子どもが学校に行けなくなって居場所を探し始めると、必ず出てくるのが「適応指導教室(教育支援センター)」と「フリースクール」というふたつの言葉です。名前は聞くけれど、何が違うのか、どちらに行けばいいのか、わかりにくいと感じていませんか。
結論から言えば、このふたつはどちらかを選ばなければいけないものではありません。 役割が違う別の仕組みなので、比べて片方に決めるのではなく、両方を知ったうえで組み合わせて使うのが正解です。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちとそのご家庭に関わってきました。この記事では、適応指導教室とフリースクールの違いを5つの観点で整理し、併用の考え方までお伝えします。
適応指導教室(教育支援センター)とは
適応指導教室は、市区町村の教育委員会が設置・運営している公的な支援施設です。現在は「教育支援センター」という名称が使われることが多く、自治体によって「〇〇教室」「〇〇ルーム」など呼び名はさまざまです。
不登校の小中学生が在籍校に籍を置いたまま通える場所で、学習支援や小集団での活動、教育相談などを受けられます。文部科学省の通知でも、教育支援センターは不登校支援の中核的な役割を担う機関として位置づけられており、通所は在籍校の校長先生の判断で指導要録上の出席扱いとされる運用が広く行われています。
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
利用の入口は自治体ごとに決まっていて、多くの場合は教育相談を受けてから入級の手続きに進みます。お住まいの自治体の教育委員会や教育センターが窓口です。
フリースクールとは
フリースクールは、民間の団体や企業が運営する学校外の学びの場です。公的な施設ではないぶん、運営者の考え方がそのまま場の特色になります。学習支援が中心のところ、体験活動が中心のところ、プログラミングやeスポーツに力を入れているところなど、施設ごとの個性がはっきりしています。
フリースクールでの活動も、文部科学省の通知に基づく要件を満たせば在籍校の出席扱いとして認められます。ポイントは大きく3つです。
- 保護者と学校の間に連携・協力関係があること 担任の先生と定期的にやりとりできている状態が前提になります。
- 計画的な学習プログラムであること フリースクールでの活動やICT教材での学習がこれにあたります。
- 学習の状況を学校が把握できること 活動レポートや学習記録の提出が必要です。
適応指導教室とフリースクールの5つの違い
- 設置・運営しているところ 適応指導教室は市区町村の教育委員会が運営する公的機関、フリースクールは民間の運営です。この違いが、費用や手続きなど以下のすべての違いのもとになっています。
- 費用 適応指導教室は基本的に無料で利用できます(教材費などの実費がかかる場合があります)。フリースクールは月謝がかかり、月3〜5万円程度が目安です。ただし自治体によってはフリースクール利用料の助成制度があり、東京都のように月額最大2万円を助成する例もあります。お住まいの自治体の制度を確認してください。
- 出席扱いの手続き 適応指導教室は公的機関なので、通所がそのまま出席扱いとされる運用が定着している自治体が多いです。フリースクールの場合は、文部科学省の通知の要件を満たしたうえで在籍校の校長先生が判断します。承認実績のあるフリースクールを選び、活動レポートを継続的に提出することが大切です。
- 活動内容と雰囲気 適応指導教室は学習支援と小集団活動が中心で、教員経験者や心理の専門職が関わる自治体も多く、落ち着いた環境が用意されています。フリースクールは施設ごとに特色が大きく異なり、学習・遊び・体験活動の比重も自由度もさまざまです。お子さんの興味に合う場を選べるのが強みです。
- 利用のしやすさと選択肢の幅 適応指導教室はお住まいの自治体の施設を利用するのが基本で、場所や開室時間は決まっています。フリースクールは居住地に関係なく選べて、週1日からの利用やオンラインでの参加など、通い方の柔軟性が高い施設が多いです。
こうして並べると、どちらが良い悪いではなく、得意なことが違うのがわかると思います。無料で落ち着いた公的な居場所という強みと、特色と柔軟さで子どもに合わせられる強み。両方を知ったうえで選べることが大切です。
両方使っていい。併用という考え方
保護者の方からよく「適応指導教室に籍があるのに、フリースクールも使っていいんでしょうか」と聞かれます。答えは、使っていいんです。
たとえば、週の前半は適応指導教室で学習し、週の後半はフリースクールで好きな活動をする。あるいは、まずはフリースクールで生活リズムと居場所をつくり、慣れてきたら適応指導教室も見学してみる。逆の順番でもかまいません。
不登校の時期は、子どもの状態が数か月単位で変わります。ひとつの場所に決め打ちするより、複数の居場所を持っておくほうが、状態の変化に合わせて調整できます。 居場所がひとつしかないと、そこが合わなくなったときに行き場がなくなってしまいますが、ふたつあれば片方を休んでももう片方があります。
実際、僕が関わってきたご家庭でも、公的な教室と民間のフリースクールを並行して使っているケースは珍しくありません。どちらの支援者も、子どもの居場所が増えること自体を歓迎してくれるはずです。
まずはお住まいの自治体の教育相談窓口で適応指導教室の話を聞きつつ、並行してフリースクールの見学を進める。この2本立てで動くのが、いちばん選択肢を狭めない進め方です。
フリースクールを探すなら。2つの選択肢
併用の候補としてフリースクールを探すとき、対面とオンラインの両方を知っておくと選びやすくなります。
選択肢1:自宅で学べる「オンラインフリースクール」
「まだ外に出るエネルギーがない」というお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」という選択肢があります。適応指導教室に通うのがまだ難しい時期の、最初の一歩としても使いやすい仕組みです。
自宅にいながら、ネットの先生(担任)が伴走し、学習や生活リズムをサポートします。2018年の開校からこれまでに2000人以上の不登校の子どもたちを支えてきた実績があり、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いとなる仕組みも整っています。出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みなので、学校との連携もスムーズです。
学習教材に加えて、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあるのも特徴です。わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けるよう、答えをすぐ教えるのではなくヒントを出しながら一緒に考えてくれます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きなので安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
選択肢2:通える距離の「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。平日の日中に通える居場所で、明光義塾の個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけてそこから戻る学び方ができます。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどもあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
学校の出席扱いや自治体の補助金対象になる実績も多数あります。適応指導教室との併用のご相談もよくいただいているので、見学の際に遠慮なくお話しください。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まとめ。居場所は「選ぶ」より「増やす」
適応指導教室(教育支援センター)は、市区町村が運営する無料の公的な支援施設。フリースクールは、特色と柔軟さでお子さんに合わせられる民間の学びの場。どちらも出席扱いを目指せて、どちらかひとつに決める必要はありません。
大事なのは、比較してひとつに絞ることではなく、お子さんの居場所の選択肢を増やしておくことです。状態は必ず変わっていきます。そのときどきで使う場所を調整できるように、両方の窓口とつながっておいてください。
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よくある質問
適応指導教室(教育支援センター)とフリースクールの違いは何ですか?
適応指導教室(教育支援センター)は市区町村の教育委員会が運営する公的な支援施設で、基本的に無料で利用できます。フリースクールは民間が運営する学びの場で月謝がかかりますが、施設ごとの特色や通い方の柔軟さが強みです。設置者・費用・出席扱いの手続き・活動内容・利用のしやすさの5つの観点で違いがあります。
適応指導教室とフリースクールは併用できますか?
併用できます。どちらかを選ばなければいけないものではなく、週の中で使い分けたり、時期によって切り替えたりする使い方が可能です。複数の居場所を持っておくと、お子さんの状態の変化に合わせて調整しやすくなります。
適応指導教室とフリースクールはどちらも出席扱いになりますか?
どちらも出席扱いを目指せます。適応指導教室は公的機関のため通所が出席扱いとされる運用が広く行われています。フリースクールは文部科学省の通知に基づく要件(学校との連携、計画的な学習プログラム、学習状況の把握)を満たしたうえで、在籍校の校長先生が判断します。
