「文部科学省の通知どおりに準備したのに、学校から出席扱いを断られてしまった」。そんな相談を受けることが少なくありません。ここまで動いてきた保護者の方ほど、断られたときのショックは大きいと思います。
結論から言えば、一度断られても、出席扱いをあきらめる必要はありません。 出席扱いは校長先生の判断で決まる制度です。裏を返せば、判断の材料を整え直して再度相談すれば、結論が変わる余地があるということです。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。不登校の専門家として、これまでに2000人以上の子どもたちとご家庭に関わるなかで、最初は認められなかったケースが、材料を揃え直すことで認められた例をいくつも見てきました。
なお、出席扱いの3つの要件そのものを知りたい方は、要件の解説記事をあわせてお読みください。この記事は「要件はおおよそ理解したうえで、それでも断られた」という方に向けて、次の一手を具体的にお伝えするものです。
なぜ断られるのか。出席扱いは「校長先生の判断」で決まる
まず前提を整理します。出席扱いは、文部科学省が通知で要件を示し、最終的な判断は在籍校の校長先生に委ねられている制度です。自治体や学校によって対応に差が出るのは、この仕組みによるものです。
断られる背景には、次のようなパターンがあります。
- 学校側に前例がない 校長先生も、判断材料がない状態でははじめての決断がしにくいものです
- 学習状況を把握できる仕組みが伝わっていない 「家庭やフリースクールで何をしているのか分からない」という状態では、学校は出席と認めようがありません
- 制度自体が十分に知られていない 文部科学省の通知の存在が、学校現場まで浸透していないケースも実際にあります
大切なのは、断られた=「うちの子はダメだった」ではないということです。多くの場合、足りなかったのは条件ではなく判断材料です。
最初にやること。断られた「理由」を確認する
再交渉の前に、なぜ認められなかったのかを担任の先生に確認しましょう。「今回は難しいと伺いましたが、どの点が課題だったのか教えていただけますか」と聞くだけで十分です。
理由が「学習状況の把握が難しい」なら記録の仕組みを、「前例がない」なら他校の事例を用意すればよい。理由が分かれば、揃えるべき材料が決まります。 感情的にならず、学校と同じ方向を向いて進めるための確認だと考えてください。
校長判断を動かす3つの材料
実際に、断られたあとに出席扱いが認められたケースで効果があった材料を3つ紹介します。
材料1。文部科学省の通知を「紙で」共有する
出席扱いの根拠は、文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知です。学校に相談するときは、口頭で「文科省が認めています」と伝えるのではなく、通知を印刷して該当箇所に付箋を貼って持参することをおすすめします。
校長先生の立場から見ると、判断の拠り所が明文で示されているかどうかは大きな違いです。「国の通知に沿った相談である」と分かる形にするだけで、話の土台が変わります。
不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
材料2。学習の記録を「先に」提出し始める
出席扱いの要件の中心は、計画的な学習プログラムであることと、学習状況を学校が把握できることです。ここで効くのが、承認される前から活動レポートの提出を始めてしまうことです。
「認められたら記録を出します」ではなく、「すでに毎週こういう記録を共有できています」という実績を先につくる。学習した教材、時間、お子さんの様子が毎週届いている状態になれば、学校側の「把握できない」という不安は事実によって解消されます。僕が見てきた承認事例でも、入会後すぐにレポート提出を始めたことが決め手になったケースが多くあります。
材料3。フリースクール側の承認実績と連携の仕組みを示す
前例がないことが理由なら、前例を外から持ってくるのが有効です。出席扱いの実績が多いフリースクールは、他校で承認された事例や、学校向けの説明資料、レポートの様式をすでに持っています。
「このフリースクールは他の学校で出席扱いの承認実績が多数あり、学校との連携の型ができています」と伝えられれば、校長先生にとって「はじめての判断」ではなくなります。利用中の(または検討中の)フリースクールに「学校向けの資料はありますか」と聞いてみてください。実績のあるところなら、すぐに出てきます。
それでも動かないときの相談先
材料を揃えて再度相談しても結論が変わらない場合は、学校の外に相談先を広げます。
- 教育委員会の相談窓口 各自治体の教育委員会には教育相談の窓口があります。「文科省の通知に沿ってフリースクールでの学習の出席扱いを相談しているが、進め方に迷っている」と伝えれば、学校への助言につながることがあります
- 教育支援センター(適応指導教室) 自治体が運営する公的な学びの場で、通所が出席扱いにつながる運用が広く定着しています。フリースクールとの併用も可能です
- スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー 校内の専門職から話を通してもらうことで、動き出すケースもあります
また、時間を味方につける視点も持ってください。年度が替わって校長先生や担任の先生が替わると、同じ材料でも判断が変わることは実際にあります。一度の「ノー」は、永遠の「ノー」ではありません。
そしてもうひとつ。出席扱いが認められない期間も、お子さんの学びが無価値になるわけではありません。受験の合否判定で出席日数を考慮しない自治体は増えています。出席扱いは大事な制度ですが、それ自体が目的ではなく、子どもの学びと自己肯定感を守るための手段です。
出席扱いの実績が多いフリースクールから選び直すのも一手
交渉を有利にする一番の近道は、材料3で触れたとおり、学校との連携の型を持っているフリースクールを選ぶことです。
自宅で学べる「オンラインフリースクール」クラスジャパン小中学園
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
そして何より、出席扱い制度はクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきた取り組みです。学校向けの説明や活動レポートの仕組みが整っているので、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる連携がスムーズに進みます。事務局側から学校側への説明、交渉も行っています。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
通える場所がいいなら「明光フリースクール」
外に出て仲間と過ごしたいお子さんには、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。平日の日中に通えて、個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけてそこから戻る学び方ができます。プログラミングやeスポーツなど、子どもが「楽しい」と思えるコンテンツも用意しています。
学校の出席扱いや自治体の補助金対象になる実績も多数あります。学校への働きかけに悩んでいる段階でも、まず教室に相談してみてください。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まとめ。断られてからが本当のスタートです
出席扱いは校長先生の判断で決まります。だからこそ、一度断られても、理由を確認し、通知と記録と前例という3つの材料を揃え直せば、結論が変わる余地があります。
お子さんを責める必要も、交渉がうまくいかない自分を責める必要もありません。学校と対立するのではなく、同じ判断材料を共有する。それだけで話が前に進むことは本当に多いです。
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よくある質問
学校に出席扱いを断られたら、もう認められないのでしょうか?
あきらめる必要はありません。出席扱いは在籍校の校長先生の判断で決まる制度のため、文部科学省の通知の共有、学習記録の継続的な提出、フリースクール側の承認実績の提示といった判断材料を揃え直して再度相談することで、結論が変わった事例があります。
出席扱いの再交渉では何を用意すればいいですか?
まず断られた理由を担任の先生に確認したうえで、文部科学省の通知の印刷物、学習内容・時間・様子をまとめた活動レポート、フリースクールの学校向け資料や他校での承認実績の3つを用意するのが効果的です。承認前から記録の提出を始めておくと、学習状況を把握できるという事実を示せます。
学校との交渉がどうしても進まないときはどこに相談できますか?
自治体の教育委員会の教育相談窓口、教育支援センター(適応指導教室)、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが相談先になります。また、年度替わりで管理職が交代すると判断が変わる場合もあるため、記録の提出を続けながら時間をかけることも選択肢のひとつです。
