学校を休んでいるのに、宿題のプリントだけは毎週届く。「不登校でも宿題はやるべきなのか」「やらせたら余計に学校が嫌いになるのではないか」と、手が止まっている保護者の方は多いと思います。
結論からお伝えします。不登校中の宿題は、義務ではありません。やるかやらないかは、お子さんのエネルギーの状態で決めていいものです。
そして量や内容は学校に相談して減らせますし、宿題をやらなくても、家庭での学習を学校に認めてもらう制度もあります。
この記事では、判断の目安と、学校への具体的な頼み方の文例、宿題の代わりになる学習の作り方まで順番に説明します。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。
不登校中の宿題は義務ではない。やる・やらないの判断基準
まず前提の整理です。宿題は学校ごとの教育活動の一環で、法律で提出が義務づけられているものではありません。出さなかったことを理由にお子さんが罰せられることはありませんし、小中学校であれば進級・卒業ができなくなることも基本的にありません。
だから「やるべきかどうか」は、義務かどうかではなく、いまのお子さんに合っているかどうかで判断します。目安は次の3つです。
- 心のエネルギーが戻っているか 休み始めた直後や、学校の話をするだけで表情が固くなる時期は、宿題を差し出すこと自体が負担になります。この時期は無理にやらせない
- その宿題が今の学力に合っているか 授業を受けていない範囲のプリントは、解けなくて当然です。解けない宿題を前にすると「自分はダメだ」という感覚だけが積み上がります
- 本人が「やってもいい」と言えるか 落ち着いてきた時期に、親が決めるのではなく本人に聞きます。「全部は無理だけど漢字だけなら」のような部分的な答えも立派な判断です
3つとも満たすなら、やれる分だけやればいい。1つでも欠けるなら、いったん脇に置いて構いません。宿題は学びの手段の1つであって、学び方は他にいくらでもあります。
「解けない宿題」が奪うもの。10年不登校だった僕の実感
僕自身、学校には行っていなかったけれど、学ぶこと自体は好きでした。クイズ番組やNHKの教育テレビで勉強したり、本を読んだりするのは楽しかった。「信長の野望」という歴史のゲームがきっかけで日本史にハマり、教科書の範囲をはるかに超えた大学生用の分厚い本を読み込んでいた時期もあります。
つまり「学校の勉強」と「学び」は別物なんです。学校のカリキュラム通りのプリントは進められなくても、子どもの中の学ぶ力は残っています。授業を受けていない単元の宿題を義務のように積み上げると、この残っている力まで「どうせ解けない」で塗りつぶされてしまう。これがいちばんもったいないことです。
宿題を減らす・やめるのは、学びを諦めることではありません。合わない形の学びをいったん外して、合う形に置き換えるための整理です。
負担を減らす学校への頼み方。そのまま使える文例
宿題の量や扱いは、担任の先生に頼めば調整してもらえることがほとんどです。先生の側も「渡した宿題が家庭を苦しめている」とは気づいていないことが多いので、状況を伝えるだけで変わります。電話や連絡帳で、次のように伝えてみてください。
- 量を減らしてほしいとき 「本人と相談して、いまは漢字プリントだけ取り組むことにしました。他の宿題はお休みさせてください」
- いったん全部やめたいとき 「宿題を見ると本人がつらくなってしまう状態です。いまは休ませることを優先したいので、当面は宿題なしでお願いできますか。再開できそうになったらこちらからご連絡します」
- 内容を変えてほしいとき 「授業を受けていない範囲は難しいので、本人が取り組めている市販のドリルでの学習を宿題の代わりにさせてもらえませんか」
ポイントは、拒否ではなく「代わりにこうします」という提案の形にすることです。先生も学校での立て付けを作りやすくなります。
毎週のプリント受け渡し自体が負担なら、「受け渡しは月1回にまとめてほしい」という頼み方もできます。欠席連絡の負担を減らす伝え方は、こちらの記事で文例付きで解説しています。
>>学校への欠席連絡は何て言う?不登校が続くときの伝え方と、そのまま使える例文集
宿題の代わりの学習は「出席扱い」につながる
ここが上位の情報ではあまり語られない点ですが、宿題をやらない選択をしても、家庭での学習を学校に正式に認めてもらう道があります。文部科学省は、自宅でICT教材などを使って学習した場合、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いにできるという通知を出しています。
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」
不登校児童生徒への支援の在り方についての公式ページ
学校から出た宿題をこなすことだけが「学習している証明」ではなく、本人に合った教材で進めた記録を学校に共有する形でも、学びは公式に認められるということです。
僕の場合も、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。
欠席日数の問題以上に、「ちゃんと認められている」という感覚が子どもの自己肯定感を支えます。
不登校中の勉強の全体像(小中高それぞれの選択肢)は、こちらの記事で整理しています。
>>不登校の勉強はどうする?小中高すべての選択肢を全体地図で整理
なお、テストの時期になると宿題と同じ悩みが出てきます。定期テストの受け方・受けない選択についてはこちらをどうぞ。
>>不登校で定期テストはどうする?別室受験・受けない選択と成績の考え方
クラスジャパン小中学園という選択肢
「宿題はやめてもいいとして、代わりの学習を親が全部管理するのは無理」という方のために、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。
ネットの先生(担任)が一人ひとりに付いて伴走するので、何をどれだけやるかを親が決めて管理する必要がありません。
学校の宿題のような「全員一律の課題」ではなく、その子の今の学力に合わせた内容を、自宅から自分のペースで進められます。
2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、解けない宿題を前に固まってしまった子でも、つまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
そして、学習の記録は在籍校と連携する仕組みがあり、一定の要件を満たせば出席扱いになった事例が多数あります。出席扱い制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。「宿題の代わりの学習」を、学校に認められる形で積み上げられます。
今日できる一歩
お子さんに宿題の話を切り出す前に、まず溜まっているプリントを一度、お子さんの目に入らない場所に移してみてください。
机の上に積まれた「できていないものの山」が視界から消えるだけで、家の空気が変わります。
そのうえで、落ち着いているタイミングに「宿題、全部やらなくていいと先生に相談してみようか」と一言だけ聞いてみてください。
>>不登校とは?小中学生35万人の原因9つと、小・中・高で違うきっかけ・親の対応【2026年最新】
まとめ
不登校中の宿題は義務ではなく、やるかどうかはお子さんのエネルギーと学力に合っているかで決めていいものです。学校には「代わりにこうします」の形で量や内容の調整を頼めますし、宿題をやめても、家庭での学習を出席扱いとして認めてもらう制度があります。宿題を手放すことは学びを手放すことではありません。
お子さんを責める必要も、ご自身を責める必要もありません。今日からできる小さな一歩を、一緒に探しましょう。LINEでの無料相談はこちらから。
よくある質問
宿題を出さないと内申点や成績に響きませんか?
小中学校では、宿題の未提出だけを理由に進級・卒業ができなくなることは基本的にありません。成績への影響が心配な場合は、テストや提出可能な課題など「評価してもらえる材料は何か」を担任に確認するのが確実です。定期テストの受け方も別室受験などの調整ができます。
学校に宿題を減らしてほしいと頼むのは失礼になりませんか?
失礼にはなりません。先生の側も宿題が家庭の負担になっていると気づいていないことが多く、状況を伝えれば調整してもらえるのが一般的です。「漢字だけ取り組みます」「当面はお休みして、再開できたら連絡します」のように、代わりの形を添えて提案すると話が進みやすくなります。
宿題をやらない場合、勉強の遅れはどう取り戻せばいいですか?
授業を受けていない範囲の宿題を無理に解くより、本人のつまずいている単元まで戻って、合うレベルからやり直すほうが早く追いつけます。自宅でのICT教材による学習は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる制度もあるため、記録が残る教材を選ぶのがおすすめです。
