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宮城県の不登校からの高校受験ガイド。内申の扱い・受け入れ校・選択肢【2026年度】

「欠席がこんなに多くて、宮城県の公立高校は受けられるのだろうか」。宮城県で不登校のお子さんの高校受験を考え始めたご家庭から、いちばん多く聞く不安です。先に結論をお伝えします。欠席日数が多いこと=不合格ではありません。

宮城県の公立高校入試の要項には、特色選抜の調査書の倍率について「学校に登校していない生徒を積極的に受け入れるために」下限より低く設定できるという規定があります。この規定を使って、田尻さくら高校と仙台大志高校は特色選抜で「評定は用いない」と公表しています。

さらに、2027年4月に開校する広瀬ideal高校には、学力検査点も調査書点も使わず面接で選抜する方式があります。私立や通信制まで含めれば、道は一つではなく複数あります。

この記事では「宮城県 不登校 高校受験」で調べている方に向けて、宮城県教育委員会が公表した令和9年度の入学者選抜要項と各校の選抜方法をもとに、内申(調査書)の扱い、評定を使わない学校、学力検査の負担が軽い公立の道、私立・通信制の道を整理します。

内申点の一般論はこの記事では扱わず、宮城県の制度に絞ってお話しします。

自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。通信制高校の連携施設を運営する立場でもあります。

目次

宮城県の公立高校入試で内申(調査書)はどう使われるか

宮城県の公立高校の第一次募集は、すべての学校で「共通選抜」と「特色選抜」の2通りの方法で合否を決めます。受験生がどちらかを選ぶのではなく、高校が決めた順番で、まず一方の方法で合格者を決め、残った人をもう一方の方法で審査します。[1]

  1. 共通選抜 5教科の学力検査(各100点、合計500点)と調査書点(195点満点)を相関図に置き、両方の満点に近い人から選びます。学力検査と調査書の比重は7:3から3:7までの5段階から各高校が決めます
  2. 特色選抜 学力検査点と調査書点に、面接・実技・作文の得点を足した合計点で審査します。教科ごと、学年ごとの倍率を各高校が決めるので、学校によって中身がまったく違います

共通選抜の調査書点は、国語・数学・社会・英語・理科は中1から中3までの評定の合計、音楽・美術・保健体育・技術家庭は評定の合計を2倍したもので、合計195点です。3年間の評定がすべて使われます。

ここで知っておいてほしいのが、宮城県の調査書の中身です。令和9年度の要項にある「調査書作成上の留意事項」に挙がっている記入項目は、各教科の学習の記録、総合的な学習の時間の記録、行動の記録、特別活動等の記録、スポーツ活動などの記録、特記事項です。出欠の記録を書く項目はありません。[1]

欠席日数そのものが調査書で高校に伝わる仕組みではない、ということです。ただし評定は3年分すべてが使われるので、不登校で評定がつきにくかった学年があると、共通選抜の調査書点は厳しくなります。そのぶん「評定を使わない道」が宮城県には用意されています。次の項目で説明します。

僕自身、不登校だった当時、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。調査書は点数の話に見えて、子どもの自己肯定感にも関わるものです。数字だけを見て親子で追い詰められる前に、制度の全体像を知っておいてほしいと思います。

内申点の仕組みや、内申に頼らない受験の考え方の全般はこちらで解説しています。

>>不登校で内申点がないと高校受験はどうなる?内申に頼らない受験の進め方

「登校していない生徒を積極的に受け入れる」ための倍率規定と、評定を使わない2校

宮城県の要項には、特色選抜の調査書点の倍率について、次の一文があります。「学校に登校していない生徒を積極的に受け入れるために、この倍率未満に設定することができる」。5教科の倍率は通常0.25倍から2.0倍の範囲で決めますが、不登校の生徒を受け入れるためなら、それより低くしてよいという規定です。[1]

令和9年度の「選抜方法等一覧」で、この規定を使って特色選抜の調査書点を0にしている学校が2校あります。[2]

  1. 田尻さくら高校(大崎市) 単位制の多部制定時制で、Ⅰ部(午前)80人とⅡ部(午後夕間)40人を募集します。特色選抜は定員の90%で、調査書は「評定は用いない」と明記されています
  2. 仙台大志高校(仙台市若林区) 仙台市立の単位制定時制で、Ⅰ部(午前午後)90人とⅡ部(午後夜間)30人を募集します。特色選抜は定員の60%で、こちらも「評定は用いない」です

配点は、田尻さくらが5教科の学力検査を各50点に圧縮した250点と個人面接150点、仙台大志が5教科の学力検査500点と集団面接100点で、それぞれ合計点をもとに審査します。

2校とも、面接の観点は「態度」「表現力」「動機・意欲」といった項目で、中学校の欠席日数を採点する項目ではありません。調査書の評定以外の記載事項(特別活動の記録など)は資料として使われますが、評定の数字で不利になることはない設計です。

どちらも共通選抜の枠も残しています。田尻さくらは共通選抜が定員の10%で学力検査と調査書の比重は3:7、仙台大志は40%で7:3です。評定がある人はそちらでも挑めます。

このほか、貞山高校(塩竈市、昼夜間二部制の定時制)は特色選抜で中1・中2の評定を0.25倍、中3を2.0倍にしていて、中3の成績を重く見る設計です。東松島高校(東松島市、三部制の定時制)や石巻北高校飯野川校(石巻市、昼間定時制)も、面接の配点が大きい特色選抜を定員の90%で実施しています。[2]

面接で欠席をどう説明するかは、次の記事に答え方の例をまとめています。

>>高校受験の面接で不登校・欠席日数をどう説明する?そのまま使える答え方の例

通信制という道を先に知っておきたい方には、僕が運営に関わる高校卒業資格が取れる学校があります。詳しくは後半で紹介します。

>>明光義塾高等学院(明光義塾との連携コース)を見る

2027年4月開校。面接だけの方式がある「広瀬ideal高校」

宮城県が「新たなタイプの学校(idealスクール)」として仙台市青葉区に新設する県立高校が、広瀬ideal高校です。宮城広瀬高校を転換する形で2027年4月に開校し、全日制・普通科・単位制で募集定員は200人です。

県の資料では、求める生徒像の一つに「学校に登校していない期間があったが、自分の状況に合わせて学びたい」生徒が挙げられています。[3]

学校の特色は、1校時から8校時までの幅広い時間帯から授業を選べること、学年の区分がなく74単位の修得で卒業できること、学級を置かずチューター制で支えること、通信制高校との併修ができることです。定時制と通信制の機能を併せ持つ全日制高校、と県は説明しています。

入試は、特色選抜の代わりに「ideal選抜」を実施します。募集定員の90%にあたる180人をideal選抜で、残り20人を共通選抜で選びます。ideal選抜は全員に15分程度の個人面接を行い、次の3つの方式で総合的に選抜します。[2]

  1. 面接重視方式 学力検査点も調査書点も使わず、面接100点をもとに、調査書の記載事項(評定以外)も用いて審査します
  2. 調査書重視方式 学力検査点を使わず、調査書点135点と面接27点で審査します
  3. 学力検査重視方式 調査書点を使わず、学力検査点500点と面接100点で審査します

面接は出願時に提出する志願理由書をもとに、「あなた自身について」「志望動機」「入学後の生活」を聞く形で、観点は意欲・目的意識56点、自己理解30点、学校理解14点です。志願理由書は「自分自身について」「志望動機について」「入学後の生活について」「その他」の4項目を書きます。

つまり、評定が厳しい人は面接重視方式か学力検査重視方式で、学力検査が不安な人は面接重視方式か調査書重視方式で挑める設計です。開校初年度なので、説明会の情報は県のサイトで随時更新されています。

副申書と受験上の配慮。中学校を通じて伝えられること

宮城県の要項には、不登校の生徒向けの「自己申告書」のような、本人が書く専用の様式はありません。その代わりに、中学校長が作る「副申書」の仕組みがあります。[1]

  1. 副申書 調査書の記載内容などについて特別な事情がある場合に、中学校長が調査書に添付します
  2. 評定に代わる学習の記録 調査書の特記事項には「評定に代わる学習の記録を記載した別紙等の有無」を書く欄があります。評定がつけられなかった教科がある場合に、別紙で学習の状況を伝える道があるということです
  3. 受験上の配慮申請書(様式P) 別室での受験や検査時間の延長など、検査の実施上の配慮を中学校長が高校長に申請します。2026年12月以降のできるだけ早い時期に、事前に高校と連絡・調整したうえで申請します

副申書について、要項にはこう書かれています。「心理的なこと、情緒的なこと、身体的なことなど特別な事情を有する生徒」について「進学後の参考となる事柄」を記載し、高校長は「副申書の記載内容について特に配慮することができる」。

副申書は本人ではなく中学校が書く書類なので、「欠席していた間に何をしていたか」「いまどう過ごしているか」を担任の先生に日頃から伝えておくことが、そのまま準備になります。様式Pの「配慮の希望事項」は受験上の配慮を書く欄で、選抜に関する配慮は書けないことも知っておいてください。

第一次募集のあとにも道がある。第二次募集と美田園高校の通信制

第一次募集で合格にならなかった場合も、宮城県の入試は終わりではありません。[1]

  1. 第二次募集 第一次募集の合格者が定員に満たない学校で実施します。実施校は2027年3月15日に公表され、出願は3月16日から18日、検査は3月19日、合格発表は3月19日または23日です。選抜は調査書のみ、または調査書に面接・作文・学力検査(国語・数学・英語から1教科以上)などを加えて行います
  2. 美田園高校の通信制課程(名取市) 県内唯一の公立通信制で、学力検査はなく、書類と面接で選抜します。春と秋の年2回、入学の機会があります

美田園高校の一期入学者選抜(春募集)は、出願が2027年3月9日から17日、面接が3月18日・19日・23日のいずれか、合格発表が3月25日です。二期入学者選抜(秋募集)は、出願が2027年9月2日から9日、面接が9月14日・15日、合格発表が9月16日です。

田尻さくら高校の第二次募集は調査書225点と国語・数学・英語の学力検査300点、面接150点で、仙台大志高校の第二次募集も同じ3教科と面接です。第一次募集と違って調査書の評定が使われるので、評定を使わない道を狙うなら第一次募集で出願しておくのが基本です。

令和9年度の第一次募集の主な日程は、出願が2027年2月9日から16日、学力検査が3月3日、面接などは3月3日の学力検査終了後か翌日の3月4日、合格発表が3月15日です。病気などで受けられなかった場合の追試験は3月9日にあります。出願はウェブ出願システムで行い、中学校を通じて手続きします。

なお、宮城県内の「学びの多様化学校」は白石市立白石南小学校・中学校と、ろりぽっぷ学園小学校で、高校段階の設置はありません。[4]

私立・通信制という道も並行して考える

公立だけに絞る必要はありません。私立高校は選考基準が学校ごとに異なり、欠席日数の見方もさまざまです。気になる学校があれば、説明会や個別相談で「欠席が多いのですが」と率直に聞いてしまうのが確実で早い方法です。

そして通信制高校です。私立の通信制は書類と面接が中心の学校が多く、中学時代の欠席日数が合否に直結しにくい仕組みです。宮城県は県内に本校を置く私立の通信制が6校あり、2024年から3年続けて新しい本校が開校した「選択肢が増えている県」です。学校の一覧と学費の考え方はこちらにまとめています。

>>宮城県の通信制高校一覧と選び方。学費と通いやすさで比較【2026年最新】

お子さん自身が「高校に行きたくない」と言っている場合は、受験の方法より先に、進路の全体像から整理するほうが順番として自然です。

>>高校に行きたくないと言う中3へ。進学しない選択肢と無理なく卒業資格を取る道

明光義塾高等学院という選択肢

明光義塾高等学院

通信制という道を検討し始めた方に、僕が運営に関わっている高校卒業資格が取れる明光義塾高等学院も紹介させてください。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。

不登校で学習の空白がある状態からのスタートを、最初から想定している場所です。宮城県内には仙台市の各区をはじめ石巻市、大崎市、名取市、登米市、栗原市、白石市など各地に36の明光義塾の教室があり、日々の学習サポートを自宅の近くの教室で受けられます。

評定を使わない公立の2校は大崎市と仙台市にあり、公立の通信制は名取市の1校です。

気仙沼や栗原、登米といった県北からは「通える学校が近くにない」が進路選びの壁になりがちですが、自宅の近くの教室で学べる仕組みなら、その壁を越えられます。

中学からの進学も受け入れているので、いま中3で進路を探している段階でも、そのまま選択肢に入れられます。

入試は面接のみで、学力試験はありません。高校卒業資格を目指しながら個別指導で学びたい方は、資料請求から始めてみてください。

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今日できる一歩

まず、中学校の担任の先生に「特色選抜で評定を使わない学校を考えているのですが、副申書は書いてもらえますか」と一言聞いてみてください。電話や連絡帳でかまいませんし、三者面談を待つ必要もありません。副申書は中学校が書く書類なので、先生に伝えた時点で準備が動き出します。

あわせて、お子さんと一緒に「学校に行かなかった期間に続けていたこと」を1つだけ話してみてください。それが志願理由書と面接の最初の1行になります。

まとめ。欠席日数=不合格ではない

宮城県の不登校からの高校受験には、少なくともこれだけの道があります。調査書の記入項目に出欠の記録がなく、欠席日数そのものは伝わらないこと。要項に「学校に登校していない生徒を積極的に受け入れる」ための倍率規定があり、田尻さくら高校と仙台大志高校は特色選抜で評定を使わないこと。

2027年4月開校の広瀬ideal高校には、学力検査点も調査書点も使わない面接重視方式があること。第二次募集と美田園高校の通信制が3月にも残っていること。そして私立・通信制、さらに明光義塾高等学院で高校卒業資格を目指すという選択肢です。

「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。

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よくある質問

欠席日数が多いと、宮城県の公立高校には合格できないのでしょうか?

そんなことはありません。令和9年度の要項にある調査書の記入項目は各教科の学習の記録や特別活動の記録などで、出欠の記録を書く項目はありません。

さらに要項には「学校に登校していない生徒を積極的に受け入れるために」特色選抜の調査書の倍率を下限より低くできる規定があり、田尻さくら高校と仙台大志高校は特色選抜で評定を使わずに学力検査と面接で選抜しています。

宮城県で内申(評定)を使わずに受けられる公立高校はどこですか?

令和9年度は、田尻さくら高校(大崎市)と仙台大志高校(仙台市若林区)が第一次募集の特色選抜で「評定は用いない」と公表しています。

田尻さくらは5教科各50点の学力検査と個人面接150点、仙台大志は5教科500点と集団面接100点で審査します。

2027年4月開校の広瀬ideal高校のideal選抜にも、調査書点を使わない面接重視方式と学力検査重視方式があります。

学力検査なしで受験できる宮城県の公立高校はありますか?

あります。広瀬ideal高校のideal選抜の面接重視方式は、学力検査点も調査書点も使わず、面接100点をもとに調査書の記載事項も用いて選抜します。美田園高校の通信制課程は学力検査がなく、書類と面接で選抜し、春と秋の年2回入学の機会があります。第二次募集は調査書のみで選抜する学校もあります。

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出典

  1. 宮城県教育委員会「令和9年度宮城県立高等学校入学者選抜方針・宮城県公立高等学校入学者選抜要項」(Ⅲ 第一次募集 12 選抜、Ⅳ 第二次募集、Ⅸ 通信制課程、Ⅹ その他 1・7、調査書作成上の留意事項、様式P) PDF  本文へ戻る
  2. 宮城県教育委員会「令和9年度宮城県公立高等学校入学者選抜『選抜方法等一覧』」(入試制度の概要、選抜方法一覧、田尻さくら高校・仙台大志高校・貞山高校・東松島高校・石巻北高校飯野川校・広瀬ideal高校・美田園高校の各校ページ) ページ  本文へ戻る
  3. 宮城県教育庁高校教育課「新たなタイプの学校(idealスクール)の新設について」 ページ / 概要資料 PDF  本文へ戻る
  4. 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」 ページ  本文へ戻る
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この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

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