「岩手県で通信制高校を探しているけれど、家から通える学校があるのかわからない」。四国4県分の広さがある岩手県では、これが最初の心配ごとになりがちです。結論からお伝えすると、岩手県の公立通信制は岩手県立杜陵高等学校の1校で、盛岡の本校と奥州校の2つの会場を持っています。私立は一関学院・盛岡中央に加えて2025年4月に専修大学北上が通信制課程を開設し、盛岡駅前にキャンパスを置く広域通信制も選べるようになりました。選び方の軸は「通いやすさ」「学費」「サポート体制」の3つ。この記事では公式情報で確認できた学校だけを一覧で紹介し、2026年度から大きく変わった就学支援金と岩手県の奨学給付金まで解説します。
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自己紹介が遅れました。小幡和輝です。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学び、18歳で起業しました。いまは対面やオンラインのフリースクール、通信制高校の連携施設(明光義塾高等学院)を運営する立場で、日々の進路相談をサポートしています。この記事も、岩手県の公式一次情報だけを確認して書いています。
先に知っておきたい通信制高校の基礎知識
学校の一覧に入る前に、前提を3つだけ押さえてください。
1つ目は、公立と私立の違いです。 公立は学費が圧倒的に安い一方、レポートの進め方を自分で管理する場面が多くなります。私立は学費がかかるぶん、担任制や通学コース、進路サポートなど手厚い仕組みを持つ学校が多いです。
2つ目は、卒業の仕組みです。 通信制高校の卒業要件は、レポート(添削指導)・スクーリング(面接指導)・単位認定試験の3つ。これに特別活動への参加が加わります。スクーリングと単位認定試験は対面での実施が法律で定められているため、「一度も登校せずに卒業」はどの学校でもできません。年数日〜数十日の集中型か、週1〜5日の通学型かという頻度の違いです。
3つ目は、お金の区別です。 国の就学支援金の対象になるのは「学校である通信制高校の授業料」だけで、サポート校(学習等支援施設)の費用は対象外です。学校とサポート校の両方に在籍する場合、費用は二重にかかります。ここを知らないまま入学して「思ったより高かった」と後悔するケースが本当に多いので、必ず覚えておいてください。
制度の詳細は文部科学省の通信制高校ポータルにまとまっています。
先に知っておきたい通信制高校の基礎知識の公式サイト
通信制高校とサポート校の違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>通信制高校とサポート校の違い。学費は二重にかかる?後悔しないための選び方
全国の明光義塾と連携する「明光義塾高等学院」という選択肢
一覧の前に、僕が運営に関わっている高校卒業資格が取れる明光義塾高等学院も紹介させてください。全国の明光義塾教室との連携で、中学範囲の戻り学習から大学受験対策まで一続きで見られるのが特徴です。「まず中2の数学からやり直したい」という相談も当たり前のこととしてサポートしています。
岩手県内には盛岡市や一関市、奥州市をはじめ各地に明光義塾の教室があり、日々の学習サポートを県内の教室で受けられるため、県内のどこにお住まいでも検討できます。高校卒業資格を目指しながら個別指導で学びたい方は、資料請求から始めてみてください。
岩手県の通信制高校一覧
ここからは、各校の公式サイトまたは岩手県の公的情報で実在と所在地を確認できた学校を紹介します。順位づけではなく、公立を先頭に、私立は五十音順で並べています。学費は年度や履修単位数で変わるため、必ず各校の公式サイトと最新の募集要項でご確認ください。
岩手県立杜陵高等学校(通信制課程)
- 運営: 公立(岩手県)
- 所在地: 盛岡市上田2-3-1
- 通学: 自宅でのレポート学習が中心。前期・後期それぞれ15回程度のスクーリング
岩手県の公立通信制の中心校です。学年という区切りのない単位制で、留年がなく、修得した単位を積み上げて74単位以上で卒業となります。日曜を中心としたスクーリングに加えて水曜の授業を計画的に受講すれば、3年間での卒業を目指せるカリキュラムも組まれています。仕事や子育てと両立している人も多く、学費負担を最小限にしたい人がまず確認したい学校です。
岩手県立杜陵高等学校(通信制課程)の公式サイト
岩手県立杜陵高等学校 奥州校(通信制課程)
- 運営: 公立(岩手県)
- 所在地: 奥州市水沢字土器田1(県立水沢商業高校内)
- 通学: 通常コースは年間28日程度(日曜中心)、三修コースは年間48日程度
2009年に開校した杜陵高校の分校で、県南エリアの通信制の拠点です。日曜スクーリング中心の通常コースのほか、平日の授業も組み合わせて3年卒業を目指す三修コースがあります。盛岡まで出なくても公立通信制で学べるのは、奥州・一関・北上など県南に住む人にとって大きな安心材料です。
岩手県立杜陵高等学校 奥州校(通信制課程)の公式サイト
一関学院高等学校(通信制課程エンカレッジコース)
- 運営: 私立(学校法人一関学院)
- 所在地: 一関市八幡町5-24(本校)
- 通学: 通学コース(本校は土・日曜のスクーリング)と在宅コース
甲子園出場経験もある一関学院が運営する通信制課程で、本校は一関市にあります。大学進学を目指す進学型と自分のペースで卒業を目指す一般型があり、通学が難しい人向けの在宅コースも用意されています。県南から宮城県北エリアの選択肢として確認したい学校です。学費は公式サイトでご確認ください。
一関学院高等学校(通信制課程エンカレッジコース)の公式サイト
NHK学園高等学校
- 運営: 私立(広域通信制。本校は東京都国立市)
- 岩手県のスクーリング会場: 岩手県立杜陵高等学校(盛岡市上田2-3-1)
- 通学: 自宅学習中心+年数回の会場スクーリング(スタンダード/ライフデザインコースなど)
NHKの高校講座を教材に自宅で学ぶ、歴史の長い広域通信制です。岩手県の協力校は県立杜陵高校で、スクーリングを盛岡の会場で受けられるため、広域校でありながら県内で面接指導まで完結できます。自分のペースで進めたい人、登校回数を抑えたい人に向いた仕組みです。学費は公式サイトでご確認ください。
NHK学園高等学校の公式サイト
N高等学校・S高等学校(岩手盛岡キャンパス)
- 運営: 私立(広域通信制・学校法人角川ドワンゴ学園)
- 所在地: 盛岡市盛岡駅前通16-21 盛岡駅前通ビル5階(JR盛岡駅から徒歩約3分)
- 通学: 週5・週3コース/週1+コース/ネットコースから選択
ネットの学習システムで知られる広域通信制で、2024年4月に盛岡駅前へ通学コースのキャンパスが開設されました。週5日・週3日の通学から、週1日、完全ネットまで学び方の幅が広く、生活の変化に合わせて選び直せます。盛岡駅徒歩圏という立地は、県内各地から新幹線・在来線で通う場合にも現実的です。学費は公式サイトでご確認ください。
N高等学校・S高等学校(岩手盛岡キャンパス)の公式サイト
専修大学北上高等学校(通信制課程)
- 運営: 私立(学校法人北上学園)
- 所在地: 北上市新穀町2-4-64
- 通学: スクーリングは校内(S館)で実施
2025年4月に開設された、県内では最も新しい通信制課程です。全日制と同じ校地でスクーリングを受けられ、専修大学・石巻専修大学など系列校への推薦制度や個別のキャリア支援を持つのが特徴。北上・花巻エリアで通える通信制を探している家庭には貴重な選択肢です。学費は公式サイトでご確認ください。
専修大学北上高等学校(通信制課程)の公式サイト
第一学院高等学校(盛岡キャンパス)
- 運営: 私立(広域通信制。本校は茨城県高萩市)
- 所在地: 盛岡市(キャンパスの詳細な所在地は公式サイトでご確認ください)
- 通学: 通学スタイルを選べる単位制
全国にキャンパスを展開する広域通信制で、盛岡市にキャンパスを置いています。通学頻度を選べる単位制で、日々の居場所として通いながら卒業を目指せるタイプの学校です。コースの詳細・学費は公式サイトでご確認ください。
第一学院高等学校(盛岡キャンパス)の公式サイト
盛岡中央高等学校(単位制・通信制課程)
- 運営: 私立(学校法人龍澤学館)
- 所在地: 盛岡市大沢川原3-1-18
- 通学: 週5日間通学する全日型と、自分のペースで学ぶ通信型
北東北で初めて「週5日間通学するスタイルの通信制課程」を打ち出した学校です。毎日通って生活リズムを立て直したい人には全日型、登校を抑えたい人には通信型と、正反対のニーズに1校で対応しています。体験学習や資格取得のプログラムも多く取り入れています。学費は公式サイトでご確認ください。
盛岡中央高等学校(単位制・通信制課程)の公式サイト
学校選びの3つの軸
候補を前にして「どう絞ればいいのか」と迷ったら、次の3つの軸で考えてみてください。
軸1: 通いやすさ。 岩手県は全国で北海道に次ぐ広さがあり、住んでいるエリアで現実的な候補がはっきり分かれます。盛岡周辺なら杜陵・盛岡中央・N/S高・第一学院、県南なら杜陵奥州校・専修大学北上・一関学院という具合です。釜石・宮古など沿岸部からは毎週の通学が難しいことも多いので、年数回のスクーリングで済む学校やネット中心のコースも含めて考えると選択肢が広がります。
軸2: 学費と就学支援金。 公立の杜陵高校は学費負担が最も小さく、私立は就学支援金を差し引いた「実質負担額」で比べるのが正解です。このとき、サポート校の費用は就学支援金の対象外である点に注意してください(詳しくは次の章で解説します)。
軸3: サポート体制。 担任制か、個別指導か、進路サポートはどこまでか。もう1つ確認したいのが、スクーリング会場の場所です。サポート校のなかには、面接指導等実施施設(スクーリングや試験を行える施設)を自前で持つところと持たないところがあり、後者の場合は年に数回、遠方の会場まで行く必要が出ることがあります。見学のときに「スクーリングはどこで、年に何回ですか」と必ず聞いておきましょう。
見学や説明会で確認すべき質問は、こちらの記事にまとめています。
>>通信制高校の見学・説明会で必ず聞くべき質問。入学後のミスマッチを防ぐ
不登校でも岩手県の通信制高校に入れる?
入れます。通信制高校の入試は書類選考と面接(+作文)が中心で、中学校の欠席日数や内申点が合否に直結しにくい仕組みです。公立の杜陵高校も、学びたい意志のある人を年齢や経歴を問わず受け入れてきた学校で、学力試験で足切りされる形ではありません。中学の内容に不安があっても、入学後にレポートを進めながら学び直せますし、面接で欠席日数を責められることはまずなく、「これからどう学びたいか」を聞かれるのが一般的です。
「全日制に行けそうだけど通信制も気になる」という迷いがある場合は、こちらの記事が判断の助けになります。
>>全日制と通信制で迷う中3へ。合格できそうでも通信制を選ぶ3つの判断軸
学費と就学支援金。岩手県の奨学給付金も
2026年度(令和8年度)は、高校の学費負担が大きく変わった年です。国と岩手県が公表している情報をもとに整理します。
国の就学支援金(授業料の支援)
所得制限が撤廃され、世帯年収にかかわらず対象になりました。私立通信制の場合は年額33万7,200円を上限に授業料へ充当されます(全日制は45万7,200円)。公立の通信制はもともと授業料が低く、就学支援金の対象でもあるため、授業料負担はごくわずかに抑えられます。繰り返しになりますが、対象は「学校の授業料」であり、サポート校の費用には使えません。
学費と就学支援金。岩手県の奨学給付金もの公式サイト
岩手県の私立学校向けの就学支援金の案内ページはこちらです(窓口は岩手県ふるさと振興部学事振興課)。手続きは在学する学校を通じて行います。
学費と就学支援金。岩手県の奨学給付金もの公式サイト
岩手県の私立高等学校生徒等奨学給付金(授業料以外の教育費の支援)
教科書代や教材費など、授業料以外の教育費に充てる返済不要の給付金です。保護者が岩手県内に住んでいることが要件で、生活保護世帯・住民税所得割非課税世帯のほか、所得割の合算額が一定額未満の世帯も対象になります。通信制の生徒も対象に含まれ、非課税世帯・生活保護世帯の場合は年額5万2,100円(所得区分によって金額は変わります)。県内の私立校に通う場合は在学する学校を通じて申請し、申請期間が毎年決まっているので、入学したら早めに学校へ確認してください。
学費と就学支援金。岩手県の奨学給付金もの公式サイト
いずれも要件や金額は年度で変わります。最新情報は上記の公式ページと各校の募集要項でご確認ください。
まとめ。今日できる一歩は「エリアで2〜3校に絞って資料請求」
岩手県には、盛岡と奥州の2会場を持つ公立の杜陵高校を軸に、県内に本校を置く私立3校、盛岡駅前の広域通信制キャンパスと、性格の異なる選択肢がそろっています。2025年には専修大学北上の通信制課程が開設され、県南の選択肢も増えました。あとは、通いやすさ・学費・サポート体制の3軸で、お住まいのエリアから通える学校を絞っていくだけです。
今日できる一歩として、住んでいるエリアから現実的に通える2〜3校を選んで資料請求をしてみてください。パンフレットを並べて見比べると、Webサイトだけではわからない学校ごとの雰囲気の違いが見えてきます。個別指導で学び直しから受験対策まで進めたい方は、明光義塾高等学院の資料請求もどうぞ。
明光義塾高等学院
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。僕の公式LINEでは進路や不登校に関する無料相談を行っています。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
他の都道府県をお探しの方へ
全国47都道府県の通信制高校と学費軽減制度の一覧は、こちらのまとめからご覧いただけます。
>>【全国版】47都道府県の通信制高校一覧。お住まいの県から探せます【2026年最新】
よくある質問
Q1. 岩手県の通信制高校の学費はいくらですか?
公立の岩手県立杜陵高等学校は授業料が低く、就学支援金の対象にもなるため、授業料負担はごくわずかです。私立は学校や履修単位数によって異なりますが、2026年度から就学支援金の所得制限が撤廃され、私立通信制は年額33万7,200円を上限に授業料が支援されます。サポート校の費用は就学支援金の対象外です。正確な金額は各校の公式サイトと最新の募集要項でご確認ください。
Q2. 不登校でも岩手県の通信制高校に入学できますか?
入学できます。通信制高校の入試は書類選考と面接・作文が中心で、中学校の欠席日数が合否に直結しにくい仕組みです。公立の杜陵高校も学ぶ意志を重視した選抜で、中学の学習内容に不安があっても、入学後にレポートを進めながら学び直せます。学校見学や説明会でサポート体制を確認しておくと安心です。
Q3. 盛岡まで通えない地域からでも通信制高校を卒業できますか?
できます。スクーリング(面接指導)と単位認定試験は対面での実施が必要なため登校ゼロでは卒業できませんが、公立の杜陵高校は日曜中心のスクーリングで、奥州校なら通常コースは年間28日程度です。NHK学園のように年数回のスクーリングを盛岡の会場(杜陵高校)で受けられる広域校や、N高・S高のネットコースもあり、沿岸部や県北からでも登校回数を抑えて卒業を目指せます。
