フリースクールを検討し始めて月謝を調べたあと、ふと気づくのが「電車やバスで通うとなると、交通費もかかる」という現実です。フリースクールの交通費に補助が出るのかを先に整理すると、答えは2つあります。1つは、自治体の利用料補助は交通費を対象外にしていることが多い一方で、交通費まで補助する自治体も出てきていること。もう1つは、学校の出席扱いを受けていれば、通学定期乗車券制度、いわゆる通学定期が使える場合があることです。この2つを知っているかどうかで、毎月の負担は変わってきます。
約10年間の不登校を経て18歳で起業した、小幡和輝と申します。当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。今はそれを運営する側として、2000人以上の子どもたちと家庭に関わってきました。この記事では、フリースクールの交通費に使える制度と、入会前に見積もっておきたい費用を、運営者の立場から解説します。
フリースクールの交通費に効く仕組みは2つある
フリースクールのお金の話は月謝ばかりが注目されますが、交通費に関係する仕組みは次の2つです。
- 通学定期乗車券制度 出席扱いを受けてフリースクール等に通う子は、在籍校を通じた手続きで通学定期が買える場合があります
- 自治体の補助金 利用料への補助が中心ですが、一部の自治体は交通費も補助対象に含めています
どちらも「知らなければ誰も教えてくれない」タイプの制度です。フリースクール側から案内があるとは限らず、学校の先生も知らないことがあります。順番に見ていきます。
出席扱いなら通学定期券が買える。平成5年から続く制度
意外と知られていませんが、不登校の子どもがフリースクールなどの学校外の施設に通う場合の通学定期券については、平成5年に文部省(当時)が通知を出しています。「登校拒否児童生徒が学校外の公的機関等に通所する場合の通学定期乗車券制度の適用について」という通知で、在籍校の校長が指導要録上の出席扱いとした児童生徒が公的機関や民間施設に通所する場合、通学定期乗車券制度の適用を受けられるという内容です。
出典: 文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/020.htm
普通の定期券と通学定期の差額は、区間によっては月に数千円になります。電車で片道30分の校舎に週3日以上通うなら、確認しない手はありません。
進め方はシンプルで、次の順番です。
- 在籍校に出席扱いを認めてもらう この制度の前提です。フリースクールでの活動を校長が出席扱いと判断していることが条件になります
- 在籍校に通学定期を使いたいと伝える 校長から鉄道会社やバス会社への申請手続きが必要です。書式や呼び方は事業者ごとに異なるので、学校と事業者の案内に従います
- 事業者の窓口で定期券を購入する 必要書類が揃えば、通学定期として購入できます
前提になる出席扱いの3つの要件については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/
もし学校に出席扱いを断られてしまった場合の動き方は、こちらにまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-kotowarareta/
自治体の補助金は「対象経費」の欄を必ず確認する
フリースクールの利用料を補助する自治体は年々増えていますが、ここで見落としやすいのが、何が補助対象経費になっているかです。
たとえば東京都の助成金は、フリースクール等の利用料に対して月額上限2万円という手厚い制度ですが、対象はあくまで利用料で、入会金・施設維持費・教材費などは対象外とされています。交通費も利用料ではないため、この制度からは出ません。
出典: 東京都フリースクール等利用者等支援事業
https://tokyo-fs-support.metro.tokyo.lg.jp/
一方で、交通費そのものを補助対象に含める自治体も出てきています。たとえば千葉県市原市の補助金は、利用料に加えて、フリースクールに通うための公共交通機関の交通費も補助の対象にしています。
出典: 市原市小中学校児童生徒フリースクール利用料補助金
https://www.city.ichihara.chiba.jp/article?articleId=67dcb730fde34e5e5987013c
つまり「フリースクールの補助金がある自治体かどうか」だけでなく、「その補助金の対象経費に交通費が入っているか」まで見る必要があります。お住まいの自治体名と「フリースクール 補助」で検索し、公式ページの対象経費の欄を確認してください。制度は年度ごとに変わるので、必ず最新の公式情報で見るのが鉄則です。
東京都内にお住まいの方は、市区町村ごとの制度をこちらの記事で一覧にしています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/freeschool-tokyo/
交通費を含めた毎月の費用をどう見積もるか
入会前の見積もりで交通費を入れ忘れると、「月謝は払えると思ったのに、思ったより出ていく」ということになりがちです。次の3つを足して考えてください。
- 子ども本人の往復交通費×通う日数 週2日ならひと月あたり16回前後の乗車です。通学定期が使えるかで金額が変わります
- 付き添いの大人の交通費 通い始めの時期は保護者が送り迎えするご家庭が多く、その間は大人の運賃が同額かかります。慣れてきて一人で通えるようになると、この分がなくなります
- 見学や体験の交通費 入会前に複数の校舎やスクールを見て回る時期の交通費も、地味に積み重なります
ここで「なるべく家から近いところを」と考えるのが自然ですが、実は少し離れた場所をあえて選ぶご家庭もあります。近所だと知り合いに会うのが嫌だ、という子どもの気持ちがあるからです。僕自身、不登校だった頃に平日の昼間に外を歩いて、近所の人に「学校は?」と聞かれたことがあります。夕方のチャイムが鳴ると同級生が帰ってくるので、その時間は外に出られませんでした。あの頃の僕にとって、家の近所は気楽に歩ける場所ではなかったんです。電車で数駅離れたフリースクールのほうが、子どもにとっては通いやすいことがある。だからこそ、交通費を軽くする制度を知っておく意味があります。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけて、そこから戻る学び方ができます。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
交通費を気にしながら通う場所を探している方にとって大事なのは、通う日数を選べることだと思っています。明光フリースクールは週1日から通えるので、まずは少ない日数で始めて、子どものペースと家計の両方を見ながら増やしていけます。交通費も通う日数に比例するので、スモールスタートはお金の面でも合理的です。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。この記事で紹介した通学定期券制度の前提になる出席扱いについても、在籍校とのやりとりの進め方からご相談に乗れます。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんや、通える範囲に校舎がなく交通費の負担が大きい場合には、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。交通費はかかりません。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ。交通費は「かかるもの」ではなく「軽くできるもの」
フリースクールの交通費は、月謝の陰に隠れて見落とされがちですが、出席扱いを前提にした通学定期券制度と、対象経費に交通費を含む自治体の補助金という2つの軽くする道があります。どちらも自動的には適用されず、こちらから動いて初めて使える制度です。
今日できる一歩として、お住まいの自治体名と「フリースクール 補助」で検索して、公式ページの対象経費の欄に交通費が入っているかだけ確認してみてください。数分で終わりますし、入っていなくても利用料の補助が見つかることがあります。
僕のLINEでは、不登校のお子さんを持つ保護者の方からの相談を受け付けています。フリースクール選びやお金の制度のことも、状況に合わせてお答えします。お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。
無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
フリースクールに通う交通費に補助はありますか?
自治体のフリースクール補助金は利用料を対象にするものが中心で、交通費は対象外のことが多いです。ただし千葉県市原市のように交通費を補助対象に含める自治体もあります。お住まいの自治体の公式ページで、補助金の対象経費に交通費が含まれるかを確認してください。
フリースクールへの通学で通学定期券は買えますか?
在籍校の校長が指導要録上の出席扱いと認めた児童生徒がフリースクール等に通所する場合、平成5年の文部省通知に基づき通学定期乗車券制度の適用を受けられる場合があります。在籍校から鉄道会社やバス会社への申請手続きが必要なので、まず在籍校に相談してください。
東京都のフリースクール助成金は交通費も対象ですか?
東京都の助成金はフリースクール等の利用料が対象で、月額上限は2万円です。入会金・施設維持費・教材費などは対象外とされており、交通費も利用料ではないため対象になりません。交通費を軽くしたい場合は通学定期乗車券制度の利用を検討してください。
