学校を休み始めたころ、担任の先生やスクールカウンセラーから「教育支援センター(適応指導教室)に相談してみては」と案内されて、「それはどんな場所?塾?学校の分室?」と戸惑っていませんか。先に全体像をお伝えすると、教育支援センターは市区町村などの教育委員会が運営する公的な居場所で、費用は原則無料。
通った日が在籍校の出席扱いになった子が大多数という、公式データのある場所です。この記事では、教育支援センターの中身と通い方、費用、出席扱いの実際、そして合わなかったときの選択肢まで、文部科学省の調査データをもとに解説します。
自己紹介が遅れました。小幡和輝と申します。学校に行かなかった期間が、僕にはおよそ10年あります。その間はフリースクールで学びました。いまは不登校の専門家として本を書いたり、対面やオンラインのフリースクールを運営しながら、2000人以上の子どもたちに関わっています。
教育支援センターとは。教育委員会が運営する公的な居場所
教育支援センターとは、不登校の子どものために教育委員会などが設置する公的な施設です。以前は「適応指導教室」と呼ばれていて、いまも自治体によっては両方の名前が使われています。単に相談を受けるだけの窓口ではなく、実際に子どもが通う場所で、個別の相談、少人数での活動、教科の学習などを、在籍している学校と連携しながら行います。
名称は自治体ごとにさまざまで、たとえば東京都江東区では「ブリッジスクール」という名前で運営されています。お住まいの自治体名と「教育支援センター」または「適応指導教室」で検索すると、たいてい教育委員会のページが見つかります。
文部科学省の実態調査(令和元年公表)によると、教育支援センターを設置している自治体は全体の約63%、数にして1,142自治体です。裏を返せば約4割の自治体にはまだ無く、設置していない理由は「予算や場所の確保が難しい」が最多でした。お住まいの地域に無い場合の選択肢は、記事の後半で紹介します。
出典: 文部科学省「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果
対象は主に小中学生です。自治体によっては高校生年代を受け入れているところもあります。
通い方と費用。窓口は在籍校か教育委員会
利用までの流れは、おおむね次の4ステップです。
- 在籍校に相談する 担任やスクールカウンセラーに「教育支援センターを利用したい」と伝えます。学校経由が基本ルートの自治体が多いです
- 教育委員会・センターに連絡する 学校に相談しづらいときは、教育委員会の教育相談窓口へ保護者から直接問い合わせできる自治体も多くあります
- 見学・面談・体験をする いきなり通所ではなく、まず保護者面談や見学から始まります。子ども本人が行けなくても、保護者だけの相談から受け付けてくれるところがほとんどです
- 通い方を決めて利用開始 週1日の午前中だけ、といった短い形から始められます。在籍校の学籍はそのままで、転校の手続きは必要ありません
費用は、公的な施設なので利用料は原則無料です。教材費や昼食代などの実費がかかる場合があるため、細かい部分は見学のときに確認してください。民間のフリースクールの月謝と比べて、家計の負担が小さいのは大きな利点です。
どこに相談すればいいか迷う場合は、公的・民間の相談窓口の使い分けをこちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/futoko-sodansaki-doko/
教育支援センターは出席扱いになる?データでは9割以上
不登校の子が学校外の施設で相談・指導を受けた場合、校長の判断で指導要録上の出席扱いにできることが、文部科学省の通知で示されています。教育支援センターは教育委員会が運営する公的施設なので、この扱いがもっとも認められやすい場所のひとつです。
出典: 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
実際のデータもあります。先ほどの文部科学省の実態調査では、公立小学校から教育支援センターに通う小学生約4,000人のうち3,600人以上、中学生約1万6,500人のうち1万5,300人以上が、在籍校で出席扱いの措置を受けていました。割合にするとどちらも9割を超えています。「通っても欠席のまま」になる心配は、教育支援センターに関してはかなり小さいと言えます。
僕自身、フリースクールでの活動が学校の通知簿に反映されているのを見て、初めて自分のやっていることが「サボり」ではないと思えました。出席扱いは欠席日数の計算だけの話ではなく、子どもが「いまの自分の過ごし方を認めてもらえた」と感じられる仕組みでもあります。
フリースクールや自宅学習を出席扱いにする場合の要件は、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/shusseki-atukai/
データで見る、教育支援センターに通った子のその後
「こういう場所に通って、その後はどうなるの」という不安に答えるデータも、同じ調査にあります。中学3年生で教育支援センターに在籍していた子の翌年度の進路は、全日制高校が34.0%、通信制高校が23.8%、各種学校・専門学校が29.7%、定時制高校が6.4%でした。9割前後の子が、何らかの形で次の学びの場に進んでいます。
僕は約10年学校に行きませんでしたが、その間の居場所と学びがあったから、いまの仕事につながっています。教室に戻るかどうかにかかわらず、日中に安心して過ごせる場所と学びの線を切らさないことが、進路の選択肢を守ります。
合わなかったとき、近くにないとき。併用という考え方
教育支援センターは良い仕組みですが、万能ではありません。約4割の自治体には設置されておらず、あっても家から遠い場合があります。また、学校の雰囲気に近い場所だと落ち着かない子、集団の場にまだエネルギーが向かない子もいます。見学して合わなそうなら、無理に通わせる必要はありません。
大事なのは、教育支援センターか他の場所か、どちらかひとつに決めなくていいということです。教育支援センターと対面やオンラインのフリースクールは併用できます。週の中で組み合わせている家庭も実際にあります。フリースクールとの違いと使い分けは、こちらの記事で解説しています。
https://freeschool.meikogijuku.jp/media/tekio-shido-kyoshitsu-chigai/
クラスジャパン小中学園という選択肢
教育支援センターが近くにない、あるいはまだ外に出るエネルギーがない。そんなお子さんの選択肢として、僕たちはオンラインフリースクール「クラスジャパン小中学園」を運営しています。ネットの先生(担任)が伴走し、自宅から自分のペースで学べます。2018年の開校から、これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。
学習面では、生徒一人ひとりにカスタマイズされた最先端のAIサポートがあります。答えをすぐ教えるのではなく、ヒントを出しながら一緒に考えるAIなので、わからない場面でつまずかずに答えまで辿り着けます。学習以外の用途には使えないフィルタリング設定付きで安心です。一定の要件を満たせば在籍校の出席扱いになる点も、教育支援センターと同じように使えます。出席扱い制度は、クラスジャパンが先駆けとなって学校や自治体と一緒につくってきたものです。
クラスジャパン小中学園の詳細はこちら
https://www.cjgakuen.com/
まとめ。まずは「見学できますか」の一本から
教育支援センターは、無料で使えて出席扱いの実績も豊富な、最初に検討する価値のある公的な選択肢です。同時に、無い地域や合わない子もいるので、フリースクールやオンラインとの併用まで含めて、お子さんに合う組み合わせを探してみてください。
今日できる一歩をひとつ提案します。お住まいの自治体名と「教育支援センター」で検索して出てきた窓口に、「保護者だけで見学や相談はできますか」と電話で聞いてみてください。子ども本人を動かす前の、親だけの情報収集から始めて大丈夫です。
完璧な正解を最初から選ぶ必要はありません。迷っている段階の相談こそ歓迎です。ひとりで抱え込む前に、話してみてください。
無料LINE相談はこちら
https://www.obatakazuki.com/lp
よくある質問
教育支援センターの費用はいくらかかりますか?
教育委員会などが運営する公的な施設のため、利用料は原則無料です。教材費や昼食代などの実費が必要な場合があるので、見学や面談のときに確認してください。
教育支援センターに通うと出席扱いになりますか?
校長の判断により、指導要録上の出席扱いにできることが文部科学省の通知で示されています。文部科学省の実態調査では、公立小中学校から通う子の9割以上が実際に出席扱いの措置を受けていました。
教育支援センターとフリースクールは併用できますか?
併用できます。週の中で教育支援センターとフリースクールを組み合わせて通う形も可能です。お住まいの自治体に教育支援センターが無い場合や、外に出るのが難しい時期は、オンラインのフリースクールも選択肢になります。
