通信制高校から美大・芸大に進学できる?実技・学科・総合型選抜の現実的なルート

「通信制高校から美大に進学できるの?」「全日制じゃないと不利になるんじゃないか」。美大や芸大を目指したい高校生、あるいはお子さんがそう言い出した保護者の方が、いちばん最初に不安になるところだと思います。

先に結論です。通信制高校から美大・芸大への進学は、制度の上でまったく問題ありません。大学が見るのは高校の種類ではなく、実技と学科の力です。むしろ通信制高校は日中の時間を自分で組めるので、デッサンや制作に使える時間は全日制より多く取れます。ただし「時間がある」は「自動的に伸びる」ではありません。この記事では、通信制高校から美大・芸大を目指すときの現実的なルートを、入試の中身、時間の使い方、つまずきやすい点の順に書きます。

なお、「どの通信制高校を選ぶか」「美術コースの見極め方」はすでに別の記事にまとめています。この記事は、高校を決めた後(あるいは決めながら)「美大までどう歩くか」に絞ります。高校選びの話はこちらをどうぞ。https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-bijutsu/

僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、18歳で起業しています。今は対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する立場です。通信制高校の連携施設である明光義塾高等学院では学院長を務め、美術コースの生徒も見ています。小幡和輝です。

目次

通信制高校から美大・芸大に進学できる。制度上の根拠

まず制度の話を片付けます。大学の入学資格は「高等学校を卒業した者」などと定められていて、全日制・定時制・通信制の区別はありません(文部科学省「大学・大学院入学資格について」: https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/index.htm)。通信制高校も学校教育法上の高等学校ですから、卒業すれば美大・芸大を含むすべての大学に出願できます。

通信制高校の卒業に必要なのは、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、単位認定試験の3つで、合計74単位以上を取ることです(文部科学省「通信制高校とは?」: https://www.mext.go.jp/tsushinseikoukou/about/)。この3つさえ進めば、残りの時間は自分で使えます。これが美大を目指す人にとっての最大の利点です。

「通信制だと書類選考で不利になる」という話も聞きますが、美大の入試で中心になるのは実技です。出身高校の種類で差がつく場面は、僕の知る限りありません。不利になるとしたら、それは「通信制だから」ではなく、後で書く「時間を持て余して制作も学科も進まなかった」ケースです。

美大入試で問われるもの。実技・学科・面接の3つ

美大・芸大の入試は、大きく次の3つの組み合わせです。学部・学科や入試方式によって配分は変わるので、志望校の募集要項で必ず確認してください。

  1. 実技試験 油画・日本画・彫刻などの純粋美術系は鉛筆デッサンや着彩、デザイン系は平面構成や色彩構成、映像やメディア系は発想力を見る課題が出ることが多いです。制限時間は数時間から丸一日と長く、「描ける」だけでなく「時間内に完成させる」力が問われます
  2. 学科試験 大学入学共通テストを使う方式と、大学独自の試験を使う方式があります。国語と英語の2科目が中心の大学が多く、配点は実技より低いのが一般的ですが、ゼロではありません。実技が同じ水準なら学科で差がつきます
  3. 総合型選抜・学校推薦型選抜 面接、ポートフォリオ(これまでの作品集)、志望理由書、小論文で選ぶ方式です。近年は美大でもこの枠が広がっていて、「作品をこつこつ作ってきた人」が評価されやすい入り口になっています。大学入学者選抜の制度全体については文部科学省のページを参照してください。https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/index.htm

通信制高校の生徒にとって相性がいいのは、3つ目の総合型選抜です。日中の時間を使って作品をためてきた人は、ポートフォリオでその蓄積をそのまま見せられます。ただし「作品があればいい」のではなく、作品について自分の言葉で語れること、志望理由を書けることが必要です。

現実的な時間の使い方。高1から高3までの流れ

「通信制は時間がある」の中身を具体的にします。僕が美術コースの生徒や保護者に話している、ざっくりした流れです。

  1. 高1 まずは描く量を増やす時期です。デッサンの基礎(形の取り方、明暗、質感)を、週に数枚でいいので継続する。同時に通信制高校のレポートを「ためない」習慣を作ります。ここで学習のリズムができないと、高3で一気に苦しくなります
  2. 高2 志望する分野を絞り始めます。油画か、デザインか、映像か。分野によって実技の課題がまったく違うので、ここで方向を決めないと対策が散ります。学科も、国語と英語を中心に基礎を固める時期です。美術予備校の講習に参加してみて、同年代の作品を見る経験も大事です
  3. 高3 志望校の入試方式に合わせて仕上げます。総合型選抜を使うなら夏から秋に出願が始まるので、ポートフォリオと志望理由書は春から準備します。一般選抜なら、実技の制限時間に慣れる練習と、学科の過去問を並行させます

全日制の生徒と比べて、通信制の生徒は平日の日中にまとまった制作時間を取れます。これは本当に大きい。一方で、同じ目標の仲間が隣にいないぶん、自分で進度を管理する必要があります。「今週は何枚描いたか」「レポートは期限内に出したか」を誰かと確認し合う仕組みを持ってください。

学科試験を軽く見ない。好きから入る学び方でいい

実技に時間を使うほど、学科が後回しになります。ここでつまずく生徒を何人も見てきました。「学科は2科目だけだから直前でいい」と思っていると、実技で並んだときに差をつけられます。

ただ、学科の勉強は「机に向かって問題集」だけではありません。僕自身、学校には行っていなかったけれど、クイズ番組やNHKの教育テレビで勉強したり、本を読んだりすること自体は好きでした。「信長の野望」という歴史のゲームがきっかけで日本史にハマり、教科書の範囲をはるかに超えた大学生用の分厚い本を読んで探求していた時期があります。入り口が好きなものなら、学ぶことは続く。美大を目指す人なら、美術史や作家の評伝、展覧会の図録から国語や英語に入っていく道もあります。

「中学の範囲から不安がある」という人も少なくありません。その場合は学年ではなく単元で戻るのが近道です。通信制高校から大学受験を目指す学び方全般については、こちらの記事で解説しています。https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei_juken/

つまずきやすい点と対処

通信制高校から美大を目指す生徒が、実際によく直面する壁を3つ挙げます。

  1. 制作に夢中になってレポートがたまる いちばん多いパターンです。レポートが滞ると単位が取れず、卒業自体が遅れます。対処は、制作の前にレポートを「毎週決まった曜日の午前中」など固定枠に入れること。レポートが終わらないときの立て直し方はこちらの記事にまとめています。https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-report-owaranai/
  2. 見てくれる人がいない 一人で描き続けても、何が足りないかは自分では見えません。現役で制作している人、長く教えている人に定期的に作品を見てもらう場を確保してください。高校の美術コース、美術予備校、地域の絵画教室、どれでも構いません
  3. 志望分野が決まらない 「絵が好き」から「油画」「グラフィックデザイン」「アニメーション」のどれを選ぶかは、描いてみないと分かりません。高1〜高2のうちにいろいろな課題に触れ、自分が時間を忘れるのはどれかを観察してください

美術を本気で学べる場所で高校を卒業するという選択肢

明光義塾高等学院

ここまで書いてきた「作品を見てくれる人」「学科とレポートを止めない仕組み」「進学対策まで一続き」を、ひとつの場所で用意できないか。そう考えて作ったのが、このコースです。

僕(小幡和輝)が学院長を務める明光義塾高等学院に、美術コースがあります。高校卒業資格の取得を目指しながら、本格的な美術表現や作品制作に取り組めるコースです。基礎的なデッサンから作品制作、美術系進学対策まで幅広く対応していて、初心者からスタートできます。

講師は2人です。多摩美術大学大学院の修士課程(油画専攻)を修了した現役アーティストのみどり先生。「美術は、自分を知り、自分を表現するための学び」という考え方で指導しています。そして絵画教室やアトリエを運営してきた指導歴29年のえぐち先生。「想像力」を大切にした作品づくりを見てくれます。いま描いている人と、長く教えてきた人。この2人に定期的に作品を見てもらえる環境は、一人で美大を目指すときにいちばん足りないものを埋めてくれるはずです。

求めているのは、「絵が好き」という気持ちだけです。経験や技術は問いません。ベースにあるのは、明光義塾が大切にしている個別指導の考え方です。制作も、卒業や進路のための学習も、一人ひとりに寄り添って見ていきます。中学からの進学だけでなく、いまの高校からの転入・編入も受け入れています。「全日制にいるけれど、制作の時間がほしい」という相談も歓迎です。

まずは資料請求をしてください。備考欄に「美術コース希望」と書いていただければ、コースの詳細をご案内します。

【明光義塾高等学院】資料請求はこちら
https://gakuin.meikogijuku.jp/

美術コースの詳細はこちら
https://note.com/meikomirai/n/n3866cd346b3b

まとめ。通信制高校から美大へは、時間の使い方で決まる

通信制高校から美大・芸大への進学は、制度上なんの制約もありません。入試は実技・学科・総合型選抜の組み合わせで、通信制の生徒は日中の時間を制作に使えるぶん有利に働く場面があります。ただし、見てくれる人を確保すること、学科とレポートを止めないこと、志望分野を早めに絞ること。この3つを自分で管理できるかどうかが分かれ目です。

今日できる一歩をひとつ挙げるなら、気になっている美大の募集要項を1校だけ開いて、「実技の科目」と「学科の科目」をメモしてみてください。ゴールの形が見えると、今日何を描くか、何を勉強するかが決まります。

「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。無料のLINE相談はこちらから。

不登校の専門家 小幡和輝の無料LINE相談
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

通信制高校の卒業だと、美大の出願や選考で不利になりますか?

なりません。大学の入学資格は「高等学校を卒業した者」などと定められていて、全日制・定時制・通信制の区別はありません。美大の入試で中心になるのは実技で、出身高校の種類で差がつく場面はありません。差がつくとすれば、時間の使い方の結果としての実技と学科の力です。

美術予備校には通ったほうがいいですか?

志望する分野と入試方式によります。一般選抜で実技の制限時間に慣れる練習が必要な場合や、同年代の作品を見て自分の位置を知りたい場合は、講習だけでも参加する価値があります。一方で、高校の美術コースで現役の講師に定期的に見てもらえる環境があれば、それを軸にしながら必要な時期だけ予備校の講習を使う形でも進められます。

学科の勉強はどのくらい必要ですか?

大学と方式によりますが、国語と英語の2科目が中心の大学が多く、配点は実技より低いのが一般的です。ただしゼロではなく、実技が同じ水準なら学科で差がつきます。高1から基礎を少しずつ固め、高3で過去問に入れる状態を目指してください。中学範囲に不安があれば、学年ではなく単元で戻るのが近道です。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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