「学びの多様化学校って、うちの県にあるの?」。名前を聞いて調べ始めた保護者の方が、最初につまずくのがここだと思います。ニュースでは増えていると聞くのに、肝心の場所がわかりにくいんですよね。
結論からお伝えします。学びの多様化学校(旧称・不登校特例校)は、文部科学省の設置者一覧によると2026年度時点で全国84校。設置されているのは34都道府県で、残りの13県にはまだ1校もありません。この記事では、文部科学省の公式一覧をもとに全84校を都道府県別に整理し、入り方の実務と、近くにない場合の選択肢までまとめました。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。
なお「学びの多様化学校とはどんな学校か」「フリースクールとどう違うか」という制度の中身は、こちらの記事でくわしく解説しています。本記事は全国のどこにあるか・どうやって入るかに特化します。
学びの多様化学校とは?フリースクールとの違いはこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/manabi-tayoka-gakko/
学びの多様化学校は全国84校。前年から一気に増えた
学びの多様化学校は、不登校の子どもの実態に合わせて授業時間や教育課程を柔軟に組める、文部科学大臣指定の正規の学校です。フリースクールと違って「学校」なので、転学すれば籍そのものが移ります。
設置状況は文部科学省が設置者一覧として公開しており、2026年度時点で84校です。2025年度の58校から、この1年で一気に増えました。国はCOCOLOプラン(誰一人取り残されない学びの保障)で、将来的にすべての都道府県・政令指定都市への設置、その先に全国300校を目指すとしています。
文部科学省 学びの多様化学校の設置者一覧(公式)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387004.htm
一覧を読むときのポイントを3つだけ押さえてください。
- 公立と私立がある 公立は市町村や県の教育委員会が設置し、原則としてその自治体に住む子どもが対象です。私立は学校法人の設置で、通学圏なら自治体をまたいで出願できますが学費がかかります
- 校種はまだ中学校が中心 小学校や小中一貫の指定校は少数で、高校段階は特定のコースだけが指定されている学校(コース指定型)もあります
- 独立した学校だけでなく分校・分教室型もある 既存の中学校の分教室として教室名(愛称)で運営されているケースが増えています
それでは都道府県別の一覧です。お住まいの県からご覧ください。学校名・設置自治体(設置者)・公立私立の別・校種は、文部科学省の設置者一覧に基づいています。見学や出願の条件は必ず各設置者の最新情報で確認してください。
【北海道・東北】学びの多様化学校の一覧
北海道(3校)
- 星槎もみじ中学校(札幌市、私立・中学校)
- 釧路市立くしろ創明学園(釧路市、公立・中学校。2026年4月開設)
- 星槎国際高等学校(私立・通信制高校のコース指定)
青森県(1校)
- 東奥学園高等学校 レバレッジコース(青森市、私立・高校。2026年度指定)
岩手県(0校)
未設置です。県内の選択肢は後半の「設置がない県の場合」をご覧ください。
宮城県(3校)
- 白石市立白石南小学校・白石南中学校(白石市、公立・小中)
- ろりぽっぷ学園小学校(仙台市、私立・小学校)
- 西成田教室(富谷市、公立・中学校の分教室)
秋田県(1校)
- 秋田修英高等学校 ステップUPコース(大仙市、私立・高校)
山形県(1校)
- 上山市立西郷小学校・西郷中学校(上山市、公立・小中)
福島県(1校)
- 棚倉町立棚倉中学校(棚倉町、公立・中学校の分教室型)
【関東】学びの多様化学校の一覧
茨城県(1校)
- リリーガーデン(水戸市・学校法人リリー文化学園、私立・小学校の分校型)
栃木県(1校)
- プリズム(那須塩原市、公立・中学校の分教室。2026年4月開設)
群馬県(0校)
未設置です。
埼玉県(2校)
- さいたま市立いろどり学園 小学部・中学部(さいたま市、公立・小中。2026年4月開校)
- 川口市立芝園学園中学校(川口市、公立・中学校。2026年4月開校)
千葉県(2校)
- 習志野市立袖ヶ浦西小学校(習志野市、公立・小学校)
- UMI(浦安市、公立・中学校の分教室)
東京都(14校)
全国でいちばん多い14校です。
- 八王子市立高尾山学園 小学部・中学部(八王子市、公立・小中)
- 東京シューレ葛飾中学校(葛飾区、私立・中学校)
- 東京シューレ江戸川小学校(江戸川区、私立・小学校)
- 東京みらい中学校(学校法人三幸学園、私立・中学校)
- 世田谷区立北沢学園中学校(世田谷区、公立・中学校。2026年4月開校)
- ねいろ(世田谷区、公立・中学校の分教室)
- 福生市立牛浜もくせい中学校(福生市、公立・中学校)
- はしうち教室(調布市、公立・中学校の分教室)
- みらい学園 中等部(大田区、公立・中学校の分教室)
- みらい学園 初等部(大田区、公立・小学校の分教室)
- 御成門学園 御成門中学校(港区、公立・中学校)
- ゆめのき(町田市、公立・中学校の分教室)
- かがやき(府中市、公立・中学校の分教室)
- NHK学園高等学校 ライフデザインコース(国立市、私立・通信制高校のコース指定)
神奈川県(5校)
- 星槎中学校(横浜市、私立・中学校)
- 星槎高等学校(横浜市、私立・高校)
- 横浜きりん学園(横浜市・学校法人森学園、私立・小中。2026年度指定)
- 鎌倉市立由比ガ浜中学校(鎌倉市、公立・中学校)
- 大和市立引地台中学校 分教室(大和市、公立・中学校)
【中部】学びの多様化学校の一覧
新潟県(2校)
いずれも2026年4月開設です。
- 上ノ山分校(小千谷市、公立・中学校の分校)
- 上越市立諏訪中学校(上越市、公立・中学校の分校型)
富山県(1校)
- 富山市立古志はるかぜ学園 小学部・中学部(富山市、公立・小中。2026年4月開校)
石川県・福井県・山梨県・長野県(0校)
いずれも未設置です。
岐阜県(4校)
- 岐阜市立草潤中学校(岐阜市、公立・中学校。公立の学びの多様化学校の先駆けとして知られています)
- 西濃学園中学校(揖斐川町、私立・中学校)
- 特例教室オンリー1(北方町、公立・中学校の分教室)
- 学びの多様化教室にじ色(高山市、公立・中学校の分教室)
静岡県(2校)
- 静岡市立末広中学校(静岡市、公立・中学校の分校型。2026年4月開設)
- 静岡学園なごみ中学校(学校法人第三静岡学園、私立・中学校。2026年度指定)
愛知県(2校)
- 星槎名古屋中学校(名古屋市、私立・中学校)
- 愛知県立日進高等学校附属中学校(日進市、公立・中学校。2026年4月開校)
三重県(1校)
- 三重県立みえ四葉ヶ咲中学校(三重県、公立・中学校。全国でも珍しい県立の中学校です)
【近畿】学びの多様化学校の一覧
滋賀県(1校)
- 長浜市立浅井中学校(長浜市、公立・中学校の分校型。2026年4月開設)
京都府(2校)
- 京都市立洛風中学校(京都市、公立・中学校。2004年指定の草分け的存在です)
- 京都市立洛友中学校 昼間部(京都市、公立・中学校)
大阪府(3校)
- 大阪市立心和中学校(大阪市、公立・中学校)
- 窓明分校(大阪府、公立・高校の分校。2026年4月開設)
- 精華高等学校 フリーアカデミーコース(私立・高校)
兵庫県(4校)
- 生野学園中学校(朝来市、私立・中学校)
- 生野学園高等学校(朝来市、私立・高校)
- みらいポート(神戸市、公立・中学校の分教室)
- 尼崎市立尼崎琴葉中学校(尼崎市、公立・中学校。2026年4月開校)
奈良県(2校)
- ASU 小学部(大和郡山市、公立・小学校の分教室)
- ASU 中学部(大和郡山市、公立・中学校の分教室)
和歌山県(0校)
未設置です。僕の地元ですが、まだありません。
【中国・四国】学びの多様化学校の一覧
鳥取県・広島県・徳島県・愛媛県(0校)
いずれも未設置です。
島根県(1校)
- 石見智翠館高等学校 アスライズコース(江津市、私立・高校。2026年度指定)
岡山県(2校)
- 樸学園(美作市、公立・中学校の分校型)
- 岡山県美作高等学校 Bloomコース(津山市、私立・高校)
山口県(1校)
- 関西分校(下関市、公立・中学校の分校。2026年4月開設)
香川県(1校)
- 三豊市立高瀬中学校(三豊市、公立・中学校の分教室型)
高知県(3校)
いずれも2026年4月開設です。
- SOLA(高知市、公立・中学校の分教室)
- きぼう 小学部(いの町、公立・小学校の分教室)
- きぼう 中学部(いの町、公立・中学校の分教室)
【九州・沖縄】学びの多様化学校の一覧
福岡県(8校)
東京都に次いで多い8校です。
- 福岡市立百道松原中学校(福岡市、公立・中学校)
- ほしぞら分校(大牟田市、公立・中学校の分校)
- ハピネス分校 小学部(宇美町、公立・小学校の分校)
- ハピネス分校 中学部(宇美町、公立・中学校の分校)
- 大野城市立みずほ中学校(大野城市、公立・中学校。2026年4月開設)
- 福岡県立小郡高等学校 みらい創造コース(小郡市、公立・高校)
- 福岡海星女子学院高等学校 ブライトコース(福岡市、私立・高校)
- 慶成高等学校 至誠コース(私立・高校)
佐賀県・熊本県(0校)
いずれも未設置です。
長崎県(1校)
- 長崎市立桜馬場中学校(長崎市、公立・中学校の分校型。2026年4月開設)
大分県(1校)
- 玖珠町立くす若草小中学校(玖珠町、公立・小中)
宮崎県(3校)
- 宮崎市立ひなた中学校 昼間部(宮崎市、公立・中学校)
- 熊野江教室(延岡市、公立・中学校の分教室)
- 都城市立あやめ野中学校(都城市、公立・中学校。2026年4月開校)
鹿児島県(3校)
- 志布志市立悠志学園(志布志市、公立・小中。2026年4月開校)
- さつま町立宮之城中学校(さつま町、公立・中学校の分校型。2026年4月開設)
- 鹿児島城西高等学校 ドリームコース(日置市、私立・高校)
学びの多様化学校への入り方。相談の順番と3つの現実
一覧で近くの学校が見つかったら、次は入り方です。フリースクールのように「見学して合えば通い始める」のではなく、学校への転学(転校)なので手続きの入口が決まっています。
- 在籍校の担任か教頭に伝える 「学びの多様化学校への転学を検討している」と伝えるところからです。在籍校を飛ばしても、最終的に書類は在籍校経由になるため、先に共有しておくと後がスムーズです
- 設置自治体の教育委員会に相談する 公立の場合、窓口は学校を設置する市町村(県立なら県)の教育委員会です。就学相談や教育相談の窓口で、対象学年・通学区域・空き状況を確認します
- 見学・体験・面談を経て転学 多くの学校が、本人と保護者の見学や体験通学、面談を経て受け入れを判断します。4月入学だけでなく年度途中の転入を受け付けている学校もあります
このとき、あらかじめ知っておいてほしい現実が3つあります。
- 住んでいる自治体の条件がある 公立は原則、設置自治体に住む子どもが対象です。隣の市の学校には入れないことが多く、「県内にある=通える」ではありません
- 定員が小さい 1学年10〜20人程度の小規模校が多く、希望者が定員を上回る地域もあります。入れるかどうかは面談等を経て決まります
- 本人が毎日通う前提の場所である 転学しても、通えない日が続けばしんどさは残ります。今のエネルギーで週5日の通学がイメージできるか、本人の気持ちを最優先にしてください
見学のハードルについて、僕自身の話を少しだけ。僕がフリースクールに初めて行く前日は、ドキドキして仕方ありませんでした。でも着いてみたら、誰も「なんで学校行ってないの」と聞かなかった。それが衝撃で、ゲームが好きな子とすぐに仲良くなれました。学びの多様化学校も同じで、不登校を前提に設計された場所です。パンフレットで悩み続けるより、一度見学して空気を確かめるほうが、本人も保護者も判断しやすくなります。
設置がない13県・通えない距離の場合の選択肢
岩手・群馬・石川・福井・山梨・長野・和歌山・鳥取・広島・徳島・愛媛・佐賀・熊本の13県には、2026年度時点で学びの多様化学校がありません。また、設置県でも自治体の条件や距離で通えないケースは多いです。その場合の選択肢は3つあります。
- 教育支援センター(適応指導教室) 自治体が運営する公的な居場所で、原則無料。在籍校の出席扱いになるのが一般的です。くわしくはこちらの記事で解説しています
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/kyoiku-shien-center/ - 対面やオンラインのフリースクール 転学せず在籍校に籍を置いたまま通える民間の居場所です。一定の要件を満たせば出席扱いになる制度があります
- 在籍校・教育委員会への相談を続ける 学びの多様化学校は毎年増えており、お住まいの県で開設準備が進んでいる場合もあります。最新情報は教育委員会が持っています
お住まいの県の相談窓口は、47都道府県別にこちらの記事でまとめています。
【全国版】47都道府県の不登校相談窓口一覧はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-soudan-zenkoku/
クラスジャパン小中学園という選択肢
「県内に学びの多様化学校がない」「あるけれど遠くて毎日は通えない」。そんなご家庭に僕たちが運営しているのが、オンラインフリースクールのクラスジャパン小中学園です。住んでいる場所に関係なく、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走するので、「教材を渡されて終わり」にはなりません。転学ではなく在籍校に籍を置いたまま利用でき、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。出席扱いの制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
今日できる一歩
お住まいの県の欄をもう一度見てください。学校があれば、設置自治体の教育委員会に電話して「学びの多様化学校への転学を検討しています。対象や見学について教えてください」とだけ聞いてみる。なければ、在籍校に「教育支援センターやフリースクールの出席扱いについて相談したい」と連絡帳に一文書く。どちらも5分でできて、選択肢が一気に具体的になります。
まとめ。一覧はスタート地点、決めるのは本人のペースで
学びの多様化学校は全国84校まで増えましたが、まだ34都道府県に偏在していて、定員も通学条件もあります。だからこそ「多様化学校に入れるかどうか」を唯一のゴールにせず、教育支援センター、対面やオンラインのフリースクールまで含めた選択肢の中から、今のお子さんのエネルギーに合う場所を選んでほしいと思います。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
無料のLINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
学びの多様化学校は全国に何校ありますか?
文部科学省の設置者一覧によると、2026年度時点で全国84校です。設置されているのは34都道府県で、東京都の14校が最多、次いで福岡県の8校です。岩手・群馬・石川・福井・山梨・長野・和歌山・鳥取・広島・徳島・愛媛・佐賀・熊本の13県にはまだ設置がありません。
学びの多様化学校に入るにはどうすればいいですか?
在籍校の担任か教頭に転学を検討していることを伝え、学校を設置する自治体の教育委員会の教育相談窓口に対象や空き状況を確認するのが基本の流れです。多くの学校で見学・体験・面談を経て受け入れが決まります。公立は原則として設置自治体に住む子どもが対象で、定員も小規模なため、早めの相談をおすすめします。
近くに学びの多様化学校がない場合はどうすればいいですか?
自治体の教育支援センター(適応指導教室)、対面やオンラインのフリースクールが主な選択肢です。いずれも在籍校に籍を置いたまま利用でき、一定の要件を満たせば出席扱いになる制度があります。オンラインのクラスジャパン小中学園なら住んでいる場所を問わず利用できます。
