子どもの自己肯定感の高め方を調べると、「褒め方のコツ」や「魔法の声かけフレーズ」がたくさん出てきます。試してみたけれど手応えがない、褒めているのにむしろ自信がなさそう。そんな行き詰まりを感じている方に向けて書いています。
先に結論をお伝えします。自己肯定感は、褒めて高めるものではなく、「できた」という実感の場数で育つものです。親の仕事は上手に褒めることではなく、できたが生まれる場面を増やすこと。この記事では、その場数の増やし方を、家の中・好きなこと・家の外の3つに分けて具体的に紹介します。
僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。小幡和輝と申します。
高め方の前提。言葉が先ではなく「できた」が先
人は、言われたことよりも、自分で確かめたことを信じます。実感が伴わないまま「すごいね」「えらいね」を重ねると、子どもは言葉を素通りさせるか、「本当の自分を知らないだけだ」と割り引いて受け取ります。褒めているのに自信がつかないのは、褒め方が下手だからではなく、順番が逆だからです。
効く順番はこうです。まず、本人の中に「できた」という事実が生まれる。その直後に、大人がその事実を言葉にする。言葉は実感を確認する道具であって、実感の代わりにはなりません。だから工夫すべきは言い回しではなく、できたが生まれる場面の数なのです。
家の中で「できた」の場数を増やす3つの方法
特別なプログラムは要りません。家の中には場数の材料がたくさんあります。
- 家の中の役割を任せる お風呂洗いでも、米研ぎでも、ペットの餌やりでもかまいません。終わったら褒めるのではなく「助かった」と伝えます。誰かの役に立てたという実感(自己有用感)は、内閣府の調査でも日本の若者の自己肯定感と深く関わると指摘されているもので、家庭で一番増やしやすい実感です(出典: 内閣府「令和元年版 子供・若者白書」 https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/ )
- 選ぶ場面を増やす 夕飯のメニュー、週末の予定、服。小さなことを本人に決めてもらいます。自分で選んで動けたという経験は、結果がどうであれ「自分で決められた」という場数になります。うまくいかなくても取り返しがつく大きさの選択から始めるのがコツです
- 結果ではなく途中を言葉にする テストの点やゴールではなく、「昨日より10分早く取りかかれたね」「最後まで自分でやったんだね」と、見ていた事実を返します。結果は運や相手で揺れますが、途中の事実は本人にも打ち消せません
好きなことは「できた」の宝庫。ゲームでも絵でもいい
場数を増やす一番の近道は、本人がすでに夢中になっていることの中から見つけることです。
僕の不登校中のゲーム時間は、合計3万時間くらいです。そして、ゲームの大会を自分で企画したことが、人を集めて何かをやる原体験になりました。それが起業の第一歩だったと今でも思っています。親から見たら「遊んでいるだけ」の時間の中で、攻略を工夫し、仲間と協力し、企画を立てるという挑戦と達成が起きていました。
好きなことを取り上げて別の何かを頑張らせるのは、せっかく積み上がっている場数をゼロに戻す行為です。それよりも、その中にある工夫や上達を一緒に見つけて言葉にするほうが、はるかに効率よく自己肯定感が育ちます。学校を休みながら習い事だけは行ける、という状態を責めなくていい理由も同じで、こちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-naraigoto-dake/
家の外に、認められる場所をもう一つつくる
家庭での場数には、一つだけ限界があります。思春期に近づくほど、親の言葉は割り引いて受け取られるようになることです。「お母さんはそう言うけど」と返された経験のある方は多いはずです。
だからこそ、親以外の大人や同世代に認められる場所を、家と学校のほかにもう一つ持つことをおすすめします。習い事でも、地域の活動でも、対面やオンラインのフリースクールでもかまいません。第三者からの「助かった」「上手くなったね」は、家庭の声かけの何倍も残ります。小学生・中学生それぞれの居場所の選び方は、こちらの記事で紹介しています。
小学生の場合:
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-nansai-kara/
中学生の場合:
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-chugakusei/
今日できる一歩
今日、家の中の小さな仕事をひとつ、お子さんに頼んでみてください。「ちょっとお願いしてもいい?」と頼み、終わったら「助かった」とだけ伝える。褒め言葉を足さなくて大丈夫です。頼まれて、やって、役に立った。この一往復が、今日増やせる場数の一つ目です。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の『やればできるの記憶をつくる』の理念をもとにした、個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
場数という点で言えば、ここは「できた」が生まれやすいように設計された場所です。一人ひとりに寄り添う運営だから、いまのその子ができることから始められます。プログラミングで作品が動いた、eスポーツで仲間と勝てた、初めての場所に通えた。学校の物差しでは測られなかった達成が、ここでは一つずつ認められていきます。
学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ
子どもの自己肯定感の高め方は、褒め方の技術ではなく設計の問題です。家の中に役割と選ぶ場面をつくる。好きなことの中の達成を一緒に見つける。そして家の外に、認められる場所をもう一つ持つ。実感が先、言葉が後。この順番だけ覚えて帰ってください。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。無料のLINE相談はこちらから。
小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
褒めているのに子どもの自己肯定感が上がらないのはなぜですか?
実感が伴わない褒め言葉は素通りしてしまうからです。順番は「できた」という事実が先で、言葉はその確認です。褒め方を工夫するより、役割を任せる、選ばせるなど、できたが生まれる場面を増やすことから始めてみてください。
何歳からでも自己肯定感は高められますか?
はい。僕自身、約10年の不登校の中でゲームの大会を企画した経験が原体験になり、そこから人生が動き出しました。年齢よりも、本人が実感できる小さな達成を積める環境があるかどうかが重要です。
ゲームばかりしている子でも自己肯定感は育ちますか?
育ちます。ただし条件があり、工夫や上達を言葉にしてくれる相手や、一緒に取り組む仲間がいることです。一人で黙々と遊ぶだけより、達成を認められる場面とセットになったとき、ゲームの時間は場数に変わります。
