子どもが学校に行けなくなったとき、多くの保護者の方が気になるのが「このまま欠席が積み重なって、進路に影響しないだろうか」という不安ではないでしょうか。
結論から言えば、学校に登校しなくても、フリースクールや自宅での学習を在籍校の「出席」として認めてもらえる制度があります。 そして青森市には、すでにその承認事例があります。
青森市は、全小・中学校に校内教育支援センターを置き、市内全域から転校できる不登校等特認校を8校指定するなど、学校の外や教室の外での学びを市ぐるみで整えてきた自治体です。この記事では、青森市で出席扱いを進める手順と、市の支援の中身、公的な教育支援センターまでまとめてお伝えします。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
青森市で実際に出席扱いが認められた事例
まず知っていただきたい事実からお伝えします。
青森市内の学校で、フリースクールに入会したあとすぐに活動レポートを学校へ提出することで、出席扱いが認められた事例があります。
「うちの子の学校でも認めてもらえるのだろうか」と不安な方は多いと思います。ただ、青森市にはすでに前例があります。前例があるということは、学校側にとっても判断しやすいということです。
青森市教育委員会の資料によると、令和6年度の市立小・中学校の不登校児童生徒数は528人(小学校196人、中学校332人)で、前年度より83人減りました。1,000人あたりでは小学校17.3人、中学校53.6人で、全国の水準を下回っています。[1]
市はこの背景として、児童生徒と保護者の面談でつくる個別のプログラム、全小・中学校に設置した校内教育支援センター、関係機関との連携を挙げています。学校の外での学びをどう扱うかは、青森市の学校にとって特別な話ではなく、日常的な課題になっています。
そもそも「出席扱い」とは
出席扱いとは、学校に登校していなくても、自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえる制度です。文部科学省が要件を示しており、最終的には在籍校の校長先生が判断します。[2]
ポイントは大きく4つあります。
- 保護者と学校の連携 担任の先生と定期的にやりとりできている状態が前提になります。
- 計画的な学習プログラム ICT教材やフリースクールでの活動がこれにあたります。
- 学習状況の把握 活動レポートや学習記録を提出し、学校が状況をつかめるようにします。
- 訪問等による対面指導 学校や教育支援センターなどの職員が、定期的な訪問や面談で本人の様子を確認することも求められます。
つまり「なんとなく家で勉強している」ではなく、記録を残して学校と共有する仕組みさえあれば、出席扱いは十分に目指せます。文部科学省の通知では、民間施設での相談・指導が子どもにとって適切かどうかを、校長先生が教育委員会と連携して判断するとされています。
青森市の場合、市の教育支援センターが毎月「教育相談状況報告書」を学校へ送る形で出席扱いを運用しています。学校側は「学校の外の学びを、月ごとの報告で確認する」という型に慣れているので、フリースクールの活動レポートも同じ形で受け取ってもらいやすいと言えます。この点はあとで詳しくお伝えします。
出席扱いの要件をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事で3つの要件を掘り下げています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
なぜ出席扱いが重要なのか
第一に挙げられるのは、進学や受験への影響です。欠席日数が内申に響くのではないかという不安は、多くの保護者の方が抱えるものだと思います。
ただ、この影響は昔に比べると小さくなってきています。受験の合否判定で出席日数を考慮しない自治体が増えてきているためです。
だからこそ僕は、もうひとつの視点をお伝えしたいです。
僕自身、不登校の当時はフリースクールに通っていた当事者です。当時は、学校に行っていない自分への否定的な気持ちや「このままでいいのかな」という不安がずっと心のどこかにありました。
でも、フリースクールでの学びが出席扱いになったことで、自分がやっていることを学校が認めてくれた。 「これでいいんだ」と思えるようになったんです。その結果、少しずつ自己肯定感が高まっていきました。
出席扱いは、単に欠席日数を減らすための制度ではありません。学校の外での学びも認められているという安心感を子どもに届けられる制度です。だからこそ僕は、出席扱いを大事にしてほしいと思っています。
出席扱いの仕組みを持つオンラインフリースクールについては、こちらで学び方を紹介しています。
青森市での進め方。実例ベースの4ステップ
実際に承認された事例をもとに、流れを整理します。
- フリースクールや教材を決める 出席扱いの実績があるところを選ぶと話が早く進みます。学校への説明資料や連携の型をすでに持っているためです。青森市教育委員会は、掲載の許諾が取れた市内のフリースクール等を不登校対応ポータルサイト「COCOLOページ」で紹介しています。探すときの起点にできます。
- 担任の先生に相談する 「出席扱いにしてほしい」といきなり交渉するのではなく、文部科学省の通知に沿ってフリースクールでの活動を出席扱いにできないか相談したい、と伝えるのがスムーズです。判断するのは校長先生なので、担任の先生経由で話を上げてもらいます。担任の先生と話しづらい場合は、市のフレンドリーダイヤル(017-743-3600)を先に使っても構いません。
- 活動レポートを提出する 青森市の事例では、入会後すぐにレポートの提出を始めたことが承認の決め手になりました。学習内容や時間、お子さんの様子が伝わることで、先生も安心して判断できます。
- 出席扱いが承認される その後も定期的にレポートを共有し、学校との連携を続けていきます。
もし学校の反応が鈍かったときの動かし方は、こちらの記事にまとめています。
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
青森市に保護者向けのフリースクール補助金はある?
お金の話は正直にお伝えします。2026年9月時点で、青森市には保護者向けにフリースクールの利用料を補助する独自の制度は確認できていません。青森県にも、保護者へ利用料を直接補助する制度は公式サイト上で確認できませんでした。
制度は年度で変わるので、最新の情報は青森市教育委員会や青森県教育委員会にご確認ください。
そのぶん、青森市で費用を抑えながら学びと出席を確保する考え方は3つあります。
- 市の教育支援センターを使う 青森市教育支援センター「フレンドリールームあおいもり」は公的な教室なので月額の利用料がかからず、市のパンフレットでも通室は出席扱いと案内されています(最終判断は校長先生)。詳しくは後述します。
- 不登校等特認校や校内教育支援センターを使う どちらも市立学校の仕組みなので、費用は通常の学校と同じです。
- 出席扱いの仕組みを持つオンラインフリースクールを選ぶ 雪の季節の通所や交通費の負担がなく、通所型より利用料を抑えやすい選択肢です。
青森県内の自治体ごとの補助制度の有無と、県内の民間フリースクールはこちらの記事で紹介しています。
>>青森県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
青森市の不登校支援は「あおもりしCOCOLOプラン」で整理されている
青森市の特徴は、不登校の子の学びの場を市全体の計画としてまとめていることです。青森市教育委員会は、令和4年11月から進めてきた不登校対策を令和7年3月に「あおもりしCOCOLOプラン」として統合しました。柱は次の4つです。[3]
- 個別のプログラム 学校に来られなくても、1人1台端末を使ったオンライン授業やAI型ドリル教材で在宅学習ができる仕組みです。令和4年11月から始まりました。
- 校内教育支援センター 令和6年4月から市内の全小・中学校に開設されています。教室には入れないけれど学校には行ける、という日に使える部屋です。
- 不登校等特認校 市内全域から入学・転入学できる学校です。令和7年4月に6校で始まり、令和8年4月から造道小学校・造道中学校が加わって8校になりました。
- フレンドリールームあおいもり 市の教育支援センター(適応指導教室)です。
不登校等特認校は、油川小学校・油川中学校(北部)、新城中央小学校・新城中学校(西部)、堤小学校・浦町中学校(中部・南部)、造道小学校・造道中学校(東部)の8校です。
校内教育支援センターで個別のプログラムに沿って学び、始業を遅め、終業を早めに設定しています。令和7年12月末時点で26人が入学・転入学しています。
保護者向けの教育相談会も年5回開かれています。令和8年度は6月15日、11月4日(小学生対象)、11月6日(中学生対象)、12月17日、3月2日の各日17時30分から19時で、会場は青森市教育研修センターです。
不登校の子の居場所の紹介や体験談、座談会・個別相談があり、保護者の会「みちくさの会」が運営に協力しています。[4]
転校を含めた選択肢の話は、市教育委員会学務課(017-718-1414)、教育内容の話は指導課(017-718-1869)が窓口です。
青森市で利用できる2つの選択肢
選択肢1:自宅で学べる「オンラインフリースクール」
「まだ外に出るエネルギーがない」というお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」という選択肢があります。
自宅にいながら、ネットの先生(担任)が伴走し、学習や生活リズムをサポートします。2018年の開校からこれまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきた実績があり、一定の要件を満たし校長先生が認めれば在籍校の出席扱いとなる仕組みも整っています。
出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みなので、学校との連携もスムーズです。青森市のように冬の通所が負担になりやすい地域では、天候に左右されずに毎日の学びを続けられる点も大きな利点です。
学習面では最先端のAIサポートを取り入れているのも特徴です。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIが、わからない場面で答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えてくれます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定があるので、安心して使えます。
選択肢2:通える距離の「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。2026年9月時点で青森県内と東北地方に校舎はありませんが、不登校の小中学生を対象にした対面型のフリースクールとして、東京・山梨・長野・滋賀・岡山などで校舎を運営しています。
明光フリースクールでは、学び直しのサポートに加えて、プログラミングやeスポーツなど、子どもが「楽しい」と思えるコンテンツを用意しています。学校ではないけれど、仲間と過ごしながら通う場所として機能します。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になった実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
青森市内で通える民間の居場所としては、市のポータルサイトにも掲載されている「ちいさな学校」(青森市新町1丁目11-15)があります。火・木・土曜の開所で、公立学校との並行通学もできるオルタナティブスクールです。
青森市の公的な相談窓口も知っておこう
フリースクールとあわせて、青森市の公的な支援も知っておくと安心です。
青森市の教育支援センター(適応指導教室)は「フレンドリールームあおいもり」です。青森市栄町1丁目10番10号の青森市教育研修センター4階にあり、電話は017-743-3600(フレンドリールーム直通)です。
対象は自学自習のできる小学5年生から中学3年生で、市のパンフレットには通室が出席扱いになると明記されています(最終判断は在籍校の校長先生)。公的な教室なので月額の利用料はかかりません。体験活動の実費は申込時に確認してください。[5]
開室は月曜から金曜の9時から16時で、学校の長期休業中も開いています。学習支援や相談活動のほか、栽培体験、防災センターや水族館への社会見学、三沢航空科学館へのバス遠足、ミュージカル観劇といった生活体験活動が月ごとに組まれています。
入室までの流れは4段階です。
- 教育相談受付 保護者または学校から申し込みます。
- 受理面談 相談員がお子さんと保護者に会い、いまの状況や通室の意思を確認します。
- 体験通室 実際に通ってみて、本人が続けたいと感じたら受理に向けて相談員が協議し、担当相談員が決まります。
- 入室 学校へ「入室願い」を提出します。通室中の事故などへの対応を学校と同じ扱いにするための書類です。
入室後は、担当相談員が学級担任や学年主任と随時連絡を取り、毎月「教育相談状況報告書」を学校に送ります。出席や様子、どんな支援をしているかが学校に届く仕組みで、出席扱いを支える「記録の共有」が制度として組み込まれています。
相談だけの利用もできます。電話相談のフレンドリーダイヤル(017-743-3600)は年末年始以外の毎日9時から21時まで、来室相談は月・水・金曜の9時から16時30分、火・木曜は9時から21時まで受け付けています。メール相談と、小学3年生から中学3年生向けのChromebook相談もあります。
教育支援センターの通い方や費用の考え方はこちらの記事で、青森県内の相談窓口はこちらの記事で詳しく紹介しています。
>>教育支援センター(適応指導教室)とは?通い方・費用・出席扱いをわかりやすく解説
>>青森県の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】
公的な教室とフリースクールは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。お子さんの状態や相性に合わせて、複数の選択肢を並行して検討してみてください。
まとめ。青森市は「前例がある」から動きやすい
出席扱いは校長先生の判断で決まるため、前例があるかどうかが大きく影響します。青森市にはすでに承認事例があり、市も校内教育支援センターや特認校、フレンドリールームあおいもりという形で、学校の外や教室の外の学びを支える姿勢を示しています。
保護者向けの利用料補助はまだありませんが、利用料のかからない教育支援センターやオンラインフリースクールを組み合わせれば、費用を抑えながら学びと出席を確保する道はあります。
今日できる一歩として、連絡帳や学校への連絡メールに「学校の外での学びを出席扱いにできないか、一度相談したい」と一文書いてみてください。それだけで、担任の先生から校長先生へ話が上がる入口ができます。
学校に行かない期間があっても、学びと出席、そしてお金の心配を減らす方法はあります。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。
よくある質問
青森市で不登校の出席扱いは認められますか?
青森市内の学校で、フリースクール入会後すぐに活動レポートを学校へ提出することで出席扱いが認められた事例があります。文部科学省の通知に沿って、最終的な判断は在籍校の校長先生が行います。担任の先生を通じて相談し、活動レポートを早めに提出し始めるのが承認への近道です。
青森市にフリースクールの補助金はありますか?
2026年9月時点で、青森市にも青森県にも、保護者向けにフリースクールの利用料を補助する制度は確認できていません。
利用料のかからない市の教育支援センター「フレンドリールームあおいもり」やオンラインフリースクールで費用を抑える方法があります。制度は年度で変わるため、最新情報は青森市教育委員会にご確認ください。
青森市の教育支援センター(適応指導教室)はどこにありますか?
青森市教育支援センター「フレンドリールームあおいもり」は、青森市栄町1丁目10番10号の青森市教育研修センター4階にあります。
対象は自学自習のできる小学5年生から中学3年生で、月曜から金曜の9時から16時に開室。市の案内では通室は出席扱いで、月額の利用料はかかりません。申し込みや相談はフレンドリーダイヤル(017-743-3600)です。
出典
- 青森市教育委員会「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(令和7年11月20日 文教経済常任委員協議会資料) PDF 本文へ戻る
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) ページ 本文へ戻る
- 青森市教育委員会「不登校等特認校の拡充について」「あおもりしCOCOLOプラン(イメージ図)」(令和8年1月21日 文教経済常任委員協議会資料) PDF 本文へ戻る
- 青森市教育研修センター「青森市不登校対応ポータルサイト COCOLOページ 教育相談会」 ページ 本文へ戻る
- 青森市教育研修センター「青森市教育支援センター フレンドリールームあおいもり」(令和8年度パンフレット) ページ 本文へ戻る
