いじめを学校が対応してくれないとき。親が取れる手段の順番

いじめを学校に相談したのに「様子を見ましょう」で止まっている。担任に伝えたのに何も変わらない。いじめに学校が対応してくれないとき、親が取れる手段には順番があります。結論から言うと、感情でぶつかるのではなく、記録を整えて、担任→管理職→教育委員会→外部の専門窓口へと、段階を上げながら書面で動かしていくのがいちばん確実です。そしてその手続きと並行して、お子さんの安全と日常を守ることを最優先にしてください。

この記事では、学校に対応の義務があるという法律の前提、親が取れる手段の順番、そして対応を待つ間にお子さんの学びと居場所をどう確保するかを整理します。

自己紹介が遅れました。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。小幡和輝と申します。

目次

前提。学校にはいじめに対応する法律上の義務がある

まず押さえておきたいのは、いじめへの対応は先生の善意やさじ加減の問題ではなく、法律上の義務だということです。2013年に施行されたいじめ防止対策推進法は、学校に対して、いじめの相談を受けたら事実確認を行うこと、いじめ対策のための組織を置くことを義務づけています。さらに、生命や心身に重大な被害が生じた疑いがある場合や、いじめで相当の期間学校を欠席している場合は「重大事態」として、学校や教育委員会が調査組織を設けて調査する義務があります。

文部科学省 いじめ防止対策推進法
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1337278.htm

学校が動かないように見えるとき、実際には「対応したくない」のではなく、事実確認の材料が足りずに正式に動けない状態になっていることも少なくありません。だからこそ、親の側が感情ではなく事実を積み上げて渡すことが、学校を動かすいちばんの近道になります。

親が取れる手段の順番。段階を上げながら書面で動かす

  1. 記録を整える いつ・どこで・誰に・何をされたか、お子さんの心身の状態、これまで誰にいつ相談したかを時系列でまとめます。LINEのスクリーンショット、壊された持ち物、医療機関の受診記録も保管します
  2. 担任に書面で伝える 口頭の相談は「聞いた・聞いていない」になりがちです。記録をもとに事実を書面にして渡し、事実確認と対応を求めます。渡した日付も控えます
  3. 校長・教頭に相談する 担任の段階で止まっているケースは多くあります。学校には法律上「いじめ対策組織」が置かれているので、管理職に書面で伝え、組織としての対応を求めます
  4. 教育委員会に相談する 学校としての対応が進まない場合は、学校の設置者である教育委員会に、これまでの経緯を書面で伝えます。重大な被害がある場合は重大事態としての調査を求めることもできます
  5. 外部の専門窓口に相談する 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)、法務省のこどもの人権110番(0120-007-110)、犯罪にあたる行為は警察相談専用電話(#9110)。損害賠償なども視野に入るなら弁護士への相談も選択肢です

殴る・蹴る、恐喝、SNSでの執拗な攻撃といった重大な被害は、この順番を待つ必要はありません。学校・教育委員会・警察や専門窓口へすぐに相談してください。

文部科学省 24時間子供SOSダイヤル
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm

相談窓口全体の使い分けは、こちらの記事でも解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-sodansaki-doko/

手続きと並行して、子どもの安全と日常を最優先に

学校とのやりとりには、正直なところ時間がかかります。その間、お子さんを毎日いじめのある場所へ通わせ続ける必要はありません。学校の対応を待つことと、お子さんを守ることは別の話です。安全が確保できないなら、休ませることをためらわないでください。

そして、休ませたあとに大事なのが日常の立て直しです。家で緊張が解けてくると、今度は「勉強が遅れる」「昼間にどこにも行く場所がない」という次の不安が出てきます。眠れない、食欲がない、感情の波が激しいといった状態が続くときは、小児科や児童精神科などの医療機関やスクールカウンセラーに早めに相談してください。

なお、高校生の場合は、環境を丸ごと変える転校という手段もあります。手続きの順番はこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/koko-ijime-tenko/

休んでいる間の学びは「出席扱い」の仕組みで守れる

小中学生の場合、文部科学省の通知により、フリースクールなど学校外の施設での学習や自宅でのICT学習は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いにできます。学校のいじめ対応に納得がいかない状況でも、出席扱いの申請は別の窓口・別の話として進められます。

文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm

僕自身、不登校の間にフリースクールで学んでいた活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。出席扱いは欠席日数の帳尻合わせではなく、子どもが「自分はちゃんと前に進んでいる」と感じるための仕組みでもあります。要件の詳細はこちらの記事をどうぞ。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

明光フリースクールという選択肢

明光フリースクール

平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。

いじめで学校を離れたお子さんにとって大きいのは、学校のクラスとはまったく別の人間関係の中で過ごせることです。「学校に戻るか、家にこもるか」の二択ではなくなり、安心できる場所で人と関わる感覚を取り戻しながら、生活のリズムも整っていきます。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。

新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

今日できる一歩

今日、ノートかスマホのメモに、これまでの出来事を時系列で書き出してみてください。日時・場所・何があったか・お子さんの様子・誰にいつ相談したか。この1枚が、担任への書面にも、教育委員会への相談にも、そのまま使える土台になります。

まとめ。順番を踏めば、動かせる

いじめに学校が対応してくれないときは、記録を整え、担任→管理職→教育委員会→外部窓口の順に、書面で段階を上げていくのが確実です。重大な被害は順番を待たず、学校・教育委員会・警察や専門窓口へすぐ相談してください。そして手続きの間も、お子さんの安全と日常を守ることをいちばんに。学びと居場所は、学校の外でも確保できます。

LINEでは、いじめや不登校をめぐる学校とのやりとりについての相談も無料で受け付けています。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。

無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

学校に何度伝えても「様子を見ます」で終わります。次はどこに相談すればいいですか?

担任で止まっている場合は校長・教頭に、学校として動かない場合は設置者である教育委員会に、経緯を時系列の書面にして相談してください。口頭ではなく書面で渡し、日付を控えることが大切です。並行して24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)などの外部窓口も使えます。

いじめの証拠がない場合でも相談できますか?

相談できます。お子さんの証言や心身の変化、持ち物の破損、受診記録なども材料になります。日時と内容を時系列でまとめたメモは、それ自体が立派な記録です。証拠が完璧にそろうまで待つ必要はありません。

学校の対応を待つ間、子どもを休ませてもいいのでしょうか?

安全が確保できないなら休ませてください。文部科学省の通知により、フリースクールや自宅でのICT学習は要件を満たせば在籍校の出席扱いにできるため、休んでいる間も学びと出席の記録は確保できます。学校の対応を待つことと、お子さんを守ることは別の話です。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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