義務教育なのに学校に行かせないのは違法?「親が罰せられる」という誤解を解く

「義務教育なのに学校に行かせないのは違法なのでは」「督促状が来て、親が罰せられるのでは」。子どもが学校を休み始めたとき、この不安を検索窓に打ち込む保護者の方はとても多いです。なかには親戚から「行かせないのは親の義務違反だ」と言われて、追い詰められている方もいるかもしれません。

先に結論をお伝えします。子どもが学校に行けない不登校は、違法ではありません。義務教育の「義務」は子どもが学校に行く義務ではなく、親が教育を受けさせる義務であり、罰則が問題になるのはまったく別のケースです。この記事では、法律の条文と国の方針を根拠に、この誤解を順番に解いていきます。なお、家庭で学ぶ方法そのものの解説は別の記事に譲り、ここでは法律の整理に絞ります。

自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。10年休んだ僕の親が、罰せられたことは一度もありません。

目次

「義務教育」の義務を負うのは子どもではなく保護者

まず言葉の整理からです。憲法と学校教育法が定めているのは、保護者が子に9年の普通教育を受けさせる義務(就学させる義務)です(学校教育法第17条。条文: https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026 )。

つまり、義務を負っているのは保護者であって、子どもではありません。子どもにとって教育は義務ではなく権利です。だから「学校に行かない子どもは義務教育に違反している」という言い方は、そもそも法律の構造として成り立ちません。お子さん本人が責められる理由は、法律上どこにもないのです。

罰則はあるが、不登校に適用される仕組みではない

学校教育法には確かに罰則があります。第144条に「就学させる義務の履行の督促を受け、なお履行しない者は、十万円以下の罰金に処する」とあります。「罰せられる」という噂の出どころはここです。

ただし条文をよく読むと、罰金までには段階があります。

  1. 正当な事由がないこと 病気その他やむを得ない事由がある場合は対象外です
  2. 教育委員会からの督促 罰則の前に、まず就学義務の履行の督促という手続きがあります
  3. 督促に従わないこと 督促を受けてなお行かせない場合に、初めて罰金の対象になります

そして大事なのはここです。子ども本人が心や体の状態で学校に行けない不登校は、保護者が「行かせていない」のではありません。この仕組みが想定しているのは、行ける子・行きたい子を、保護者の都合で意図的に行かせないケースです。たとえば働かせるために学校に行かせない、虐待やネグレクトで就学の手続きすらしない、といった場合です。

僕は2000人以上のご家庭に関わってきましたが、不登校を理由に保護者が罰金を科されたご家庭に出会ったことはありません。学校や教育委員会から連絡が来るのは、罰するためではなく、状況を把握して支援につなげるためです。

法律はむしろ「休むこと」を認める方向に変わっている

もう一つ、知っておいてほしい大きな流れがあります。2017年に施行された教育機会確保法です(文部科学省: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm )。

この法律は、不登校の子どもに休養が必要な場合があること、そして学校以外の場での多様な学習活動が重要であることを、国の法律としてはっきり認めました。さらに文部科学省は令和元年の通知で、不登校支援は「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指す必要がある、と全国の学校に示しています(通知: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm )。

「休ませたら親が違法」どころか、国の方針は「必要な休養を認め、学校の外の学びも大切にする」へ変わっているのです。ホームスクーリングという形の学び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/homeschooling-nihon-shusseki/

親がやっておきたいのは「連絡を切らさない」こと

法律上の心配はいらない。そのうえで、実務としてやっておきたいことが1つだけあります。学校との連絡を切らさないことです。学校側から見て状況がまったくわからない長期欠席にしてしまうと、心配から家庭訪問や教育委員会への報告が増え、お互いの負担が大きくなります。月に1回でも「家ではこう過ごしています」と共有できていれば十分です。

さらに、フリースクールやICT教材など学校外の学びを学校と共有すると、一定の要件のもとで在籍校の出席扱いになる制度があります。要件の詳しい解説はこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。出席扱いは欠席日数の問題である以上に、子どもが自分を責めなくて済むようになる制度です。どこに相談すればいいか迷ったら、相談窓口の使い分けをこちらの記事で整理しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-sodansaki-doko/

明光フリースクールという選択肢

明光フリースクール

平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。

「違法では」と不安になっていた保護者の方にとって、学校外の学びの場があることは何よりの安心材料になります。「家で休ませている」ではなく「この場所で学んでいます」と学校に伝えられるようになるからです。実際に、学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。

新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

今日できる一歩

次に学校へ連絡するとき、「休ませています」ではなく「いまは休養が必要な時期だと考えています。家での様子はこれから定期的に共有します」と一言添えてみてください。この一言で、学校との関係が「欠席の報告」から「協力の相談」に変わります。

まとめ

不登校は違法ではありません。義務を負うのは保護者で、その義務は「無理にでも登校させること」ではなく「教育の機会を用意すること」。罰則は督促を受けてなお意図的に行かせない場合の仕組みで、不登校のご家庭が対象になることはまず考えられません。法律はむしろ休養と学校外の学びを認める方向に進んでいます。

お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。LINEで無料相談を受け付けています。

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https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

不登校が続くと、親に督促状が届いたり罰金になったりしますか?

不登校を理由に督促や罰金に至ることは、まず考えられません。罰則(学校教育法第144条)は、正当な事由なく就学させず、教育委員会の督促にもなお従わない場合の仕組みです。子ども本人が行けない状態である不登校は、この想定とはまったく別のケースです。心配な場合は、お住まいの教育委員会や学校に現状を伝えて相談してください。

学校に籍だけ置いて家で学ばせるのは違法ですか?

違法ではありません。日本では学籍を残したまま家庭を拠点に学ぶ形になり、教育機会確保法も学校以外の場での学習活動の重要性を認めています。フリースクールやICT教材での学習は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度もあります。

「行かせないなんて親失格」と親戚に言われました。どう説明すればいいですか?

「義務教育の義務は親が教育の機会を用意する義務で、うちは学びの場を確保している」と伝えるのが正確な説明です。2017年施行の教育機会確保法で、国も不登校の子どもに休養が必要な場合があることを認めています。法律の裏付けがある選択だと、自信を持って大丈夫です。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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