冬休み明けに、お子さんが「学校に行きたくない」と言い出した。あるいは口には出さないけれど、始業式が近づくにつれて表情が暗くなっていく。年末年始の楽しい空気とのギャップに、戸惑っている保護者の方は多いと思います。
先に結論をお伝えします。3学期を無理に始めなくて大丈夫です。3学期の授業日数はおよそ50日しかありません。ここを「何が何でも通わせる期間」にするより、「4月からの新しい学年に向けて、環境と気持ちを整える期間」と考えたほうが、結果として子どもは動きやすくなります。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。この記事では、冬休み明けに学校へ行きたくない子の心の中で起きていることと、進級前の1月から3月にできることを整理します。
冬休み明けに「学校に行きたくない」が言葉になる理由
冬休み明けの行き渋りは、休みの間に突然生まれたものではないことがほとんどです。実際には2学期の後半、秋ごろからしんどさが積み重なっていて、冬休みという「学校に行かなくていい2週間」の中で、ようやくそれを言葉にできた。そういう順番です。
だから「休ませたから行けなくなった」わけではありません。休みがあったから、限界が見えるところまで来ていたことに家族が気づけた、と考えてください。
冬ならではの事情も重なります。
- 朝の寒さと起床のつらさ 冬は日の出が遅く、体を起こすこと自体の負荷が一年でいちばん高い時期です。朝起きられない状態が続く場合、起立性調節障害など体の要因が隠れていることもあるので、気になるときは小児科など医療機関への相談も検討してください
- 3学期特有の空気 学年のまとめ、進級・進学の話題、受験学年ならその緊張感。「次の学年に上がる」というプレッシャーが教室全体に漂う時期です
- 2学期後半の疲れの持ち越し 行事の多い2学期を気力で乗り切った子ほど、休みで緊張の糸が切れます
夏休み明けの行き渋りについては、こちらの記事で詳しく解説しています。背景の構造は共通する部分が多いです。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/natsuyasumi-ake-ikitakunai/
3学期は約50日。「無理に始めない」は逃げではない
1月の始業式から3月の修了式まで、授業日数はおよそ50日です。一年のうちで最も短い学期で、しかも大きな行事は少なく、学習内容も各教科のまとめが中心です。ここを全部出席することと、子どもの心身が回復することを天秤にかけたら、迷わず後者を選んでいいというのが僕の考えです。
僕自身の話をすると、当時、親から言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。行くか行かないかの交渉を毎朝続けると、家庭が「学校の出先機関」のようになってしまいます。まず家を安全基地にする。回復はそこからしか始まりません。
休むと決めたら、毎朝の欠席連絡の負担も軽くしましょう。「しばらくお休みします。変化があったらこちらから連絡します」という形に切り替える相談は、多くの学校で受け入れられています。具体的な伝え方と例文はこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/gakko-kesseki-renraku-reibun/
進級前の1月〜3月にできること
3学期を「助走の期間」と捉えると、やれることは意外とあります。時期ごとに整理します。
- 1月:回復を最優先にする 生活リズムは「学校に合わせて直す」のではなく、本人が心地よく過ごせる形に整える程度で十分です。ここで頑張らせないことが、2月以降の動きやすさにつながります
- 2月:学校と「新年度の相談」をする 担任や学年主任と、クラス替えの配慮(合わない子と離す、安心できる子と同じクラスにする)、始業式からの通い方(別室や短時間から)を相談できる時期です。多くの学校で新年度のクラス編成は2月から3月に動くので、このタイミングの相談には意味があります
- 3月:学校以外の居場所を見学しておく 新学期にすべてを賭けると、4月につまずいたときの落差が大きくなります。フリースクールなど「学校以外にも行ける場所がある」状態を作っておくと、本人も保護者も気持ちに余裕が生まれます
なお、クラス替えそのものへの不安が大きい子については、こちらの記事で詳しく書いています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/kurasugae-fuan/
学校外の施設で学んだ期間は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度もあります(文部科学省の通知に基づく制度です)。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
冬休み明けに行き渋りが始まった子にとっての良さは、3学期を「家で止まって過ごす期間」ではなく「新年度への助走期間」に変えられることです。週1回、短時間からでも外に出て人と関わるリズムができると、4月を「ゼロからの再スタート」ではなく「続きから」始められます。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
今日できる一歩
今夜、お子さんに「3学期、無理しなくていいよ」と一言だけ伝えてみてください。行くか行かないかの話はしなくて大丈夫です。「休んでも大丈夫」という前提が家の中に生まれるだけで、子どもの表情は変わります。学校への連絡や次の行き先を考えるのは、その後で間に合います。
まとめ
冬休み明けの「学校に行きたくない」は、秋から積み重なったしんどさがようやく言葉になったサインです。約50日しかない3学期を無理に始めるより、家を安全基地にして、2月に学校と新年度の相談をし、3月までに学校以外の居場所を見つけておく。この順番で動けば、3学期は「休んだ期間」ではなく「次の学年への準備期間」になります。
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よくある質問
冬休み明けに休ませると、そのまま不登校になりませんか?
休ませたことが原因で不登校になるのではなく、休みたいと言えた時点で、すでにしんどさが積み重なっています。無理に登校させて消耗させるより、休んで回復したほうが、結果として次の一歩は早くなります。家庭を安心できる場所にすることを最優先にしてください。
3学期をほとんど休むと、進級や成績に影響しますか?
公立の小中学校では、欠席日数を理由に進級できないことは基本的にありません。また、フリースクールなど学校外の施設で学んだ期間は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度があります。学習面が心配な場合は、個別に戻って学べる場所を活用してください。
進級前の学校への相談は、いつ何を伝えればいいですか?
2月ごろまでに、担任か学年主任に「新年度のクラス編成での配慮」と「4月からの通い方」を相談するのがおすすめです。クラス編成は2月から3月に動く学校が多いため、このタイミングなら反映されやすいです。毎朝の欠席連絡の負担が大きい場合は、連絡方法の変更も併せて相談できます。
