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不登校は甘えではない。「甘やかしたから」と言われたときの整理と動き方

「不登校は甘えだ」「あなたが甘やかしたからでしょう」。夫や祖父母、ときには学校の先生からそう言われて、言い返せないまま検索している方へ。

先に答えます。不登校は甘えではありません。 これは僕の意見というより、国の公式な立場です。文部科学省は、不登校を「どの児童生徒にも起こり得るもの」とし、不登校というだけで問題行動と受け取られないよう配慮することを求めています。[1]

自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。

この記事は、気持ちの整理だけで終わらせません。公式情報での整理、言われたときの返し方、そのあとの動き方までを順番に書きます。

目次

不登校は甘えではない。文部科学省が示している公式の立場

根拠になる文書は2つあります。

1つ目は、教育機会確保法に基づいて平成29年に定められた基本指針です。ここに「不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こり得るもの」と書かれています。特別な家庭の、特別な子に起きることではないという前提です。

2つ目は、令和元年10月25日に文部科学省が全国の学校へ出した通知です。支援の目標を「学校に登校する」という結果のみに置かないこと。そして不登校の時期が、休養や自分を見つめ直すといった積極的な意味を持つことがあると明記しています。[2]

令和6年度の調査では、小中学校の不登校の子どもは353,970人。1,000人あたり38.6人で、35人学級なら1クラスに1人以上いる計算です。[3] 35万人の子どもが全員甘えていて、35万の家庭が全員甘やかした。そう考えるほうに無理があります。

それでも「甘え」に見えてしまう理由

公式の立場がはっきりしているのに、なぜ「甘え」と言われ続けるのか。理由は、不登校の子の様子が、外から見ると甘えに見えやすいからです。

同じ令和6年度の調査で、学校が不登校の子について把握した事実の上位は次のとおりでした。

  1. 学校生活に対してやる気が出ない 30.1%
  2. 生活リズムの不調 25.0%
  3. 不安・抑うつ 24.3%

やる気が出ない。朝起きてこない。昼夜が逆転している。事情を知らない人がこの姿だけを見れば、「怠けている」「親が甘い」と受け取っても不思議はありません。でもこれは原因ではなく、エネルギーが切れた結果として表に出ている状態です。

僕自身がそうでした。不登校になったばかりの頃、朝、ランドセルを背負って玄関までは行けたんです。でも、そこから足が動かなくなりました。学校に行ったふりをして、近所の公園でブランコに乗りながら、ただ時間が過ぎるのを待っていました。

あの姿を誰かが見たら、サボりだと思ったはずです。でも本人の中では、行きたくないのではなく、行きたくても行けなかった。楽をしたいだけなら、公園で一人、時間が過ぎるのを待ったりはしません。

なお、朝起きられない、頭痛や腹痛が続くといった症状の背景に、起立性調節障害など体の側の原因があることもあります。気持ちの問題と決めつけず、小児科で体の状態を診てもらってください。

>>朝起きられないのは怠けではない。起立性調節障害と不登校の関係

「甘やかしたから」と言われた親御さんへ

次に、親に向けられる「甘やかしたから」についてです。

先ほどの調査で、「親子の関わり方に関する問題」が把握されたのは12.6%でした。多数派ではありません。しかもこれは学校側から見た把握であって、「甘やかしが原因」という意味でもありません。育て方だけで不登校を説明することは、データの上でもできないのです。

もうひとつ整理しておきたいのが、休ませることと甘やかすことの違いです。エネルギーが切れている子を休ませるのは、走り続けて息が切れた子に、まず座って水を飲ませるのと同じ種類の判断です。先ほどの通知も、休養の意味を認めています。休ませるという判断は、この通知の考え方に沿った対応です。

2000人以上のご家庭に関わってきて思うのは、「甘やかした」と責められている親御さんほど、実際には毎日悩み、調べ、動いているということです。この記事にたどり着いていること自体が、その証拠です。

ひとりで受け止めるのがしんどいときは、LINEで話を聞かせてください。

>>不登校の専門家 小幡和輝にLINEで相談する

言われたときの返し方。相手別の一言

「甘えだ」と言う相手を、その場で説得する必要はありません。議論に勝つことより、子どもに矛先が向かない状態をつくることが目的です。相手別に、短い返し方を用意しておきます。

  1. 夫やパートナー 「文科省も、登校だけを目標にしないという通知を出しているの。一度一緒に読んでほしい」。意見ではなく文書を間に置きます

  2. 祖父母 「心配してくれてありがとう。いまは専門家に相談しながら進めているから、本人には学校の話をしないでもらえると助かる」。感謝とお願いをセットにします

  3. 学校の先生 「家庭でも対応を考えています。教育支援センターやフリースクールの利用も含めて、相談させてください」。対立せず、次の選択肢の話に移します

  4. ママ友や近所の人 「いろいろ考えながらやってるよ」で終えてかまいません。説明する義務はありません

夫婦で方針が合わないとき、祖父母との板挟みになっているときの整え方は、それぞれ別の記事で掘り下げています。

>>不登校への夫婦の意見が違う。方針が合わないときの整え方

>>祖父母に不登校を理解してもらえない。板挟みになる親の対処法

整理がついたら動く。相談先と居場所の順番

「甘えではない」と整理できたら、次は動き方です。休ませたまま何もしないことへの不安が、「甘やかしでは」という迷いを長引かせます。順番は次の3つです。

  1. 学校と連絡の形を決める 毎朝の欠席連絡がつらければ、「週1回、保護者から連絡する」形に変えてもらえないか担任の先生に相談します
  2. 公的な相談先を1つ持つ スクールカウンセラー、市区町村の教育相談や教育支援センターは無料で使えます。お子さんがつらさを口にしているときは、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)もあります
  3. 家以外の居場所を見に行く 対面やオンラインのフリースクールなど、学校以外で人と関われる場所を、まずは保護者だけで見学します

相談先や居場所が決まると、周りへの説明も変わります。「休ませているだけ」から「ここに相談して、ここに通っている」へ。甘やかしという言葉が入り込む余地が減っていきます。

明光フリースクールという選択肢

明光フリースクール

平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。

「甘えでは」と言われ続けてきたご家庭にとっての良さは、お子さんに平日の行き先ができて、「家でだらだらしている」という見られ方そのものが変わることです。週に1日でも通う場所があれば、夫や祖父母への説明は「いまはここに通っている」の一言で済みます。

お子さんにとっても、「なんで学校に行かないの」と聞かれない場所です。スタッフも周りの子も、不登校を甘えだとは見ていません。責められない場所で過ごす時間が、外に向かうエネルギーをためる土台になります。

学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。出席扱いにするかどうかは在籍校の校長先生の判断ですが、認められれば、通っていることが学校の記録にも残ります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。

>>明光フリースクールの詳細はこちら

まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

>>クラスジャパン小中学園の詳細はこちら

今日できる一歩

今日できる一歩として、この記事の「相手別の一言」から、いちばん言われてつらい相手の分を1つ選び、スマホのメモに書き写してください。自分の言葉に直してかまいません。

次に同じことを言われたとき、用意した一言があるだけで、黙って飲み込まずに済みます。言い返すためではなく、自分とお子さんを守るための準備です。

まとめ

不登校は甘えではありません。文部科学省は、不登校をどの子にも起こり得るものとし、登校という結果だけを目標にしない方針を示しています。甘えに見えるのは、やる気が出ない、朝起きられないといった状態が外から目に入りやすいからです。

「甘やかしたから」と言われたら、説得しようとせず、相手別の短い一言で受け流してください。そのうえで、学校との連絡の形、公的な相談先、家以外の居場所の順に動いていきます。

お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。

>>不登校の専門家 小幡和輝の無料LINE相談

よくある質問

不登校は甘えですか?

甘えではありません。文部科学省は基本指針で、不登校を「どの児童生徒にも起こり得るもの」とし、不登校というだけで問題行動と受け取られないよう配慮することを求めています。令和6年度の小中学校の不登校の子どもは353,970人で、特別な家庭の特別な子に起きることではありません。

不登校は親が甘やかしたことが原因ですか?

育て方だけで不登校を説明することはできません。文部科学省の令和6年度の調査で、学校が把握した事実として多かったのは、やる気が出ない30.1%、生活リズムの不調25.0%、不安・抑うつ24.3%でした。親子の関わり方に関する問題が把握されたのは12.6%で、多数派ではありません。

「不登校は甘えだ」と家族に言われたら、どう返せばいいですか?

その場で説得する必要はありません。夫やパートナーには文部科学省の通知を一緒に読んでもらう、祖父母には感謝を伝えたうえで本人に学校の話をしないようお願いする、というように相手別の短い一言を用意しておくと、子どもに矛先が向かない状態をつくれます。

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出典

  1. 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針の策定について(通知)」 ページ  本文へ戻る
  2. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」 ページ  本文へ戻る
  3. 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」 PDF  本文へ戻る
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この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

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