不登校が続いて、高校を休学するかどうか迷っている。本人は疲れきっていて、このまま在籍だけしていても出席日数が積み上がらない。そんな状況で「休学」という言葉が頭に浮かんでいる方へ、先に結論をお伝えします。休学は、心と体を休ませる時間を確保できる正当な選択肢です。
ただし休学中は単位も時間も止まるため、卒業は原則1年以上遅れます。もし不登校の原因が今の学校の環境にあるなら、時間を止めずに環境ごと変えられる転入のほうが合っているケースも多いのです。
この記事では、休学の手続きとデメリットを正確に整理したうえで、転入と比べてどう決めるかの判断軸をお伝えします。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、18歳で起業しています。今は対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する立場です。休むこと自体を責める内容は一切書きませんので、安心して読み進めてください。
高校の休学とはどういう制度か
休学は、在籍したまま一定期間学校を休むことを校長が許可する制度です。義務教育ではない高校では、各学校の学則で手続きや期間が決められています。一般的な流れは次のとおりです。
- 担任か学年主任に相談する いきなり書類ではなく、まず口頭で意向を伝えます
- 休学願を提出する 保護者連名での提出を求める学校がほとんどです。体調が理由の場合は診断書の添付を求められることがあります
- 校長の許可が出て休学開始 期間は3か月や1年単位など学校ごとに違い、通算の上限(2年や3年など)も学則で決まっています
大切なのは、休学の条件は学校ごとに違うということです。在籍料がかかるか、復学の手続きはどうなるか、休学できる通算期間は何年までかは、必ず在籍校の学則で確認してください。
休学のデメリット。単位・卒業時期・お金はこうなる
休学を決める前に、止まるものを正確に知っておきましょう。
- 単位が取れないので卒業が遅れる 高校の卒業には単位の修得が必要です。休学中は授業を受けないため単位が積み上がらず、全日制の学年制なら復学時に同じ学年をやり直す形になりやすく、卒業は同級生より1年以上遅れます
- 就学支援金の扱いに注意が必要になる 高等学校等就学支援金には支給期間の上限があります。休学中は支給を止める手続きを取ることで受給期間を温存できる場合があるので、放置せず学校の事務に相談してください。制度の詳細は文部科学省の公式ページで確認できます。就学支援金の扱いに注意が必要になるの公式ページ
- 在籍にかかる費用が続くことがある 休学中も在籍料や施設費が発生する学校があります。金額は学校ごとに違うため、休学願を出す前に確認しておきたいポイントです
デメリットを並べましたが、これらは「休学を選ぶな」という意味ではありません。かかるコストを知ったうえで選べば、休学は堂々と使っていい制度です。
休学が向いているのはどんなケースか
僕が2000人以上の子どもたちとご家庭に関わってきた実感として、休学がプラスに働きやすいのは次のような場合です。
- 体を休ませることが最優先の時期にある 朝起きられない、食欲がないなど心身の消耗が強いときは、学びの再開より先に休養が必要です
- 今の学校に戻りたい気持ちが本人にある 部活や友人関係など、その学校でしか続けられないものがあり、本人が「休んだら戻りたい」と言っている場合です
- 進路を考える気力がまだ湧かない 転入先を調べたり見学したりするエネルギーすら残っていない段階では、まず時間を確保するのが先です
なお、心身の症状が出ているときは、休学の判断と並行して医療機関の受診やスクールカウンセラーなど専門機関への相談も検討してください。この記事は制度の整理であって、体調の診断はできません。
僕自身の話をすると、親から言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。休学を選ぶなら、期限で本人を追い立てないことが何よりも大切です。
転入と比べてどう決めるか。3つの判断軸
休学とよく比較されるのが、通信制高校などへの転入です。転入なら、これまでに修得した単位と在籍期間を引き継ぎながら、環境を変えて学びを続けられます。多くの通信制高校は年度途中の転入を受け入れているため、タイミングを待つ必要もありません。決めるときの軸は3つです。
- 時間を止めるか、進みながら変えるか 休学は時間を止めて休養に充てる選択、転入は時間を進めながら環境を変える選択です。転入で単位を引き継げば、同学年での卒業を狙える場合もあります
- 環境によるものか、体調面の不調があるか つらさの中心が人間関係や校風など環境側にあるなら、休学しても戻る先は同じ環境です。この場合は環境ごと変える転入が選択肢になります。体調面の不調があるときは、環境か体調かを家庭で判断せず、まず医療機関で診てもらったうえで休学・転入を考えてください
- 本人の言葉は「戻りたい」か「変えたい」か 最後は本人の気持ちです。「みんなと同じ高校を続けたい」なら休学、「もうあの教室には戻りたくない」なら転入。親が先に結論を決めず、本人の言葉を待ってください
転入のタイミングと単位の引き継ぎについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>通信制高校に転入・編入するタイミング。学年途中でも間に合う?単位の引き継ぎまで解説
退学まで視野に入ってしまっている場合は、決める前にこちらの記事を読んでみてください。
>>子どもが高校をやめたいと言い出した。退学を決める前に確認したいことと転入という選択肢
すでに中退していても、編入で卒業資格を取り直す道があります。
>>高校を中退したその後の進路。通信制高校への編入で卒業資格を取り直す方法
今日できる一歩を1つ挙げるなら、在籍校の事務に電話して「休学の通算期間の上限と、休学中にかかる費用」の2点だけ聞いてみることです。判断材料が数字でそろうと、休学と転入の比較が一気に現実的になります。
明光義塾高等学院という選択肢
「環境を変えて進み続ける」を選ぶ場合の受け皿として、僕が学院長を務める明光義塾高等学院を紹介させてください。高校卒業資格を目指しながら学べる通信制高校の連携施設で、いまの高校からの転入も積極的に受け入れています。
全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。
「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。
不登校で勉強が止まっていた期間があっても、止まった地点から個別に組み立て直せるので、「授業についていけるだろうか」という転入の不安ごと受け止められます。
毎日通う必要はなく、本人のペースに合わせて通い方を設計できるのも特徴です。休学するかどうか迷っている段階での情報集めとして、まず資料請求だけしておくのもおすすめです。転入時期や単位の引き継ぎの疑問は、備考欄に書いていただければ具体的にお答えします。
まとめ。休学は逃げではなく、選択肢の1つです
高校の休学は、単位と卒業時期が止まるコストと引き換えに、休む時間を確保する制度です。本人に戻りたい気持ちがあり、まず休む時間が必要なら休学を。
つらさの中心が環境にあり、本人が変わりたいと言うなら転入を。どちらを選んでも、高校卒業への道は残っています。僕は10年学校に行きませんでしたが、それでも道はつながりました。焦って今日決める必要はありません。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。LINEで無料相談を受け付けています。
よくある質問
高校を休学したら留年になりますか?
全日制の学年制の高校では、休学中は単位が修得できないため、復学時に同じ学年をやり直す形になりやすく、卒業は原則1年以上遅れます。一方、単位制の学校や通信制高校への転入では、修得済みの単位を引き継いで学びを進められる場合があります。
休学と転入はどちらを選ぶべきですか?
本人に今の学校へ戻りたい気持ちがあり、まず休む時間が必要なら休学が向いています。
つらさの中心が人間関係や校風などの環境にあるなら、時間を止めずに環境を変えられる転入が選択肢になります。
体調面の不調があるときは家庭で原因を判断せず、まず医療機関で診てもらってください。最後は本人の「戻りたい」か「変えたい」かの言葉を待って決めてください。
休学中にお金はかかりますか?
学校によっては休学中も在籍料や施設費がかかります。また高等学校等就学支援金には支給期間の上限があり、休学中は支給を止める手続きで受給期間を温存できる場合があります。休学願を出す前に、費用と就学支援金の扱いを学校の事務に確認してください。
