入院や自宅療養で、お子さんが学校を長く休んでいる。体調がいちばん心配なのに、「勉強はどうなるんだろう」「このまま遅れてしまったら」という不安が頭の片隅から消えない。この記事は、そんな保護者の方に向けて書いています。
結論からお伝えすると、病気による長期欠席で学びを止めない方法は複数ありますし、オンライン授業の配信を受けることで出席の扱いを整えられる文部科学省の通知もあります。不登校向けの制度とは別物なので、そこも含めて順番に整理していきます。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は約10年間の不登校を経験しました。
当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。
病気での欠席と不登校は理由こそ違いますが、「学校に通えない期間の学びと出席をどうするか」という悩みの構造は共通しています。両方の制度を知っている立場から整理します。
病気による長期欠席は「不登校」とは別に扱われる
文部科学省の調査では、年間30日以上の欠席を長期欠席と呼び、理由別に「病気」「経済的理由」「不登校」などに分けて集計しています。病気による欠席は不登校とは別のカテゴリで、学校の記録上も区別されます。
出典: 文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
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この区別は、あとの手続きにも関わってきます。病気療養中の子どもがオンライン授業を受けた場合の出席の扱いを定めた通知と、不登校の子の自宅学習を出席扱いにする通知は、実は別のものです。学校に相談するときに「うちの子はどちらの制度の対象か」を意識しておくと、話がかみ合いやすくなります。
なお、大前提として最優先は治療と回復です。勉強をどう進めるかは、主治医に「どのくらいの時間なら学習してよいか」を確認しながら、無理のない範囲で考えてください。
病気で休む間の勉強の選択肢は3つある
療養の場所と期間によって、使える仕組みが変わります。
- 院内学級・特別支援学校(病弱) 入院が長くなる場合、病院内に設置された学級や、病気療養中の子を対象とした特別支援学校で学ぶ方法があります。転籍の手続きや在籍校との関係は、在籍校と教育委員会が窓口になります
- 在籍校からのサポート・訪問教育 教員が家庭や病院を訪問する仕組みを持つ自治体もあります。そこまでいかなくても、プリントや課題を受け取って担任と定期的にやりとりするだけで、学校とのつながりは保てます
- オンラインでの学習 自宅療養で外出が難しい時期は、オンライン教材やオンラインの学び場が使いやすい選択肢です。体調の波に合わせて、できる日にできる分だけ進められます
どの選択肢でも大切なのは、量よりも学びとのつながりを切らさないことです。1日10分でも机に向かう習慣が残っていると、回復後に再開するハードルが大きく下がります。
出席の扱いはどうなる?病気療養児には専用の通知がある
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。文部科学省は、病気療養中の小・中学生が同時双方向型のオンライン授業配信を受けた場合、校長の判断で指導要録上の出席扱いとし、その成果を教科の評価に反映できるという通知を出しています。
出典: 文部科学省「小・中学校等における病気療養児に対する同時双方向型授業配信を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について(通知)」
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一方、不登校の子がICT教材などで自宅学習した場合の出席扱いは、これとは別の通知に基づいて運用されます。
病気が理由の欠席なら、まず病気療養児向けの仕組みを学校に確認するのが先です。不登校向けのICT出席扱いの要件と進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>ICT教材やタブレット学習を出席扱いにする方法。フリースクールとの違いもわかりやすく解説
ただし、授業をオンラインで配信する体制があるかどうかは、学校や自治体によってかなり差があります。「うちの学校ではやっていません」と言われることも珍しくありません。
そのときは通知の存在を伝えたうえで、「どんな形なら可能ですか」と一緒に探す姿勢で相談してみてください。
配信が難しくても、課題の提出と面談を組み合わせるなど、学校ごとの工夫の余地があります。
回復と登校はきれいに一致しない。「あいだの時期」の支え方
僕自身の話を少しさせてください。親に言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。療養中のお子さんも同じです。休んでいる自分を責めなくていいと思えることが、学びを再開するいちばんの土台になります。
この「あいだの時期」は、学校に戻るか家庭で抱えるかの二択で考えないほうがうまくいきます。学校でも家庭だけでもない学びの選択肢を全体地図で整理した記事がありますので、あわせて参考にしてください。
>>不登校の勉強はどうする?小中高すべての選択肢を全体地図で整理
体調や症状について迷うことがあれば、自己判断せず、主治医や地域の医療機関・専門機関に相談しながら進めてください。
クラスジャパン小中学園という選択肢
家から自分のペースで学びたい、でも一人にはしたくない。そんな時期の選択肢として、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の子どもたちをサポートしてきました。
療養中のお子さんにとって大きいのは、決まった時間に席に着けなくても続けられることです。体調のいい時間帯に学習を進めれば、担任がその記録を見て声をかけてくれます。「今日は10分だけ」の日があっても、翌日また続きから始められる。
この積み重ねが、回復後の再開をなめらかにします。出席扱いの制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたもので、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになった事例が多数あります。学校に提出する学習記録の実務も、ご家庭任せにせずサポートしています。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、久しぶりの勉強でつまずいても答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
今日できる一歩として、連絡帳かメールで担任の先生にこう聞いてみてください。「療養中のオンライン授業配信や自宅での学習を、出席の扱いにできる仕組みはありますか」。この一文があるだけで、学校側は該当する通知を確認して動きやすくなります。
まとめ。体調を最優先に、つながりだけは切らさない
病気による長期欠席は不登校とは別に扱われ、病気療養児のための出席の扱いの通知も別に用意されています。院内学級、在籍校からのサポート、オンラインでの学習と選択肢は複数あり、どれを選ぶにしても、治療と回復を最優先にしながら学びとのつながりを細くても保つことがいちばん大事です。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。LINEで無料相談を受け付けています。
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よくある質問
病気で30日以上休んだら不登校になりますか?
なりません。文部科学省の調査では、年間30日以上の欠席は長期欠席と呼ばれ、理由別に「病気」「経済的理由」「不登校」などに分けて集計されます。病気による欠席は不登校とは別に扱われ、出席の扱いに関する通知も別に用意されています。
入院していなくても、自宅療養で出席扱いになりますか?
なる可能性があります。文部科学省の通知では、病気療養中の小・中学生が同時双方向型のオンライン授業配信を受けた場合、校長の判断で指導要録上の出席扱いにできるとされています。配信体制の有無は学校や自治体によって異なるため、まず在籍校に相談してください。
長期欠席で遅れた勉強は取り戻せますか?
体調に合わせて少しずつ戻していけます。最優先は治療と回復で、学習は主治医と相談しながら無理のない範囲で進めてください。つまずいた単元まで戻れる教材や、担任が伴走してくれるオンラインの学び場を使えば、体調の波に合わせて少しずつ追いつけます。
出典
- 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査:文部科学省 ページ 本文へ戻る
- 小・中学校等における病気療養児に対する同時双方向型授業配信を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について(通知):文部科学省 ページ 本文へ戻る
