「いま高2だけど、学年の途中から通信制高校に移れるのだろうか」「一度高校を辞めてしまったら、もう入り直せないのではないか」。この記事を開いた方は、そんな不安を抱えているのではないでしょうか。
結論からお伝えします。転入は多くの通信制高校で随時受け付けており、学年途中でも間に合います。 ただし、いつ移るかによって、引き継げる単位の数と卒業のタイミングが変わります。この仕組みを知らないまま動くと、卒業が半年から1年遅れることがあります。
小幡和輝と申します。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学び、18歳で起業しました。今は自分が、対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する側にいます。転入や編入の相談は日常的に受けているので、その現場感も含めてお伝えします。
転入と編入の違い。今どこに籍があるかで決まる
まず言葉の整理からです。似た言葉ですが、条件がはっきり分かれます。
- 転入 いまの高校に籍を置いたまま、別の高校へ移ることです。いわゆる転校で、在籍期間が途切れないため、多くの通信制高校が随時受け入れています。
- 編入 高校を中退したあとに、あらためて別の高校へ入り直すことです。受け入れ時期を4月と10月などに限定している学校が多く、中退から入学までの空白期間は在籍期間として数えられません。
大事なのは、同じ学校に移る場合でも、辞めてから動くか、籍を置いたまま動くかで扱いが変わるという点です。この違いが、後で説明する卒業時期に直結します。
卒業に必要な条件と、単位の引き継ぎの仕組み
高校を卒業するには、学び方に関わらず次の3つを満たす必要があります。
- 74単位以上の修得 前の高校で修得した単位は、転入先・編入先に引き継げます
- 通算3年以上の在籍 前の高校の在籍期間も通算されます。転入なら期間が途切れず、編入は中退までの期間だけが数えられます
- 特別活動30単位時間以上 ホームルームや学校行事などへの参加です。通信制高校でも卒業要件に含まれます
通信制高校の学習は、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験の3つで単位を修得していく仕組みです。制度の詳細は文部科学省の公式ページで確認できます。
落とし穴は「単位は年度末にまとめて認定される」こと
ここがいちばんの注意点です。全日制の高校は、基本的に学年末にその年度の単位をまとめて認定します。つまり、年度の途中で高校を離れると、その年度に受けていた授業の単位は原則として持っていけません。
たとえば高2の10月に転入した場合、引き継げるのは高1で修得した単位だけです。高2の4月から10月までの授業は、単位としては残らないことが多いのです。
だからといって年度末まで待つのが正解とは限りません。通信制高校側もこの仕組みを前提にカリキュラムを組むので、転入の時期が早いほど、その年度に取れる単位を増やしやすくなります。どの時期に移ると卒業がいつになるのかは学校ごとの履修計画によって変わるため、候補の学校に個別に確認するのが確実です。
学年別に見る転入のタイミング
相談を受けるときによくお伝えする目安を、学年別に整理します。
- 高1の場合 引き継げる単位がまだ少ないぶん、判断はシンプルです。通信制は自分のペースで履修を組めるので、早く移るほど気持ちの立て直しに時間を使えます
- 高2の場合 高1の単位を持って移れるかがポイントです。年度末まで在籍して高1の単位を確定させてから4月に移る方法と、学期の途中で移って新しい環境で仕切り直す方法があり、どちらが合うかはお子さんの状態によります
- 高3の場合 時期がいちばん重要です。秋以降の転入になると、残りの期間で必要な単位を取りきれず、同級生と同じ3月の卒業が難しくなる場合があります。3月卒業に間に合う転入期限を設けている学校が多いので、迷っている段階でも先に問い合わせて期限だけ確認しておいてください
どの学年でも共通して言えるのは、間に合うかどうかを決めるのは学校ごとの履修計画であって、思い込みで諦める必要はないということです。
辞めてから探すのではなく、籍を置いたまま決める
現場で相談を受けていて、いちばんもったいないと感じるのがこのパターンです。「もう学校に行けないから」と先に退学してしまい、それから次を探し始めるケースです。
退学した瞬間から、選択肢は転入ではなく編入になります。受け入れ時期が限られ、空白期間は在籍期間に数えられないため、卒業が遅れやすくなります。一方、籍を置いたままなら、学校に通えていなくても在籍期間は積み上がっていきます。登校できていない状態でも、籍を残しておくこと自体に意味があるのです。
「もう1日も行きたくない」という気持ちのまま在籍を続けるのがつらいこともあると思います。それでも、退学届を出すのは転入先が決まってからで遅くありません。順番を変えるだけで、失うものを大きく減らせます。
今日できる一歩をひとつ挙げるなら、候補の通信制高校に電話かフォームで「いまの学年のこの時期に転入した場合、卒業はいつになりますか」と聞いてみることです。この質問への答えがそのまま、あなたの家庭のスケジュール表になります。
転入後の勉強の不安は、単元まで戻って埋められる
「学年途中まで授業についていけていなかったのに、移った先でやっていけるのか」という不安もよく聞きます。
ここは発想を変えてほしいところです。通信制高校は自分のペースで学べるぶん、つまずいた単元まで戻ってから進み直すという学び方ができます。学年ごと戻る必要はなく、数学なら方程式、英語なら文法のどこか、と単元単位で穴を埋めれば追いつけます。戻り方の考え方はこちらの記事で詳しく解説しています。
不登校の学び直しはどこから戻る?学年ではなく単元で戻すのが正解です
僕が学院長を務める明光義塾高等学院は、全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。
また、転入先を選ぶ段階では、通信制高校本体とサポート校の違いを知っておくと学費の見通しが立てやすくなります。
通信制高校とサポート校の違い。学費は二重にかかる?後悔しないための選び方
転入を考えるときの選択肢に。明光義塾高等学院
転入・編入の受け入れ先を探している方に、僕が学院長を務める明光義塾高等学院も選択肢に入れてもらえたらと思います。いまの高校からの転入も積極的に受け入れています。
全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。転入で心配になりやすい「前の学校の勉強の抜け」も、個別指導がベースなので、どこでつまずいているかを一緒に見つけるところから始められます。
単位の引き継ぎや在籍期間の扱いは一人ひとり状況が違うため、まずは資料請求をしてください。その際に「転入の相談」と書いていただければ、具体的な話が早く進みます。
まとめ。間に合うかどうかは、今日の問い合わせで決まる
転入と編入の違い、単位と在籍期間の引き継ぎ、学年別のタイミングをお伝えしてきました。ポイントは3つです。転入なら学年途中でも移れること。単位は年度末にまとめて認定されるため、移る時期で引き継げる量が変わること。そして、退学は転入先が決まってからでいいということです。
僕が当時の自分にひとこと伝えるなら、「その10年は無駄にならない。今やっていることが全部あとで仕事になるよ」と言います。進路の変更は遠回りに見えて、その子に合った道への近道になることが本当に多いです。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
通信制高校には学年の途中でも転入できますか?
多くの通信制高校が転入を随時受け付けており、学年途中でも移れます。ただし全日制の単位は年度末にまとめて認定されるため、年度途中の転入ではその年度の単位を引き継げないことが多く、移る時期によって卒業のタイミングが変わります。候補の学校に卒業時期を個別に確認するのが確実です。
転入と編入は何が違いますか?
転入は今の高校に籍を置いたまま別の高校へ移ること、編入は中退したあとに入り直すことです。転入は在籍期間が途切れず随時受け入れる学校が多いのに対し、編入は受け入れ時期が限られ、中退から入学までの空白期間は在籍期間に数えられないため卒業が遅れやすくなります。
高3からの転入でも同級生と同じ時期に卒業できますか?
転入の時期と修得済みの単位数によります。卒業には74単位以上の修得と通算3年以上の在籍が必要で、高3の秋以降の転入では3月卒業が難しくなる場合があります。3月卒業に間に合う転入期限を設けている学校が多いため、早めに問い合わせて期限を確認してください。
