私立中学や中高一貫校に通うお子さんが不登校になると、公立の場合とは違う悩みが一気に押し寄せます。「このままだと内部進学の基準に届かないのでは」「せっかく受験して入った学校なのに」。私立中学の不登校と進路の相談は、僕のところにも数多く届いています。
先に結論をお伝えします。私立中学で不登校になっても、進路の選択肢は複数あります。内部進学できない場合でも、高校進学の道は閉ざされません。大切なのは、学校ごとに違う内部進学の基準を早めに書面で確認することと、内部進学以外の道を並行して知っておくことです。この記事では、その両方を順番に整理します。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。
私立中学の不登校は「公立とは前提が違う」ことを知る
最初に押さえておきたいのは、私立中学でも義務教育である以上、お子さんの学びの場が失われることはない、という事実です。仮に今の学校を離れることになっても、住んでいる地域の公立中学校に移る道は常に確保されています。「行き場がなくなる」という最悪の想像は、まず手放して大丈夫です。
そのうえで、公立と違う点が2つあります。1つは、在籍の継続や進級・内部進学の判断が各学校の規定に委ねられていること。もう1つは、学費を払いながら在籍を続けるかどうかという、お金の判断が絡むことです。
一方で、公立と共通する制度もあります。フリースクールなど学校外で学んだ場合に在籍校の出席扱いにできる文部科学省の制度は、国公私立を問わず対象です。校長の判断によりますが、私立中学に在籍したまま学校外の学びを出席として認めてもらえる可能性があります。
出典: 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」
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出席扱いの要件についてはこちらの記事で解説しています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
内部進学できるかどうかは、学校ごとの基準で決まる
中高一貫校の内部進学は「エスカレーター」と呼ばれることもありますが、実際には無条件ではありません。出席日数や成績の条件を設けている学校が多く、その基準は学校によって大きく異なります。憶測で悩み続けるより、確認してしまうほうが早いです。
担任や学年主任に、次の3点を聞いてください。
- 出席日数の条件 内部進学の判定に欠席日数の上限があるか。フリースクール等の出席扱いが判定上どう扱われるか
- 成績と履修の条件 定期テストや提出物がどこまで判定に影響するか。別室や自宅での受験・提出が認められるか
- 判断の時期 内部進学の可否がいつ、どの材料で決まるか。面談や意思確認のスケジュール
このとき、口頭のやりとりだけで終わらせず、規定の書面やメールでの回答をもらっておくことをおすすめします。担当の先生の感触と、学校としての正式な基準がずれていることは珍しくありません。基準が明確になれば、「内部進学を目指して立て直す」のか「外部の高校に切り替える」のか、判断の土台ができます。
内部進学できないときの高校の選択肢
内部進学が難しいとわかっても、高校への道は複数残っています。むしろ中学受験を経験しているお子さんは学習の土台がある場合が多く、選択肢は広めです。
- 私立高校の一般受験 多くの私立高校は当日の試験の点数を重視し、国語・数学・英語の3科目入試が中心です。中学時代の欠席が合否にほとんど影響しない学校も多くあります
- 公立高校の受験 内申点の扱いは都道府県ごとに違います。欠席の事情を説明する書類を出願時に添えられる自治体もあるので、教育委員会の募集要項を確認してください
- 通信制高校 学力試験ではなく面接や作文で選考する学校が中心で、中学の出席日数はほとんど問われません。自分のペースで高校卒業資格を目指せます
通信制高校の仕組みは文部科学省の公式ページにまとまっています。
内部進学できないときの高校の選択肢の公式ページ
通信制高校とはどんな学校かについてはこちらの記事で解説しています。
>>通信制高校に通う5つのメリットとデメリットを徹底解説!卒業までの流れもまとめ
「せっかく受験して入ったのに」という気持ちの整理
私立中学の不登校で、進路の実務と同じくらい大きいのが、この気持ちの問題です。受験勉強に費やした時間、合格したときの喜び、払ってきた学費。手放すのが惜しいと感じるのは自然なことです。ただ、「ここまでかけたものがもったいない」を理由に、合わない環境に子どもを縛り続けると、失うものはもっと大きくなります。
僕自身、行きたくても行けない感覚を知っています。朝、ランドセルを背負って玄関までは行けたのに、そこから足が動かなくなりました。
学校に行ったふりをして、近所の公園でブランコに乗りながら、ただ時間が過ぎるのを待っていたこともあります。サボりたくてサボっているわけではないのです。
それは私立に通うお子さんも同じで、「高い学費を払ってもらっているのに」という罪悪感のぶん、むしろ苦しさが増していることがあります。
判断の軸は「これまでにかけたもの」ではなく「これからのお子さんに合う環境はどこか」に置いてください。そのうえで内部進学を目指すのなら、それは前向きな選択です。外部に切り替えるのなら、それも同じく前向きな選択です。
中3に向けた動き方。今日できる一歩
進路の動き方を時系列にすると、次のようになります。中1・中2なら、まず学校の規定確認と、日中の居場所や学びの確保。中3の春から夏は、内部進学の可否の見きわめと、並行した学校見学や資料請求。秋以降は出願先の絞り込みです。通信制高校は出願時期が遅めの学校も多いので、中3の後半からでも間に合います。
今日できる一歩として、担任か学年主任あてに「内部進学の判定基準を、書面で確認させてください」と一文送ってみてください。電話でもメールでも構いません。基準がわかるだけで、漠然とした不安が「対処できる課題」に変わります。
明光義塾高等学院という選択肢
内部進学以外の道を考えるとき、選択肢の1つとして知っておいてほしいのが、僕が学院長を務める明光義塾高等学院です。通信制高校の連携施設として、高校卒業資格の取得を目指しながら、一人ひとりに合わせた学びを進められる場所です。
全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。
不登校の期間があって学習に空白があるお子さんも、私立中学で進度の速いカリキュラムについていけなくなったお子さんも、いま立っている場所から始められます。個別指導がベースなので、集団のペースに合わせる必要はありません。
中学で不登校を経験した生徒の受け入れにも慣れています。「毎日通えるか不安」という段階からの相談で大丈夫です。資料請求はこちらからどうぞ。
なお、中学生活の残り期間の日中の居場所としては、僕たちが運営する明光フリースクールもあります。学校ではないけれど平日に通える場所で、学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。詳しくはこちらをご覧ください。
明光フリースクール
まとめ。内部進学は選択肢の1つにすぎない
私立中学で不登校になったときの進路は、内部進学だけではありません。まず学校ごとの判定基準を書面で確認する。並行して、私立高校の一般受験、公立高校、通信制高校という外の選択肢を知っておく。この2つを進めれば、「どこにも行けなくなる」という不安は具体的な計画に変わっていきます。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。LINEでの無料相談も受け付けています。
よくある質問
私立中学で不登校になると退学させられますか?
義務教育なので、お子さんの学びの場が失われることはありません。対応は学校ごとに異なりますが、地域の公立中学校へ移る道は常に確保されています。まずは在籍校の規定と方針を確認し、在籍を続けるか転校するかを落ち着いて判断すれば大丈夫です。
不登校でも内部進学はできますか?
学校ごとの基準によります。出席日数や成績の条件を設けている学校が多いため、担任か学年主任に判定基準・出席日数の扱い・判断の時期の3点を書面で確認してください。難しい場合でも、私立高校の一般受験や通信制高校など、外部への進路は複数あります。
私立中学に在籍したままフリースクールに通って出席扱いになりますか?
文部科学省の出席扱い制度は国公私立を問わず対象です。校長の判断が必要ですが、フリースクール等での学習が要件を満たせば、私立中学に在籍したまま出席扱いが認められる可能性があります。まず在籍校に制度の利用を相談してみてください。
出典
