「勉強が何年分も遅れてしまった。もう取り返せないのではないか」
不登校のご家庭から、この相談を本当によく受けます。教科書を開いても何がわからないのかすらわからない。だから開く気にもならない。そういう状態のお子さんも多いと思います。
まず結論をお伝えします。遅れは取り戻せます。 ただし、やり方には順番があります。ここを間違えると、頑張っても手応えが出ないまま終わってしまいます。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。当事者としての経験と、2000人以上の子どもたちを見てきた経験の両方から書きます。
大前提として、遅れているのはあなただけではない
文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は約35万4千人にのぼり、12年連続で増加しています。
つまり、学びに空白がある子どもは全国に大勢いるということです。そして今、その空白を埋めるための選択肢も年々増えています。
令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm
学び直しの最大の失敗は「学年で戻ろうとすること」
いちばんよくある失敗が、「中1から全部やり直そう」と決めてしまうことです。
これはほぼ確実に挫折します。量が多すぎるからです。しかも、実際にはすでに理解できている単元まで含まれているので、時間の大半が無駄になります。
正しいのは、学年ではなく単元で戻るという考え方です。
たとえば数学で二次方程式がわからないとき、原因は中1の文字式かもしれないし、小6の分数の計算かもしれません。逆に、図形の問題はまったく問題なく解ける、ということもよくあります。
科目全体が遅れているのではなく、特定のつながりのどこかが切れているだけなのです。そこだけを見つけて埋めれば、その先は一気に進みます。
優先すべき科目には順番がある
すべての科目を同時に戻す必要はありません。優先順位があります。
- 数学と英語を最優先 この2つは前の単元を理解していないと次に進めない積み上げ型の科目です。空白を放置すると差が開き続けます。逆に言えば、ここさえ埋めれば手応えが出やすい科目でもあります。
- 国語は読解から 漢字の暗記より、文章を読んで意味をつかむ力を先に戻すほうが、他の科目にも効きます。
- 社会と理科は後回しでいい 単元ごとに独立している部分が多く、あとからでも取り戻しやすい科目です。ここに時間をかけるのは効率が悪いです。
一人でやらないほうがいい理由
学び直しで最も難しいのは、「どこでつまずいているか」を自分で見つけることです。
わからない状態にある子どもは、そもそも何がわからないのかを言葉にできません。これは能力の問題ではなく、当然のことです。地図を持っていない人に、自分の現在地を答えろと言っているようなものだからです。
だから、つまずきの位置を一緒に探してくれる大人が必要です。ここだけは、家庭学習の教材やアプリだけでは埋めにくい部分だと思います。
そしてもうひとつ。親御さんが直接教える役割を担うのは、できれば避けたほうがいいです。 教える側になると、どうしても評価する目線になります。それが親子関係に影響することを、僕はたくさん見てきました。家庭は安心できる場所のままにしておいてほしいです。
学び直しの時間も「出席扱い」にできる
見落とされがちですが、学び直しに取り組む時間は、在籍校の出席扱いにできる可能性があります。
文部科学省の通知により、一定の要件を満たせば、自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえます。判断するのは在籍校の校長先生です。
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
「勉強を取り戻す」と「欠席を増やさない」を同時に進められるので、進路の不安がかなり軽くなります。
学び直しができる3つの環境
僕たちが運営している場のうち、学び直しに向いているものを紹介します。
明光フリースクール
平日の日中に通えるフリースクールです。明光義塾の個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけて、そこから戻る学び方ができます。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどもあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能します。学校の出席扱いや自治体の補助金対象になる実績も多数ございます。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
クラスジャパン小中学園
まだ外に出るのが難しいお子さん向けのオンラインフリースクールです。ネットの先生が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校からこれまでに2000人以上をサポートしてきました。
学習教材に加えて、最先端のAIサポートもあります。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIを活用することで、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着くことができます。答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、「わかった」という手応えが自分のものとして残ります。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定が付いているので、安心してご利用いただけます。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
明光義塾高等学院
高校段階での学び直しならこちらです。長野県のさくら国際高等学校の連携施設で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととして受けています。
明光義塾高等学院の詳細はこちら
https://gakuin.meikogijuku.jp/
まとめ。戻るのは学年ではなく単元
不登校で勉強が遅れても、取り戻せます。大事なのは順番です。
学年ではなく単元で戻ること。数学と英語から手をつけること。つまずきの位置を一緒に探してくれる人と進めること。この3つで、体感は大きく変わります。
そして焦らないでください。学び直しは、エネルギーが戻ってきてから始めても遅くありません。まず休むことが先で、勉強はそのあとです。順番を逆にすると、どちらもうまくいかなくなります。
「うちの子はどこから戻ればいいのか」という相談は、僕の公式LINEでも受け付けています。
小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
不登校の学び直しは何年生から戻ればいいですか?
学年で戻ろうとすると量が多すぎて挫折しやすくなります。学年ではなく単元で戻るのが基本です。科目全体が遅れているのではなく、特定のつながりのどこかが切れているだけのことが多いため、その箇所を見つけて埋めれば先に進めます。
学び直しで優先すべき科目は何ですか?
数学と英語を最優先にしてください。前の単元の理解が必要な積み上げ型の科目のため、空白を放置すると差が開き続けます。国語は読解から、社会と理科は単元ごとに独立している部分が多いため後回しでも取り戻しやすい科目です。
学び直しの時間は出席扱いになりますか?
文部科学省の通知により、一定の要件を満たせば自宅やフリースクールでの学習を在籍校の出席として認めてもらえる可能性があります。最終的な判断は在籍校の校長先生が行います。
