MENU

広島県の不登校からの高校受験ガイド。内申の扱い・受け入れ校・選択肢【2026年度】

「欠席がこんなに多くて、広島県の公立高校は受けられるのだろうか」。広島県で不登校のお子さんの高校受験を考え始めたご家庭から、いちばん多く聞く不安です。先に結論をお伝えします。欠席日数が多いこと=不合格ではありません。

広島県の公立高校入試で中学校が提出する調査書情報には、出欠の記録を書く項目がそもそもありません。志願先の高校に届くのは9教科の評定と氏名などの基本情報だけです。加えて、事情を自分の言葉で伝える「自己申告書」の様式があり、提出すれば選抜資料に加えられます。

全員が受ける「自己表現」は、得意なことやこれまで取り組んできたことを自分で選んだ方法で伝える10分の面談です。学力検査のない二次選抜、志望理由書と自己表現で選抜する公立通信制もあり、私立や通信制まで含めれば、道は一つではなく複数あります。

この記事では「広島県 不登校 高校受験」で調べている方に向けて、広島県教育委員会が公表している令和9年度の基本方針と実施内容、令和8年度の実施要項をもとに、内申(調査書)の扱い、自己申告書と自己表現の仕組み、学力検査の負担が軽い公立の道、私立・通信制の選択肢を整理します。

内申点の一般論はこの記事では扱わず、広島県の制度に絞ってお話しします。

自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。

いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。通信制高校の連携施設を運営する立場でもあります。

目次

広島県の公立高校入試で内申(調査書)はどう使われるか

広島県の公立高校の一次選抜は、5教科の一般学力検査(各50点、合計250点)、調査書、自己表現の3つを組み合わせて選抜します。一般枠では3つの配点の比重が「学力検査6:調査書2:自己表現2」と決まっていて、換算後は600点・200点・200点の1000点満点です。[1]

調査書の評定は、中1と中2の9教科がそれぞれ5段階、中3の9教科は5段階の評点を3倍にして、合計225点満点で計算します。中3の評定が全体の6割を占める計算なので、中1・中2の成績が厳しくても、中3で持ち直した分がそのまま反映されやすい仕組みです。

各高校は入学定員の50%以内で「特色枠」を設けることができ、特色枠では学校ごとに比重を変えられます。ただし特色枠のあとに必ず一般枠の選抜があり、一般枠は全校共通で6:2:2です。学力検査の比重が最も大きいので、評定が厳しい状態でも当日の学力検査で挑める配分になっています。

僕自身、不登校だった当時、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。調査書は点数の話に見えて、子どもの自己肯定感にも関わるものです。数字だけを見て親子で追い詰められる前に、制度の全体像を知っておいてほしいと思います。

内申点の仕組みや、内申に頼らない受験の考え方の全般はこちらで解説しています。

>>不登校で内申点がないと高校受験はどうなる?内申に頼らない受験の進め方

欠席日数は調査書に載らない。広島県の調査書情報にある項目

広島県の公立高校入試では、調査書は紙ではなく「調査書情報」としてインターネット出願システムで提出されます。実施要項に定められた作成項目は、志願先の情報、出身中学校の情報、志願者の氏名・生年月日・性別などの情報、そして9教科の評定(学習の記録)です。[2]

つまり、出欠の記録、行動の記録、部活動の記録、所見といった項目はありません。何日休んだかという情報は、制度上、志願先の高校に届かない仕組みです。茨城県のように調査書に欠席日数の欄がある県とは、ここが大きく違います。

これは令和5年度の入試制度の見直しで、調査書を評定中心に簡素化し、代わりに全員が受ける「自己表現」を導入したことによるものです。欠席の多さを説明するための申請制度が別にあるわけではなく、そもそも欠席が選抜資料に入らない、というのが広島県の形です。

なお、評定そのものは調査書に載ります。欠席が多くて評定がつきにくかった教科がある場合は、中学校の先生に評定の付き方を確認しておくと安心です。テストや提出物で評価してもらえることもあります。

事情を自分の言葉で伝える「自己申告書」(様式第5号)

広島県の公立高校入試には、志願者本人が事情を書いて志願先に伝える「自己申告書」の様式があります。令和8年度の実施要項では様式第5号で、一次選抜・二次選抜・通信制の課程の選抜のいずれでも提出できます。[2]

  1. 提出できる人 「特別の事情のある者」と過年度卒業生です。様式の提出理由の欄は「過年度卒業生である」「その他特別の事情」の2つで、不登校という言葉は書かれていませんが、後者として本人の事情を説明できます
  2. 書く内容 志願者記入欄には志望の動機・理由や高校生活への抱負など、保護者記入欄には高校に理解してほしい事柄などを書きます
  3. 出し方 本人が記入し、封をして出身中学校長に提出します。中学校から志願先の高校へ届き、提出された場合は選抜資料に加えて総合的に判断されます

提出は任意で、加点の制度でも特別枠でもありません。ただ、欠席の事情や、その間に続けていたこと、高校で何をしたいかを高校側に直接届けられる公式な手段です。「なぜ行けなかったか」より「その間に何をしていたか」「これから何をしたいか」に重心を置いて書くと、読む側に伝わりやすくなります。

面接で欠席をどう説明するかは、次の記事に答え方の例をまとめています。自己申告書の文章づくりにもそのまま使えます。

>>高校受験の面接で不登校・欠席日数をどう説明する?そのまま使える答え方の例

通信制という道を先に知っておきたい方には、僕が運営に関わる高校卒業資格が取れる学校があります。詳しくは後半で紹介します。

>>明光義塾高等学院(明光義塾との連携コース)を見る

全員が受ける「自己表現」。欠席の多い子にとっての意味

広島県の公立高校入試で特徴的なのが、志願者全員が受ける「自己表現」です。個人ごとの面談形式で、自分自身のこと(得意なことやこれまで取り組んできたことなど)や、高校に入学した後の目標などを、自分で選んだ言葉や方法で表現します。[2]

時間は自己表現が5分以内、そのあとに検査官からの補足的な質問と回答が3分以内で、入退室を含めて1人10分以内が基本です。検査官は2〜3人で、1人あたり15点満点をつけます。一般枠ではこの得点が200点に換算され、学力検査600点、調査書200点と並ぶ配点です。

見ている力は「自己を認識する力」「自分の人生を選択する力」「表現する力」の3つで、実績を競うものではありません。話すのが得意でなくても、絵や作品、タブレットで提示する写真やスライドなど、本人が一人で準備して持ち込めるものを使ってかまいません(音声や動画は30秒以内)。

学校に行かなかった期間に描いていた絵、作っていたゲーム、読んでいた本、家で続けていた勉強。それらは自己表現の材料になります。欠席日数は調査書に載らず、自己表現では「何をしてきたか」を自分で語れる。この2つを合わせると、広島県の入試は欠席そのものより「いまの本人」を見る設計になっていると言えます。

学力検査の負担が軽い公立の道。二次選抜・定時制・通信制

広島県の公立高校には、5教科の学力検査を受けずに入学を目指せる道が2つあります。

  1. 二次選抜 一次選抜の結果、合格者が入学定員に満たなかった学科・コースで実施されます。学力検査はなく、調査書と自己表現(学校によっては面接などの独自検査も)で選抜します
  2. 公立の通信制 広島県立東高校(福山市)は志望理由書、調査書、自己表現を1:1:1の比重で選抜し、学力検査はありません

まず二次選抜です。一次選抜などに出願した人のうち、公立高校に合格しておらず、国立・私立高校にも入学手続をしていない人が出願できます。令和9年度は出願登録が2027年3月11日から15日、検査が3月16日、合格発表が3月17日です。広島みらい創生高校だけは検査が3月23日、発表が3月24日です。[3]

次に定時制です。広島県の公立定時制は、可部・三原・尾道南・因島・福山誠之館・福山葦陽・芦品まなび学園・三次・賀茂・廿日市などにあり、一次選抜は全日制と同じ5教科の学力検査と自己表現で行われます。芦品まなび学園(福山市)は午前・午後・夜間の三部制です。[4]

定時制でも学力検査はありますが、二次選抜や秋季入学の選抜では学力検査なしで受けられます。令和9年4月1日時点で20歳以上の人は、申請により学力検査の代わりに作文と面接で受検できます。

最後に公立の通信制です。県立東高校の通信制課程は、令和9年度の出願登録が2027年2月19日から3月18日正午で、自己表現などの実施日は学校が別に定め、合格発表は3月末日までに行われます。一次選抜で合格にならなかった人が、通信制の課程だけに出願することも認められています。

広島市立広島みらい創生高校(広島市中区)は、平日登校コース(定時制)と通信教育コース(通信制)を持つ「フレキシブル課程」の学校です。令和9年度の一次選抜は両コースとも5教科の学力検査・調査書・自己表現を6:2:2で見ます。[5]

一方、同校の二次選抜は調査書・自己表現・5分の面接を2:3:5の比重で選抜し、学力検査はありません。9月の秋季入学の選抜もあり、年に2回入学の機会がある学校です。

なお、広島県には東京都のチャレンジスクールや神奈川県のクリエイティブスクールのような、不登校の生徒を対象にした特別な選抜枠を持つ公立高校はありません。文部科学省の学びの多様化学校の一覧(2026年4月時点)にも、広島県内の学校は掲載されていません。[6]

制度の名前を探すより、「欠席が調査書に載らない一般の入試」と「二次選抜・通信制」を組み合わせて考えるのが現実的です。

令和9年度の日程と、別室受検などの特別措置

令和9年度の広島県公立高校入試の主な日程は、一次選抜の出願登録が2027年1月21日から2月2日、志願変更が2月10日から17日、学力検査と自己表現が2月24日から26日、追検査が3月3日、合格発表が3月8日です。[3]

令和9年度の実施要項は、広島みらい創生高校の案内では2026年11月末に公表予定とされています。この記事の調査書情報や自己申告書の説明は令和8年度の実施要項に基づいているので、11月末以降に最新の要項で様式番号などを確認してください。

集団の中で検査を受けること自体に強い不安がある場合は、疾病や障害等を理由とする「特別措置」を中学校経由で申請できます。内容例として別室での受検、座席位置の変更、検査時間の延長などが挙げられていて、県教育委員会は受検前に余裕をもって中学校の先生に相談するよう案内しています。[7]

私立・通信制という道も並行して考える

公立だけに絞る必要はありません。私立高校は選考基準が学校ごとに異なり、欠席日数の見方もさまざまです。気になる学校があれば、説明会や個別相談で「欠席が多いのですが」と率直に聞いてしまうのが確実で早い方法です。

そして通信制高校です。私立の通信制は書類と面接が中心の学校が多く、中学時代の欠席日数が合否に直結しにくい仕組みです。広島県には広島市と福山市に公立の通信制が1校ずつあり、県内に本校やキャンパスを置く私立の通信制もあります。学校の一覧と学費の考え方はこちらにまとめています。

>>広島県の通信制高校一覧と選び方。学費と通いやすさで比較【2026年最新】

お子さん自身が「高校に行きたくない」と言っている場合は、受験の方法より先に、進路の全体像から整理するほうが順番として自然です。

>>高校に行きたくないと言う中3へ。進学しない選択肢と無理なく卒業資格を取る道

明光義塾高等学院という選択肢

明光義塾高等学院

通信制という道を検討し始めた方に、僕が運営に関わっている高校卒業資格が取れる明光義塾高等学院も紹介させてください。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。

不登校で学習の空白がある状態からのスタートを、最初から想定している場所です。広島県内には広島市の各区をはじめ、福山市、呉市、東広島市、尾道市、廿日市市、三原市、三次市などに44の明光義塾の教室があり、日々の学習サポートを自宅の近くの教室で受けられます。

県東部と西部で通える公立通信制が分かれている広島県では、「近くに通える学校がない」が進路選びの壁になりがちですが、自宅の近くの教室で学べる仕組みなら、その壁を越えられます。中学からの進学も受け入れているので、いま中3で進路を探している段階でも、そのまま選択肢に入れられます。

入試は面接のみで、学力試験はありません。高校卒業資格を目指しながら個別指導で学びたい方は、資料請求から始めてみてください。

>>明光義塾高等学院(明光義塾との連携コース)の資料請求はこちら

今日できる一歩

まず、中学校の担任の先生に「自己申告書(様式第5号)を出したいのですが、様式はいつもらえますか」と一言聞いてみてください。電話や連絡帳でかまいませんし、三者面談を待つ必要もありません。先生に伝えた時点で準備が動き出します。

あわせて、お子さんと一緒に「学校に行かなかった期間に続けていたこと」を1つだけ話してみてください。それが自己申告書の最初の1行になり、そのまま自己表現の5分の材料になります。

まとめ。欠席日数=不合格ではない

広島県の不登校からの高校受験には、少なくともこれだけの道があります。調査書情報に出欠の記録の項目がなく、欠席日数が志願先に届かないこと。事情を自分の言葉で伝える自己申告書を出せること。一般枠の配点は学力検査6:調査書2:自己表現2で、自己表現では「何をしてきたか」を自分で語れること。

一次選抜で定員が埋まらなかった学校の二次選抜は、学力検査なしで調査書と自己表現で受けられること。県立東高校の通信制は志望理由書と調査書と自己表現で選抜されること。広島みらい創生高校の二次選抜も学力検査がないこと。そして私立・通信制、さらに明光義塾高等学院で高校卒業資格を目指すという選択肢です。

お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。

>>不登校の専門家 小幡和輝の無料LINE相談はこちら

よくある質問

欠席日数が多いと、広島県の公立高校には合格できないのでしょうか?

そんなことはありません。広島県の公立高校入試で中学校が提出する調査書情報の作成項目は、志願先・出身中学校・志願者の基本情報と9教科の評定だけで、出欠の記録の項目がありません。

欠席日数は制度上、志願先の高校に届かない仕組みです。一般枠の配点も学力検査6:調査書2:自己表現2で、当日の学力検査と自己表現の比重が大きくなっています。

広島県の自己申告書は誰が出せて、どう扱われますか?

「特別の事情のある者」と過年度卒業生が提出できます。志願者本人が志望の動機や高校生活への抱負などを、保護者が高校に理解してほしい事柄などを記入し、封をして出身中学校長に提出します。

提出は任意で、提出された場合は選抜資料に加えて総合的に判断されます。一次選抜・二次選抜・通信制の課程の選抜のいずれでも提出できます。

学力検査なしで受けられる広島県の公立高校はありますか?

あります。一次選抜で合格者が定員に満たなかった学科・コースで行う二次選抜は、学力検査がなく調査書と自己表現(学校によっては面接など)で選抜します。

広島県立東高校の通信制課程は志望理由書・調査書・自己表現を1:1:1で選抜し、学力検査はありません。広島みらい創生高校の二次選抜も調査書・自己表現・面接だけです。

この記事で解決しなかったら

不登校に特化したAI相談

完全無料でどのAIよりも正確

AIに相談してみる(無料)

入力した内容がサイトに保存されることはありません


出典

  1. 広島県教育委員会「令和9年度広島県立高等学校入学者選抜の基本方針」 PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  2. 広島県教育委員会「令和8年度広島県公立高等学校入学者選抜実施要項」(別紙1 調査書情報の作成方法等について、別紙3 自己表現の実施について、様式第5号 自己申告書、Ⅰ第2 二次選抜、Ⅲ 通信制の課程) PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  3. 広島県教育委員会「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜日程」 PDF / 「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜」 ページ  本文へ戻る
  4. 広島県教育委員会「令和9年度広島県公立高等学校入学者選抜の実施内容」(実施内容一覧表、令和8年8月17日) PDF / 掲載ページ ページ  本文へ戻る
  5. 広島市立広島みらい創生高等学校「入学情報」(令和9年度入学者選抜実施内容シート) ページ  本文へ戻る
  6. 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」 ページ  本文へ戻る
  7. 広島県教育委員会「広島県公立高等学校入学者選抜における特別措置について」 PDF  本文へ戻る
X

\ X更新中! /

Blog

\ 明光みらい公式ブログ /

Instagram

\ Instagram /

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

目次