通信制高校は3年で卒業できる?留年がない仕組みと卒業までの計画の立て方

「通信制高校は自分のペースで進められると聞くけれど、それって3年で卒業できないということ?」「留年がないらしいけれど、裏を返せば何年も在籍し続ける人がいるのでは?」。通信制高校を調べ始めた保護者やお子さん本人から、この質問を本当によく受けます。

先に結論です。通信制高校は3年で卒業できます。全日制と同じ3年間で卒業する人のほうが多数で、留年という仕組みがそもそもありません。ただし「留年がない」のと「放っておいても3年で卒業できる」はまったく別の話です。通信制高校は単位を積み上げる学校なので、3年で卒業するには入学時点から逆算した計画が要ります。この記事では、留年がない仕組み、転入・編入の場合に3年で卒業できるかの数え方、そして卒業までの計画の立て方を整理します。「そもそも卒業できるか不安」という気持ちへの向き合い方と学校選びはこちらの記事に書いたので、ここでは年数と計画に絞ります。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-sotsugyo-fuan/

自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は約10年間の不登校を経験しました。当時はフリースクールで学び、18歳で起業しています。今は対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設を運営する立場です。

目次

通信制高校に留年がない理由。学年制と単位制の違い

全日制の多くは「学年制」です。1年生で決められた科目をすべて修得して初めて2年生に進めます。出席日数が足りない科目が1つでもあると、その学年をもう一度やり直す。これが留年です。

通信制高校の大半は「単位制」です。学年という区切りがなく、「どの科目を、いつ修得するか」を自分で組み立てます。ある科目の修得が遅れても、その科目だけ次の年に回せばよく、学年ごとやり直す仕組みがありません。だから留年が存在しないのです。

卒業に必要な条件は、文部科学省が定める高等学校の卒業要件と同じで、次の3つです。

  1. 74単位以上の修得 レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、単位認定試験を科目ごとに積み上げて単位にする
  2. 3年以上の在籍 36か月以上。前の高校の在籍期間も通算できる
  3. 特別活動30単位時間以上 ホームルーム、行事、生徒会活動などへの参加

制度の全体像は文部科学省の通信制高校のページで確認できます。

https://www.mext.go.jp/tsushinseikoukou/about/

ここで大事なのは、2つ目の「3年以上の在籍」です。仮に1年目で74単位をすべて取れたとしても、3年経たないと卒業できません。逆に言うと、3年という期間は誰にとっても固定の最短ラインで、あとは3年のあいだに74単位を積めるかどうかだけが問題になります。

単位認定試験がどんな内容で、落ちたらどうなるのかは、こちらの記事で解説しています。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tani-nintei-shiken/

3年で卒業するために必要な「年間のペース」

74単位を3年で割ると、1年あたり約25単位です。全日制の1年生が履修する単位数はおおむね30単位前後なので、全日制よりもやや少ないペースで足ります。数字だけ見れば、余裕があるように感じるかもしれません。

ただし、通信制高校の多くは1年間に履修できる単位数に上限を設けています。学校によって違いますが、30単位台が目安です。この上限があるため、「1年目はほとんど取らず、3年目にまとめて取る」という取り返し方はできません。1年目に10単位しか取れなかった場合、残り64単位を2年で取るには1年あたり32単位が必要になり、上限ぎりぎりか、学校によっては超えてしまいます。

つまり、3年で卒業できるかどうかは1年目の前半でほぼ見えてきます。僕が運営に関わっている現場でも、3年で卒業する子と4年目に入る子の分かれ目は、入学して数か月のレポートの進み方にあります。4月にレポートが順調に出始めた子は、そのまま3年で卒業していきます。逆に、最初の数か月で「わからないから開かない」が始まった子は、気づいたときには年間上限との戦いになっています。

レポートの提出が止まったときの立て直し方は、こちらの記事にまとめています。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-report-owaranai/

転入・編入でも3年で卒業できる?数え方の実例

ここが、調べてもなかなか出てこない部分だと思います。全日制から通信制高校に移る場合、「同級生と同じ年に卒業できるのか」は、保護者にとっていちばん切実な問いです。

答えは「在籍期間と単位をどれだけ引き継げるかによる」です。具体的に数えてみます。

  1. 高1の3月末に転入した場合 前の高校で高1の単位(30単位前後)が認定されていれば、そのまま引き継げます。残り44単位を2年で取るので、1年あたり22単位。年間上限に余裕があり、同級生と同じ年の3月に卒業できます
  2. 高1の秋に転入した場合 ここが注意点です。学年制の全日制では、単位は年度末にまとめて認定されます。年度途中で転校すると、高1の単位が1つも残らないことがあります。その場合、転入先で残りの期間にどれだけ履修できるか次第で、3年で74単位に届くかが決まります。学校によっては半期ごとに単位認定する仕組みがあり、転入後すぐに履修を始められるので、入学前に「今から入って、3年後の3月に卒業できる計画が組めますか」と必ず確認してください
  3. 高校を中退して編入する場合 中退時点までの在籍期間と修得単位は引き継げます。ただし中退してから編入するまでの空白期間は在籍期間に数えません。高1の途中で中退し、1年空けて編入した場合、卒業は同級生の1年あとになるのが普通です

転入と編入の違い、タイミングごとの単位の引き継ぎについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-tennyu-hennyu/

高2で留年しそうと言われている段階なら、年度が替わる前に動くかどうかで、卒業の年が1年変わります。その判断の材料はこちらの記事に書きました。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/kou2-ryunen-shiso/

3年で卒業できなかったらどうなる?留年ではなく「在籍延長」

ここまで読んで、「うちの子は間に合わないかもしれない」と感じた方もいると思います。先に言っておくと、3年で卒業できなくても、通信制高校では留年にはなりません。取れなかった単位を4年目に取るだけで、学年をやり直すことも、1年下の子たちと同じ教室に入ることもありません。

現実的に知っておいたほうがいいのは、お金の話です。高等学校等就学支援金は、通信制高校では通算48か月を上限に支給されます(全日制は36か月)。つまり4年目までは支援の対象ですが、5年目以降は授業料が全額自己負担になります。制度の詳細は文部科学省のページをご確認ください。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm

また、就学支援金の対象は学校である通信制高校の授業料だけで、サポート校の費用は対象外です。在籍が延びれば、その分のサポート校費用も延びます。学費の全体像はこちらの記事で整理しています。

https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tsushinsei-gakuhi-shienkin/

4年目に入ること自体は失敗ではありません。僕は約10年学校に行かずに過ごしましたが、その間も学ぶこと自体はやめていませんでした。「信長の野望」という歴史のゲームがきっかけで日本史にハマり、教科書の範囲をはるかに超えた大学生用の分厚い本を読んでいた時期があります。学びのペースは人によって違っていい。ただ、通信制高校の卒業には「74単位」という明確なゴールがあるので、そこへ向かうペース配分だけは、誰かと一緒に設計しておいたほうがいい。これが運営者としての実感です。

卒業までの計画の立て方。3年を3つの区間に分ける

最後に、3年で卒業するための計画の立て方です。入学前、あるいは入学直後に、保護者とお子さんで一度だけ机に向かって組んでみてください。

  1. 1年目は「リズムを作る年」 単位数の目標は25前後でよく、それより大事なのはレポートを出す曜日を決めることです。週に1日、たとえば水曜の午後をレポートの日にする。学校によっては登校日に合わせてもよいです。最初の3か月でこのリズムができれば、3年卒業はほぼ見えています
  2. 2年目は「積み上げの年」 1年目で25単位取れていれば、2年目も同じペースで50単位に届きます。ここで中学範囲の抜けが見つかることが多いので、戻って学び直す時間を計画に入れておきます。戻ることは遅れではなく、3年目の試験で落とさないための準備です
  3. 3年目は「進路の年」 残りは24単位前後。ここまで来ると単位のプレッシャーは小さく、大学受験や就職の準備に時間を振り向けられます。逆に1、2年目の遅れをここで取り返そうとすると、進路準備と単位取得が重なって苦しくなります

この3区間の考え方でいちばん大切なのは、1年目の前半に計画どおり進んでいるかを誰かが見ていることです。通信制高校は自分でペースを作る学校なので、止まっても誰にも気づかれないまま数か月が過ぎることがあります。「計画を立てた」だけで終わらせず、「計画を一緒に見直す相手」を入学前に決めておいてください。

明光義塾高等学院という選択肢

明光義塾高等学院

「計画を一緒に見直す相手」を学校の仕組みとして最初から持っている場所として、僕が学院長を務める明光義塾高等学院を運営しています。高校卒業資格を目指しながら、日々の学びを個別指導で進める形です。

3年で卒業できるかどうかは、さきほど書いたとおり1年目の前半の進み方で決まります。高等学院では、入学時に卒業までの単位の取り方を一緒に設計し、レポートが止まりそうな兆しを個別指導の中で早めに見つけて手を打ちます。「計画を立てた」で終わらず、「計画どおりに進んでいるか」を毎週見ている大人がいる、という形です。

全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。2年目に中学範囲の抜けが見つかっても、戻って埋めてから3年目の進路準備に入れるので、3年卒業の計画が崩れにくくなります。

転入・編入の相談も受け付けています。「今から入って3年後の3月に卒業できるか」は、前の学校の在籍期間と単位によって答えが変わるので、資料請求のときに現在の学年と状況を添えていただければ、具体的に計算してお答えします。

【明光義塾高等学院】資料請求はこちら
https://gakuin.meikogijuku.jp/

今日できる一歩

検討中の学校があるなら、今日、問い合わせフォームや電話で「1年間に履修できる単位の上限は何単位ですか。うちの子の状況で、3年後の3月に卒業する計画は組めますか」と聞いてみてください。この質問に数字で答えてくれる学校は、卒業までの計画を個別に見てくれる学校です。返ってきた答えを、そのまま学校選びの材料にしてください。

まとめ

通信制高校は3年で卒業できます。単位制なので留年という仕組みはなく、74単位の修得と3年以上の在籍、特別活動への参加で卒業になります。ただし1年間に履修できる単位には上限があるため、3年で卒業できるかどうかは1年目の前半の進み方でほぼ決まります。転入・編入の場合は前の学校の在籍期間と単位をどれだけ引き継げるかで卒業の年が変わるので、入学前に必ず個別に確認してください。3年で卒業できなくても留年にはならず、4年目までは就学支援金の対象です。

「うちの場合はどう進めればいい?」という段階でも大丈夫です。まずは話を聞いてみるだけでも、気持ちが少し軽くなるはずです。僕の公式LINEでは不登校や進路に関する情報発信や無料相談を行っています。

小幡和輝の無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp

よくある質問

通信制高校は最短何年で卒業できますか?

3年です。卒業には3年以上の在籍が法律で定められているため、単位を早く取り終えても3年より早く卒業することはできません。前の高校の在籍期間は通算できるので、高2で転入した場合は前の高校での在籍期間を含めて3年で卒業できます。

通信制高校で3年で卒業する人はどのくらいいますか?

全日制と同じように3年で卒業する人が多数です。ただし1年間に履修できる単位数には上限があるため、1年目にレポートの提出が大きく遅れると3年での卒業が難しくなります。3年で卒業できるかは入学後の数か月の学習ペースでほぼ見えてきます。

通信制高校で3年で卒業できなかった場合、留年になりますか?

留年にはなりません。単位制なので学年をやり直すことはなく、取れなかった単位を4年目に取るだけです。就学支援金は通信制高校では通算48か月まで支給されるため、4年目までは授業料の支援を受けられます。5年目以降は自己負担になる点には注意してください。

X

\ X更新中! /

note

\ 明光みらい公式note /

Instagram

\ Instagram /

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

1994 年、和歌山県生まれ。10年の不登校を経験。不登校当時はフリースクールで学び、その後18 歳で起業。SNS を活用したマーケティングを専門とし、東京2020 オリンピック・パラリンピックでは総フォロワー1000万人以上の公式SNSアカウントを運用。不登校への偏見を払拭し、不登校になっても取り残されない社会を目指し不登校の専門家として活動。オンラインフリースクール『クラスジャパン小中学園』の代表として、これまでに2000人以上の不登校生徒をサポート。著書に『学校は行かなくてもいい/英治出版』『学校では教えてくれない 稼ぐ力の身につけ方/小学館』など計6冊。講演、メディア出演も多数。

目次