不登校のあいだに定期テストの時期が近づいてくると、「受けさせたほうがいいのか、それとも無理をさせないほうがいいのか」と迷いますよね。結論からお伝えすると、不登校の定期テストは「教室で受ける」「別室で受ける」「今回は受けない」のどれを選んでも大丈夫です。受け方は1つではありませんし、受けなかったからといって卒業や進路が閉ざされることもありません。
僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。小幡和輝と申します。この記事では、定期テストを受けない場合の影響を正直に整理したうえで、別室受験の頼み方、受けない場合の成績と進路の考え方までお伝えします。
定期テストを受けないとどうなる?卒業・成績・受験への本当の影響
まず、いちばん心配な点からはっきりさせます。小中学校は義務教育なので、定期テストを受けていなくても、在籍していれば原則として卒業できます。テストの欠席が卒業の妨げになることはありません。
影響が出るとすれば成績、いわゆる内申点です。テストを受けていないと評価の材料がないため、通知表の教科評価が「斜線」や「1」になることがあります。中学生の場合、高校入試で内申点を使う高校を受けるなら、ここが不利に働く可能性はあります。
ただし、これは「テストを受けないと人生が詰む」という話ではありません。あとで詳しく書きますが、内申点をほとんど見ない入試を行う高校は珍しくありませんし、テスト以外の方法で評価をつけてもらえる場合もあります。影響の範囲を正確に知っておけば、必要以上に怖がらずに選べます。
また、テストの点数だけで成績が決まるわけでもありません。提出物やレポート、家庭での学習の記録も評価の材料になります。文部科学省は、不登校の子どもが学校外の施設や自宅のICT教材で学習した場合、一定の要件のもとで出席扱いにできること、そして学習の成果を成績評価に反映できることを通知で示しています。
出典: 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
出席扱いの3つの要件については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/
定期テストの受け方は1つじゃない。4つの選択肢
「教室でみんなと一緒に受ける」以外にも、定期テストには受け方があります。学校に相談すれば、次のような形を取れることが多いです。
- 別室で受ける 保健室や相談室、空き教室などで、他の生徒と顔を合わせずに受ける方法です。多くの中学校で実際に行われています。試験監督の先生の都合など学校側の事情もあるので、事前に担任の先生と相談して決めます
- 時間や日をずらして受ける 放課後や別の日に受けさせてもらう形です。同級生の登下校の時間帯を避けられるので、人目が気になる子でも動きやすくなります
- 通っている施設で受ける 教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールに通っている場合、学校と施設が連携していれば、その場でテストを受けられることがあります
- 今回は受けない 受けないことも正当な選択肢です。エネルギーが足りない時期に無理をして、学校そのものへの拒否感が強まってしまっては本末転倒です
大切なのは、この4つに優劣がないことです。「別室でも受けられたら偉い」「受けないのは逃げ」という序列で考えると、子どもは敏感に察します。今回は受けない、次回は別室で考えてみる、というように、そのときのエネルギーに合わせて毎回選び直していいものです。
別室で過ごす形については、こちらの記事も参考になります。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/hokenshitsu-toko-shusseki/
別室受験の頼み方。担任への伝え方の実例
別室受験を考えるとき、保護者の方がつまずきやすいのは「どう切り出せばいいかわからない」という点です。難しい交渉ではありません。連絡帳や電話で、次のように伝えれば十分です。
「本人がテストは受けたい気持ちがあるようなのですが、教室に入るのは難しそうです。別室で受けさせていただくことは可能でしょうか」
ポイントは2つあります。1つは、本人の気持ちを主語にすること。「親が受けさせたい」ではなく「本人にその気持ちがある」と伝わるほうが、学校も動きやすくなります。もう1つは、答えを急がせないこと。学校側も監督の先生の配置などを調整する必要があるので、テストの1〜2週間前には相談を始めておくと余裕を持って進められます。
そして頼んだ結果、当日になって「やっぱり行けない」となっても、責めないであげてください。前日までは受けるつもりだったのに当日は体が動かない、ということが不登校には本当にあります。行けなかったのは意志が弱いからではなく、そのときのエネルギーがそこまでだった、というだけのことです。
受けない選択をしたとき、成績と進路はどうなるか
「受けない」を選んだ場合の現実的な影響も、正直に整理しておきます。
まず成績です。テストを受けず、提出物などの材料もない場合、通知表に評価がつかない(斜線になる)ことがあります。ただ、前述の文部科学省の通知にあるとおり、学校外での学習の成果を評価に反映してもらえる場合があります。フリースクールでの活動記録や、自宅で使っているICT教材の学習履歴を学校に共有することで、テストを受けていなくても学びの実態を見てもらえる余地があるということです。
僕にとって、この仕組みには単なる制度以上の意味がありました。フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えたんです。点数がつくかどうかよりも、自分の学びがちゃんと認められているというメッセージが子どもに届くこと自体に価値があります。
次に高校受験です。内申点が足りなくても進める道は実際にあります。
- 内申点の比重が小さい入試 都道府県によっては、公立高校でも当日の学力検査を重視する枠があります。私立高校にはオープン型の入試も多くあります
- 通信制高校 内申点や欠席日数を合否の基準にしないところがほとんどで、書類と面接で入れる学校が多いです
- チャレンジスクールなど不登校経験者向けの学校 東京都立のチャレンジスクールは、調査書の提出を求めず、学力検査も行わない入学者選抜を実施しています(東京都教育委員会 https://www.toritsuko.metro.tokyo.lg.jp/challenge/ )。同様の仕組みを持つ公立高校は他の都道府県にもあります
つまり「テストを受けない=進学できない」ではありません。受けないと決めたら、そのぶん進路の情報収集を早めに始めておく。それだけで選択肢は十分に残ります。
家で学びを積み上げておくと、テストも成績も怖くなくなる
ここまで読んで気づかれたかもしれませんが、テストを受けるにしても受けないにしても、共通して効いてくるのは「学びが続いているかどうか」です。学びが続いていれば、別室受験に挑戦したときに点が取れますし、受けない場合でも学習記録が評価の材料になります。
とはいえ、不登校のあいだ家庭だけで学習を回すのは大変です。親が教えようとするとぶつかりますし、教材を買っても続かないことが多いです。そこで、家にいながら学びと記録を両立できる仕組みを紹介させてください。
クラスジャパン小中学園という選択肢
オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」は、まさにこの「家にいながら学びを積み上げて、学校に認めてもらう」を仕組みにした場所です。ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
そして定期テストに悩むご家庭にとって大きいのは、学習の記録が自動的に残ることです。一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになりますし、出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきました。テストを受けられない時期でも、「この子は家でこれだけ学んでいます」と学校に示せる材料が日々たまっていきます。学習記録を親が手書きでまとめる必要がないのも、続けやすさにつながっています。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
自宅のICT教材で出席扱いを目指す流れは、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/ict-kyozai-shusseki/
今日できる一歩
次の定期テストの日程を、学校の年間予定表かお子さんの学校のウェブサイトで確認してみてください。そして日程まで2週間以上あるなら、連絡帳か電話で「テストの受け方について相談したい」とだけ伝えておく。この一言で、別室受験も日程の調整も動き始めます。受けるかどうかを今決める必要はありません。選択肢を開いておくだけで十分です。
まとめ
不登校の定期テストは、教室で受ける、別室で受ける、受けない、のどれを選んでもいい。受けなくても卒業はできますし、内申点に頼らない進路も実際にあります。大事なのはテストの点数よりも、学びが細く長く続いていることと、その学びを学校にも見えるようにしておくことです。
それでも「うちの子の場合はどうなんだろう」と迷うことはあると思います。完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
定期テストを受けないと中学校を卒業できませんか?
いいえ。小中学校は義務教育なので、定期テストを受けていなくても、在籍していれば原則として卒業できます。テストの欠席が卒業の条件に関わることはありません。
別室受験はどの学校でも対応してもらえますか?
多くの中学校で実施されていますが、監督の先生の配置など学校側の事情によって対応は異なります。テストの1〜2週間前までに、担任の先生に「別室で受けさせてもらえないか」と相談してみてください。放課後や別日の受験に応じてもらえる場合もあります。
テストを受けず内申点がつかなくても高校受験はできますか?
できます。通信制高校の多くは内申点を合否の基準にしませんし、私立のオープン型入試や、東京都立のチャレンジスクールのように調査書の提出を求めない公立の入学者選抜もあります。受けない選択をした場合は、早めに進路の情報収集を始めることをおすすめします。
