「オルタナティブスクール」という言葉を見かけて、フリースクールと何が違うのか気になっている方は多いと思います。結論から整理すると、オルタナティブスクールは特定の教育理念に共感して選ぶ「学びの場」、フリースクールは子どもの今の状態に合わせて使う「居場所」という入口の違いがあります。ただし法律上はどちらにも明確な定義がなく、実際には両方の性格を持つ場所がたくさんあります。だから名前で選ぶ必要はありません。
自己紹介が遅れました。小幡和輝です。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。この記事では、オルタナティブスクールとフリースクールの違いを法律上の位置づけから整理し、通う場所を運営している立場から選び方までお伝えします。
オルタナティブスクールとは?法律上の位置づけから整理する
オルタナティブスクールとは、モンテッソーリ教育、シュタイナー教育、イエナプラン、サドベリー教育など、従来の一斉授業とは異なる教育理念に基づいて運営される学びの場の総称です。「オルタナティブ」は「もう一つの選択肢」という意味で、テストや学年で区切らず、子どもの主体性や対話を軸にした教育を行うところが多いです。
大事なのは、オルタナティブスクールという言葉に法律上の定義はないことです。多くのオルタナティブスクールは、学校教育法第1条が定める「学校」(いわゆる一条校)ではありません。保護者には子どもを小学校・中学校に就学させる義務があるため(学校教育法第17条)、義務教育の期間にオルタナティブスクールへ通う場合は、地元の小中学校に籍を置いたまま通う形になります。
学校教育法(e-Gov法令検索)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000026
なお、国の制度の中に位置づけられた「学びの多様化学校(不登校特例校)」という仕組みは別にあります。違いはこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/manabi-tayoka-gakko/
フリースクールとの違いは「入口」にある
フリースクールにも法律上の定義はなく、位置づけだけを見ると実はオルタナティブスクールとほとんど同じです。それでも使われ方には、はっきりした違いがあります。
- 入口の違い オルタナティブスクールは「この教育理念で育てたい」という積極的な選択で入る家庭が多く、フリースクールは「学校に行っていない子の今の居場所」として使われることが多いです
- カリキュラムの違い オルタナティブスクールは理念に沿った独自カリキュラムが明確に決まっているのに対し、フリースクールは決まった時間割を持たず、子どものペースに合わせて過ごし方を組み立てる場所が中心です
- 対象の違い オルタナティブスクールは不登校かどうかを問わず理念に共感した子が集まり、フリースクールは不登校の子どもを主な対象にしています
とはいえ、この線引きは実際にはかなり曖昧です。理念を持ったフリースクールもあれば、不登校の子を多く受け入れるオルタナティブスクールもあります。文部科学省の調査では、2024年度(令和6年度)の不登校の小中学生は353,970人と過去最多になりました。学校の外の学びの場が増え続けている今、名前のジャンルよりも中身で見ることをおすすめします。
文部科学省 令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm
余談ですが、現在僕が経営している明光フリースクールを立ち上げる際、オルタナティブスクールと名乗るかフリースクールと名乗るかには議論がありました。その中でオルタナティブスクールは才能あふれる特別な子どもたちが通う場所という印象がある、ハードルが高くて不登校からの居場所としては抵抗があるという当事者の声を聞き、私たちは理念を大切にはするけれどもフリースクールと名乗ろうということになりました。
なので、オルタナティブスクールを検討されている方もぜひ明光フリースクールは候補にしていただきたいと考えています。
在籍と出席扱いはどうなる?意外と知られていない実務の話
オルタナティブスクールを検討する保護者の方からよく聞かれるのに、比較記事ではあまり書かれていないのがこの点です。
先ほど書いたとおり、義務教育の期間はどちらに通っても在籍校(地元の小中学校)の籍はそのままです。そして、一定の要件を満たせば、オルタナティブスクールやフリースクールでの活動を在籍校の「出席扱い」にできる制度があります。文部科学省の通知で、保護者と学校の連携、施設での相談・指導、学習の状況の把握などの要件が示されています。
文部科学省 不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
出席扱いになるかどうかは施設の名前では決まりません。オルタナティブスクールでも要件を満たして出席扱いが認められている事例はありますし、フリースクールでも施設と在籍校の連携がなければ認められないことがあります。
出席扱いの判断は在籍校によって差があり、施設の形態によって判断が分かれることもあります。認められるかどうかは、施設と在籍校の連携があるか、学習の記録が共有されているかといった運用面で決まります。施設の名称ではなく、在籍校と連携できる体制があるかを確認してください。
選び方。理念への共感より先に「子どもの今」を見る
2000人以上の子どもたちに関わってきた立場から、選び方でいちばん伝えたいことがあります。それは、親が理念に惚れ込んで選ぶ前に、子どもの今のエネルギー量を見てほしいということです。
オルタナティブスクールの理念はどれも魅力的に見えます。ただ、学校に行けなくなった直後の子どもは、まず安心して過ごせることが最優先で、しっかりしたカリキュラムがかえって負担になる時期があります。逆に、エネルギーが戻ってきて「もっと学びたい」となった子には、理念のはっきりした場が力になります。つまりどちらが良いかではなく、今の子どもに合うのはどちらか、で選ぶ問題です。
僕自身、フリースクールに行く前日はドキドキしていました。着いてみたら、誰も「なんで学校行ってないの」と聞かなかったのが衝撃で、ゲームが好きな子がいてすぐに仲良くなりました。パンフレットの理念ではわからなかったことが、初日の空気で一気にわかったんです。だから最終判断は必ず見学と体験で、子ども本人の表情を見て決めてください。
なお、公的な選択肢である教育支援センター(適応指導教室)との違いはこちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tekio-shido-kyoshitsu-chigai/
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として日中の生活リズムをつくれます。
オルタナティブスクールかフリースクールかで迷っている方にとっての良さは、特定の理念に子どもを合わせるのではなく、その子の今の状態に運営を合わせられることです。まだエネルギーが少ない時期はゆっくり過ごし、やりたいことが見つかればそこを伸ばす。入口でどちらのタイプか決めきれなくても、通いながら調整できます。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ。名前のジャンルではなく、今の子どもに合うかで選ぶ
オルタナティブスクールとフリースクールの違いは、理念で選ぶ学びの場か、今の状態に合わせる居場所かという入口の違いです。ただし法律上の線引きはなく、在籍や出席扱いの仕組みはどちらも共通です。名前で絞り込むより、見学して子どもの表情で決めるのがいちばん確実です。
今日できる一歩として、気になる施設を2つだけ選んで、見学の問い合わせフォームに「子どもが不登校で、合う場所を探しています。親だけの見学も可能ですか」と送ってみてください。親だけの見学から始められる施設は多く、子どもを動かす前に空気を確かめられます。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。LINEで無料相談を受け付けています。
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https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
オルタナティブスクールに通うと学校の出席扱いになりますか?
施設の名前では決まりません。在籍校との連携や学習状況の把握など、文部科学省の通知が示す要件を満たせば、オルタナティブスクールでもフリースクールでも出席扱いが認められた事例があります。最終判断は在籍校の校長が行うため、施設と学校の連携実績を見学時に確認するのがおすすめです。
オルタナティブスクールとフリースクールはどちらが良いですか?
どちらが良いかではなく、今の子どもに合うのはどちらかで選ぶ問題です。学校に行けなくなった直後でエネルギーが少ない時期は、決まったカリキュラムのない居場所型が合いやすく、学びたい意欲が戻ってきた子には理念のはっきりした場が力になります。必ず見学と体験をして、子ども本人の表情で決めてください。
義務教育中にオルタナティブスクールへ通うと、学校の籍はどうなりますか?
多くのオルタナティブスクールは学校教育法第1条の「学校」ではないため、地元の小中学校に籍を置いたまま通う形になります。転校ではないので、在籍校との関係は続きます。卒業証書も在籍校から出ます。
