「すららで出席扱いになる」という話を聞いて、うちの子にも使えるのか調べている。そんなご家庭に向けて、すららで出席扱いになる仕組みと、オンラインフリースクールとの違いを整理します。
先に答えを書きます。すららは、文部科学省が示す「自宅でのICT学習を出席扱いにする要件」に合わせて作られた家庭学習教材で、要件を満たしたうえで在籍校の校長が認めた場合に出席扱いになりえます。
ただし、教材を契約すれば自動的に出席扱いになる制度ではありません。学校との合意づくり、学習記録の提出、対面での指導の確保といった条件は、どの教材を使っても同じです。
この記事は「すらら」という特定の教材を軸にした記事です。自宅でのICT学習全般の出席扱いの要件と進め方は、こちらの記事で解説しています。
>>ICT教材やタブレット学習を出席扱いにする方法。フリースクールとの違いもわかりやすく解説
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。
いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。
運営しているオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」は、自宅学習を出席扱いにする仕組みを学校や自治体と一緒につくってきた立場でもあります。この記事では、すららの公式情報と文部科学省の通知をもとに、相手を下げずにフラットに書きます。
すららで出席扱いになる仕組み
すららは無学年式のオンライン学習教材で、公式サイトでは「出席扱い(ネット出席)制度」の利用手順を4つのステップで案内しています。2026年9月16日時点の公式ページの内容を要約すると、次の流れです。
- 教材の資料を取り寄せる 出席扱いの認定要件のひとつが「子どもの理解度に合った計画的な学習プログラムであること」なので、その説明資料を用意する
- 担任の先生に相談する 資料を持って、ICTを使った自宅学習を出席扱いにできないか相談する
- 学校が要件を協議する 学習状況の把握や訪問指導など、学校と家庭の連携体制を確認する
- 学習のルールを決めて開始する 使う教材、学習時間と内容、学習履歴を共有する方法と頻度、対面指導の実施方法を決める
すらら側が用意しているのは、学校への説明資料、制度利用に関する助言、他校の事例の情報、個別の学習プランの提案です。学習履歴は自動で記録され、提出しやすい形にまとまる機能があります。
担当の「すららコーチ」が学習設計の相談に乗り、学習履歴をメールで学校に送る形で提出を支援する、と公式サイトに書かれています。
公式サイトによれば、すららはこれまでに延べ2,000名以上の出席扱い認定を支援してきたとのことです。
ここで押さえておきたいのは、すららが提供するのは「要件を満たしやすい教材と記録」であって、出席扱いの判断そのものは在籍校の校長が行うという点です。これは文部科学省の通知に明記されています。[1]
文部科学省の要件と、すららだけでは埋まらない部分
自宅でのICT学習を出席扱いにするには、文部科学省の通知が示す要件を満たす必要があります。
要点は、保護者と学校の十分な連携、ICT等を活用した学習活動であること、訪問等による対面の指導が適切に行われること、学習の理解度をふまえた計画的なプログラムであること、校長が学習状況を把握して評価できること、などです。[1]
このうち教材が担えるのは「ICTを使った学習」「計画的なプログラム」「学習履歴の記録」の部分です。一方で、次の3つは教材の種類にかかわらず、家庭と学校の間で組み立てる必要があります。
- 対面の指導 担任の家庭訪問や、教育支援センターへの通所など、誰かが定期的に子どもと顔を合わせる形を決める
- 学校との連絡役 学習記録を誰が、どの頻度で、どんな形で学校に渡すかを決める
- 評価の受け方 出席扱いになった学習を成績にどう反映するか、テストを別室で受けるかなどを学校と相談する
つまり、すららを契約した後も、学校との交渉と記録の提出という「動き」は残ります。それを親がやるのか、伴走してくれる人がいるのか。ここがオンラインフリースクールとの違いにつながります。
学習記録の書き方や、学校に断られたときの動き方は、それぞれこちらの記事で解説しています。
>>出席扱いに必要な学習記録はどう書く?学校に渡す内容と、親が書かなくて済む仕組み
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
すららとオンラインフリースクールの違い
「すらら」と「オンラインフリースクール」は、どちらも自宅で学べて出席扱いを目指せる点は同じです。違うのは、何を提供しているかです。
すららは家庭学習の教材です。学習の設計と記録に強く、コーチが学習面の相談に乗ります。費用は公式サイト(2026年9月16日確認)によると、入会金が3教科コースで11,000円、5教科コースで7,700円。月額は小中コースの3教科で8,800円、5教科で10,978円です(いずれも税込)。
すらら(家庭用)の料金(すらら公式)オンラインフリースクールは「学校ではないけれど、子どもが所属する場所」です。僕たちが運営するクラスジャパン小中学園を例にすると、ネットの先生(担任)が一人ひとりにつき、学習だけでなく生活リズムや気持ちの面も含めて伴走します。在籍校との連携も担任が窓口になり、学習レポートの作成や提出を支えます。
学習面では、生徒一人ひとりに合わせた学習AIが、答えをすぐ教えるのではなくヒントを出しながら一緒に考えます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きです。
オンライン部活や体験活動もあり、同じ立場の仲間とつながれます。費用は入会金11,000円、月額27,500円(税込)で、教材や活動の費用はすべて含まれ、初月の月額は無料です。
また、クラスジャパンで使える教材の中にはすららも含まれているので、金額を考慮しなければクラスジャパンのご利用をおすすめします。
クラスジャパン小中学園の料金(公式)並べると、選び方はこうなります。
- 学習の記録と教材が欲しい。学校との調整は親ができる すららのような家庭学習教材が合う
- 学校との調整を一緒にやってくれる人が欲しい。学習以外の居場所や仲間も欲しい オンラインフリースクールが合う
- どちらとも決めきれない 学校との合意づくりを先に進める。教材はあとから決めても間に合う
月額に3倍ほどの差があるので、費用だけで見ればすららが安いです。その差は「教材だけ」と「所属する場所と伴走する人」の差だと考えてください。どちらが上という話ではなく、いま必要なものがどちらかで決めるのが正解です。
出席扱いは「欠席日数の帳消し」ではない
出席扱いを目指すご家庭の多くは、内申や進級への影響を心配しています。それは正しい動機です。ただ、僕はもうひとつの意味を伝えたいと思っています。
僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。欠席日数が減ったことより、自分の毎日が学校という枠組みの中で認められた、という感覚のほうが大きかったのです。
だから、出席扱いの手続きは、子どもに「あなたの学びは本物だ」と伝える手続きでもあります。すららを使うにしても、オンラインフリースクールを使うにしても、認められた日に子どもへ「今日の勉強、ちゃんと学校に届いてるよ」と伝えてあげてください。出席扱いの一般的な要件はこちらの記事にまとめています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
クラスジャパン小中学園という選択肢
教材だけでなく、学校との調整を一緒に進めてくれる人が欲しい。そう感じたご家庭に向けて、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
ネットの先生(担任)が一人ひとりにつき、毎日の学習の進み具合だけでなく、生活リズムや「今日は何もしたくない」という日の気持ちにも寄り添います。
出席扱いについては、在籍校に提出する学習レポートの作成を担任が支え、学校との連携の窓口になります。
一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる事例があり、この制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
料金の中身や入会からの流れは、こちらの記事で詳しく書いています。
また、クラスジャパンで使える教材の中にはすららも含まれているので、金額を考慮しなければクラスジャパンのご利用をおすすめします。
>>クラスジャパン小中学園の料金はいくら?入会からの流れと費用の中身
今日できる一歩
教材を決める前に、担任の先生に次の一文だけ伝えてみてください。
『自宅でのICT学習を出席扱いにする制度について、一度ご相談したいです』
この一言で、学校側は文部科学省の通知を確認し、校内で協議を始めます。教材がすららなのか、オンラインフリースクールなのかは、その協議の中で決めれば間に合います。先に学校が動き出すことが、いちばんの近道です。
まとめ
すららで出席扱いになるかどうかは、教材の性能ではなく、学校との合意づくりと対面指導の確保、そして校長の判断で決まります。
すららはその要件を満たしやすい教材と記録の仕組みを持ち、公式サイトによれば延べ2,000名以上の認定を支援してきました。
オンラインフリースクールは、教材に加えて担任の伴走と所属できる場所を提供します。いま必要なのが「教材」なのか「伴走する人」なのかで選んでください。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。
よくある質問
すららを契約すれば自動的に出席扱いになりますか?
なりません。出席扱いは、文部科学省の通知が示す要件を満たしたうえで、在籍校の校長が判断します。すららは要件を満たしやすい教材と学習記録の仕組みを提供していますが、学校との合意づくりと対面での指導の確保は、教材の種類にかかわらず家庭と学校で組み立てる必要があります。
すららとオンラインフリースクールは何が違いますか?
すららは家庭学習の教材で、学習の設計と記録に強く、コーチが学習面の相談に乗ります。オンラインフリースクールは子どもが所属する場所で、担任が学習だけでなく生活や気持ちにも伴走し、在籍校との連携の窓口になります。教材が欲しいのか、伴走する人と居場所が欲しいのかで選んでください。
出席扱いの相談は、教材を決めてからのほうがいいですか?
教材を決める前でかまいません。先に担任の先生へ「自宅でのICT学習を出席扱いにする制度について相談したい」と伝えると、学校側が通知を確認して校内で協議を始めます。教材や学び方は、その協議の中で決めれば間に合います。
出典
