「給食が食べられないから学校に行きたくない」。お子さんにそう言われて、わがままなのか、それとも深刻なサインなのか、判断がつかずに戸惑っていませんか。
結論からお伝えすると、給食が食べられないのは本人の努力不足ではなく、無理に食べさせて解決する問題でもありません。原因を理解して環境を調整することで、負担を減らせるケースが多くあります。
ただし、食べられる量や種類が極端に減っている、体重が増えない・減っているといった場合は、医療機関で診てもらってください。
学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学び、18歳で起業しました。今は自分が、対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する側にいます。不登校の専門家の小幡和輝として、給食が苦手な子への向き合い方を解説します。
給食が食べられないのは「わがまま」ではない
給食が苦手になる背景には、いくつかのはっきりした理由があります。
- 感覚の過敏さ 匂いや食感、口の中に残る感じに人一倍敏感な子がいます。本人には「気持ち悪くて飲み込めない」という切実な感覚です
- 少食・食べるのが遅い 決められた時間内に決められた量を食べること自体が大きなプレッシャーになります
- 人前で食べることへの不安 みんなと一緒に食べる場面で緊張して喉を通らなくなる子もいます。食べられない状態が続く場合は、背景に医療的な支援が必要な状態が隠れていることもあるので、小児科や学校の養護教諭に相談してください
- 過去の完食指導の記憶 昼休みまで残されて食べさせられた経験が、給食の時間そのものへの恐怖に変わっているケースです
どれも「好き嫌いを直せば済む話」ではありません。文部科学省の「食に関する指導の手引」でも、画一的な指導ではなく子どもの実態に応じた個別的な対応の必要性が示されています。
なお、食べようとすると吐き気が出る、体重が減っているなど身体の症状が続く場合は、無理をさせず小児科やスクールカウンセラーなど専門機関に相談してください。
学校にお願いできる配慮と伝え方
給食の悩みは、学校に相談すると調整できることが意外と多くあります。
- 量を減らして配膳してもらう 「最初から少なく盛る」だけで心理的な負担は大きく下がります
- 食べきれなくても残してよいことを担任と確認する 本人が「残しても怒られない」とわかっていることが大切です
- お弁当の持参や一部持参を認めてもらう アレルギーでなくても、事情を説明すれば認められた事例があります
伝えるときは「食べられるようにしてほしい」ではなく「給食が登校の壁になっているので、負担を減らす方法を相談したい」と目的をはっきりさせるのがコツです。連絡帳なら「給食に強い不安があり、朝の行き渋りにつながっています。量の調整など、負担を減らす方法をご相談できませんか」といった書き方ができます。
親の関わり方全般については、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>不登校の子どもへの正しい対応方法10選!不登校の専門家が徹底解説
給食が理由で休み始めたら。学びを止めない道があります
配慮をお願いしても、いったん「学校がこわい場所」になってしまうと、すぐには戻れないことがあります。文部科学省の調査では、令和5年度の小中学生の不登校は34万人を超えました。きっかけは人それぞれで、給食のような「毎日必ずやってくる場面」が入り口になることは珍しくありません。
僕自身、不登校の始まりは「行きたくない」ではなく「行けない」でした。朝、ランドセルを背負って玄関までは行けたのに、そこから足が動かなくなったんです。学校に行ったふりをして、近所の公園でブランコに乗りながら時間が過ぎるのを待っていました。サボりたかったわけではありません。体が動かなかったんです。
大事なのは、休んでいる間も学びと社会とのつながりを切らさないことです。自宅での学習も、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。制度の詳しい要件はこちらの記事で解説しています。
>>「不登校でも出席扱いに?」文部科学省の通知で出席扱いになる3つの要件を徹底解説
クラスジャパン小中学園という選択肢
給食のプレッシャーから離れて、まず学びを立て直したい。そんなご家庭に合うのが、自宅から学べるオンラインフリースクールのクラスジャパン小中学園です。食べる場面を人に見られる緊張がない環境で、自分のペースを取り戻せます。
ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走してくれるので、一人で黙々と教材に向かうのとは違います。
学習には最先端のAIサポートがあり、わからない場面でも答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えてくれます。
学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きなので、タブレットを渡すことに不安がある家庭でも安心です。2018年の開校からこれまでに2000人以上をサポートしてきました。
出席扱いの制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。「家で学びながら出席扱い」という道筋の相談に慣れているのも強みです。
まとめ。食べることより、安心を先に
今日できる一歩として、お子さんに「給食、何がいちばんきついか教えてくれる?」と聞いてみてください。匂いなのか、量なのか、時間なのか。それがわかるだけで、学校にお願いする内容が具体的になります。
給食が食べられないことは、その子の欠点ではありません。安心して食べられる環境と、学びを止めない仕組みは、給食を克服しなくても用意できます。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
よくある質問
給食が食べられないことが原因で不登校になることはありますか?
あります。感覚の過敏さや少食、人前で食べることへの不安、過去の完食指導の記憶などが背景にあり、毎日必ずやってくる給食の時間が登校の壁になるケースは珍しくありません。本人のわがままではないという理解が出発点になります。
給食について学校にどんな配慮をお願いできますか?
量を最初から減らして配膳してもらう、残しても怒られないことを担任と確認する、お弁当の一部持参を認めてもらう、といった調整をお願いできます。「登校の壁になっているので負担を減らしたい」と目的を明確にして相談するのがコツです。
給食が苦手で学校を休んでいる間、勉強はどうすればいいですか?
自宅での学習も、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。オンラインフリースクールのクラスジャパン小中学園のように、ネットの担任が伴走しながら自宅学習と出席扱いの両方をサポートする仕組みもあります。
