スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違い。どちらに何を相談する?

学校からのお便りで「スクールカウンセラー来校日」の案内を見たり、先生から「スクールソーシャルワーカーにつなぎましょうか」と言われたりして、「この2つ、何が違うの?」と戸惑っていませんか。

結論から言うと、スクールカウンセラーは心理の専門家で、子どもや保護者の心の悩みを聞いて整理してくれる人。スクールソーシャルワーカーは福祉の専門家で、家庭の経済状況や生活環境など、子どもを取り巻く環境を整えるために学校の外の機関と調整してくれる人です。心の中の話ならカウンセラー、生活や制度の話ならソーシャルワーカー、と覚えておけばまず間違いません。

僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学んで、18歳で起業しました。今は運営者の立場で、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちとご家庭に関わってきました。その経験から言うと、この2つの窓口は「どちらが正解か」で悩む場所ではなく、両方うまく使う場所です。この記事では、それぞれの役割と、不登校の場面での具体的な使い分け、今日からできる相談の申し込み方までお伝えします。

目次

スクールカウンセラーは「心」の専門家

まず、それぞれの役割を整理します。

スクールカウンセラーは、公認心理師や臨床心理士といった心理の専門資格を持つ人が担う仕事です。文部科学省のスクールカウンセラー等活用事業に基づいて、全国の公立小中学校に配置が進められてきました。

主な仕事は次の3つです。

  1. 子ども本人との面談 悩みを聞き、心の状態を見立てて、その子に合った関わり方を考えます
  2. 保護者の相談 「家でどう接すればいいか」「これは様子を見ていい状態か」といった相談に、心理の視点から答えます
  3. 先生への助言 面談でわかったことをもとに、担任の先生や学校側の対応について助言します

つまり、子どもの心の中で起きていることを一緒に整理してくれる人です。子どもが話したがらない場合でも、保護者だけでの相談ができます。

ひとつ知っておきたいのは勤務形態です。スクールカウンセラーの多くは非常勤で、1つの学校には週1回程度しか来ません。「いつでも相談できる先生」ではなく、「予約して会う専門家」と考えておくと、実際の使い方とのズレがなくなります。

スクールカウンセラー等活用事業|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1328010.htm

スクールソーシャルワーカーは「環境」の専門家

スクールソーシャルワーカーは、社会福祉士や精神保健福祉士といった福祉の専門資格を持つ人から選考される仕事です。文部科学省はスクールソーシャルワーカー活用事業として、中学校区を単位とした配置を進めてきました。

スクールカウンセラーとの一番の違いは、働きかける先です。スクールカウンセラーが子どもの心の中に向き合うのに対して、スクールソーシャルワーカーは子どもを取り巻く環境に働きかけます。

具体的にはこんな動きをします。

  1. 家庭の状況を整理する 経済的な事情、保護者の病気、きょうだいの世話など、学校に行きづらくなっている背景を一緒に整理します
  2. 使える制度につなぐ 就学援助や自治体の支援制度など、その家庭が使える福祉の仕組みを探して、申請までつないでくれます
  3. 関係機関と連携する 学校、教育委員会、医療機関、自治体の福祉窓口などの間に入って、家庭だけでは動かしにくい調整を進めます

学校に常駐しているわけではなく、教育委員会に所属して複数の学校を担当していることが多いため、会いたいときは学校を通じて依頼するのが基本です。

スクールソーシャルワーカー活用事業|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1416474_00001.htm

迷ったらこう考える。「心の話」か「生活の話」か

2つの違いを一言でまとめると、こうなります。

子どもの気持ちや心の状態について話したいならスクールカウンセラー。家庭の生活や経済面、学校外の機関との調整について動いてほしいならスクールソーシャルワーカー。

不登校の場面に当てはめると、たとえば次のような使い分けです。

  1. 子どもが学校の話題になると泣いてしまう、部屋から出てこない 心の状態の見立てが必要なので、スクールカウンセラーに相談します
  2. 収入が減ってフリースクールの費用が心配、親自身も体調を崩している 制度や環境の調整が必要なので、スクールソーシャルワーカーの出番です
  3. どちらの悩みも混ざっていて分けられない それが普通です。どちらかに話せば、必要に応じてもう一方につないでくれます

大事なのは、入り口を間違えても損はしないということです。2つの職種は校内の支援会議などでつながっていて、相談内容に応じて連携する仕組みになっています。「どっちに相談すべきか」で立ち止まるより、話しやすいほうに先に話してしまうのが正解です。

出席扱いやフリースクールの相談にも使える

これは意外と知られていないのですが、スクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも、学校の外の学びを使うときの味方になってくれます。

フリースクールやICT教材での学習を在籍校の出席として認めてもらう「出席扱い」という制度があります。文部科学省が要件を示していて、最終的には校長先生が判断します。制度の詳しい要件はこちらの記事で解説しています。

「不登校でも出席扱いに?」文部科学省認定で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/

出席扱いを目指すとき、担任の先生にいきなり制度の話を切り出すのはハードルが高いものです。そこで、スクールカウンセラーとの面談の場で「フリースクールを検討していて、出席扱いの相談をしたい」と話しておくと、校内の支援会議を通じて話が校長先生まで届きやすくなります。スクールソーシャルワーカーは、自治体のフリースクール利用料の助成制度など、お金の面で使える仕組みを一緒に探してくれる存在です。

もし学校側の反応が渋かった場合の動き方は、こちらにまとめています。

出席扱いを学校に断られたときはどうする?校長判断を動かす3つの材料
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-kotowarareta/

相談を申し込む方法。今日できる一歩

申し込みはどちらも、担任の先生経由が基本です。電話でも連絡帳でもかまいません。今日できる一歩として、連絡帳やお便り帳にこの一文を書いてみてください。

「スクールカウンセラーの先生に、保護者のみで相談したいので、予約をお願いできますか」

これだけで手続きは動き始めます。子ども本人を連れて行く必要はありませんし、「こんなことで相談していいのかな」という段階の話でかまいません。

注意点はひとつだけです。週1回程度の勤務なので、予約が数週間先になることがあります。急ぎたい場合は、お住まいの自治体の教育相談窓口(教育センターや教育相談室)に電話する方法もあります。こちらは平日であれば受け付けていることが多く、スクールカウンセラーの予約を待つ間の相談先になります。

保護者自身の気持ちを話す場所として使っていい

最後に、これを一番お伝えしたいです。スクールカウンセラーもスクールソーシャルワーカーも、子どものためだけの窓口ではありません。保護者自身のつらさを話す場所として使っていいんです。

僕自身の話をすると、不登校の間、親から言われていちばんきつかった言葉は「いつまで休むの」でした。逆に「あなたが元気ならそれでいい」と言われた日から、家が安全な場所になったのを覚えています。

ただ、この切り替えを保護者がひとりでやるのは大変です。親だって不安なのに、その不安を出せる場所がないと、どうしても子どもに向かってしまいます。だからこそ、専門家に不安を預ける時間を先に確保してほしいのです。親に余裕が生まれると、家の空気が変わり、それが子どもに伝わります。

家庭での接し方に迷っている方は、こちらの記事も参考にしてください。

不登校の子どもへの正しい対応方法10選!不登校の専門家が徹底解説
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/hutoukou-taiou/

相談と並行して、学校外の居場所も探しておこう

スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへの相談は、あくまで入り口です。相談の先に「じゃあ、日中どこで過ごすか」という問いが必ず出てきます。相談と居場所探しは、順番にやるより並行して進めるほうが、選択肢を持った状態で面談に臨めます。

通える居場所なら明光フリースクール

明光フリースクール

平日の日中に通えるフリースクールとして、明光義塾がつくる明光フリースクールがあります。個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけて、そこから戻る学び方ができます。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどもあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。学校の出席扱いや自治体の補助金対象になる実績も多数あります。

見学のときに「スクールカウンセラーに相談中です」と伝えてもらえれば、学校との連携の進め方も一緒に考えられます。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/

まとめ。話しやすいほうから始めればいい

スクールカウンセラーは心理の専門家で、子どもと保護者の心の相談相手。スクールソーシャルワーカーは福祉の専門家で、家庭を取り巻く環境を動かす調整役。どちらに話しても、必要ならもう一方につながります。

まずは連絡帳の一文から始めてみてください。相談すること自体が、お子さんへの対応を変える最初の一歩になります。

完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。僕の公式LINEでは不登校に関する情報発信や無料相談を行っています。

小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違いは何ですか?

スクールカウンセラーは公認心理師や臨床心理士などの心理の専門家で、子どもや保護者の心のケアを担当します。スクールソーシャルワーカーは社会福祉士や精神保健福祉士などの福祉の専門家で、家庭の経済状況や生活環境の調整、関係機関との連携を担当します。心の相談はカウンセラー、生活や制度の相談はソーシャルワーカーが目安です。

子どもが行きたがらなくても、保護者だけで相談できますか?

できます。スクールカウンセラーへの相談は保護者のみでも受け付けており、担任の先生経由で予約するのが基本です。連絡帳や電話で「保護者のみで相談したいので予約をお願いします」と伝えれば手続きが始まります。

フリースクールの利用や出席扱いのことも相談できますか?

相談できます。スクールカウンセラーとの面談でフリースクールの利用や出席扱いの希望を伝えると、校内の支援会議を通じて校長先生に話が届きやすくなります。スクールソーシャルワーカーは、自治体のフリースクール利用料助成など使える制度を一緒に探してくれます。

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この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

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