MENU

「希望が何もない」と思っていた高2の冬。不登校を経験した高校生2人が、いま将来を語れるようになるまで

高校で学校に行けなくなると、中学までとは違う不安が出てきます。単位が足りるのか、卒業できるのか、進路はどうなるのか。時間の制限があるぶん、焦りも大きくなります。

今回は、不登校を経験して明光義塾高等学院に転入した2人の生徒さんが、小学館のメディア「HugKum」の取材を受けた記事から、話の中身を紹介します。エマさん(高2)とリツコさん(高3)、どちらも仮名です。いま在籍している生徒の、実際の言葉です。

目次

エマさん。担任に叱られ続けて、家にこもるようになった

エマさんが学校に行けなくなったのは高校1年生のときでした。担任の先生から、些細なことで叱られ続けたことがきっかけです。

『やがて「学校に行けない」とウツみたいになって、家にこもるようになった』

通っていたのは小規模な学校でした。同じ先生と同じ生徒のまま高校3年生まで続きます。逃げ場がないという恐怖心が、登校をさらに遠ざけました。

このとき、お母さまがかけた言葉が印象的です。

『もう学校なんて行かなくていいから、とりあえず生きていて』

学校に行けなくなったお子さんに対して、何と声をかけるべきか悩む保護者の方は多いです。この言葉は、学校よりも本人の存在を優先するという意思が、まっすぐに伝わる形になっています。

リツコさん。ケガで練習に出られず、進路が消えた

リツコさんはスポーツ推薦で高校に入学しました。ところが足をケガします。

治りかけの状態でも練習への参加は必須でした。科を変更することも、高校2年生からはできません。競技を続ける前提で入った学校で、その前提が崩れました。

『気持ちの上でも崩れ始めていて、学校に行くのももう限界、となったのが高2の最後のほう』

本人の言葉では「希望が何もない」と感じる状態でした。

高校での不登校は、中学までと事情が違います。進路と単位が直結しているぶん、行けない状態が続くこと自体が将来の不安に直結します。リツコさんの場合は、進路の前提そのものが失われたことが重なりました。

学校選びの決め手は、意外なところにあった

2人が明光義塾高等学院を知った経緯は違います。

エマさんは、もともと通っていた塾の塾長から開校の情報を聞きました。決め手になったのは2つです。ひとつは、面談した先生が自分の話を聞いて泣いてくれたこと。もうひとつは、体育祭や修学旅行がないことでした。

行事が苦手だから学校に行けない、という子は実際に多いです。集団での行事が負担になる場合、それがないことは大きな安心材料になります。

リツコさんは、お母さまが調べて提案しました。実際に見学に行ったときの印象がこうでした。

『きれいな学校でできたばかり。生徒も少なくこぢんまりしていて、ここなら行ける』

規模の小ささが、この2人にとってはプラスに働いています。エマさんは小規模校の閉鎖性で苦しみましたが、人数が少ないこと自体が問題ではなく、そこで何が起きるかが違いを生んでいます。

明光義塾高等学院

2人が通う明光義塾高等学院は、高校卒業資格が取れる通信制高校の連携施設です。僕が学院長を務めています。学校側に生徒が合わせるのではなく、生徒のやりたいことに学校が合わせる、というのが基本的な考え方です。

>>明光義塾高等学院について詳しく見る

「来られる日に来ればいい」と言われたこと

エマさんが入学前に言われた言葉です。

『ここには両方ともないですよ。高田馬場の校舎には、自分が来られる日にちを中心に、無理なく来たらいいよ』

「両方とも」というのは、エマさんが不安に感じていた体育祭と修学旅行のことです。

通学の回数を自分で決められることは、高校での不登校を経験した生徒にとって大きな意味を持ちます。毎日通えることを前提にしない設計になっていると、体調や気持ちの波があっても在籍を続けられます。

エマさんは今、こう話しています。

『毎日登校するわけではないので、残りの日はアルバイトをしたり、自分らしく過ごしたりしています』

授業については「寝る暇もなくおもしろい」。アルバイトと学業を両立していることで、家族からも褒められるようになったそうです。

2人に起きた変化

リツコさんは、周りから言われる言葉が変わったと話します。

『「雰囲気、変わったね」って言われます』

ご家族からも「明るくなったね」と言われるそうです。

そして進路です。「希望が何もない」と感じていた状態から、いまは明確な目標があります。

『大学受験まであと1年を切っているので、勉強もしっかりがんばります』

法学部への進学を目指して、受験に向いた単位の選び方を進めているところです。

ここで伝えたいのは、学校に行けなかった期間があっても進学の選択肢は残るということです。リツコさんは高校2年生の終わりに限界を迎えましたが、いま高校3年生として大学受験に向かっています。

高校で学校に行けなくなったときに、まず確認すること

2人の話から見えてくるのは、環境を変えれば状況が変わることがある、という点です。ただし高校の場合、動くタイミングが遅れると選択肢が減ります。単位と在籍が進級・卒業に直結するためです。

いま在籍校で悩んでいる場合、まず担任の先生か教頭先生に、現時点の出席日数と修得済みの単位の状況を確認してください。数字が分かると、留年を避けるために残された時間と、転入という選択肢を考える期限がはっきりします。

転入の実務的な手続きや時期については、こちらで詳しく解説しています。

>>いじめが理由で高校を転校したい。手続きの順番と通信制高校へ移るという選択肢

高校生の不登校の全体像については、こちらにまとめています。

>>【2026年最新】高校生が不登校になる原因と親がとるべき5つの対応【元不登校生の助言】

まとめ。環境が変われば、見える景色も変わる

エマさんは担任との関係で家にこもるようになり、リツコさんはケガで進路の前提を失いました。原因はまったく違います。

それでも共通していたのは、いまの環境が本人に合っていなかったということでした。合わない場所で頑張り続けることが解決にならない場合、環境を変える選択肢があります。

そして2人とも、入学の決め手は制度の細かい話ではありませんでした。先生が自分の話を聞いて泣いてくれたこと。行事がないこと。こぢんまりしていて「ここなら行ける」と思えたこと。本人が安心できるかどうかが判断の軸になっています。

今日できる一歩を1つ提案します。学校見学に行く前に、お子さんに「どんなことが不安か」を3つだけ挙げてもらってください。行事が嫌なのか、人数が多いのが嫌なのか、朝が起きられないのか。それが分かると、見学先で聞くべきことが決まります。エマさんの決め手も、そこから生まれています。

このインタビューの全文は、小学館のHugKumに掲載されています。

>>不登校に苦しんだ現役高校生の2人。不安だった将来にも、今は陽が差した!(HugKum)

完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。

>>不登校の専門家 小幡和輝の無料LINE相談

よくある質問

高校2年生の途中から学校に行けなくなっても、大学受験はできますか?

できます。今回紹介したリツコさんは高校2年生の終わりに限界を迎えましたが、転入後に法学部への進学を目指して、受験に向いた単位の選び方を進めています。ただし在籍と単位の状況によって取れる道が変わるので、まず在籍校で現時点の出席日数と修得単位を確認してください。

体育祭や修学旅行がない高校はありますか?

学校によって行事の有無や参加の扱いは異なります。今回紹介したエマさんの場合は、体育祭と修学旅行がないことが入学の決め手になりました。行事が負担になっている場合は、見学の際に行事の有無と参加が必須かどうかを直接確認してください。

毎日通えなくても在籍を続けられますか?

通学の回数を自分で決められる形をとっている学校なら続けられます。今回のエマさんは毎日は登校せず、通わない日はアルバイトなどに充てています。ただし卒業には必要な単位の修得が必要なので、通学の頻度と単位認定の条件を事前に確認してください。

X

\ X更新中! /

note

\ 明光みらい公式note /

Instagram

\ Instagram /

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

目次