「不登校のまま3月を迎えるけれど、卒業式はどうしよう」「本人が出たくないと言ったら、出さなくていいのだろうか」。不登校の卒業式は、出るか出ないかの二択を親が先に決めようとすると苦しくなります。
先に結論です。卒業式に出なくても卒業はできます。そして参加の形は「みんなと同じ式に出る」「出ない」の二択ではなく、別室や時間差での参加、後日の受け取りなど複数あります。決めるのは子ども本人で、しかも当日まで決めなくてかまいません。
約10年間の不登校を経て18歳で起業した、小幡和輝と申します。当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。今はそれを運営する側として、2000人以上の子どもたちと家庭に関わっています。この記事では、不登校の卒業式をめぐる制度の事実と、参加の形の選択肢、親の関わり方をまとめます。
卒業式に出なくても卒業できる。まず制度の事実から
いちばん先に押さえてほしいのは、卒業式への出席は卒業の条件ではないということです。
小中学校の卒業(課程の修了)を認定するのは校長です。学校教育法施行規則に、各学年の課程の修了と卒業は児童生徒の平素の成績を評価して校長が認めること、全課程を修了したと認めた者には卒業証書を授与しなければならないことが定められています(学校教育法施行規則 第57条・第58条 https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000080011)。義務教育である小中学校では、不登校で欠席が続いていても卒業が認められないケースは基本的にありません。式に出たかどうかは、この認定と関係がないのです。
文部科学省も、不登校の子どもへは一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応をするよう通知を出しています(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm)。卒業式の参加方法を家庭の希望に合わせて調整することは、学校にとって特別なわがままではなく、通常の配慮の範囲です。
だから「式に出ないと卒業できなくなるのでは」「進学に響くのでは」という心配で、無理に出席させる必要はありません。高校入試で問われるのは調査書や当日の試験であって、卒業式に出たかどうかを進学先が知ることもありません。
出る・出ないの二択じゃない。参加の形は選べる
学校に相談すると、参加の形は思っている以上に選べます。実際によく使われているのは次の形です。
- みんなと同じ式に出る 席を端や後方にしてもらう、保護者席の近くにするなどの調整も相談できます
- 式の一部だけ参加する 卒業証書の授与だけ出て退出する、入場はせず会場の後ろで見る、という形です
- 別日・別室で受け取る 式とは別の日に校長室などで、校長先生から直接卒業証書を受け取ります。その子のためだけの小さな卒業式をしてくれる学校もあります
- 親が代理で受け取る、郵送してもらう 本人は行かない選択です。これも立派な選択肢のひとつです
どの形にするにしても、学校への相談は早めが動きやすいです。3月に入ってからでも対応してもらえますが、2月中に一度「参加方法を本人の状態に合わせて相談したい」と伝えておくと、学校側も準備の選択肢が広がります。
学校への連絡そのものが負担になっている場合は、連絡の頻度や窓口を軽くする方法をこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-katei-homon-kotowaru/
決めるのは子ども。親は「どうする?」と聞かなくていい
参加の形を選ぶのは、親ではなく子ども本人です。ここを取り違えると、せっかく選択肢を増やしても子どもの負担になります。
聞き方にもコツがあります。「卒業式どうするの?」と答えを迫る聞き方ではなく、「出ても出なくても卒業はできるんだって。別の日に受け取る形もあるみたいだよ」と、選択肢の情報だけ渡して待つ聞き方です。答えを出す期限を親が切らないこと。そして一度「出る」と言った子が当日に動けなくなっても、責めないことです。前日まで行くつもりだった体が朝になって動かない、というのは不登校ではよくあることで、気まぐれでも約束破りでもありません。学校にも「当日キャンセルの可能性があります」と先に伝えておくと、親の気持ちもずっと楽になります。
僕自身の話をすると、親に言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。卒業式も同じです。出るかどうかより、どちらを選んでも大丈夫だと親が伝えられるかどうかのほうが、子どもにとってはずっと大きいのです。
卒業式のあとが本番。4月からの居場所を先に考えておく
卒業式は一日で終わりますが、その翌日からの生活は続きます。実は3月の「出る・出ない」より、4月からどこで過ごすかのほうが大切な問いです。
中学卒業なら進路です。全日制だけでなく、通信制高校という選択肢もあります。通信制高校の仕組みとメリット・デメリットはこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/correspondence/
小学校卒業なら、4月から中学生になります。環境が変わるタイミングは、学校以外の居場所を持ち直すチャンスでもあります。卒業式を「区切りの儀式」として頑張らせるより、次の場所を先に用意しておくほうが、結果として3月の気持ちも軽くなります。行く場所が決まっている子は、卒業式を「出ても出なくてもいい一日」として自然に選べるようになるからです。
明光フリースクールという選択肢
4月からの居場所の選択肢として、僕たちが運営する明光フリースクールを紹介させてください。
平日の日中に通えるフリースクールです。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
在籍校の出席扱いや、自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。4月から中学生になる子も、すでに中学生の子も、新学期が始まる前の3月に一度見学しておくと、本人が「行ける場所がある」と思えた状態で新年度を迎えられます。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
【明光フリースクール】詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
今日できる一歩
今日できることをひとつだけ挙げるなら、学校への連絡帳やメールにこの一文を書いてみてください。
「卒業式の参加方法について、本人の状態に合わせて相談させてください。別日の受け取りなども含めて、選べる形を教えていただけますか」
答えを決めてから連絡する必要はありません。選択肢を聞くだけの連絡です。これで学校側の準備が始まり、子どもに渡せる情報がそろいます。
まとめ。どちらを選んでも、その子の卒業です
不登校の卒業式は、出ても出なくても卒業できます。参加の形は二択ではなく、別室・時間差・後日の受け取りなど複数から選べて、決めるのは子ども本人です。当日に気持ちが変わることも織り込んで、親は「どちらでも大丈夫」を伝える役に回りましょう。そして3月の式より、4月からの居場所を先に整えることが、結果として子どもの気持ちをいちばん軽くします。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。
無料のLINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
不登校で卒業式に出なくても卒業できますか?
できます。小中学校の卒業を認定するのは校長で、学校教育法施行規則に基づき平素の成績を評価して認められます。卒業式への出席は卒業の条件ではなく、義務教育では不登校でも卒業が認められないケースは基本的にありません。
卒業式に出ない場合、卒業証書はどうやって受け取ればいいですか?
別の日に校長室などで直接受け取る、親が代理で受け取る、郵送してもらうなどの方法があります。式の一部だけ参加して証書授与のときだけ出る形も選べます。学校に「参加方法を本人の状態に合わせて相談したい」と早めに伝えておくと選択肢が広がります。
子どもが卒業式に出ると言っていたのに当日行けなくなりました。どうすればいいですか?
責める必要はありません。前日まで行くつもりだった体が当日動かなくなるのは不登校ではよくあることです。あらかじめ学校に当日キャンセルの可能性を伝えておき、行けなかった場合は後日の受け取りに切り替えれば大丈夫です。
