「近くにフリースクールがあれば通わせたいのに、調べても車で1時間の場所にしかない」。フリースクールが近くにない地域にお住まいの方から、この相談を本当によく受けます。結論からお伝えすると、フリースクールに通えなくても、学びの場と学校の出席扱いは自宅から確保できます。この記事では、通わないという前提で何をどう整えればいいかを順番に解説します。すでに通える範囲の施設を比較したい方向けの記事ではなく、「そもそも近くに無い」場合の組み立て方の記事です。
自己紹介が遅れました。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。小幡和輝と申します。
フリースクールが近くにないのは、珍しいことではありません
まず前提として、フリースクールが近くにない状況はまったく特別ではありません。文部科学省の調査では、令和5年度に不登校の小中学生は全国で約34万人にのぼります(出典: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm)。一方で、民間のフリースクールは都市部に集中していて、県庁所在地を離れると選択肢が一気に減ります。
見落とされがちなのが送迎の負担です。片道1時間の校舎が見つかっても、往復すると保護者の1日から2時間以上が消えます。エネルギーが下がっている時期の子どもにとっても、長距離の移動そのものがハードルになります。「無理をすれば通える」距離は、続かないことが多いのです。だから「近くに無いなら、通わない形で組み立てる」と最初から割り切ったほうが、結果的にうまくいきます。
通わなくても、出席扱いは自宅から受けられます
いちばん心配されるのが出席の問題だと思います。ここは制度がはっきりしています。文部科学省は、自宅でICT教材などを使って学習した場合でも、一定の要件を満たせば在籍校の校長判断で出席扱いにできると通知しています(出典: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm)。つまり、施設に通うことは出席扱いの必須条件ではありません。
ポイントを絞ると、次の3つが軸になります。
- 学校との連携 保護者と在籍校が連絡を取り合い、学習の様子を共有できる状態にあること
- 計画的な学習プログラム 教材を触るだけでなく、計画に沿って学習が進み、記録が残ること
- 対面の支援との組み合わせ 訪問などの対面支援と合わせて、子どもの状態を大人が把握していること
自宅のICT学習を出席扱いにする要件の全体像と進め方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/ict-kyozai-shusseki/
僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えた経験があります。出席扱いは欠席日数の帳尻合わせではなく、子どもが「自分は前に進んでいる」と確認できる仕組みです。近くに施設が無いという理由だけで、これを諦める必要はありません。
もし学校に相談して渋られた場合の動き方も、別の記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-kotowarareta/
自宅を学びの場にするために必要な3つのもの
教材だけを契約して「あとは自分でやってね」という形は、ほぼ続きません。僕が2000人以上の子どもたちを見てきて、自宅学習が続く家庭には共通して3つのものがあります。
- 伴走してくれる家族以外の大人 親が先生役を兼ねると、親子関係に勉強の緊張が持ち込まれて両方が苦しくなります。進み具合を見て声をかけてくれる第三者がいるかどうかが、継続の分かれ目です
- その子のつまずきに合わせた教材 学年相当の教材を渡しても、つまずいた単元が埋まっていなければ止まります。戻る場所を特定して、そこから積み直せる仕組みが必要です
- ゆるやかな生活リズム 学校の時間割を再現する必要はありません。午後からでも、1日1コマでも、「毎日どこかで学びに触れる」リズムがあれば十分です
逆に言えば、この3つが揃うなら、地理的な条件はほとんど関係なくなります。家庭・塾・オンラインなど学習支援の選択肢全体の使い分けは、こちらの記事が地図代わりになります。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-gakushu-shien/
近くの公的な窓口もあわせて確認を
民間のフリースクールが無い地域でも、多くの自治体には教育委員会が設置する教育支援センター(適応指導教室)があります。無料で利用でき、出席扱いの対象になることが一般的です。お住まいの自治体名と「教育支援センター」で検索すると案内が見つかります。集団の場に通う形なので合う・合わないはありますが、地域にある公的な選択肢として、オンラインと並行して確認しておく価値があります。
クラスジャパン小中学園という選択肢
通わずに学びと出席扱いを両立させる場所として、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。住んでいる場所は関係なく、全国どこからでも同じ内容で学べます。
先ほどの「必要な3つのもの」に当てはめると、こうなります。まず、ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走するので、家族以外の大人の目があります。学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
そして学習記録が残る仕組みのため、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。そもそも自宅学習の出席扱い制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。「近くに何も無い」という条件を、いちばん正面から解決するために設計された場所だと思っています。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
オンラインのフリースクールを幅広く比較して選びたい方は、こちらの記事もどうぞ。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/online-freeschool-comparison/
今日できる一歩
在籍校の担任か教頭に、電話で「自宅でのICT学習を出席扱いにした事例がこの学校や市内にありますか」とだけ聞いてみてください。前例の有無がわかると、この後の相談の進め方がまったく変わります。前例が無いと言われても大丈夫です。文部科学省の通知を根拠に、これから前例をつくればいいだけです。
まとめ
フリースクールが近くにない地域でも、打つ手が無いわけではありません。出席扱いは通所が条件ではなく、自宅からでも要件を満たせば認められます。必要なのは施設までの距離ではなく、伴走する大人・合った教材・ゆるやかなリズムの3つです。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。無料のLINE相談はこちらから。
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
フリースクールが近くにないと、出席扱いは受けられませんか?
受けられます。文部科学省の通知により、自宅でICT教材などを使った学習も、学校との連携や計画的な学習などの要件を満たせば、校長判断で出席扱いにできます。施設への通所は必須条件ではありません。
片道1時間かかるフリースクールに、無理してでも通わせるべきですか?
長距離の通所は子どもにも保護者にも負担が大きく、続かないケースが多いです。まずはオンラインや教育支援センターなど通わない・近い選択肢で学びのリズムを作り、通所はエネルギーが戻ってから検討する順番をおすすめします。
オンラインのフリースクールでも自治体の補助金は使えますか?
自治体によって対象範囲が異なります。通所型のみを対象とする制度も、オンラインを含む制度もあるため、お住まいの自治体の公式サイトか担当課で「フリースクール等利用者への補助」の要件を確認してください。
