フリースクールとは、学校に行っていない、または行きづらい子どもが、学校の外で学んだり過ごしたりする民間の場所です。名前は知っていても、種類や費用、学校との関係までは知らないという保護者の方がほとんどだと思います。
この記事は、初めて調べる方のための入口です。フリースクールの種類・費用・出席扱い・一日の流れを順番に整理し、くわしく知りたい項目は、それぞれを掘り下げた記事へ進めるようにしました。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、クラスジャパンでこれまで2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。
いまはクラスジャパン小中学園の校長として、対面やオンラインのフリースクールを運営する側にいます。通っていた側と運営する側、両方の目線で書きます。
フリースクールとは。学校の外にある民間の学びの場
フリースクールに、法律上の決まった定義はありません。一般には、不登校の子どもを受け入れて、学習の支援や体験活動、相談を行う民間の施設を指します。運営しているのはNPO法人、企業、個人などさまざまです。
学校ではないので、フリースクールに通っても在籍は今の小中学校のままです。転校の手続きはいりません。卒業証書も在籍校から出ます。
文部科学省の令和6年度の調査では、小中学校の不登校の子どもは353,970人で、12年連続の増加でした。[1] 学校の外の学びの場を使うことは、特別なことではなくなっています。
制度の面では、2016年12月に公布された、いわゆる教育機会確保法があります。不登校の子どもの教育機会を確保するための施策を、国と自治体が進めることを定めた法律です。[2]
フリースクールの種類。対面とオンライン、似ている公的な場
フリースクールは、通い方で大きく2つに分かれます。
- 対面のフリースクール 平日の日中に教室へ通う形。人と同じ空間で過ごせて、体験活動がしやすい
- オンラインのフリースクール 自宅からパソコンやタブレットで参加する形。外出が難しい時期でも始めやすい
どちらか一方に決める必要はありません。体調に合わせて組み合わせる方法は、こちらの記事にまとめています。
>>対面とオンラインのフリースクールは併用できる?体調に合わせた組み合わせ方と切り替えのルール
フリースクールと混同されやすい場所が3つあります。いずれも民間ではなく、自治体や学校が設けている場です。
- 教育支援センター(適応指導教室) 自治体が運営する、不登校の子どものための教室
- 校内フリースクール 学校の中に設けられた、教室以外の居場所
- 学びの多様化学校 不登校の子に合わせて教育課程を編成している学校。転校して在籍する
違いと使い分けは、それぞれ別の記事で整理しています。
>>適応指導教室(教育支援センター)とフリースクールの違い。両方使っていいんです
>>学びの多様化学校(不登校特例校)とは?フリースクールとの違いと使い分けをわかりやすく解説
フリースクールの費用。月額の目安と補助金
民間の施設なので、費用は家庭の負担が基本です。文部科学省が平成27年に行った調査では、会費(授業料)の月額は平均で約3万3千円、入会金は平均で約5万3千円でした。[3]
同じ調査で、月額1万円超〜3万円の施設が38.2%、3万円超〜5万円の施設が36.3%です。10年ほど前の調査なので金額は目安ですが、通う日数で月額が変わる施設が多い点は今も同じです。
利用料を補助する自治体もあります。たとえば東京都は、都内在住の小中学生の保護者を対象に、フリースクール等の利用料を月額上限2万円まで助成しています。[4] 制度の有無と金額は自治体ごとに違います。
費用の内訳や、補助金の探し方はこちらの記事でくわしく解説しています。
>>【小中学生向け】フリースクールの費用相場はいくら?補助金や後悔しない選び方まで解説
僕たちが運営する明光フリースクールは、週1回の利用で月20,000円からです。通い方と料金の中身は、資料でも確認できます。
フリースクールは出席扱いになる?校長が判断する仕組み
フリースクールでの活動は、一定の要件を満たし、在籍校の校長が認めれば、指導要録上の出席扱いになります。文部科学省の通知に基づく仕組みです。[5]
通えば自動的に出席になるわけではありません。保護者と学校の間に連携があること、学校が活動の様子を把握できることなどが前提になります。入会前に、在籍校へ報告書を出してくれる施設かを確認してください。
同じ通知は、支援の目標を「学校に登校する」という結果だけに置かず、子どもが社会的に自立することを目指すと示しています。出席扱いは、学校の外の学びを学校が認める仕組みだと考えると、位置づけがわかりやすくなります。
要件の中身と、学校への相談の進め方はこちらです。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
フリースクールの一日の流れ。何をして過ごすのか
過ごし方は施設ごとに違います。先ほどの文部科学省の調査では、個別の学習を行う施設が87.1%、相談・カウンセリングが約9割、体験活動などが約7〜8割でした。[3]
対面の場合、午前に来て自分のペースで学習し、昼食をはさんで午後は体験活動や好きなことに取り組む、という組み立てがよく見られます。時間割が決まっている施設と、その日に自分で決める施設があります。
僕がフリースクールに初めて行った日の前日は、ドキドキしていました。着いてみると、誰も「なんで学校行ってないの」と聞かなかった。それが衝撃でした。ゲームが好きな子がいて、すぐに仲良くなりました。
何をするかと同じくらい、何を聞かれないかが大事です。見学のときは活動内容だけでなく、スタッフが子どもにどう声をかけているかを見てください。
オンラインの場合の一日は、こちらの記事で朝から夕方まで具体的に書いています。
>>オンラインフリースクールの一日の流れ。何をして過ごす?朝から夕方までを段階別に具体的に
通い方は週1回からでいい。学校との併用と学年別の考え方
フリースクールは、学校を完全に休んでいる子だけの場所ではありません。学校に週2日、フリースクールに週1日という通い方もできます。
>>フリースクールと学校は併用できる?週の組み方と出席扱い・在籍校との関係
欠席が増える前の、行き渋りの段階から使うご家庭もあります。
>>不登校じゃなくてもフリースクールに通える?行き渋りの段階から使うという選択
小学生と中学生では、気になる点が違います。小学生は何歳から通えるか、中学生は勉強と高校受験です。学年別の記事も用意しています。
>>小学生のフリースクール。何歳から通える?低学年からの利用と見きわめ方
>>中学生のフリースクールという選択。勉強・出席扱い・高校受験はどうなる?
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。
プログラミングやeスポーツの時間もあり、学校ではないけれど「通う場所」として日々を過ごせます。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
初めてフリースクールを検討するご家庭にとっては、種類や費用を調べるより、一度見に行くほうが早いことがあります。教室の空気とスタッフの声のかけ方は、実際に見るとすぐにわかります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。
2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。
答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
>>自宅から通えるオンラインの選択肢を見る。クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
今日できる一歩
紙を1枚用意して、「対面かオンラインか」「週に何回か」「月にいくらまでか」の3つを書いてみてください。お子さんに聞くのは、まだ先でかまいません。
この3つが決まると、見学や資料請求のときに聞くことがはっきりします。決めきれない項目は空欄のままで大丈夫です。
まとめ
フリースクールとは、学校の外にある民間の学びの場です。在籍は今の学校のままで、対面とオンラインの2つの通い方があります。費用は家庭の負担が基本ですが、利用料を補助する自治体もあります。
出席扱いは、一定の要件を満たしたうえで校長が認めた場合の仕組みです。通い方は週1回から、学校と併用しながら使うこともできます。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
フリースクールに通うと、今の学校は辞めることになりますか?
辞めることにはなりません。フリースクールは学校ではないので、在籍は今の小中学校のままです。転校の手続きはいらず、卒業証書も在籍校から出ます。学校に通いながら、週1回だけフリースクールを使うこともできます。
フリースクールの費用は月にいくらくらいですか?
文部科学省が平成27年に行った調査では、会費の月額は平均で約3万3千円、入会金は平均で約5万3千円でした。通う日数で月額が変わる施設が多くあります。利用料を補助する自治体もあり、東京都は月額上限2万円の助成を行っています。
フリースクールに通った日は、学校の出席になりますか?
自動的にはなりません。文部科学省の通知に基づき、一定の要件を満たしたうえで、在籍校の校長が認めれば出席扱いになりえます。入会前に、在籍校へ活動の報告書を出してくれる施設かどうかを確認してください。
出典
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」 PDF 本文へ戻る
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について(通知)」 ページ 本文へ戻る
- 文部科学省「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」(平成27年8月) PDF 本文へ戻る
- 東京都「フリースクール等利用料助成金」 ページ 本文へ戻る
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日 ページ 本文へ戻る
