「どうせ無理」が口癖になっている。褒めても「そんなことない」と打ち消す。挑戦する前にあきらめてしまう。そんなお子さんの姿を見て、「うちの子は自己肯定感が低いのかもしれない」と検索された方に向けて書いています。
先に結論をお伝えします。子どもの自己肯定感が低いのは、性格のせいでも、育て方が間違っていたからでもありません。多くの場合、いまいる環境で「認められる経験」よりも「削られる経験」のほうが多くなっているサインです。だから立て直しの軸は、声かけを変えることと同じくらい、認められる場所を増やすことにあります。この記事では、自己肯定感が低いと感じたときの見方と、学校の外で取り戻すという考え方に絞って整理します。家庭での具体的な高め方の実践は、別の記事で扱う予定です。
不登校の専門家の小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。
子どもの自己肯定感が低いのは、性格のせいではない
まず知っておいてほしいのは、これが「うちの子だけの問題」ではないことです。内閣府の令和元年版「子供・若者白書」によると、「自分自身に満足している」と答えた日本の若者は45.1%。同じ調査をした7か国(日本・韓国・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデン)の中で最も低い数字でした。
出典: 内閣府「令和元年版 子供・若者白書」
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/
日本の子どもの半数以上が「自分に満足していない」と答える。ここまで割合が大きいと、個人の性格や各家庭のしつけの問題として説明するのは無理があります。同じ年齢の集団の中で、テストの点、運動、発表、友人関係と、毎日どこかで比べられる環境に長くいれば、その物差しに合わない子から順に削られていく。構造の問題として捉えたほうが、実態に合っています。
大事なのは、環境のサインだと分かれば、環境の側から手を打てるということです。性格を変えるのは難しくても、いる場所と関わり方は今日から変えられます。
「どうせ無理」の裏にあるもの。下がっているときのサイン
自己肯定感が下がっているとき、子どもには次のような様子が表れやすくなります。
- 挑戦する前にあきらめる 失敗して「やっぱりダメだ」と確認するのが怖いので、最初からやらない
- 褒め言葉を打ち消す 「自分はダメだ」という自己像と合わない情報なので、受け取れない
- 人と比べて自分を下げる 「〇〇ちゃんはできるのに」と、比較の物差しを自分に向けてしまう
- 失敗に対する反応が極端になる 小さなミスで長く落ち込んだり、逆に無関心を装ったりする
これらは「やる気がない」「ひねくれている」のではなく、これ以上傷つかないための防御です。本人なりに自分を守っている状態だと捉えると、かける言葉が変わってきます。
なお、こうした様子に加えて、眠れない、食欲がない、朝起き上がれないといった心身の不調が続く場合は、性格や気持ちの問題として抱え込まず、スクールカウンセラーや小児科・児童精神科などの専門機関に早めに相談してください。学校に行きづらくなる前のサインについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-zencho-sign/
評価される場所が一つしかない、というリスク
僕自身の話をします。不登校だった期間、僕は自分のやっていることを全部「サボり」だと思っていました。それが変わったのは、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見た日です。初めて、自分のやっていることはサボりではないと思えました。
このとき変わったのは、僕の能力でも努力の量でもありません。評価される場所が一つ増えた。それだけで、自分自身の見え方が変わったのです。
多くの子どもにとって、平日の大半を過ごし、評価を受ける場所は学校一つです。学校が悪いという話ではありません。ただ、一つの物差ししかない場所で毎日過ごしていて、その物差しに合わない時期が続くと、「自分はダメだ」以外の結論を出しにくくなります。逆に言えば、別の物差しで認められる場所がもう一つあれば、同じ子でも自己評価は変わります。学校という環境そのものが合っていないと感じる場合の選択肢は、こちらの記事で整理しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/gakko-awanai-kodomo/
家庭でできること。声かけは「結果」ではなく「途中」に向ける
家庭でまずできるのは、評価の物差しを増やすことです。ポイントは絞ってお伝えします。
- きょうだいや友達と比べない 比較は、学校で毎日受けているもので十分すぎるほどです。家庭まで同じ物差しにしない
- 結果ではなく途中を言葉にする 「100点だったね」ではなく「最後まで自分でやったんだね」。結果の評価は運や相手で揺れますが、途中の事実は打ち消しようがありません
- 注意するときは行動に限定する 「なんであなたはそうなの」と人格に向けず、「この行動は困る」と切り分ける
そして、家庭だけで抱えないことも同じくらい大切です。思春期に近づくほど、親の言葉は割り引いて受け取られるようになります。親以外の大人や同世代に認められる経験は、家庭の声かけでは代わりができません。学校以外の居場所にどんな選択肢があるかは、こちらの記事にまとめています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/safe-place-for-school-refusal/
今日できる一歩
今日、お子さんが何かをした場面で、結果ではなく途中をひとつだけ言葉にして返してみてください。「自分で決めたんだね」「昨日より早く取りかかれたね」。上手・すごいといった評価の言葉を足さず、見ていた事実だけを伝えるのがコツです。打ち消しようのない事実の積み重ねが、回復の土台になります。
明光フリースクールという選択肢
平日の日中に通える場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
自己肯定感が下がっている子にとって大きいのは、ここには学校と違う物差しがあることです。誰も「なんで学校に行っていないの」と聞きません。ゲームの企画でも、プログラミングの作品でも、その子が持っているものがそのまま認められる場面から始まります。評価される場所が家と学校のほかにもう一つできること自体が、回復の入り口になります。
学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ
子どもの自己肯定感が低いと感じたら、性格や育て方の問題として原因探しをするより、「認められる経験が足りていない環境のサインだ」と捉え直してみてください。家庭では比較をやめて途中を言葉にする。そして、学校のほかにもう一つ、別の物差しで認められる場所をつくる。順番はこれで十分です。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。無料のLINE相談はこちらから。
小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
子どもの自己肯定感が低いのは親の育て方のせいですか?
いいえ。内閣府の調査では日本の若者の半数以上が「自分に満足していない」と答えており、個々の家庭のしつけでは説明できない環境の影響が大きいと考えられます。原因探しよりも、認められる経験を増やす方向に力を使うことをおすすめします。
自己肯定感が低い子に言ってはいけない言葉はありますか?
きょうだいや友達との比較と、「なんであなたはそうなの」のような人格に向けた注意は避けてください。注意は行動に限定し、褒めるときは結果より途中の事実を言葉にすると受け取ってもらいやすくなります。
学校を休んでいる間に、自己肯定感はさらに下がりませんか?
下がる原因は休むことそのものではなく、「自分はサボっている」と感じる時間が続くことです。フリースクールなどでの活動が出席扱いになると、自分のしていることが認められている実感につながります。僕自身、通知簿に反映されたことで気持ちが変わった経験があります。
