「いじめられているから、学校に行きたくない」。お子さんがそう打ち明けてくれたとき、あるいは言葉にできないまま朝、玄関で動けなくなっているとき、まず結論をお伝えします。行かなくて大丈夫です。いじめから離れることは逃げではなく、自分を守るための正当な行動です。そして、学校を休んでも学びを止めない方法はちゃんとあります。
この記事では、いじめで学校に行きたくないときの考え方、安全を確保するための相談先、休んでいる間も出席扱いで学習を続ける方法を、小中学生のお子さんと保護者の方に向けて整理します。高校生で転校を検討している場合は、手続きの順番をまとめたこちらの記事をご覧ください。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/koko-ijime-tenko/
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。
いじめから離れるのは「逃げ」ではなく自分を守る行動
「ここで逃げたら逃げ癖がつくのでは」と心配される保護者の方は少なくありません。でも、いじめの渦中にいる子どもにとって、毎日その場所へ通い続けることは、心と体をすり減らし続けることと同じです。安全でない場所から距離を取るのは、大人の世界なら当たり前の判断です。
国もこの考え方を明確にしています。2017年に施行された教育機会確保法は、不登校の子どもについて「休養の必要性」を認め、学校以外の場での多様な学びを支援すると定めました。休むことは、制度の上でも認められた選択です。
文部科学省 教育機会確保法の概要
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380960.htm
僕自身、親から言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。いじめで傷ついている子にまず必要なのは、説得でも励ましでもなく、「ここにいていい」と思える安全地帯です。家がその場所になれば、回復は必ず始まります。
まず安全の確保。重大な被害は迷わず外の窓口へ
殴られる・蹴られる、お金や物を取られる、SNSで執拗に攻撃されるといった重大な被害は、家庭と学校の中だけで抱え込まず、学校・教育委員会・警察や専門窓口へ必ず相談してください。犯罪にあたる行為は、教育の問題である前に安全の問題です。
- 24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310。文部科学省の窓口で、夜間・休日も、子ども本人からも保護者からも相談できます
- こどもの人権110番 0120-007-110。法務省の相談窓口で、いじめなど子どもの人権に関わる問題を専門に扱います
- 警察相談専用電話 #9110。暴力や恐喝など、犯罪の可能性がある被害の相談窓口です
文部科学省 24時間子供SOSダイヤル
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
また、眠れない、食欲がない、死にたい気持ちが出てくるといったサインが見えたら、ためらわずに小児科や児童精神科などの医療機関、スクールカウンセラーに相談してください。心の傷は外から見えないぶん、専門家の力を早めに借りるのが確実です。
いじめ以外も含めた相談窓口の全体像は、こちらの記事で使い分けまで解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-sodansaki-doko/
休んでいる間も「出席扱い」で学びを止めない
学校を休む決断をしたあと、多くの保護者の方が心配するのが勉強と出席日数です。ここには知られていない仕組みがあります。文部科学省の通知により、フリースクールなど学校外の施設で学んだ場合や、自宅でICT教材を使って学習した場合、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いにできるのです。
文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
つまり「学校に行かない」と「学びが止まる」は、まったく別の話です。いじめから離れて安全を確保しながら、学習と出席の記録は別の場所で積み上げていく。この組み立てができると、子どもも保護者も気持ちがずっと楽になります。出席扱いの3つの要件について詳しくはこちらの記事をどうぞ。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/
クラスジャパン小中学園という選択肢
いじめで傷ついた直後は、「別の場所に通う」こと自体がまだ怖い時期があります。その時期に家から自分のペースで学べる場所として、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。
ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走するので、一人きりで教材に向かうのではなく、毎日のやりとりの中で少しずつ人への安心感を取り戻せます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。いじめがきっかけだった子も多くいます。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
そして、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。出席扱いの制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。「休む」と「学びを止めない」を両立する場所として、選択肢に入れてみてください。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
今日できる一歩
お子さんに「明日は行かなくていいよ。あなたが元気でいることがいちばん大事」と、言葉にして伝えてみてください。そしてノートを1冊用意して、いつ・どこで・何があったかを、わかる範囲で1行ずつ書き始めてください。この記録は、今後学校や相談窓口に動いてもらうときの、いちばん強い材料になります。
まとめ。逃げていい。学びは別の場所で続けられる
いじめで学校に行きたくないとき、休むことは制度でも認められた正当な選択です。重大な被害は学校・教育委員会・警察や専門窓口へ相談して安全を確保し、そのうえで出席扱いの仕組みを使えば、学びを止めずに次へ進めます。
LINEでは、不登校やいじめからの立て直しについての相談を無料で受け付けています。お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。
無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
いじめで学校を休むと、出席日数や成績で不利になりませんか?
文部科学省の通知により、フリースクールや自宅でのICT学習は要件を満たせば在籍校の出席扱いにできます。小中学校は出席日数を理由に留年することは基本的になく、学校外で学習を続けていれば評価に反映される場合もあります。まず在籍校に出席扱いの相談をしてみてください。
いじめから逃げると「逃げ癖」がつきませんか?
安全でない場所から離れるのは逃げ癖ではなく、自分を守る判断力です。教育機会確保法も不登校の子どもの休養の必要性を認めています。心と体の安全が確保されてはじめて、次の一歩を考えるエネルギーが戻ってきます。
子どもがいじめのことを詳しく話してくれません。どうすればいいですか?
無理に聞き出す必要はありません。「話したくなったら聞くよ」と伝えて、まずは家を安心できる場所にすることが先です。本人が親に話しにくい場合は、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)など、子ども本人が直接使える窓口があることを伝えてあげてください。
