通信制高校を検討するとき、いちばん現実的な悩みが学費だと思います。
そして今、この部分の状況が大きく変わりました。2026年度から高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃され、世帯収入にかかわらず支援を受けられるようになっています。
ただ、ここには落とし穴もあります。「無償化」という言葉だけを見て進めると、あとから想定外の費用が出てくることがあります。
僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、18歳で起業しています。今は対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する立場です。運営する側だからこそ、お金の話を正直に整理してお伝えします。
2026年度から何が変わったのか
高等学校等就学支援金は、国が高校の授業料を支援する制度です。返還は不要で、保護者ではなく学校に支給され、授業料に充当されます。
2026年度からの変更点は2つです。
- 所得制限が完全に撤廃された これまでは年収910万円程度という上限がありましたが、撤廃され全世帯が対象になりました。
- 私立の支援上限が引き上げられた 私立の全日制は年45万7,200円に、私立の通信制も年33万7,000円へと増額されています。
制度の詳細は文部科学省のページで確認できます。
高等学校等就学支援金制度|文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/index.htm
通信制高校の授業料は実質無償になることが多い
ここが重要なポイントです。
通信制高校の多くは単位制で、授業料も「1単位あたりいくら」という形で設定されています。就学支援金も同じく単位あたりで支給され、その額は1単位あたり約1万3,660円です。
一方、私立通信制高校の1単位あたりの授業料は、1万2,000円以下に設定されている学校が大半を占めています。
つまり、授業料の部分については実質無償になる学校が多いということです。支給は年間30単位、通算74単位が上限で、卒業に必要な単位数はおおむねこの範囲に収まります。
それでも残る費用がある
ここからが本題です。「無償化」と聞いて安心してしまう前に、対象外の費用を把握しておいてください。
まず、就学支援金の対象は授業料だけです。入学金、教材費、施設費などは含まれません。
そして、不登校からの進学で特に注意が必要なのが、サポート校の費用です。
サポート校は学校ではなく民間の教育施設なので、就学支援金の対象になりません。通信制高校に在籍しながらサポート校にも通う場合、サポート校の費用は全額が自己負担になります。ここを見落としたまま進めてしまうご家庭は本当に多いです。
サポート校と通信制高校の関係については、こちらの記事で詳しく整理しています。
>>通信制高校とサポート校の違い。学費は二重にかかる?後悔しないための選び方
もうひとつ、通学コースを選ぶ場合も注意が必要です。週1日のコースであれば授業料はほぼ無償になりますが、週5日など通学日数の多いコースは授業料の設定自体が高くなるため、就学支援金で賄えるのは一部にとどまります。
見積もりを取るときのチェックリスト
学校見学のときは、次の4点を必ず確認してください。
- 1単位あたりの授業料はいくらか 就学支援金の単価と比べれば、実質負担が見えます。
- 授業料以外に何がかかるか 入学金、教材費、施設費、行事費まで含めて聞いてください。
- サポート校の費用は別か 別なら、その金額と3年間の総額を出してもらいます。
- スクーリングの交通費や宿泊費はかかるか 遠方の本校まで行く必要がある学校では、ここが意外な負担になります。
この4つを揃えて初めて、学校ごとの比較ができます。パンフレットの「月々◯円から」という表記だけでは判断できません。
授業料以外を支える制度もある
就学支援金の対象外である教材費などについては、別の制度があります。
高校生等奨学給付金は、授業料以外の教育費を支援する返還不要の給付金です。2026年度からは対象が拡大され、年収約490万円までの中所得層も含まれるようになりました。
また、都道府県によっては独自の授業料軽減助成を設けている場合があります。東京都には私立高等学校等授業料軽減助成金があります。お住まいの自治体の制度も、あわせて確認してみてください。
なお、申請は学校を通じて行います。申請しなければ支給されないので、案内を見落とさないよう注意してください。
中学生の段階でお金の心配をしている方へ
まだ高校進学前の段階で、フリースクールの費用を心配されている方も多いと思います。
その場合は、自治体のフリースクール補助金制度を調べてみるといいと思います。
例えば東京都在住の方であればフリースクール等利用者支援事業があり、都内在住の不登校の小・中学生の保護者を対象に、利用料が月額最大2万円助成されます。さらに区独自の上乗せがある自治体では、合計で月額最大4万円になります。
東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)公式ページ
https://tokyo-fs-support.metro.tokyo.lg.jp/
僕たちが運営している場について
明光義塾高等学院
高校段階での学び直しから進学までを見られる場です。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。大学受験のサポートはもちろん、「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。
明光義塾高等学院の詳細はこちら
https://gakuin.meikogijuku.jp/
明光フリースクール
平日の日中に通えるフリースクールです。明光義塾の個別指導がベースにあるので、一人ひとりのつまずきを見つけて、そこから戻る学び方ができます。学習だけでなくプログラミングやeスポーツなどもあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能します。学校の出席扱いや自治体の補助金対象になる実績も多数ございます。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
クラスジャパン小中学園
まだ外に出るのが難しいお子さん向けのオンラインフリースクールです。ネットの先生が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校からこれまでに2000人以上をサポートしてきました。
学習教材に加えて、最先端のAIサポートもあります。生徒一人ひとりにカスタマイズされた学習AIを活用することで、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着くことができます。答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、「わかった」という手応えが自分のものとして残ります。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定が付いているので、安心してご利用いただけます。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ。無償化されるのは「授業料」だけ
2026年度から所得制限が撤廃され、通信制高校の授業料は実質無償になる学校が多くなりました。これは大きな前進です。
ただし、無償になるのは授業料の部分だけです。入学金や教材費、そしてサポート校の費用は対象外です。見積もりは必ず3年間の総額で出してもらってください。
お金を理由に選択肢を狭めてほしくないと思っています。使える制度は全部使ってください。
進路や費用の相談は、僕の公式LINEでも受け付けています。
小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
2026年度から通信制高校の学費はどう変わりましたか?
高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃され、世帯収入にかかわらず支援を受けられるようになりました。私立の通信制高校の支援上限は年33万7,000円に引き上げられ、単位制の場合は1単位あたり約1万3,660円が支給されます。
通信制高校の授業料は無償になりますか?
私立通信制高校の1単位あたりの授業料は1万2,000円以下の学校が大半のため、就学支援金の単価を下回り、授業料は実質無償になる学校が多くなっています。ただし週5日などの通学コースは授業料の設定が高く、支援金で賄えるのは一部にとどまります。
就学支援金の対象にならない費用は何ですか?
就学支援金の対象は授業料のみです。入学金、教材費、施設費は対象外です。またサポート校は学校ではなく民間の教育施設のため、その費用は全額自己負担になります。授業料以外の費用については高校生等奨学給付金という別の制度があります。
