不登校じゃなくてもフリースクールに通える?行き渋りの段階から使うという選択

朝になると「おなかが痛い」と言う。玄関で止まる日がある。でも週の半分は行けている。「うちは不登校じゃないから、フリースクールはまだ早いですよね」。こう聞かれることが、ここ数年でずいぶん増えました。

先に答えを書きます。不登校じゃなくてもフリースクールには通えます。 フリースクールの利用に「不登校であること」という条件はありません。学校に籍を置いたまま、学校に行けた週はそのまま、行けなかった日や放課後だけ使う、という形で始めているご家庭は実際にあります。この記事は、行き渋りの段階でフリースクールを使うことの是非と、学校と並行して使う具体的な形、学校への伝え方まで書くものです。すでに学校に行けなくなって数か月というご家庭ではなく、「まだ不登校とは言えない」段階の方に向けています。

自己紹介が遅れました。僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。小幡和輝と申します。いまは対面やオンラインのフリースクールを運営する側でもあるので、その立場からお答えします。

目次

「不登校」の定義と、フリースクールを使える条件は別の話

まず言葉の整理からです。文部科学省の調査で「不登校」と数えられるのは、病気や経済的理由を除いて年間30日以上欠席した児童生徒です。これは統計のための定義で、フリースクールに通うための資格ではありません。

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm

フリースクールは学校教育法上の学校ではなく、民間の団体や企業が運営する場所です。だから入るために「不登校の証明」のようなものは要りません。欠席が29日の子も、まだ欠席ゼロで毎朝泣きながら行っている子も、入会の条件としては同じです。施設ごとに対象年齢や定員はありますが、「不登校かどうか」で線を引いているところは、僕の知る限りほとんどありません。

むしろ文部科学省は令和5年の「COCOLOプラン」で、不登校になってから動くのではなく、行き渋りのような早い段階で「学びの場」につなげることを打ち出しています。不登校の定義に当てはまる前に居場所を探すことは、制度の方向とも合っています。

文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397802_00005.htm

行き渋りの段階から使うことの良さ。エネルギーがあるうちに慣れておける

僕自身、不登校の始まりは行き渋りでした。朝、ランドセルを背負って玄関までは行けたのに、そこから足が動かなくなった。学校に行ったふりをして、近所の公園でブランコに乗りながら、ただ時間が過ぎるのを待っていました。あのころの僕は「サボっている」のではなく、行きたい気持ちと行けない体がばらばらになっていました。行き渋りは、その最初のサインです。

行き渋りの段階でフリースクールを知っておくことには、運営する側から見て3つの良さがあります。

  1. 外に出るエネルギーが残っているうちに場所に慣れられる 完全に行けなくなってから数か月たつと、家から出ること自体がハードルになります。週の半分は学校に行けている段階なら、見学に行く体力も、初対面の人と話す余力も残っています
  2. 「学校か家か」の二択が崩れる 行き渋りがつらいのは、学校に行けない日は家にいるしかない、という構図です。学校でも家でもない第三の場所があると、「今日は学校は無理だけどあそこには行ける」という日が作れます
  3. 親が学校以外の大人とつながれる 学校の先生には言いにくいことを、学校と関係のない大人に相談できる窓口ができます。これは子どもより保護者にとって大きいです

逆に、行き渋りの段階で注意してほしいことが1つあります。フリースクールを「学校に戻すための訓練の場」にしないことです。「ここで慣れたら学校に戻れるね」という期待を本人が感じ取ると、フリースクールも「行かされる場所」になります。居場所として使う、と割り切ってください。

行き渋りが出ているときに休ませるかどうかの判断は、別の悩みとして残ります。学校に行きたくないと子どもが言い出したときの受け止め方は、こちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/gakkou-ikitakunai/

学校と並行して使う3つの形

「通う」と言っても毎日である必要はありません。学校に籍を置いたまま使う場合、実際によくあるのは次の3つの形です。

  1. 週1〜2回の固定曜日で通う 「水曜日はフリースクールの日」と決めて、ほかの日は学校に行く形です。子どもにとって「週の真ん中に休める日がある」のは大きく、これだけで月曜の朝が軽くなる子がいます
  2. 学校を休んだ日だけ通う 朝の様子を見て「今日は無理そう」となった日に、学校の代わりにフリースクールへ行く形です。家で一日過ごすより生活リズムが崩れにくく、保護者も仕事の調整がしやすくなるはずです。受け入れ側の定員や事前連絡のルールは施設ごとに違うので、見学のときに「当日の朝に連絡して来られますか」と確認してください
  3. 午後だけ、または放課後に通う 午前は学校の保健室や別室で過ごし、午後からフリースクールに移る形や、学校が終わってから顔を出す形です。平日の日中に開いている施設が多いので、午後からの利用は相談しやすいです

どの形でも、最初から「この形で固定」と決めなくてかまいません。週1回から始めて、子どもの様子で増やしたり減らしたりできるのがフリースクールの利点です。小学生で何歳から通えるかの目安は、こちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-nansai-kara/

学校にはどう伝えるか。出席扱いはどうなるか

並行して使うと決めたとき、いちばん迷うのが学校への伝え方です。隠す必要はありませんし、隠さないほうが後で楽になります。

担任の先生には、まず事実だけを伝えれば十分です。「朝の行き渋りが続いているので、週に1日、平日の日中に通えるフリースクールを使い始めました。学校に来られる日はこれまでどおり来ます」。これで伝わります。学校側に許可を取るものではなく、報告です。

出席扱いについても触れておきます。フリースクールでの活動を在籍校の出席として扱う制度がありますが、これは校長の判断で、一定の要件を満たす場合に認められるものです。行き渋りの段階で週1回通うだけなら、出席扱いを急いで申請する必要はあまりありません。まず居場所として使い始めて、欠席が増えてきた段階で改めて相談する、という順番で十分です。制度の要件はこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

担任の先生に伝えるときのコツを1つ挙げるなら、「学校に行きたくないから」ではなく「行ける日を増やすために、休む日の行き先を作りました」という言い方です。学校とフリースクールを対立させないほうが、先生も協力しやすくなります。

明光フリースクールという選択肢

明光フリースクール

平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間があり、「学校ではないけれど通う場所」として機能する場所です。

行き渋りの段階のお子さんにとっての良さは、週1回から、曜日を決めて通い始められることです。学校に行けている日はそのまま学校へ、つらい日はこちらへ、という使い分けができるので、「学校を辞めてフリースクールに移る」という大きな決断をしなくて済みます。通っているうちに学校に行ける日が増える子もいれば、フリースクールの日を増やす子もいます。どちらでも、その子のペースで決めていい場所です。

学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

今日できる一歩

お子さんに「フリースクールに行ってみない?」と切り出す前に、保護者だけで一度、近くのフリースクールに電話をしてみてください。聞くことは2つだけです。「不登校ではなく行き渋りの段階ですが見学できますか」「週1回や、休んだ日だけの利用は相談できますか」。この2つの答えがわかるだけで、「まだ早いかも」というためらいが「いつでも使える場所がある」という安心に変わります。子どもに話すのは、そのあとで十分です。

まとめ

フリースクールは不登校の子だけの場所ではありません。年間30日という不登校の定義は統計のためのもので、利用の条件ではないこと。行き渋りの段階なら、外に出るエネルギーがあるうちに場所に慣れておけること。週1回、休んだ日だけ、午後だけ、という並行の形があること。学校には「休む日の行き先を作った」と報告すればよいこと。この4つを持ち帰ってもらえれば十分です。

完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。

無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

不登校ではなく行き渋りの段階でも、フリースクールに入会できますか?

できます。フリースクールの利用に不登校であることの条件はなく、文部科学省の「年間30日以上欠席」という不登校の定義は統計上のもので、入会資格ではありません。学校に籍を置いたまま、週1回や休んだ日だけの利用から始めることができます。

学校と並行してフリースクールに通うことを、学校に言う必要はありますか?

許可を取る必要はありませんが、担任の先生に報告しておくことをおすすめします。「行き渋りが続いているので、休む日の行き先としてフリースクールを使い始めた」と事実を伝えれば十分で、学校と対立する話ではないことが伝わります。

行き渋りの段階でフリースクールに通うと、学校に行かなくなってしまいませんか?

フリースクールを使ったことが原因で学校に行けなくなる、という因果は一般的にはありません。むしろ「学校か家か」の二択が崩れることで、休んだ日の生活リズムが保たれ、学校に行ける日が増える子もいます。お子さんの様子を見ながら、通う回数は柔軟に調整してください。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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