「このまま学校を休ませていて、大丈夫なのだろうか」「学校以外の場所で学ばせることは、そもそも認められているのか」。お子さんが学校を休み始めると、こうした不安が次々に湧いてきます。実はその不安に、国の法律がはっきりと答えを出しています。教育機会確保法とは、不登校の子どもに休養が必要な場合があること、そして学校以外の場で行う多様な学習活動が重要であることを、国として初めて法律に明記したものです。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。僕は不登校の元当事者です。約10年間学校に行かず、フリースクールで学びました。現在は不登校の専門家として、本の執筆や講演をしながら、2000人以上の子どもたちとご家庭をサポートしています。
この記事では、教育機会確保法の中身をわかりやすく整理したうえで、保護者が学校とのやりとりでこの法律をどう活かせるかまで解説します。
教育機会確保法とは。正式名称と成立の背景
教育機会確保法の正式名称は「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」です。2016年12月14日に公布され、2017年2月14日に全面施行されました。条文や関連通知は文部科学省の公式ページで読むことができます。
文部科学省「法令(不登校関連)について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1397799.htm
それまで、不登校の子どもへの支援は「どうやって学校に戻すか」という発想で語られることが少なくありませんでした。一方で、現実にはフリースクールや教育支援センターなど、学校の外で学び育っている子どもたちが大勢いました。その実態に法律を追いつかせたのが教育機会確保法です。学校に戻ることだけを前提にせず、一人ひとりに合った学びの場を確保することを、国と自治体の仕事として定めました。
法律のポイントは3つ
条文は難しい言葉で書かれていますが、保護者が押さえておくべきポイントは次の3つに絞れます。
- 休むことが必要な場合があると認めた 第13条に「不登校児童生徒の休養の必要性」が明記されました。学校を休むことは、逃げでもサボりでもなく、その子にとって必要な時間になり得ると法律が認めています
- 学校以外の場での学びを重視した 同じ第13条で、学校以外の場において行う「多様で適切な学習活動の重要性」がうたわれています。フリースクールや教育支援センター、自宅での学習も、この「学校以外の場での学び」に含まれます
- 国と自治体に支援の責務を課した 不登校の子どもと保護者に対して、学びの場や支援に関する情報を提供することが国や自治体の責務とされました。夜間中学の設置促進も、この法律に盛り込まれています。
さらに、この法律を受けて出された文部科学省の通知(令和元年10月25日「不登校児童生徒への支援の在り方について」)では、「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもが自らの進路を主体的にとらえ、社会的に自立することを目指す、という支援の方向性が明確に示されました。
文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
僕が不登校だった頃、この法律はまだなかった
僕が学校に行かなくなったのは、この法律ができるずっと前のことです。当時は「学校外の学びを国が認める」という後ろ盾はありませんでしたが、それでも救われた瞬間があります。フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見たときです。初めて、自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。
いま振り返ると、あれは自己肯定感の問題でした。学校に行っていない子どもは、口に出さなくても「自分はダメなんじゃないか」という気持ちを抱えがちです。自分の学びが公に認められることは、その気持ちをほどく力を持っています。教育機会確保法は、あのとき僕がフリースクールで感じた「ここにいていいんだ」という感覚を、すべての子どもに制度として保障しようとする法律だと僕は理解しています。
保護者はこの法律をどう使えるか
法律の名前を知っているだけでは、日々の悩みは軽くなりません。実際の場面での使い方を3つ紹介します。
- 学校との面談で趣旨を伝える 「教育機会確保法の趣旨も踏まえて、いまは本人の休養を優先したいと考えています」と一言添えるだけで、話し合いの土台が変わります。登校を促すかどうかの水掛け論ではなく、「では学校外でどう学びを確保するか」という前向きな相談に進みやすくなります
- 出席扱い制度とあわせて使う フリースクールや自宅でのICT学習は、一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。出席扱いの要件はこちらの記事で解説しています。 https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/
- 公的な学びの場の情報を集める 自治体が運営する教育支援センター(適応指導教室)も、この法律が重視する学びの場のひとつです。フリースクールとの違いと使い分けはこちらの記事にまとめています。 https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tekio-shido-kyoshitsu-chigai/
どこに相談すればいいか迷ったら、公的・民間の窓口の使い分けを整理したこちらの記事も参考にしてください。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-sodansaki-doko/
明光フリースクールという選択肢
教育機会確保法が重視する「学校以外の多様な学びの場」を実際に用意している場所として、僕たちは明光フリースクールを運営しています。明光義塾の個別指導の考え方がベースになっていて、一人ひとりに寄り添った運営をしています。プログラミングやeスポーツの時間もあり、「学校ではないけれど通う場所」として機能しています。
この記事を読んでいる方にとっての意味は、法律が認めた「学校外の学び」を絵に描いた餅で終わらせずに、平日の日中の具体的な行き先として持てることです。「休ませることにした。では日中どこで過ごすか」という次の問いに、そのまま答えられる場所です。学校の出席扱いや自治体の補助金の対象になる実績も多数あります。
新規の校舎もどんどん展開していますので、お近くの教室についてはまずはお問い合わせください。
明光フリースクールの詳細はこちら
https://freeschool.meikogijuku.jp/
まだ外に出るエネルギーがないお子さんには、オンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」があります。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ。法律はあなたの味方です
今日できる一歩をひとつ提案します。次に学校と話す機会があったら、「教育機会確保法の趣旨も踏まえて、本人に合った学び方を一緒に考えたいです」と伝えてみてください。この一言だけで、話し合いの出発点が「どう戻すか」から「どう学びを確保するか」に変わります。
学校を休むことにも、学校の外で学ぶことにも、国の法律という後ろ盾があります。お子さんの選択も、それを支える保護者の判断も、間違いではありません。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
無料のLINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
教育機会確保法とはどんな法律ですか?
正式名称は「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」で、2016年に公布されました。不登校の子どもに休養が必要な場合があること、フリースクールなど学校以外の場で行う多様な学習活動が重要であることを国として認め、国と自治体に支援の責務を課した法律です。
教育機会確保法で学校を休むことは認められたのですか?
はい。第13条に「不登校児童生徒の休養の必要性」が明記されました。さらに令和元年の文部科学省通知では、学校に登校するという結果のみを目標にせず、子どもの社会的な自立を目指すという支援の方向性が示されています。
フリースクールに通うと出席扱いになりますか?
教育機会確保法とは別に、文部科学省の通知に基づく出席扱い制度があり、フリースクールでの活動が一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになります。明光フリースクールにも出席扱いが認められた実績が多数あります。
