「不登校について、まず何か読んでみたい」。お子さんが学校に行かなくなったとき、本を探す保護者の方は多いと思います。ネットの断片的な情報より、一冊を通して読むほうが、気持ちが整理されることがあるからです。
この記事では、不登校に関する本を6冊、親がまず読む本・子ども本人に渡せる本・マンガで読める本の3つの入り口に分けて紹介します。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、現在は不登校の専門家として本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしてきました。自著も含まれるので手前味噌な部分はありますが、「誰に、どのタイミングで効く本か」という処方箋の形で、正直に書きます。
親がまず読む本
『学校は行かなくてもいい』小幡和輝(英治出版)
僕が自分の10年の不登校経験をもとに書いた本です。タイトルだけ見ると「学校否定の本?」と思われるかもしれませんが、逆です。学校を否定するのではなく、学校以外にも学びと居場所があると知っていれば、親も子も追い詰められない、という本です。
効くタイミングは、不登校の初期。「休ませていいのか」「この先どうなるのか」で頭がいっぱいの時期に、経験者の10年の実例が「大丈夫」の根拠になります。親子それぞれで読んで、感想を話し合う使い方もおすすめです。
『NPOカタリバがみんなと作った 不登校―親子のための教科書』今村久美(ダイヤモンド社)
認定NPO法人カタリバの代表理事・今村久美さんが、不登校を経験した先輩親子や心・教育の専門家、現場の支援スタッフと一緒につくった一冊です。行きしぶりが始まったときの初期対応から、相談機関の使い方、進学先の選択肢まで、時系列に沿って網羅されています。
タイトルどおり「教科書」なので、通読するより、いまのご家庭の段階のページを開いて使うのに向いています。僕の本が「経験者の実例で安心してもらう」本だとすると、こちらは「今日やることを確認する」実務のガイドです。役割が違うので、あわせて手元に置くのがおすすめです。
『我が子が賢く育つゲーム力―将来に役立つ正しいゲームの活かし方』小幡和輝(エッセンシャル出版社)
不登校中のゲーム時間が合計3万時間になった僕が、「ゲームは悪なのか」を真正面から書いた本です。結論は、活かすも殺すも使い方次第。ゲームで身につく力と、家庭でのゲームとの付き合い方を、当事者かつeスポーツ教育の運営者として整理しました。
「ゲームばかりして」という心配を、取り上げる前にいったん保留して読んでみてください。読み終わるころには、ゲームがお子さんの「できる」の入り口に見えてくるはずです。
子ども本人に渡せる本
『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』中川翔子(文藝春秋)
タレントの中川翔子さんが、中学時代のいじめと「死にたい夜」の経験をもとに、いま苦しんでいる十代へ向けて書いた一冊です。言葉に加えて、中川さん自身の描いた漫画も収められています。
強いタイトルですが、中身は「あなたの時間と命は誰も奪えない」というまっすぐなメッセージです。いじめが理由で学校に行けないお子さんには、大人の説教より、同じ痛みをくぐった人の言葉が届きます。中川さんは現在、僕たち明光みらいの公式アンバサダーとして、不登校の子どもたちを応援する活動も一緒にしてくださっています。中川さんの不登校経験についてはこちらの記事にまとめています。https://freeschool.meikogijuku.jp/media/nakagawa-shoko-futoko/
『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』小幡和輝(小学館)
不登校が長引いてくると、親の不安は「出席」から「将来」に移ります。この本は、学歴のレールから一度外れた僕が、18歳で起業して食べていけるようになるまでに身につけた「稼ぐ力」の話です。
効くタイミングは、進路の不安が強くなった時期。「学校に行けない=将来が閉ざされる」という思い込みをほどく材料として読んでください。中学生・高校生の本人が読んでも面白いはずです。
マンガで読める本
『学校へ行けない僕と9人の先生』棚園正一(双葉社)
小学校から中学校まで不登校だった漫画家・棚園正一さんが、自身の実体験を描いたマンガです。学校へ行けない日々と、そこで出会った「9人の先生」との関わりを通して、少年が少しずつ変わっていく物語。9人目の先生として、『ドラゴンボール』の鳥山明さんが登場することでも知られています。
不登校の渦中にいるお子さんは、活字の本を読む気力がないことも多い。マンガなら手に取れます。そして読み終わると、「学校に行けなかった人が、好きなことで大人になった実例」がもう1人増えます。保護者の方が読んでも、本人の見ている景色が分かる一冊です。
本の選び方と渡し方。3つだけコツがあります
- 親が先に読む どの本も、まず保護者の方が読んでください。内容を知った上で渡すのと、「これ読みなさい」と渡すのでは、伝わり方がまったく違います
- 無理に読ませない 本を渡して読まなくても、責めないでください。机に置いておくだけで「親が自分を理解しようとしている」というメッセージになります。読むのは本人のタイミングで大丈夫です
- 1冊でいい 6冊全部を揃える必要はありません。いまのご家庭の状況にいちばん近い1冊から始めてください
本の次の一歩に。読んで終わりにしない場所
本で「学校以外にも道がある」と分かったら、次はそれを実際に体験できる場所です。僕たち明光みらいは、対面の明光フリースクール、オンラインのクラスジャパン小中学園、通信制高校サポートの明光義塾高等学院を運営しています。本で得た安心を、日々の居場所に変えるところまでが僕たちの仕事です。
今日できる一歩をひとつ挙げるなら、この中から1冊選んで、今日注文してみてください。届くまでの数日で、ご自身の気持ちも少し変わっているはずです。
「本は読んだ。次にどうすれば?」という段階のご相談も歓迎です。無料のLINE相談はこちらから。
不登校の専門家 小幡和輝の無料LINE相談
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
不登校の子ども本人に、本を読ませてもいいですか?
無理のない形なら良いきっかけになります。ただし「読みなさい」と強制するのは逆効果です。保護者の方が先に読み、感想を一言添えて机に置いておく程度がおすすめです。活字がつらい時期はマンガ(『学校へ行けない僕と9人の先生』など)から、いじめで苦しんでいる子には同じ経験をした人の本(『「死ぬんじゃねーぞ!!」』など)が届きやすいです。
不登校の親が最初に読むべき本はどれですか?
不登校になって間もない時期なら、経験者の実例から「大丈夫」の根拠を得られる『学校は行かなくてもいい』のような、学校以外の選択肢を示す本をおすすめします。進路や将来への不安が強い時期なら、稼ぐ力やその後の人生に触れた本が効きます。ご家庭のいまの不安に一番近い1冊から始めてください。
本を読んだ後は何をすればいいですか?
本で知った「学校以外の選択肢」を、実際に見てみることをおすすめします。フリースクールの見学(保護者の方だけでも可)、オンラインフリースクールの資料請求や無料相談など、小さな行動に移すと状況が動き始めます。どこから始めるべきか迷ったら、無料のLINE相談で状況に合わせてご案内します。
