QuizKnockの東言さんをお招きして、講演会『僕の世界の歩き方』を開催しました。
現地参加の定員を大きく超える応募をいただき、全国各地のサテライト会場にもたくさんお申し込みをいただきました。質疑応答では次々と手が挙がり、東さんは時間ぎりぎりまで参加者の質問に答えてくださいました。
この記事では、特に生徒たちに届いていたところを紹介します。書き起こしではなく、僕が受け取った言葉として一部要約しています。
「大人が嫌いでした」から始まった講演
冒頭、東さんはこう話し始めました。
『子どもの頃、大人が嫌いでした。正解を押し付ける、子どもに対してこれが正しいんだという役割で関わってくる』
そして、こう続けました。
『QuizKnockの活動で大きなイベントにはたくさん登壇してきたけど、今日はとても緊張しているし、話すのがちょっと怖い。大人が嫌いだったから、これが正しいという風に喋る大人に自分がなりたくない』
クイズ形式のやりとりから入り、不安な気持ちもそのまま伝える。受け身ではなく、会場全体に一体感が生まれました。講演の経験は多くないとのことでしたが、見事な空気のつくり方でした。
僕も子どもの頃、大人が嫌いでした。反対意見を言うと屁理屈だと言われ、「そういうものだから」という理由で意見を押しつぶされた経験がたくさんあります。
自分が大人になって、子どもたちが自分の言葉をどう感じるのかは、とても怖いし緊張します。この人の言葉は信用できる、この人の言うことならやってみようかな。そう思ってもらえるように努力し続けなくてはと思っています。

「自分が向いているゲームを見つける」
この日いちばん生徒に届いていたのが、この話です。
『勉強もゲームの一種。決められたルールがあって、どうやってスコアを上げていくかという競技。この世界にはいろんなゲーム、競技があるから、自分が向いているゲームを見つけることが大事』
そして、こう続きました。
『これ向いてるなと思うものが見つかれば、それが自分を肯定してくれて、さらに世界が広がっていく。自分にとってはそれがクイズだった』
勉強という一つの競技で結果が出ないと、自分には価値がないと感じてしまう子がいます。でも世界にある競技はひとつではありません。向いている競技を見つければ、そこが自己肯定の土台になります。
東さんは、学校の外にコミュニティがあることにも触れていました。
『学校以外で関われるコミュニティもある。社会人のクイズサークルに遊びに行ったこともあるし、桜丘高校に転入する時もクイズ研究会があったから行こうと思った』
転入先を選ぶ理由がクイズ研究会があるからというのは、とても具体的で参考になります。学校選びの軸は偏差値や通学距離だけではありません。
僕自身も中学時代にカードゲームにはまり、大会に出るために遠出したり、そこで友達ができたりして世界が広がりました。好きなこと、得意なことが見つかると自己肯定感が上がり、そこから仲間が見つかっていきます。
この講演会に参加した生徒たちが通う明光義塾高等学院は、高校卒業資格が取れる通信制高校の連携施設です。eスポーツのコースもあり、好きなことを軸に高校生活を組み立てられます。
「風呂桶に隠れていた」
東さん自身の、学校に行きたくなかった頃の話です。
『学校に行きたくないけど、親は行かせようとする。そこから逃げるために風呂桶に隠れたり、学校に行ったふりをして公園でただ時間が過ぎるのを待ってたりもした』
僕もまったく同じことをしていました。子どもができる範囲の抵抗には限界があるので、よくあるエピソードなのかもしれません。
いまだから笑って話せますが、ここまでして行きたくないというのは、拒否反応を示しているSOSです。
学校に行きたくないと言う子どもに対して、親がそれを受け入れず、気持ちを押し殺して連れていくことを続けてしまうと、そのSOSすら見逃してしまいます。やがて、助けを求めること自体をしてくれなくなります。そういう子をたくさん見てきました。
学校に行きたくないという子どもの声と行動に、しっかり向き合ってほしいと思います。

この日のこと
講演会の様子は、明光みらいのnoteでも紹介しています。
>>【イベントレポ】QuizKnock東言さん講演会『僕の世界の歩き方』
東さんの話に共通していたのは、自分に向いている場所を探していいという考え方でした。合わない場所で結果を出そうとし続けるより、向いている競技を見つけたほうが、結果的に世界は広がります。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
