子どもがフリースクールの見学に行きたがらない。パンフレットを見せても目をそらす。日程を提案すると部屋に戻ってしまう。「本人が動かないと何も始まらない」と、止まっている方に向けて書きます。
先に結論です。無理に連れて行く必要はありません。最初の見学は、親だけで進めて大丈夫です。 子どもが行きたがらないままでも、親が先にできることはあります。
この記事は、見学で何を質問するかではなく、子どもがフリースクールに行きたがらないときに、親がどの順番で動くかに絞って書きます。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。
見学に行きたがらないのは、フリースクールが嫌だからとは限らない
見学を嫌がる子は、フリースクールそのものを拒んでいるとは限りません。嫌がっている中身は、だいたい次の3つです。
- 知らない場所に行くこと 建物も、道順も、中の様子もわからない状態です
- 知らない大人や子どもに会うこと 誰がいるのか、何を話せばいいのかが見えません
- 学校に行っていない理由を聞かれること いちばん避けたい質問が来るかもしれない、という怖さです
僕自身、初めてフリースクールに行く前日はドキドキしていました。着いてみたら、誰も「なんで学校行ってないの」と聞きませんでした。それが衝撃でした。ゲームが好きな子がいて、すぐに仲良くなりました。
行く前の不安と、行ったあとの実際は大きくずれます。ただ、このずれを言葉で説明しても子どもには届きません。説得に時間を使うより、親が先に見てきて、不安の材料を減らすほうが早いです。
親だけの見学は、運営側から見れば普通のこと
「本人抜きで行っていいのだろうか」とためらう方がいます。運営している立場から言うと、最初の見学が保護者だけというご家庭は珍しくありません。
問い合わせのときに「本人はまだ乗り気ではないので、まず親だけで見たい」と伝えてください。その前提で話を聞けます。
親だけで見るときは、設備より次の3つを見てください。
- 通っている子の様子 楽しそうかより、力が抜けているかを見ます
- スタッフの関わり方 指示する場面が多いか、話を聞く場面が多いか
- 子どもが不安に思いそうな点の答え 最初に何を聞かれるか、人が少ない時間帯はいつか、短時間で帰ってもいいか
3つ目は、家に帰ってから子どもに渡す材料になります。
>>外出がハードルなら、自宅から参加できるオンラインの選択肢を見る
無理に連れて行かずに、親ができる4つの段取り
- 親だけで見学を申し込む 候補は1つか2つに絞ります。数を回るより、1か所を落ち着いて見ます
- ひとことだけ持ち帰る 報告会はしません。「何も聞かれなかったよ」「ゲームが好きな子がいたよ」と、子どもの不安に答えるひとことだけ伝えます
- 軽い接点を並べる 本人が少し興味を見せたら、オンラインでの面談、10分だけの訪問、人が少ない時間帯など、選べる形をいくつか出します
- 決めるのは本人に残す 行くかどうか、いつ行くかは子どもが決めます。親は段取りを整えるところまでです
パンフレットは手渡さず、リビングに置いておくだけにします。子どもは親が思っている以上に、置かれたものを見ています。反応がなくても、情報は届いています。
10分で帰っていた子が、自分から「行ってみたい」と言うまでの実際の記録は、こちらの記事にあります。
>>10分で帰っていた小4の男の子が「一人で行ってみたい」と言った日。3か月の記録
やってしまいがちな3つのこと
良かれと思ってやったことが、選択肢を減らすことがあります。
- 行き先を伝えずに連れて行く 「買い物に行こう」と言って見学に連れて行くと、その場所も親の言葉も信用されなくなります
- ごほうびや期限をつける 「行ったら買ってあげる」「今月中に決めて」は、行くこと自体を親のための用事にしてしまいます
- 見学の直後に感想を聞く 帰り道の「どうだった?」は答えにくい質問です。本人が話し出すまで待ちます
本人が納得しないまま通い始めると、嫌だった記憶がその場所と結びつきます。時間がかかっても、自分のタイミングで行けた場所のほうが続きます。
見学まで進んだけれど通う場所がまだ決まらない、という段階の方は、支援先の全体像をこちらで確認できます。
>>不登校サポートの全体地図。公的・民間・オンラインの支援をどう使い分ける?
クラスジャパン小中学園という選択肢
見学に行きたがらない理由が「外に出ること」や「知らない場所に行くこと」なら、見学そのものがいらない形があります。自宅から参加できるオンラインフリースクールです。
僕が校長を務める「クラスジャパン小中学園」は、2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。家から一歩も出ずに始められます。
ネットの先生(担任)が伴走し、最初は勉強ではなく、好きなことの話から始めます。顔を出すかどうか、声を出すかどうかも、本人のペースに合わせます。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIです。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
家から人とつながることに慣れると、外の場所を見に行くハードルも下がります。対面のフリースクールに行く前の、最初の一歩として使うご家庭もあります。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。
プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として使えます。保護者の方だけの見学や相談も受け付けています。「子どもにどう伝えるか」から一緒に考えます。
学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
>>親だけの見学から始める。明光フリースクールの詳細はこちら
今日できる一歩
今日は子どもを説得するのをやめて、お子さんが見学でいちばん不安に思いそうなことを3つ、紙に書き出してみてください。「何を聞かれるか」「誰がいるか」「途中で帰れるか」などです。
それが、親だけで見学に行ったときに確かめることのリストになります。
まとめ
子どもがフリースクールの見学に行きたがらないのは、場所そのものへの拒否ではなく、知らない場所・知らない人・聞かれたくない質問への不安であることが多いです。
無理に連れて行かず、親が先に見て、ひとことだけ持ち帰り、軽い接点を並べ、決めるのは本人に残す。外出そのものが難しければ、自宅から始められるオンラインという形もあります。
「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。
よくある質問
フリースクールの見学は親だけで行ってもいいですか?
問題ありません。最初の見学が保護者だけというご家庭は珍しくありません。問い合わせのときに「本人はまだ乗り気ではないので、まず親だけで見たい」と伝えてください。
子どもがフリースクールに行きたがらないのはなぜですか?
フリースクールそのものへの拒否とは限りません。知らない場所に行くこと、知らない人に会うこと、学校に行っていない理由を聞かれることへの不安が理由であることが多いです。説得するより、親が先に見学して不安の材料を減らすほうが早く進みます。
見学に行きたがらない子に、オンラインから始めるのはありですか?
ありです。外出や知らない場所がハードルになっている場合、自宅から参加できるオンラインフリースクールなら見学そのものがいりません。家から人とつながることに慣れてから、対面の場所を見に行くご家庭もあります。
