中学生の子どもが学校に行けなくなったとき、保護者の頭に真っ先に浮かぶのは「勉強の遅れ」と「高校受験」ではないでしょうか。フリースクールという言葉は知っていても、中学生が通って勉強は進むのか、出席はどうなるのか、受験に不利にならないのか。小学生の不登校とは違う切実さがあります。
先に結論をお伝えします。フリースクールに通う中学生は、勉強も、在籍校の出席扱いも、高校受験も、きちんと道をつなげられます。大切なのは「何を確認して選ぶか」を知っておくことです。
自己紹介が遅れました。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。今は不登校の専門家でありフリースクールの運営者の立場で、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちとご家庭に関わってきました。この記事では、中学生がフリースクールを選ぶときに押さえるべき勉強・出席扱い・高校受験の3点を、運営者の実感を交えて解説します。
中学生にとってフリースクールはどんな場所か
フリースクールは、不登校の子どもを受け入れて、学習のサポートや体験活動、相談などを行う民間の施設です。平日の日中に通えて、決まったカリキュラムに縛られず、一人ひとりのペースで過ごせます。
文部科学省の令和6年度の調査では、小・中学校の不登校の児童生徒は353,970人と過去最多で、そのうち中学生は21万人を超えています。クラスに数人は学校に行っていない子がいる計算で、学校の外で学ぶ中学生は決して珍しい存在ではなくなりました。
令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(通知)|文部科学省
中学生の場合、フリースクールに求める役割は大きく2つに分かれます。安心して過ごせる居場所としての役割と、受験を見すえた学習の立て直しの役割です。施設によってどちらに重心があるかは違うので、見学のときに「うちの子の場合、勉強はどう進めてもらえますか」と具体的に聞いてみてください。答えの具体性で、その施設の学習サポートの厚みがわかります。
勉強の遅れは「学年」ではなく「単元」で戻す
中学生の保護者がいちばん心配するのが学習の遅れです。ここで知っておいてほしいのは、遅れを取り戻すときの正しい戻り方です。
たとえば中2で数学がわからなくなった子は、「中2の範囲を頑張る」のではなく、つまずいた単元まで戻るのが近道です。連立方程式が解けない原因は、中1の方程式や小学校の分数計算にあることが多いからです。学年で考えると2年分の遅れに見えても、単元でたどれば、埋めるべき穴は案外少ないことがよくあります。
個別指導型のフリースクールなら、この「単元で戻る」学び方が日常の風景です。まわりの目を気にせず、中3が中1の英語からやり直すことも当たり前にできます。戻る場所の見つけ方はこちらの記事で詳しく解説しています。
不登校の学び直しはどこから戻る?学年ではなく単元で戻すのが正解です
フリースクールへの通所は在籍校の「出席扱い」にできる
フリースクールでの活動は、文部科学省の通知に基づく要件を満たせば、在籍する中学校の出席として認められます。ポイントは4つです。
- 保護者と学校の連携 担任の先生と定期的にやりとりできている状態をつくること
- 訪問等による対面指導 学校の先生などによる対面の指導が適切に行われていること
- 計画的な学習プログラム フリースクールでの活動が計画性のある学習と認められること
- 学習状況の共有 活動レポートなどで学校が学習の様子を把握できること
最終判断は在籍校の校長先生が行うため、出席扱いの実績があるフリースクールを選ぶと、学校への説明資料や連携の型がすでにあり、話が早く進みます。
僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。出席扱いは欠席日数を減らすためだけの制度ではなく、学校の外での学びが認められているという安心感を子どもに渡せる制度です。要件の詳しい中身はこちらの記事にまとめています。
「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
高校受験はどうなる?内申が不安でも道はある
フリースクールに通う中学生も、全日制・定時制・通信制のどの高校も受験できます。フリースクールに通っていること自体が受験資格に影響することはありません。
心配になるのは調査書(内申書)だと思います。調査書は在籍する中学校が作成するもので、出席扱いが認められていれば出欠の記録にも反映されます。ここでも学校との連携が生きてきます。
そのうえで正直にお伝えすると、内申点の扱いは都道府県や高校によって本当に差があります。学力検査の比重が大きい学校、不登校の生徒に配慮した選抜の仕組みを持つ自治体もあるので、中3になってから慌てるのではなく、志望先の候補が出てきた段階で募集要項を確認し、担任の先生に「調査書はどう書かれるか」を聞いておくのが確実です。
もうひとつ伝えたいのは、内申が厳しくても受験の間口が広い通信制高校という進路があることです。「全日制に行けないから仕方なく」ではなく、自分のペースで高校卒業と進学を目指せる前向きな選択肢として、中学の段階から知っておくと気持ちがずっと楽になります。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどもあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能します。
中学生にとって大きいのは、日中に安心して過ごせる場所があること自体が、受験期の親子の消耗をぐっと減らしてくれることです。学習のサポートもありますが、まずは通える居場所として、同じ場所で同じスタッフと関係をつくっていけるのが特徴です。
学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
まとめ。中学生のフリースクールは「逃げ」ではなく進路の立て直し
フリースクールに通う中学生は、勉強も出席扱いも高校受験も、道をつなげられます。確認すべきことは、学習サポートの具体性、出席扱いの実績、そして志望先の調査書の扱いの3つでした。
今日できる一歩として、在籍校の担任の先生に「フリースクールを検討しています。過去に出席扱いになった例はありますか」と電話かメールで聞いてみてください。学校側の温度感が早い段階でわかり、その後の相談がずっとスムーズになります。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
フリースクールに通う中学生は高校受験できますか?
できます。フリースクールに通っていること自体が受験資格に影響することはなく、全日制・定時制・通信制のどの高校も受験できます。調査書(内申書)は在籍する中学校が作成するため、出席扱いの連携をしておくと出欠の記録にも反映されます。内申点の扱いは都道府県や高校によって異なるので、志望先の募集要項を早めに確認してください。
中学生がフリースクールに通うと在籍校の出席扱いになりますか?
文部科学省の通知に基づき、保護者と学校の連携があること、計画的な学習プログラムであること、学習状況を学校が把握できることなどの要件を満たせば、在籍校の出席扱いになります。最終判断は校長先生が行うため、出席扱いの実績があるフリースクールを選ぶと話が進みやすくなります。
フリースクールで中学の勉強の遅れは取り戻せますか?
取り戻せます。ポイントは学年ではなく、つまずいた単元まで戻って学び直すことです。個別指導型のフリースクールなら、中3が中1の英語からやり直すことも当たり前にでき、まわりの目を気にせず自分のペースで進められます。学年で見ると大きな遅れに見えても、単元でたどると埋めるべき穴は案外少ないことがよくあります。
