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京都市の不登校メタバース支援とは?「オンラインの居場所」の使い方・出席扱い・対象外のときの選択肢

京都市にお住まいで、お子さんが学校に行けない日が続いているご家庭に、知っておいてほしい公的サービスがあります。京都市教育委員会が実施している、メタバースを活用した不登校児童生徒支援事業「オンラインの居場所」です。

毎週水曜日に、自宅の端末からアバターで仮想空間に入り、ホームルームと教科横断型のオンライン授業に参加できます。カメラとマイクはオフのままでよく、チャットだけで参加することもできます。対象は京都市立の小・中・義務教育学校に在籍する小学4年生から中学3年生です。

この記事では、京都市の不登校メタバース支援の内容と申込みの流れを市の公式情報だけで整理し、気になる出席扱いの考え方、そして対象外だったときや合わなかったときの選択肢までまとめます。メタバース登校という仕組みそのものの解説は全国版の記事に譲り、本記事は京都市の事業に絞ります。

自己紹介が遅れました。小幡和輝です。約10年間の不登校を経験し、当時の僕を支えてくれた場所がフリースクールでした。いまはそれを運営する側として、本を書いたり、2000人以上の子どもたちとご家庭に関わっています。オンラインの居場所を運営する立場から書きます。

目次

京都市「オンラインの居場所」とは?市公式情報でわかっていること

「オンラインの居場所」は、京都市教育委員会が不登校児童生徒への支援策として実施している、メタバースを活用したオンラインの学びと交流の場です。目的は「ICTを活用して不登校等児童生徒の学びの機会を保障し、様々な活動を通して子どもたちの社会的自立をめざす」ことです。[1]

始まりは令和6年10月で、教育支援センター「ふれあいの杜」に通う約40名を対象にした試行でした。

令和7年1月からは京都市立の小・中学校に在籍する小学4年生から中学3年生へ対象を広げて実証研究を行い、令和7年度から本格的に実施されています。運営は、京都を中心に学習塾を展開する株式会社成基に委託されています。[4]

令和8年度の募集案内では、空間の中でできることとして次の3つが挙げられています。[1]

  1. ホームルーム ミニゲームやクイズを取り入れて、クラスの中の交流を深める時間です
  2. 教科横断型のオンライン授業 毎月のテーマを通じて、自分で課題を見つけて解決方法を考えていく授業です。小4から中3までが同じ授業に参加します
  3. 実際の体験につながるカリキュラム オンラインでの学びが実体験に結びつくような内容が用意されています

授業の中身の例として、募集チラシには家庭にある材料を使ってみんなで実験する理数教育の回が紹介されています。試行の段階では、理科、防災、プログラミング、伝統文化、消費者教育、外国語といったテーマで展開されました。[2]

一日の流れと、開いている日

開講は毎週水曜日で、令和8年度は5月20日から始まりました。午前クラスと午後クラスがあり、どちらか一方を選びます。両クラスとも同じ内容なので、生活リズムに合うほうで構いません。[1]

  1. ホームルーム(10分) 午前は10時から、午後は13時から

  2. オンライン学習①(40分) 午前は10時10分から、午後は13時10分から

  3. オンライン学習②(40分) 午前は11時から、午後は14時から

  4. 振り返りと開放時間(20分) 午前は11時40分から正午まで、午後は14時40分から15時まで

市が公開している仕様書では、令和8年度の実施予定日は年36日で、学校閉鎖日や祝日は休みです。空間の開室中はオンライン支援員が常時1名いて、空間内を巡回して声をかけたり、操作方法を説明したりします。年2回のリアル体験講座も計画されています。[3]

人数の目安も仕様書にあります。登録ベースでログインする児童生徒は140名程度を想定し、午前・午後のクラスはそれぞれ70名程度です。空間には市が承認してIDを発行した人しか入れません。[3]

顔を出さなくていい、話さなくてもいい

募集チラシのQ&Aで、僕がいちばん大事だと思う答えがあります。活動中は「カメラとマイクのON/OFF」を選べて、チャットやリアクションボタンでコミュニケーションをとれる、という点です。

すべての活動に参加しなくてもよく、活動時間内なら入室も退出も自由で、事前の欠席連絡がなくても問題ないとされています。[2]

僕がフリースクールに初めて行った日のことを、いまでも覚えています。前日はドキドキしていました。着いたら、誰も「なんで学校に行ってないの」と聞かなかった。それが衝撃でした。

顔を見られない、聞かれない、という状態が保証されているだけで、最初の一歩はずいぶん軽くなります。アバターとカメラオフは、その「聞かれない安心」を家にいながら作ってくれる仕組みです。

端末は、学校から貸与されている端末でも、家庭の端末でも構いません。通信環境は上り下りとも100Mbps以上が推奨されています。[2]

対象と費用

対象は、京都市立の小学校・中学校・義務教育学校に在籍する小学4年生から中学3年生のうち、長期欠席傾向(30日以上を目安)にある児童生徒です。小学1年生から3年生は対象に入っていません。私立や国立の学校に在籍している場合も対象外です。[1]

費用については、令和8年度の募集ページとチラシに記載がありません。令和6年度の実証研究の募集では、市長記者会見資料に「参加費は無料です」と書かれていました。令和8年度の扱いは、申込みのときに在籍校か市の不登校相談支援センターに確認しておくと安心です。[4]

申込み方法と利用までの流れ

申込みの窓口は、在籍している学校です。市の公式ページに示されている流れは、次のとおりです。[1]

  1. 参加希望書を在籍校に出す 募集チラシの裏面にある「オンラインの居場所 参加希望書」に、在籍校名・学年・保護者氏名・児童生徒氏名・電話番号・メールアドレスを書き、キリトリ線で切り取って在籍校に提出します
  2. 成基からメールが届く 参加希望書を出した後、運営を受託している株式会社成基から保護者宛てに、説明会動画と利用登録の手続きの案内メールが送られます
  3. 説明会動画を見て登録する メールを受け取ったら説明会動画を視聴し、案内に沿って利用登録を進めます

1週間ほど経っても案内のメールが届かない場合は、京都市教育委員会の不登校相談支援センター(電話 075-254-8125)に問い合わせるよう案内されています。[1]

申込書を出す先が「学校」である点は、気が重いかもしれません。でも、電話や保護者だけの訪問で構いません。

担任か教頭に「オンラインの居場所に申し込みたい」と伝えれば話が通ります。募集は市教育委員会から各学校に通知され、学校から対象の家庭に知らせる形なので、学校側もこの事業を知っている前提で話せます。[3]

>>自宅から通えるオンラインの選択肢を見る

京都市のメタバース支援は出席扱いになる?

ここはいちばん誤解が生まれやすいところなので、正確に書きます。「オンラインの居場所」に参加すれば自動的に出席扱いになる、という制度ではありません。出席扱いを決めるのは、あくまで在籍校の校長です。

ただ、京都市の事業は、この点を公式に明記している点が特徴です。募集チラシのQ&Aには「学校長の判断により指導要録上の出席扱いとできる場合があります」とあり、「『オンラインの居場所』の学習状況は、月ごとに報告書として在籍校に送ります」と書かれています。[2]

仕様書を見ると、この報告の中身がもう少し具体的にわかります。運営事業者は、毎月のオンライン授業の後に、出席日数や授業の様子、子ども本人の振り返りを記した月次出席レポートを作り、学期ごとにまとめて市教育委員会と各保護者に報告することになっています。[3]

自宅でのオンライン学習を出席扱いにできる仕組みは、文部科学省の通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」で示されています。

保護者と学校の連携、計画的な学習プログラム、学習の記録といった要件を満たしたうえで、最終的に在籍校の校長が判断する形です。[5]市の事業を使う場合でも、この枠組みは変わりません。

つまり京都市の場合、「学習の記録を学校に届ける」という部分は事業側が用意してくれます。残るのは校長の判断です。

だからこそ、参加希望書を在籍校に出すタイミングで「オンラインの居場所での活動を出席扱いにしてもらえるか」を先に聞いておくことをおすすめします。参加してから交渉するより、最初に確認しておくほうがずっとスムーズです。

京都市で出席扱いが認められた実例と手順は、こちらの記事で紹介しています。

>>【実例あり】京都市で不登校の出席扱いが認められた方法

出席扱いは、欠席日数の問題だけではありません。「自分のやっていることが認められている」という感覚が、子どもの自己肯定感を支えます。僕が2000人以上の子どもたちを見てきて確信していることのひとつです。

対象外だったとき・合わなかったときの選択肢

「オンラインの居場所」は、顔を出さずに参加できて、学習の記録が学校に届く、使いやすい事業です。それでも、誰にでも合うわけではありません。次のようなケースがあります。

  1. 小学1年生から3年生である 対象は小学4年生からです。低学年のお子さんは申し込めません

  2. 私立や国立の学校に在籍している 対象は京都市立の小・中・義務教育学校の在籍者です

  3. 週1回では足りない 開講は水曜日だけで、午前か午後の2時間です。「平日は毎日どこかにつながっていたい」という段階には足りません

  4. 決まった時間に入るのがつらい ホームルームの開始時刻が決まっている形なので、生活リズムが崩れている時期には参加しにくいことがあります

  5. 使ってみたが合わなかった アバターの空間が合う子もいれば、70名規模のクラスという空気そのものがプレッシャーになる子もいます

外に出られる段階なら、京都市の教育支援センター「ふれあいの杜」が頼れます。無料で通えて、通所が出席扱いになる例も多くあります。

「オンラインの居場所」はもともと、ふれあいの杜に通う子を対象に始まった事業で、市は「支援の入口」と位置づけています。京都府内の教育支援センターを含む相談先は、こちらの記事に一覧でまとめています。

>>京都府の不登校相談窓口一覧。無料で頼れる公的・民間の相談先【2026年最新】

外に出るエネルギーが戻ってきているなら、市内の通えるフリースクールを探すのもひとつです。区別の一覧と補助金の情報はこちらにまとめています。

>>京都市のフリースクール11施設|補助金の状況と、無料で使える公的支援「ふれあいの杜」【2026年最新】

そして、学年や在籍校、曜日に関係なく、一年を通して自宅から使えるオンラインの選択肢が、次に紹介するオンラインフリースクールです。自治体のメタバースと民間のオンラインフリースクールの役割の違いは、全国版の記事で整理しています。

>>メタバース登校とは?自治体の仮想空間と、担任がつくオンラインフリースクールの違い

クラスジャパン小中学園という選択肢

オンラインフリースクール クラスジャパン小中学園

僕たちは、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。学年や在籍校が公立か私立かに関係なく、全国どこからでも自宅で参加できます。

小学校低学年で対象外だったご家庭にも、水曜日以外の平日にも居場所がほしいご家庭にも、市の事業と並行してもう一歩踏み込んだ伴走がほしいご家庭にも使える選択肢です。

「オンラインの居場所」が「週1回、みんなで同じ授業を受ける場」だとすれば、クラスジャパンは「担任が毎日声をかけて、学習と記録を一緒に積み上げる」場所です。水曜日は市の空間で人とつながり、学習の柱はクラスジャパンで作る、という組み合わせもできます。

いちばんの特徴は、ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走することです。オンラインの空間に「いる」だけで終わらせず、日々のやりとりの中で学習計画を一緒に立て、学習記録を積み上げていきます。

一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになりえて、この出席扱いの仕組みはクラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきました。

学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。

>>クラスジャパン小中学園の学び方を見る

今日できる一歩

今日できることは1つだけです。この記事の「一日の流れと、開いている日」の節に戻って、お子さんが「水曜日の午前10時か午後1時」に、カメラをオフにしたままでも空間に入れそうか、親子で話してみてください。

入れそうなら、在籍校に「オンラインの居場所の参加希望書を出したい」と電話するところから。

小学3年生以下、水曜日だけでは足りない、まだ人のいる空間はつらい、毎日声をかけてくれる人がほしいという段階なら、ふれあいの杜かオンラインフリースクールの検討へ。どちらに転んでも、今日のうちに次の行き先が決まります。

まとめ

京都市の不登校メタバース支援「オンラインの居場所」は、市立小・中・義務教育学校に在籍する小学4年生から中学3年生が、毎週水曜日に自宅からアバターで入れる、市教育委員会の学びと交流の場です。午前か午後の2時間で、ホームルームと教科横断型のオンライン授業があり、カメラとマイクはオフのままで参加できます。

申込みは、募集チラシの参加希望書を在籍校に出すところから始まります。その後、運営を受託している株式会社成基から説明会動画と利用登録の案内メールが届きます。費用は令和8年度の公式案内に記載がなく、令和6年度の実証研究では無料でした。

出席扱いは自動ではなく、文部科学省の通知の要件を踏まえた在籍校の校長判断です。ただし京都市は、校長の判断で出席扱いにできる場合があると公式に明記し、学習状況を毎月報告書として在籍校に送る仕組みを用意しています。申込みのときに在籍校へ相談しておくのが近道です。

そして対象外でも、教育支援センター「ふれあいの杜」や、担任が伴走するオンラインフリースクールという道があります。市の事業と民間の伴走は、対立するものではなく組み合わせられるものです。

完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。

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よくある質問

京都市の「オンラインの居場所」は誰でも利用できますか?

対象は、京都市立の小学校・中学校・義務教育学校に在籍する小学4年生から中学3年生のうち、長期欠席傾向(30日以上を目安)にある児童生徒です。

小学1年生から3年生、私立や国立の学校に在籍している子は対象に入っていません。令和8年度は毎週水曜日に午前クラスと午後クラスがあり、どちらか一方を選んで参加します。

「オンラインの居場所」の申込みはどこにすればいいですか?

在籍している学校が窓口です。市の募集チラシにある参加希望書に必要事項を書いて在籍校に提出すると、運営を受託している株式会社成基から保護者宛てに説明会動画と利用登録の案内メールが届きます。

1週間ほど経っても届かない場合は、京都市教育委員会の不登校相談支援センター(電話 075-254-8125)に問い合わせます。

「オンラインの居場所」に参加すれば出席扱いになりますか?

自動的に出席扱いになる制度ではなく、文部科学省の通知に基づいて在籍校の校長が個別に判断します。

ただし京都市の募集チラシには「学校長の判断により指導要録上の出席扱いとできる場合があります」と明記され、学習状況は月ごとに報告書として在籍校に送られます。

参加希望書を出すタイミングで、出席扱いにしてもらえるかを在籍校に確認しておくのがおすすめです。

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出典

  1. 京都市教育委員会「オンラインの居場所」(令和8年度参加者募集・2026年4月14日更新) ページ  本文へ戻る
  2. 京都市教育委員会「令和8年度『オンラインの居場所』参加者募集」チラシ PDF  本文へ戻る
  3. 京都市教育委員会「メタバースを活用した不登校児童生徒支援事業『オンラインの居場所』運営等業務 提案要領・仕様書等」(令和8年度) PDF  本文へ戻る
  4. 京都市「『オンラインの居場所』実証研究の実施」市長記者会見資料(令和6年12月18日) PDF  本文へ戻る
  5. 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) ページ  本文へ戻る
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この記事を書いた人

小幡 和輝のアバター 小幡 和輝 株式会社明光みらい 代表取締役社長 / クラスジャパン小中学園 校長

1994年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、定時制高校を経て、その後、国立大学へ進学。不登校の専門家として、不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の校長として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい 親子で読みたい「正しい不登校のやり方」』(エッセンシャル出版社)、『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方』(小学館)など。

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