子どもが学校に行けなくなったとき、多くの保護者の方が気になるのが「このまま欠席が積み重なって、進路に影響しないだろうか」という不安ではないでしょうか。
結論から言えば、学校に登校しなくても、フリースクールや自宅での学習を在籍校の「出席」として認めてもらえる制度があります。 そして柏市には、すでにその承認事例があります。
柏市の特徴は、学校の中と外の両方に居場所が用意されていることです。全市立中学校と一部の小学校に「校内フリースクール」があり、学校の外には教育支援センターが市内5か所にあります。
ただし、校内フリースクールと、学校の外のフリースクールでは、出席の決まり方が違います。この記事では、柏市で出席扱いを進める手順と、教育支援センターの使い方、補助金の状況までまとめてお伝えします。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
柏市で実際に出席扱いが認められた事例
まず知っていただきたい事実からお伝えします。
柏市内の学校で、フリースクールに入会したあとすぐに活動レポートを学校へ提出することで、出席扱いが認められた事例があります。
「うちの子の学校でも認めてもらえるのだろうか」と不安な方は多いと思います。ただ、柏市にはすでに前例があります。前例があるということは、学校側にとっても判断しやすいということです。
公的な資料からも、柏市の状況は読み取れます。千葉県教育委員会の「千葉県版児童生徒・保護者のサポートガイド」(令和7年度)には、令和元年度から令和6年度に出席扱いとされた児童生徒がいる民間団体の一覧があります。[1]
この一覧には、柏市内の施設が11か所載っています。柏市教育委員会も、不登校の相談先の案内のなかでこのガイドを紹介しています。柏市の学校にとって、学校外の学びを出席扱いにする話は、初めての話ではありません。
そもそも「出席扱い」とは
出席扱いとは、学校に登校していなくても、自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえる制度です。文部科学省が要件を示しており、最終的には在籍校の校長先生が判断します。[2]
ポイントは大きく4つあります。
- 保護者と学校の連携 担任の先生と定期的にやりとりできている状態が前提になります。
- 計画的な学習プログラム ICT教材やフリースクールでの活動がこれにあたります。
- 訪問等による対面指導 自宅で学ぶ場合は、先生の家庭訪問や面談など、対面のやりとりが定期的にあることが求められます。
- 学習状況の把握 活動レポートや学習記録を提出し、学校が状況をつかめるようにします。
つまり「なんとなく家で勉強している」ではなく、記録を残して学校と共有し、先生とも顔を合わせる仕組みさえあれば、出席扱いは十分に目指せます。
柏市は「校内」と「校外」で出席の決まり方が違う
柏市で最初に押さえておきたいのがこの点です。
柏市の校内フリースクールは、教室に入りにくい子が安心して過ごせる校内の居場所です。教員免許を持った「まごころ教員」が常駐し、全市立中学校と一部の小学校に置かれています。市は、校内フリースクールで生活・学習した場合は出席となると明記しています。費用は無料です。[3]
令和8年6月末時点では、中学校21校で198名、今年度に設置された小学校7校で39名が利用していると、教育委員会の定例会で報告されています。[4]
整理するとこうなります。
- 校内フリースクール 学校の中で過ごすので、そのまま出席になります。
- 学校の外のフリースクールや自宅学習 文部科学省の通知にもとづいて、在籍校の校長先生が出席扱いにするかを判断します。
校門をくぐること自体がつらいお子さんにとっては、校内の居場所は使いにくいことがあります。その場合は、学校の外の学びを出席扱いにしてもらう道を考えることになります。どちらが良い悪いではなく、お子さんのいまの状態に合うほうを選んでください。
なお、柏市教育委員会が独自の出席扱いガイドラインや申請様式を公開していることは、確認できませんでした。柏市では、文部科学省の通知に沿って学校ごとに判断する形になります。
なぜ出席扱いが重要なのか
第一に挙げられるのは、進学や受験への影響です。欠席日数が内申に響くのではないかという不安は、多くの保護者の方が抱えるものだと思います。
ただ、この影響は昔に比べると小さくなってきています。受験の合否判定で出席日数を考慮しない自治体が増えてきているためです。
だからこそ僕は、もうひとつの視点をお伝えしたいです。
僕自身、不登校の当時はフリースクールに通っていた当事者です。当時は、学校に行っていない自分への否定的な気持ちや「このままでいいのかな」という不安がずっと心のどこかにありました。
でも、フリースクールでの学びが出席扱いになったことで、自分がやっていることを学校が認めてくれた。 「これでいいんだ」と思えるようになったんです。その結果、少しずつ自己肯定感が高まっていきました。
出席扱いは、単に欠席日数を減らすための制度ではありません。学校の外での学びも認められているという安心感を子どもに届けられる制度です。だからこそ僕は、出席扱いを大事にしてほしいと思っています。
出席扱いの仕組みを持つオンラインフリースクールについては、こちらで学び方を紹介しています。
柏市での進め方。実例ベースの4ステップ
実際に承認された事例をもとに、流れを整理します。
- フリースクールや教材を決める 出席扱いの実績があるところを選ぶと話が早く進みます。見学のときに「在籍校への報告は、どんな形で、どのくらいの頻度で出してもらえますか」と聞いてみてください。
- 担任の先生に相談する 「出席扱いにしてほしい」といきなり交渉するのではなく、「文科省の通知に沿って、フリースクールでの活動を出席扱いにできないか相談したい」と伝えるのがスムーズです。判断するのは校長先生なので、担任の先生経由で話を上げてもらいます。
- 活動レポートを提出する 柏市の事例では、入会後すぐにレポートの提出を始めたことが承認の決め手になりました。学習内容や時間、お子さんの様子が伝わることで、先生も安心して判断できます。
- 出席扱いが承認される その後も定期的にレポートを共有し、学校との連携を続けていきます。年度が替わって担任の先生や校長先生が交代したときは、あらためて経緯を伝えておくと安心です。
柏市ならではの材料もあります。市はNPO法人eboardと連携していて、学校から貸与される端末を使い、家庭でもICT教材で学べます。専用のIDを作ると、担任の先生と学習状況を共有できる仕組みです。[5]
これだけで出席扱いが決まるわけではありません。それでも、先生が学習の様子を自分の目で見られる状態は、4つめの要件である「学習状況の把握」の助けになります。担任の先生に相談するときに、あわせて聞いてみてください。
もし学校の反応が鈍かったときの動かし方は、こちらの記事にまとめています。
>>出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
柏市のフリースクール補助金はどうなっている?
お金の話も正確にお伝えします。
柏市の公式サイトを確認しましたが、フリースクールの利用料について、小・中学生の保護者に支給される市独自の補助金は、2026年9月時点で見つかりませんでした。
千葉県にも、県が保護者に直接支給する利用料の助成はありません。県の「千葉県フリースクール活動支援事業」は、フリースクールの運営者向けの制度です。[6]
千葉県内では、千葉市や松戸市、市原市などが市独自の保護者向け制度を設けています。ただ、いずれもその市に住んでいるか、その市の学校に在籍していることが条件で、柏市にお住まいの方は使えません。
一方で、柏市の公的な支援は無料で使えるものが中心です。校内フリースクールは無料で、教育支援センターや教育支援室についても、市は基本的な相談や支援を無料で実施していると案内しています。[7]
制度は年度の途中で新設されることもあります。最新の状況は、柏市教育委員会 児童生徒課(04-7191-7210)に確認してください。千葉県内の市町村ごとの補助金は、こちらの記事で紹介しています。
>>千葉県のフリースクールと補助金一覧。市区町村別に紹介します【2026年最新】
柏市で利用できる2つの選択肢
選択肢1:自宅で学べる「オンラインフリースクール」
「まだ外に出るエネルギーがない」というお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」という選択肢があります。
自宅にいながら、ネットの先生(担任)が伴走し、学習や生活リズムをサポートします。2018年の開校からこれまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきた実績があります。一定の要件を満たし校長先生が認めれば、在籍校の出席扱いとなる仕組みも整っています。
出席扱い制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みです。学校へ提出するレポートの型があるので、学校との連携もスムーズです。
柏市は、常磐線、東武アーバンパークライン、つくばエクスプレスと、路線ごとに生活圏が分かれています。地区の教育支援センターも住んでいる地区で利用先が決まるので、場所によっては通うだけで負担になるご家庭もあります。自宅から始められるオンラインなら、住んでいる地区に関係なく同じ支援を受けられます。
学習面では最先端のAIサポートを取り入れているのも特徴です。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIが、答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えてくれます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定があるので、安心して使えます。
選択肢2:通える距離の「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。柏市内に校舎はありません。開校している校舎のなかで行きやすいのは、高田馬場駅から徒歩2分の高田馬場校(新宿区高田馬場1-28-3 工新ビルディング4F)です。
柏駅から常磐線の快速で日暮里駅へ出て、山手線に乗り換えて向かいます。毎日通うには距離があるので、週に1日だけ通い、ほかの日は自宅でオンラインという組み合わせが現実的です。
千葉県内では千葉市花見川区に幕張校が開校し、東京都内では北区内で新しい校舎の開校を準備しているところです(2026年10月時点)。
明光フリースクールでは、学び直しのサポートに加えて、プログラミングやeスポーツなど、子どもが「楽しい」と思えるコンテンツを用意しています。学校ではないけれど、仲間と過ごしながら通う場所として機能します。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
柏市の公的な相談窓口も知っておこう
フリースクールとあわせて、柏市の公的な支援も知っておくと安心です。
柏市の適応指導教室にあたるのが、教育支援センターです。市は、子どもの社会的な自立を目指すことを目的に、市内5か所に開設しています。対象は、柏市内に住む小中学生と、柏市立の小中学校に在学する小中学生です。[8]
- きぼうの園 柏市十余二313-92(04-7133-9400)
- 柏たなか 北部地区。柏市船戸1-7-1 田中北小学校内(04-7131-5571)
- 豊四季台 中央地区。柏市豊四季台4-2-1 柏第六小学校内(04-7143-7724)
- 増尾台 南部地区。柏市増尾台3-5-9 増尾西小学校内(04-7175-7755)
- 大津ケ丘 東部地区。柏市大津ケ丘4-8 大津ケ丘第二小学校内(04-7191-3366)
開室時間は5か所とも平日の9時15分から15時45分で、土日・祝日と年末年始は休みです。指導員が常駐し、一人ひとりに合った学習支援や、スポーツ、レクリエーションを通じた人間関係づくりを支えます。
5か所は役割が分かれています。きぼうの園は市内全域から受け入れていて、主に学習をサポートする場です。家庭訪問や学校訪問は行っていません。
小学校内にある4つの地区センターは、住んでいる地区に応じて利用先が決まります。心の居場所としての支援が中心で、家庭訪問での支援や、学校訪問を通じた情報共有も行っています。
利用の流れは次のとおりです。
- 家庭で話し合い、学校に相談する 本人の「見学に行ってみたい」という思いを踏まえて、保護者か本人から学校へ相談します。学校から教育支援センターへ、利用の希望が伝えられます。
- 見学と日程調整 保護者から希望するセンターへ直接連絡し、見学・面談の日程を決めます。当日は本人と保護者で見学・面談を行います。
- 利用申請の手続き 通うことが決まったら申請書を提出します。「利用許可書」が届くと正式利用です。
申請から許可書が届くまでは平均2〜3週間かかりますが、その間も体験として利用できます。学校への連絡が難しい場合は、児童生徒課(04-7191-7210)に相談できます。
なお、教育支援センターに通った日を出席扱いにするかどうかは、市のページには書かれていません。在籍校の校長先生の判断になるので、利用の相談とあわせて学校に確認しておいてください。
通う場所のほかに、教育支援室(04-7131-6615)では、心理相談を専門とする相談員が電話や面談で相談に応じています。不登校のお子さんをもつ保護者の集まり「ひまわりの会」も、教育委員会が年に数回開いています。
教育支援センターの通い方や費用の考え方、千葉県内の相談窓口は、それぞれこちらの記事で詳しく紹介しています。
>>教育支援センター(適応指導教室)とは?通い方・費用・出席扱いをわかりやすく解説
>>千葉県の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】
公的な教室とフリースクールは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。お子さんの状態や相性に合わせて、複数の選択肢を並行して検討してみてください。
まとめ。柏市は「前例」と「学校内外の居場所」があるから動きやすい
出席扱いは校長先生の判断で決まるため、前例があるかどうかが大きく影響します。柏市にはすでに承認事例があり、県のガイドにも、出席扱いとされた子がいる市内の施設が11か所載っています。
校内フリースクールで過ごした日はそのまま出席です。学校の外の学びは、校長先生が認めれば出席扱いになりえます。この違いを知っておくだけで、学校との話し合いはずっと進めやすくなります。
今日できる一歩として、連絡帳や学校への連絡メールに「学校の外で学べる場所を考えている。出席扱いにできないか、一度相談したい」と一文書いてみてください。
学校に行かない期間があっても、学びと出席の心配を減らす方法はあります。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。
よくある質問
柏市で不登校の出席扱いは認められますか?
柏市内の学校で、フリースクール入会後すぐに活動レポートを学校へ提出することで出席扱いが認められた事例があります。
文部科学省の通知に沿って、最終的な判断は在籍校の校長先生が行います。なお、柏市の校内フリースクールで生活・学習した場合は、市の案内どおり出席となります。まず担任の先生に相談し、校長先生に話を上げてもらう流れが基本です。
柏市にフリースクールの補助金はありますか?
2026年9月時点で、フリースクールの利用料について保護者に支給される柏市独自の補助金は、市の公式サイトでは確認できませんでした。
千葉県にも保護者に直接支給する助成はなく、県のフリースクール活動支援事業は運営者向けです。校内フリースクールと教育支援センターの基本的な支援は無料です。最新の状況は児童生徒課(04-7191-7210)に確認してください。
柏市の適応指導教室(教育支援センター)はどこにありますか?
市内に5か所あります。市内全域から通える「きぼうの園」(十余二313-92)と、小学校内にある地区センターの柏たなか・豊四季台・増尾台・大津ケ丘です。
開室は平日9時15分から15時45分です。在籍校に相談したうえで、希望するセンターに保護者が連絡して見学・面談を行い、利用申請をして「利用許可書」が届くと正式利用になります。
出典
- 千葉県教育委員会「千葉県版児童生徒・保護者のサポートガイド」(令和7年度) PDF 本文へ戻る
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) ページ 本文へ戻る
- 柏市「柏市の校内フリースクール」(令和8年5月29日更新) ページ 本文へ戻る
- 柏市「柏市教育委員会令和8年第7回定例会会議録」 ページ 本文へ戻る
- 柏市「子どもが学校に行けない・行かないその時は」 ページ 本文へ戻る
- 千葉県教育委員会「千葉県フリースクール活動支援事業について」 ページ 本文へ戻る
- 柏市「柏市の不登校対策・不登校支援(学校のことでお悩みの方へ)」(令和8年9月2日更新) ページ 本文へ戻る
- 柏市「柏市の教育支援センター」(令和8年5月29日更新) ページ 本文へ戻る
