた当事者です。当時は、学校に行っていない自分への否定的な気持ちや「このままでいいのかな」という不安がずっと心のどこかにありました。
でも、フリースクールでの学びが出席扱いになったことで、自分がやっていることを学校が認めてくれた。 「これでいいんだ」と思えるようになったんです。その結果、少しずつ自己肯定感が高まっていきました。
出席扱いは、単に欠席日数を減らすための制度ではありません。学校の外での学びも認められているという安心感を子どもに届けられる制度です。だからこそ僕は、出席扱いを大事にしてほしいと思っています。
群馬県の公立小・中学校の不登校の子どもの数は、令和6年度で小学生1,783人、中学生2,948人の合計4,731人でした。全児童生徒に占める割合は小学校で2.06%、中学校で6.28%です。中学校では1クラスに2人前後いる計算で、高崎市のお子さんも決して少数ではありません。[1]
出席扱いの仕組みを持つオンラインフリースクールについては、こちらで学び方を紹介しています。
高崎市での進め方。実例ベースの4ステップ
実際に承認された事例をもとに、流れを整理します。
- フリースクールや教材を決める 出席扱いの実績があるところを選ぶと話が早く進みます。見学のときに「在籍校への報告は、どんな形で、どのくらいの頻度で出してもらえますか」と聞いてみてください。
- 担任の先生に相談する 「出席扱いにしてほしい」といきなり交渉するのではなく、「文科省の通知に沿って、フリースクールでの活動を出席扱いにできないか相談したい」と伝えるのがスムーズです。判断するのは校長先生なので、担任の先生経由で話を上げてもらいます。
- 活動レポートを提出する 高崎市の事例では、入会後すぐにレポートの提出を始めたことが承認の決め手になりました。学習内容や時間、お子さんの様子が伝わることで、先生も安心して判断できます。
- 出席扱いが承認される その後も定期的にレポートを共有し、学校との連携を続けていきます。
高崎市で相談の入口になるのは在籍校ですが、学校の外で話を聞いてほしいときは、高崎市教育センターの教育相談(027-329-7111)が使えます。平日の10時から17時まで、市内在住の小・中・高校生と保護者が対象で、相談は無料です。電話は匿名でもかけられ、来所相談は1回40分です。[3]
学校に渡す記録の書き方と、学校の反応が鈍かったときの動かし方は、それぞれこちらの記事にまとめています。
>>出席扱いに必要な学習記録はどう書く?学校に渡す内容と、親が書かなくて済む仕組み
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
高崎市のフリースクール補助金は「検討中」。県の制度は運営者向け
お金の話も正確にお伝えします。
高崎市には、2026年9月時点で、保護者がフリースクールの利用料や交通費の補助を受けられる市の制度はありません。ただし、令和6年12月に寄せられた市民の声に対して、市の学校教育課は次のように回答しています。
『フリースクール等学校外の民間教育施設を利用するご家庭への補助を実施する自治体があることは本市でも把握しておりますので、今後本市でも子育て支援策の一つとして検討していければと存じます』[4]
つまり、制度はまだありませんが、市が検討の意向を公式に示している段階です。年度替わりで新設されることがあるので、在籍校や市の教育委員会に「利用料補助の予定はありますか」と一言聞いておくと、制度ができたときに気づけます。
群馬県には「群馬県フリースクール等支援事業補助金」がありますが、これはフリースクールを運営する団体向けの補助です。令和8年度は補助率2分の1で、基本枠の上限が100万円、上乗せ支援枠の上限が300万円です。保護者が申請して利用料の補助を受ける制度ではありません。[5]
ただ、この県の補助金には、高崎市のご家庭にとって使える情報が1つあります。補助の要件に「在籍校で指導要録上の出席扱いと認められている通所者がいること」が入っているのです。
つまり、県の補助を受けている施設は、出席扱いの実績がある施設です。高崎市内では上室田町の「ぐんま里山学校」などが対象施設に入っています。施設選びのときに、この要件を1つの目安にしてみてください。
群馬県内のフリースクールと市町村ごとの補助金の状況は、こちらの記事で紹介しています。
>>群馬県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
高崎市で利用できる2つの選択肢
選択肢1:自宅で学べる「オンラインフリースクール」
「まだ外に出るエネルギーがない」というお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」という選択肢があります。
自宅にいながら、ネットの先生(担任)が伴走し、学習や生活リズムをサポートします。2018年の開校からこれまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきた実績があります。一定の要件を満たし校長先生が認めれば、在籍校の出席扱いとなる仕組みも整っています。
出席扱い制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みです。学校へ提出するレポートの型があるので、学校との連携もスムーズです。
高崎市は榛名や倉渕、吉井、新町まで市域が広く、市街地のフリースクールに毎日通うのが難しいご家庭も多いと思います。家で毎日続けられるオンラインを土台にして、市の教育支援センターや対面の場を組み合わせる形が現実的です。
学習面では最先端のAIサポートを取り入れているのも特徴です。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIが、答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えてくれます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定があるので、安心して使えます。
選択肢2:仲間と過ごせる「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。2026年9月時点で群馬県内に校舎はまだありません。いちばん近い校舎は東京都内で、高崎から毎日通う距離ではないため、高崎市のお子さんには、まずオンラインのクラスジャパン小中学園をおすすめしています。
明光フリースクールでは、学び直しのサポートに加えて、プログラミングやeスポーツなど、子どもが「楽しい」と思えるコンテンツを用意しています。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になった実績も他の地域で多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
高崎市の公的な相談窓口も知っておこう
フリースクールとあわせて、高崎市の公的な支援も知っておくと安心です。高崎市は、合併前の旧市町村ごとに教育支援センターを置いていて、市内に8教室あります。群馬県内の43施設のうち8つが高崎市にある計算で、県内で最も多い数です。[6]
市内8つの教育支援センター
高崎市の適応指導教室は、高崎市教育センターが運営する「教育支援センター」です。旧高崎市域に3教室、合併した地区に5教室があります。[7]
- アクティブ並榎教室 並榎町123の勤労青少年ホーム内(027-323-6088)
- パブリック末広教室 末広町115-1の総合福祉センター内(027-370-8834)
- ユース台新田教室 台新田町314の青年センター内(027-346-7166)
- フレッシュ群馬教室 足門町1678-1の高崎市教育センター内(027-329-7113)
- さわやか箕郷教室 箕郷町西明屋702-4の箕郷支所内(027-371-5560)
- すこやか新町教室 新町3131-2の新町図書館隣接(0274-42-1383)
- ふれあい榛名教室 下室田町900-1の榛名支所内(027-374-1881)
- うしぶせの家吉井教室 吉井町吉井川371の吉井支所南庁舎(027-387-3527)。令和8年4月1日に移転しました
対象は、高崎市内に住む不登校または不登校傾向の小中学生で、本人と保護者が入室を希望し、通室が適切と認められたお子さんです。フレッシュ群馬教室の場合、開室は学校の休業日を除く月曜から金曜の9時から16時で、学習活動やスポーツ、創作活動、農園芸作業などを行います。[8]
入室は「校長先生を通して」進める
高崎市の教育支援センターの入室手続きには、市ならではの特徴があります。保護者が入室申請書を提出する先は教育センターではなく、在籍校の校長先生です。校長先生が教育センターと協議したうえで入室依頼書を出し、体験と入室判定を経て、教育センター所長から校長先生と保護者に承諾が通知されます。[8]
流れを整理すると、相談と見学、入室申請書を校長先生に提出、校長先生が入室依頼書を提出、体験、入室判定、入室決定、承諾書の7段階です。通室が始まってからも、担任の先生や在籍校のスクールカウンセラーと学期に1回、定期の情報交換が行われます。
この仕組みは、フリースクールの出席扱いを相談するときにも役に立ちます。高崎市の校長先生は、学校の外の居場所について協議し、教育センターと連携する手続きを普段から行っているからです。「学校の外で学ぶ」ことを校長先生に相談するのは、高崎市では珍しい話ではありません。
8教室の合同行事もあり、令和6年度はたくみの里でのものづくり体験、サンデンフォレストでの自然教室、高崎市少年科学館でのプラネタリウム体験が行われました。フレッシュ群馬教室は令和6年度に小学生17人、中学生16人を受け入れています。
なお、通室の費用と出席扱いの扱いについては、市と県の公式ページに明記がありません。教育相談(027-329-7111)か在籍校に直接ご確認ください。
教育支援センターの通い方の全体像と、群馬県内の相談窓口は、それぞれこちらの記事で紹介しています。
>>教育支援センター(適応指導教室)とは?通い方・費用・出席扱いをわかりやすく解説
>>群馬県の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】
公的な教室とフリースクールは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。お子さんの状態や相性に合わせて、複数の選択肢を並行して検討してみてください。
まとめ。高崎市は「校長先生と相談する土台」がある
出席扱いは校長先生の判断で決まるため、前例があるかどうかが大きく影響します。高崎市にはすでに承認事例があり、群馬県全体でも民間施設で学ぶ子どもの66%が出席扱いになっています。
保護者向けの補助金は2026年9月時点でまだありませんが、市は検討の意向を公式に示しています。教育支援センターは市内8教室あり、入室は校長先生を通して進める仕組みです。どれも入口は在籍校への相談か、教育センターの教育相談(027-329-7111)への電話です。
今日できる一歩として、連絡帳や学校への連絡メールに「フリースクールの利用を出席扱いにできないか相談したい。群馬県では民間施設で学ぶ子の66%が出席扱いになっていると聞いた」と一文書いてみてください。先生が校長先生に話を上げるきっかけになります。
学校に行かない期間があっても、学びと出席の心配を減らす方法はあります。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
高崎市で不登校の出席扱いは認められますか?
高崎市内の学校で、フリースクール入会後すぐに活動レポートを学校へ提出することで出席扱いが認められた事例があります。
最終的な判断は在籍校の校長先生が行うため、まず担任の先生に相談し、活動の記録を学校と共有する流れが基本です。
群馬県全体では、令和6年度に民間施設で相談や指導を受けた不登校の子どもの66%が指導要録上の出席扱いになっています。
高崎市にフリースクールの補助金はありますか?
2026年9月時点で、高崎市には保護者がフリースクールの利用料や交通費の補助を受けられる市の制度はありません。
令和6年12月の市民の声に対して、市は今後子育て支援策の一つとして検討すると回答しています。
群馬県の「群馬県フリースクール等支援事業補助金」は運営団体向けの補助で、保護者が申請するものではありません。最新の情報は高崎市教育委員会にご確認ください。
高崎市の適応指導教室はどこにありますか?
高崎市の適応指導教室は、高崎市教育センターが運営する教育支援センターで、並榎・末広・台新田・群馬・箕郷・新町・榛名・吉井の市内8教室です。
対象は市内在住の不登校または不登校傾向の小中学生で、入室申請書は在籍校の校長先生に提出します。相談の入口は在籍校か、教育センターの教育相談(027-329-7111)です。
出典
- 群馬県教育委員会「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(報道提供資料・調査結果の要旨) ページ 本文へ戻る
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) ページ 本文へ戻る
- 高崎市教育センター「教育相談」 ページ 本文へ戻る
- 高崎市「フリースクールの利用費用の支援に関して(令和6年12月)」(市民の声と回答、2025年2月17日更新) ページ 本文へ戻る
- 群馬県「令和8年度群馬県フリースクール等支援事業補助金」(2026年4月1日更新) ページ 本文へ戻る
- 群馬県総合教育センター「県内の教育支援センター」(令和8年8月26日現在) ページ 本文へ戻る
- 高崎市教育センター「教育支援センター」 ページ 本文へ戻る
- 群馬県総合教育センター「高崎市教育センター 教育支援センター『フレッシュ群馬教室』」(令和7年度) PDF 本文へ戻る
