「フリースクールに通わせたいけれど、一度通うと学校に戻れないのでは」。お子さんの不登校でフリースクールを調べ始めた保護者の方から、この質問を本当によく受けます。結論からお伝えすると、フリースクールに通ったせいで学校に戻れなくなる、ということはありません。フリースクールに通ってもお子さんの籍は今の学校に残ったままですし、学校と併用しながら通う子もたくさんいます。そして国の方針も、「学校に戻ること」だけを目標にしない支援へと変わっています。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。この記事では「フリースクールに通うと学校に戻れないのでは」という不安の正体をほどきながら、在籍校との関係がどうなるのか、二者択一にしない併用という形まで解説します。
結論。フリースクールに通っても、学校に戻る道は閉じません
まず制度の話から整理します。フリースクールは学校教育法上の「学校」ではないため、通い始めても転校にはなりません。お子さんの籍は今の学校に残ったままです。つまり「フリースクールの子」に切り替わるのではなく、「在籍校の生徒のまま、平日の居場所としてフリースクールを使っている」という状態になります。
籍が残っているので、学校に戻る道は制度上ずっと開いています。実際に、フリースクールに通いながら運動会や修学旅行など行事のときだけ学校に行く子、週の何日かを学校、残りをフリースクールと分ける子、しばらくフリースクールで充電してから少しずつ登校を増やした子。僕が関わってきた2000人以上の子どもたちの中には、どのパターンもいました。もちろん、学校には戻らないまま次の進路へ進む子もいます。大事なのは、そのどれもが「戻れなかった」のではなく、本人が元気を取り戻した先で自分で選んだ結果だということです。
文部科学省の方針は「学校に戻すこと」ではなく「社会的自立」です
「フリースクールは学校復帰を目指さない場所だ」という記述を見かけて、不安になった方もいるかもしれません。ここは一次情報で確認しておきましょう。文部科学省は令和元年10月25日の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で、支援の基本的な考え方を次のように示しています。
「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること」
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
つまり「登校という結果だけをゴールにしない」というのは、フリースクール側の勝手な理屈ではなく、国の公式な方針です。この通知は、学校に戻ることを否定しているわけでもありません。本人にとって学校が安心して通える場所になるなら戻ればいいし、別の場でエネルギーを取り戻して次の進路へ進むならそれでいい。目標を「登校」そのものではなく、その先の自立に置くという順番の整理です。
この考え方の土台になっている法律については、こちらの記事で解説しています。
教育機会確保法とは?不登校の子の学びを守る法律をわかりやすく解説
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/kyoiku-kikai-kakuhoho/
「居心地がよくて戻る気がなくなるのでは」という心配の正体
それでも「フリースクールが居心地よすぎて、学校に戻る気がなくなってしまうのでは」という心配は残ると思います。2000人以上の子どもたちを見てきた僕の実感を言うと、順番が逆です。
不登校の子の多くは、サボっているわけではなく「行きたいのに行けない」状態で、心のエネルギーが尽きています。エネルギーが空のままでは、学校に戻るどころか家から出ることも難しい。フリースクールのような安心できる場所は、そのエネルギーを充電する場所です。
充電が進んで元気が戻ってくると、子どもは自分から動き始めます。「行事だけ行ってみようかな」と言い出す子もいれば、「高校からリスタートする」と決める子もいます。居心地のいい場所があったから選べなくなるのではなく、居心地のいい場所でエネルギーがたまったから、自分で選べるようになるのです。逆に、休める場所がないまま登校だけを急ぐと、エネルギーがたまらず、結果として動けない期間が長引いてしまうケースを僕は何度も見てきました。
フリースクールで過ごした子たちが実際にどんな進路へ進んでいるかは、こちらの記事にまとめています。
フリースクールに通った子のその後。進学先・進路の実際
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-sotsugyogo-shinro/
併用という形。学校かフリースクールかの二者択一にしない
「戻る」「戻らない」を今すぐ決める必要はありません。籍が在籍校に残っている以上、学校とフリースクールは二者択一ではなく併用できます。よくある形は次の3つです。
- 行事やテストだけ学校に行く 運動会や文化祭、定期テストの日だけ登校し、ふだんはフリースクールで過ごす
- 週の中で分ける 週1〜2日は学校(別室登校も含む)、残りの日はフリースクールに通う
- 期間で分ける 学期のあいだはフリースクールで充電し、新学期やクラス替えのタイミングで登校を試してみる
どの形でも、在籍校との窓口は担任の先生です。「フリースクールに通うことにしたので、行事の連絡はお願いします」と一言伝えておくだけで、つながりは保てます。週の組み方や在籍校とのやりとりの実際は、こちらの記事で詳しく解説しています。
フリースクールと学校は併用できる?週の組み方と出席扱い・在籍校との関係
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-gakko-heiyo/
もう1つ知っておいてほしいのが出席扱いの制度です。フリースクールでの活動は、在籍校の校長の判断で指導要録上の出席扱いになる場合があります。根拠は先ほどの文部科学省の通知で、実際に認められた事例も多数あります。
僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。出席扱いは欠席日数の問題である以上に、「学校の外で過ごす時間もちゃんと認められている」という子どもの自己肯定感の話です。フリースクールと学校がつながっている実感は、親だけでなく本人にとっても大きな安心になります。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として毎日のリズムを作れます。
この記事のテーマで言えば、明光フリースクールは在籍校とのつながりを保ったまま通える場所です。通い始めても籍は今の学校のままなので、行事だけの参加や週の併用のような形も作りやすく、「学校に戻る道を残しながら、平日の安心できる行き先を確保する」という使い方ができます。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
今日できる一歩
「戻れるかどうか」を今日決める必要はありません。代わりに、気になるフリースクールを1つ選んで、「見学だけしたいのですが」と問い合わせを送ってみてください。見学の場では「在籍校の籍はどうなりますか」「出席扱いの実績はありますか」の2つを聞けば、この記事で書いた内容をお住まいの地域の実情で確認できます。見学しても入会する義務はありませんし、比べる材料が1つ増えるだけでも気持ちは軽くなります。
まとめ
フリースクールに通っても、学校に戻れなくなるわけではありません。籍は在籍校に残り、行事だけの参加や週の併用など、学校とのつながりを保つ形はいくつもあります。国の方針も、登校という結果だけをゴールにせず社会的自立を目指す方向に変わっています。いま一番大事なのは、戻るか戻らないかの決断ではなく、お子さんが安心してエネルギーを取り戻せる場所があることです。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。LINEで無料相談を受け付けています。
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よくある質問
フリースクールに通うと、今の学校の籍はどうなりますか?
籍は今の学校に残ったままです。フリースクールは学校教育法上の学校ではないため転校にはならず、在籍校の生徒のまま通えます。登校を再開したくなったときの道は制度上閉じません。
フリースクールから学校に戻った子は実際にいますか?
います。行事だけの参加から少しずつ登校を増やした子や、新学期のタイミングで戻った子など形はさまざまです。一方で、学校には戻らず次の進路へ進む子もいます。どちらも本人がエネルギーを取り戻した先で選んだ結果で、フリースクールが戻る道をふさぐわけではありません。
フリースクールの出席は在籍校の出席扱いになりますか?
在籍校の校長の判断で、指導要録上の出席扱いになる場合があります。文部科学省の令和元年10月25日の通知が根拠で、実際に認められた事例も多数あります。学習の状況を在籍校と共有できるフリースクールを選ぶと進めやすくなります。
