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帰国子女が不登校になったら。日本の学校に馴染めない子の立て直し方と学びの選択肢

海外から帰国してしばらくは通えていたのに、朝起きられなくなった。行き渋りが始まり、とうとう学校を休むようになった。帰国子女のお子さんが不登校になると、「海外ではあんなに楽しそうだったのに」という戸惑いと、「早く日本に慣れさせないと」という焦りが同時に押し寄せてきます。

この記事は、すでに不登校や行き渋りが始まった後の立て直し方の記事です。まだ「日本の学校が合わないかもしれない」と感じている段階でしたら、不登校になる前に学び場を選ぶ考え方をこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/kikokushijo-gakko-awanai/

先に結論をお伝えします。帰国子女の不登校は、お子さんの適応力が低いから起きるのではありません。海外への適応を一度やり遂げた子が、帰国後にもう一度、環境の切り替えをやり直している。その再適応の負荷が大きすぎて、エネルギーが切れている状態です。だから立て直しの順番は、休ませる、在籍校とつながり方を整える、学びの場を選び直す、の順です。この記事で一つずつ説明します。

自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。運営しているフリースクールには、帰国子女のお子さんも実際に通っています。

目次

帰国子女の不登校は、適応力の問題ではありません

まず押さえておきたいのは、日本の学校が悪いわけでも、お子さんが弱いわけでもない、ということです。一斉授業や、みんなで揃えることを大切にする文化の中で安心して伸びる子はたくさんいます。問題は環境の良し悪しではなく、切り替えの負荷です。

海外で暮らしたお子さんは、現地の言葉、授業のスタイル、友達づきあいのルールに合わせて、一度大きな適応をやり遂げています。帰国はそのやり直しです。一般に「逆カルチャーショック」と呼ばれる、自分の国に帰ってきたのに勝手が違って戸惑う現象は、大人の海外赴任でも広く知られています。病気でも異常でもなく、環境が大きく切り替わったときに起こりうる自然な反応と考えられています。

しかも帰国子女のお子さんには、転入生としての緊張と、文化の切り替えという二重の負荷がかかります。敬語や暗黙のルール、発言のタイミング、漢字の書き取り。一つひとつは小さくても、全部を同時にやり直すのは大人でも消耗します。国際結婚のご家庭など、海外にルーツのあるお子さんにも同じ構図が起こりえます。

「向こうでは元気だったのに」は、適応できない子である証拠ではなく、適応する力を使い果たすほど頑張った証拠です。まずこの見方に切り替えることが、立て直しの出発点になります。

まず休ませる。立て直しは休息から始まります

朝起きられない、腹痛や頭痛が続く、日曜の夜に泣く。こうしたサインが出ているなら、まず休ませる決断をおすすめします。再適応の負荷で消耗した子に「慣れるまでの我慢」を続けさせると、消耗が深くなり、元気を取り戻すまでの時間もかえって長くなります。なお、体調不良が続く場合は、無理をさせる前に小児科など医療機関にも相談してください。

僕自身、不登校の時期に親から言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になりました。休ませると決めたら、期限を切らずに休ませる。家が安全基地になると、子どもは自分からエネルギーを取り戻し始めます。

休ませている間の家庭での関わり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/hutoukou-taiou/

在籍校とのやりとり。切らさず、無理もしない

休ませると決めたら、在籍校との連絡の形を整えます。ポイントは、つながりを切らないことと、親の負担を増やしすぎないことの両立です。

  1. 欠席連絡の頻度を相談する 毎朝の電話やアプリ連絡がつらいなら、「当面お休みします。連絡は週1回まとめてにさせてください」と相談できます。多くの学校が応じてくれます
  2. 事情をひとこと共有する 帰国後の環境の切り替えで消耗していること、怠けではないことを伝えると、先生も対応を考えやすくなります。海外での学校生活を先生が詳しく知らないことは珍しくありません
  3. 窓口と受け取り方を決めておく 担任のほかに学年主任やスクールカウンセラーも窓口にできます。プリントや教科書の受け取り方法だけ決めておくと、その後のやりとりが楽になります

在籍校は敵ではなく、この後で説明する出席扱いの窓口でもあります。頻度を落としてでも、細くつながり続けるのがおすすめです。

出席扱い制度を知っておく

学校を休んでいる間の学びには、出席扱いという制度があります。文部科学省の令和元年の通知により、不登校の児童生徒が学校外の施設で相談や指導を受けている場合、一定の要件を満たせば、在籍校の校長の判断で指導要録上「出席扱い」にできるとされています。

文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(令和元年10月25日通知)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm

大事なのは、フリースクールやオンライン教材を使えば自動的に出席扱いになるわけではない、という点です。認めるかどうかは校長の判断で、保護者と学校の連携や、施設からの報告が前提になります。だからこそ前の章の「細くつながり続ける」が効いてきます。要件の詳しい中身はこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

明光フリースクールという選択肢

明光フリースクール

休息が進んで、お子さんに少し外へ向かうエネルギーが戻ってきたら、学びの場を選び直す段階です。平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」です。

冒頭でお伝えしたとおり、明光フリースクールには帰国子女の生徒も実際に通っています。個別指導ベースなので全員が同じことを同じペースでやる必要がなく、英語をはじめ海外で身につけた力を、隠すのではなくそのまま学びに持ち込めます。そして休んでいるお子さんにとっては、平日の日中に「家以外の行き先」ができること自体が大きな変化です。家で一人で過ごす時間が減り、生活のリズムと人とのつながりが戻ってきます。

学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

今日できる一歩

明日の朝の欠席連絡に、ひとことだけ添えてみてください。「帰国後の環境の変化で疲れが出ているようなので、しばらく休ませて体調を整えます。今後の連絡の仕方は、改めて相談させてください」。休む宣言と連絡方法の相談を同時に済ませられて、毎朝の連絡のプレッシャーが今日で終わります。お子さんには「学校どうするの」と聞く代わりに、「今週はゆっくりしよう」と伝えてあげてください。

まとめ 「もう一度の適応」を急がせない

帰国子女の不登校は、適応力の問題ではなく再適応の負荷の問題です。海外への適応を一度やり遂げた子が、もう一度の切り替えでエネルギーを使い果たしている。だから立て直しは、休ませることから始まります。在籍校とは頻度を落としてつながり続け、出席扱い制度を頭に入れたうえで、エネルギーが戻ってきたら対面やオンラインのフリースクールなど、お子さんに合う学びの場を選び直す。この順番なら、焦らずに進めます。

お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。

無料のLINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

帰国子女の不登校は、どれくらいで立て直せますか?

決まった期間はありません。消耗の深さも、元気を取り戻すペースもお子さんごとに違うからです。目安にしてほしいのは期間ではなく順番で、まず休息、次に在籍校との細いつながり、それから学びの場の選び直しです。休息を飛ばして学び場探しから始めると、うまくいかないことが多いです。

学校を休ませている間、勉強の遅れが心配です

学びは学校以外でも続けられます。対面やオンラインのフリースクールで学びながら、要件を満たして校長が認めれば出席扱いになる制度もあります。また、英語力など海外で身につけた力はそれ自体が財産です。休んでいる期間は、その強みを伸ばす時間にもできます。

出席扱いは、フリースクールに通えば必ず認められますか?

必ずではありません。文部科学省の通知に基づく制度ですが、認めるかどうかは在籍校の校長の判断で、保護者と学校の連携や施設からの報告が前提になります。明光フリースクールでは出席扱いが認められた事例が多数あり、在籍校への報告書類のやりとりも日常的に行っているので、進め方の段階からご相談いただけます。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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