ホームスクーリングは日本でできる?出席扱いの条件と学びを切らさない方法

海外の「ホームスクーリング」という言葉を知って、うちの子もこの形でいいのではないかと思った。でもホームスクーリングは日本でできるのか、法律上は問題ないのか、出席扱いはどうなるのかがはっきりしない。調べても「違法ではない」と「不登校扱いになる」が並んでいて、結局どう動けばいいのかわからない。そんな状態ではないでしょうか。

先に結論をお伝えします。日本にはホームスクーリングを正式な教育の形として認める制度はありません。ただし、家庭を拠点に学ぶこと自体は違法ではなく、文部科学省の通知に基づいて、自宅での学習が在籍校の出席扱いになる道があります。つまり日本のホームスクーリングは「学校に籍を置いたまま、家を拠点に学び、出席扱いの制度でつながる」形で実現します。この記事では、法律上の位置づけ、出席扱いの条件、そして家庭で学びを切らさない方法を、制度と現場の両方から整理します。

出席扱いの7つの要件そのものは別の記事で詳しく解説しているので、ここでは「ホームスクーリングとして続けるなら何を押さえるか」に絞ります。

学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。小幡和輝と申します。家を拠点に学ぶ形を、当事者と運営者の両方の目線で書きます。

目次

ホームスクーリングは日本でできる?法律上の位置づけを正確に

まず法律の話です。日本では学校教育法により、保護者には子どもを小学校・中学校などに就学させる義務があります。海外の一部の国のように「家庭で教育するので学校に籍を置かない」という選択肢は、日本の制度にはありません。ここが「ホームスクーリングは日本では一般的でない」と言われる理由です。

一方で、学校に籍を置いたまま登校しない状態、つまり不登校は、それ自体が罰せられるものではありません。2016年に成立した教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律)では、不登校の子どもについて「休養の必要性」と「学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」が明記されました(出典: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm)。学校以外の場で学ぶことは、法律のうえでも認められた選択肢になっています。

整理するとこうなります。

  1. 学籍は在籍校に残る 日本では「学校をやめてホームスクーリングにする」のではなく、在籍したまま家を拠点に学ぶ形になる
  2. 家で学ぶこと自体は合法 不登校の状態で学校以外の場で学ぶことは、教育機会確保法で重要性が認められている
  3. 学校とのつながりは保つ 出席扱いや進級・卒業の判断は在籍校が行うので、学校との関係を切らない

「ホームスクーリングをしたい」と学校に伝えると構えられることがありますが、「家を拠点に学びながら、学校とは定期的にやりとりしたい」と言い換えると、学校側は不登校支援の枠組みで動きやすくなります。

家での学習は出席扱いになる。条件の要点

文部科学省は令和元年10月25日の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、自宅でICT等を活用した学習を行った場合に、一定の要件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席扱いにできると示しています(出典: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm)。令和6年度には、自宅でICT等を活用した学習活動を出席扱いとされた小中学生が13,261人にのぼり、前年度の10,467人から増えています(出典: 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」 https://www.mext.go.jp/content/20260116-mxt_jidou02-100002753_1_3.pdf)。

要件は7つありますが、ホームスクーリングの文脈で押さえる要点は3つです。

  1. 保護者と学校の連携 担任と定期的にやりとりできている状態をつくる。出席扱いはこの関係の上に成り立つ
  2. 計画的な学習プログラム 「その日の気分で好きなことをやる」ではなく、教材やカリキュラムに沿った計画があること。ICT教材やオンラインの学習がこれに当たる
  3. 学習の状況を学校が把握できること 学習記録や活動報告を学校に共有し、訪問などの対面指導も適切に行われること

7つの要件の全文と進め方の4ステップは、こちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/ict-kyozai-shusseki/

出席扱いを目指すうえで知っておいてほしいのは、これは「欠席日数を減らすための手続き」ではないということです。僕はフリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。家で学んでいる子にとって、出席扱いは「自分の学びが認められた」という実感そのものです。

出席扱いの3要件の基本はこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

家庭で学びを切らさない方法。親が先生になる必要はない

ホームスクーリングで一番多い挫折は、親が先生役を背負って疲れ切ってしまうことです。海外のホームスクーリングの記事を読むと「保護者の負担が大きい」と必ず書いてありますが、日本の形は違います。学校に籍がある以上、使える支援が周りにあります。親が全部教える前提を外してください。

続く家庭に共通しているのは、次の3つを分けていることです。

  1. 学習の計画と教材は外に任せる 学校の教科書と進度表、ICT教材、オンラインのフリースクールなど。親はカリキュラムを作らない
  2. 親は生活リズムと環境だけ見る 起きる時間、机に向かう時間帯、終わる時間。中身には口を出さない
  3. 子どもに伴走する大人を親以外に1人つくる 担任、教育支援センターの相談員、オンラインの担任など。親子だけで閉じないことが、いちばんの継続のコツ

僕自身、学校には行っていませんでしたが、クイズ番組やNHKの教育テレビで勉強したり、本を読んだりすること自体は好きでした。「信長の野望」という歴史のゲームがきっかけで日本史にハマり、教科書の範囲をはるかに超えた大学生用の分厚い本を読んで探求していました。家を拠点にする学びの強みは、この「好きから入れる」ことです。教科書どおりの順番でなくても、学びは確実に積み上がります。ただ、好きなことだけで進める学びと、出席扱いに必要な計画的な学習は別物なので、両方を持つのが現実的です。

なお、ホームスクーリングは小中学校の話で、高校は義務教育ではないため仕組みが変わります。高校生年代で家を拠点に学びたい場合は、通信制高校という形がそれに近い選択肢になります。

ホームスクーリングに向いている時期と、見直したほうがいい時期

家を拠点にする学びは、すべての時期に合うわけではありません。2000人以上のご家庭に関わってきた経験から、次のように考えています。

向いているのは、外に出るエネルギーがまだない時期です。このときに外の場所を探し回るより、家で安心して学び、学校とは細くつながっておくほうが、子どもの回復は早く進みます。

見直したほうがいいのは、家での学びは続いているのに、人と関わる機会がまったくない状態が長く続いているときです。この場合は、家を拠点にしたまま「人とつながる場所」を足していきます。オンラインで同世代と関われる場、週1回の教育支援センター、通えるフリースクールなど、段階があります。ホームスクーリングをやめる必要はありません。足すだけです。

フリースクールが近くにない地域で学びと出席扱いを確保する方法は、こちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-chikakuninai/

クラスジャパン小中学園という選択肢

オンラインフリースクール クラスジャパン小中学園

「計画的な学習」「学校への記録の共有」「親以外の伴走者」をまとめて用意できる形として、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。家を拠点に学びたいご家庭にとって、日本版ホームスクーリングの実務を支える場所です。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

いちばんの特徴は、ネットの先生(担任)が付くことです。教材を渡して終わりではなく、担任がオンラインで日々の学習計画と生活リズムに伴走します。親が先生役を背負わなくてよくなり、子どもには「親以外の、自分を気にかけてくれる大人」ができます。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIが、答えをすぐ教えるのではなくヒントを出しながら一緒に考えてくれます。隣に教える人がいなくても、わからない場面でつまずいたまま止まらずに済みます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きなので、家で端末を渡すことへの不安にも対応しています。

学習記録は担任が把握しているため、在籍校への報告の材料がそろいます。一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる仕組みがあり、出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたので、学校との調整のノウハウも蓄積されています。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

今日できる一歩
在籍校の担任に連絡帳かメールで一文、「家で計画的に学習を進めたいので、学習の記録を定期的に共有させてください」と伝えてみてください。「ホームスクーリングにします」ではなく「記録を共有したい」から入ると、学校は出席扱いの枠組みで受け止めやすくなります。

まとめ。日本のホームスクーリングは「在籍したまま、家を拠点に、学校とつながる」形

ホームスクーリングを正式な制度として認める仕組みは日本にはありませんが、家を拠点に学ぶこと自体は合法で、教育機会確保法でも学校以外の場での学びの重要性が認められています。文部科学省の通知に基づき、計画的な学習と学校との連携があれば、自宅の学習は出席扱いになります。続けるコツは、親が先生役を背負わないこと。計画と教材は外に任せ、親は生活リズムを見て、伴走する大人を親以外に1人つくる。それだけで家を拠点にする学びは現実的な選択肢になります。

「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。

無料のLINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

ホームスクーリングは日本では違法ですか?

違法ではありません。ただし海外のように学校に籍を置かずに家庭で教育する制度はなく、日本では学校に在籍したまま家を拠点に学ぶ形になります。教育機会確保法では、不登校の子どもが学校以外の場で行う多様で適切な学習活動の重要性が明記されています。

ホームスクーリングでも出席扱いになりますか?

なります。文部科学省の通知により、自宅でICT等を活用した学習は、保護者と学校の連携、計画的な学習プログラム、学習状況の共有などの要件を満たせば、校長の判断で出席扱いにできます。令和6年度には自宅でのICT学習で13,261人の小中学生が出席扱いになっています。

親が勉強を教えられなくてもホームスクーリングはできますか?

できます。学習の計画と教材はICT教材やオンラインのフリースクールなどに任せ、親は生活リズムと環境を整える役割に絞るのが続くコツです。担任やオンラインの先生など、親以外に伴走する大人を1人つくると親子だけで閉じずに済みます。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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